いろいろなものが散りばめられており一筋縄ではいかない 「グッバイ・レーニン!」と聞けば、ああ、あの映画ねと、いくつかのシーンをすぐに思い出すくらい記憶に残るいい映画でしたが、言われてみれば、あれから12年、ヴォルフガング・ベッカー監督の映画は何も公開されていないようです。IMDbを見ても、この間、オムニバスなどのショート3本がクレジットされているだけです。次作の...
富田克也監督がオザワ役で出演しています 「国道20号線」「サウダーヂ」と見てきて、富田克也監督ってどんな人?と思っていたのですが、この映画でわかりました(笑)。出ていました。それも主役で。俳優でいけるんじゃないの。監督:富田克也バンコク。日本人専門の「人魚」でNO.1のラックは出稼ぎに出て5年が経った。ラックの支える大家族は、メコン川のほとりノンカー...
恋に悩む男女におすすめ、大人になるために。 「恋人たちの失われた革命」以降ですのでごく最近のものしか見ていませんが、フィリップ・ガレル監督、一貫して男女の関係を撮っている印象です。モノクロへの思いも強いのでしょうか、この「パリ、恋人たちの影」もそうですが、「恋人たちの失われた革命」「ジェラシー」「愛の残像」がそうでした。それに、極めてシンプルに、余計なものは一切...
これに金熊を与えなかった審査員が信じられない! 「天安門、恋人たち」「スプリング・フィーバー」のロウ・イエ監督、2014年の作品です。なぜこんなに公開が遅くなるのか不思議ですね。一般的にの話ですが、映画祭で評価の高い映画は逆に一般公開が難しいのかもしれません。この映画も2014年のベルリンで銀熊を受賞しています。ただ、芸術貢献賞(Outstanding Artis...
俳優の素晴らしさと丁寧な描写がひかります ヨアキム・トリアー監督、ラース・フォン・トリアー監督の甥だそうです。ただ、監督紹介ではデンマークではなくノルウェー人となっています。それにしても「ラース・フォン・トリアーの遺伝子を受け継ぐ」なんてのは、宣伝文句とはいえ、ちょっとばかりいただけません。長編三作目だそうですが、才能が感じられます。こうした丁寧な人物描写が求め...
第二次大戦のちょっと違った視点ものだけど、意図的にタイトルにヒトラーを入れるのはやめて! マーチン・サントフリート監督が「本作で描かれているのは、デンマーク人のほとんどが目を背けてきて知られていない史実です。」と語っているように、少年兵であったかどうかは分かりませんが、捕虜のドイツ兵に地雷除去をさせたのは事実のようです。多分、ジュネーブ条約違反ですね。「俘虜の待...
エレン・ペイジのアップになるたびに涙が流れて…。もちろんジュリアン・ムーアもいいのですが。 あ~、最初から最後まで涙が止まりませんでした。1リットルくらい出たかもしれません(笑)。ただ、単純に感動というわけではなく、とにかく細かいところでうまいんですよ。監督も、俳優も、もちろんジュリアン・ムーアもそうなんですが、ステイシーをやっているエレン・ペイジ、無茶苦茶いいで...
イーサン・ホークの生歌もいけますが、さすが本人のはすごい! イーサン・ホークが、劇中、生歌で「My Funny Valentine」と「I've Never Been In Love Before」を歌っています。Youtubeで本人のものを聞いてみますと、さすがに、あらら…とは思いますが、映画の中では感動もし涙も流れます。Chet Baker - My Fun...
ローリー・アンダーソン、愛と死を語るという感じ 現在では、パフォーマンスという言葉は、ほぼ正しい意味あい、能力や出来栄えや公演といった意味で使いますが、70年代、80年代には、パフォーマンスアートのことを指していたと思います。ローリー・アンダーソンは、その時代の代表格ではないかと思いますが、その音楽を初めて聞いた時は結構インパクトがありました。多分、CDではなく...
ひとこと、筒井真理子さんを絶賛の映画です。 今年のカンヌ「ある視点」審査員賞を受賞しています。面白いですね。ですが…(は、後で)。深田晃司監督の映画は、「ほとりの朔子」「東京人間喜劇」に続いて三作目です。えらそうな言い方ですが、だんだん映画らしく洗練されてきています。一貫しているのは、人間を撮りたい、描きたいということのようで、この映画ではその意識が相当明確...
これは映画ではなく、抽象画の絵画展、あるいは写真展を見てまわる感じです。 事前情報を全く入れずに見に行きましたら、全くわからない映画でした。幾度も落ちそうになったのですが、いつかきっと引き込まれるところが来るに違いないと頑張って何とか最後までたどり着いたものの、結局、全くわからない、と言いますか、感じるところがなく終わってしまいました。山形国際ドキュメンタ...
ヒップホップ、バイオリン演奏、バレエ、アイリッシュダンス、各種混合パフォーマンスバトルがカッコいい! パフォーマンスバトルもの、とでも言えばいいのでしょうか、ヒップホップダンスのバトル、バイオリン演奏のバトル、そしてラストは、やや「バトル」という言葉とはニュアンスが異なり、弦楽器&ダンスのコンペティションではありますが、そうしたバトルシーンが見どころの映画です。...
この不思議な映画は何だろう?感情の表出が消され、ただただ明るいエイリシュは、アイルランド移民の強き意志の現れか? 随分前に予告を見た時から、まさにフィフティーズというメインスチルが強く印象に残っていたのですが、見るのが公開最終日になってしまいました。1950年代、ひとりアイルランドからアメリカに渡った女性が、新天地での夢や希望と生まれ故郷への郷愁の間で思い悩み、揺...
原作ファンも漫画読まずの映画ファンも楽しめます。突っ込みどころ満載!「るろうに剣心」はフロックだった? 大友啓史監督といえば、あの「るろうに剣心」の監督ではないですか!と、DVD でしか見ていないのですが思いの外良い印象でしたので、一度劇場で見てみようと出掛けました。「シン・ゴジラ」に続いて、メジャー系の日本映画を連続鑑賞です。サスペンスものとのことで、多少は事...
失われた20年に青春時代をむかえた世代の「憂鬱」、あるいは「絶望」の映画なのでしょう こうしたテーマをこうした手法で表現することに、映画は向いていないですね。こうした、こうしたでは訳がわからないと思いますが、ある種観念的な概念を現実的なものに象徴させたドラマ、簡単にいえば、作り物くさいドラマということです。文字どおり、果子と未来子は、「過去」と「未来」を象徴し...
10年の時間が感じられず、なぜこの事件が今