権力の象徴「椅子」をめぐる映画、ではなく音楽とワインの映画かも? この映画は結局のところ、と、いきなり結局というのもなんですが、英題(原題も?)が「The Chair」であるにもかかわらず、邦題を「葡萄畑に帰ろう」とせざるを得ないという、そのことがもっともよくこの映画を現しているのだろうと思います。公式サイト / 監督:エルダル・シェンゲラヤThe C...
ダニエル・デイ=ルイスが映画のバランスを崩している 予告編の「男は女の完璧な身体を愛した」や「オートクチュールのドレスが導く禁断の愛の扉が開かれる」のダサい(ペコリ)コピーと奇妙な抑揚のナレーションに妙にハマり、劇場で予告編が流れる度にぐっと笑いをこらえてきた映画を、ついに見てきました(笑)。ダサいと書いてしまいましたが、映画に対して言っているわけではありませんし...
子役ブルックリンさん(ちゃん)の行く末が気になる… こういう映画を見て必ず思うことは、「この子の将来は大丈夫だろうか?」ということです。この子というのは映画の中のムーニーではありません。ムーニーをやっている子役のブルックリン・キンバリー・プリンスさんのことで、こういう映画というのは、家庭環境がむちゃくちゃ悪く、本人も母親のまねをして Fword を連発するわ、中指...
ドキュメンタリー「健さん」の日比遊一監督が撮った初の劇映画 日比遊一監督という方を知らなかったのですが、名古屋出身でニューヨーク在住なんでしょうか、ウィキペディアには「健さん」という高倉健さんのドキュメンタリーを2016年に撮っており、一昨年のモントリオール映画祭で最優秀作品賞を受賞したとあります。劇映画としては、この映画が第一作とのことです。写真家でもあるよう...
あれやこれやこねくり回しているが結局何も内容のない映画 「ブリムストーン」なかなか覚えられないタイトルで、何だったっけ?と何度も調べてしまいます。こういう映画こそいい邦題をつけてほしいものですが、英辞郎ではこんな訳が出ます。brimstone【名】1.〈古〉硫黄2.地獄の業火3.激しい情熱4.〈古〉口やかましい女およそ「地獄の業火」という意味合いの映画です...
だからやめなさいって言ったのに… だからやめなさいって言ったのに…。って、実際誰かに言ったわけでもないのですが、そもそもこういうカルト的(ちょっと言葉が違いますが…)な映画の続編がうまくいった試しはありません。続編としてどうこう以前に映画としてつまらなさすぎます。30分もすれば飽きてしまいます。それにしても「ブレードランナー」って、時代設定が2019年だ...
クリス・クラウス監督、ナチスと性の問題に切り込む 「4分間のピアニスト」のクリス・クラウス監督です。映画ってラストシーンだなあと思い知らされた映画です。今でも予告編を見ただけで感動して涙が出てきます(笑)。日本公開が 2007年でしたのでもう 10年になりますが、クリス・クラウス監督、IMDb を見てみましても、この間 2010年に「Poll」という映画を撮って...
映画はシンプルなのに物語は深い こういう映画を撮ることが出来る長谷井宏紀監督ってどんな人? と公式サイトを見てみましたら、2009年、フィリピンのストリートチルドレンとの出会いから生まれた短編映画『GODOG』では、エミール・クストリッツァ監督が主催するセルビアKustendorf International Film and Music Festival にてグ...
これまた原作には興味を持ちますが、映画はダメでしょう タイトルや予告編で、何これ? 香港か中国のアクションもの? とか思いましたら、何と監督が熊切和嘉さんに主演が綾野剛さん、え? どういう映画? と興味を持ったわけです。そもそも「ぶきょく」ではなく「むこく」と読むんですね。それに原作が藤沢周さん。ほう…と、俄然興味が湧いてきました。監督:熊切和嘉...
これに金熊を与えなかった審査員が信じられない! 「天安門、恋人たち」「スプリング・フィーバー」のロウ・イエ監督、2014年の作品です。なぜこんなに公開が遅くなるのか不思議ですね。一般的にの話ですが、映画祭で評価の高い映画は逆に一般公開が難しいのかもしれません。この映画も2014年のベルリンで銀熊を受賞しています。ただ、芸術貢献賞(Outstanding Artis...
イーサン・ホークの生歌もいけますが、さすが本人のはすごい! イーサン・ホークが、劇中、生歌で「My Funny Valentine」と「I've Never Been In Love Before」を歌っています。Youtubeで本人のものを聞いてみますと、さすがに、あらら…とは思いますが、映画の中では感動もし涙も流れます。Chet Baker - My Fun...
ひとこと、筒井真理子さんを絶賛の映画です。 今年のカンヌ「ある視点」審査員賞を受賞しています。面白いですね。ですが…(は、後で)。深田晃司監督の映画は、「ほとりの朔子」「東京人間喜劇」に続いて三作目です。えらそうな言い方ですが、だんだん映画らしく洗練されてきています。一貫しているのは、人間を撮りたい、描きたいということのようで、この映画ではその意識が相当明確...
この不思議な映画は何だろう?感情の表出が消され、ただただ明るいエイリシュは、アイルランド移民の強き意志の現れか? 随分前に予告を見た時から、まさにフィフティーズというメインスチルが強く印象に残っていたのですが、見るのが公開最終日になってしまいました。1950年代、ひとりアイルランドからアメリカに渡った女性が、新天地での夢や希望と生まれ故郷への郷愁の間で思い悩み、揺...
失われた20年に青春時代をむかえた世代の「憂鬱」、あるいは「絶望」の映画なのでしょう こうしたテーマをこうした手法で表現することに、映画は向いていないですね。こうした、こうしたでは訳がわからないと思いますが、ある種観念的な概念を現実的なものに象徴させたドラマ、簡単にいえば、作り物くさいドラマということです。文字どおり、果子と未来子は、「過去」と「未来」を象徴し...
監督の演出力とチャニング・テイタムとスティーブ・カレル二人の演技力ですね ピーンと張りつめた緊迫感がいいですね。一昨年のカンヌで監督賞を受賞、アカデミー賞では、スティーブ・カレル(ジョン・デュポン役)とマーク・ラファロ(デイブ・シュルツ役)が俳優賞にノミネートされていますが、この映画は、監督の演出力とマーク・シュルツ役のチャニング・テイタムとスティ...
緯度と理屈っぽさは比例する?スペイン映画なら笑ってすますのに… すでにハリウッドでのリメイクも決まっているとのこと、この映画は間違いなくハリウッド向きですね。こんな個的なテーマを、こんな偉そうに上から目線でやられた日にゃ、たまったものじゃありません。その辺、ハリウッドはうまいもので、個人の尊厳を脅かすようなテーマを直接的には描きませんし、ちょっと穿った言い方をす...
女性監督の描くセックスシーンはやたら生々しくエロいような気がするのですが… ふがいない僕は空を見た発売日: 2013/11/26メディア: Prime Video相変わらず、と言っても「百万円と苦虫女」しか見ていないのですが、ステレオタイプな人物や群像でドラマづくりをする監督ですね。「百万円…」では、それが相当鼻についてうんざりしたものですが、この映画は、構成がし...
熱さのない冷めた復讐の連鎖がなんとも虚無的です ブルー・リベンジ [Blu-ray]出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2015/08/19メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (2件) を見る新鮮な感じで面白かったのですが、なんとも表現の難しい映画です。復讐ものですがアクションものではなく、サスペンスであってもドキドキはほとんどなく、そもそも復...
馬車が馬ごと崖から落ちるシーンはどうやって撮ったのでしょう?確かに馬は本物にみえるのですが…CG? 2012年のアカデミー外国語映画賞スペイン代表になった作品です。アルモドバル監督の「私が、生きる肌」をおさえて代表になったとの宣伝文句があったと記憶しており、気にはなっていたのですが、見逃した映画です。ところで、アカデミー外国語映画賞というのはどうい...
マザーコンプレックス下にあったギョームさんの自立の物語?というよりやっぱりママになりたいのだと思う 不機嫌なママにメルシィ!(字幕版)発売日: 2016/10/28メディア: Amazonビデオこの商品を含むブログを見るギョーム・ガリエンヌ監督の自伝的なひとり芝居の映画化とのことです。映画では自分自身とママの二役を演じていますが、ママの方がむちゃくちゃおさまりがよく...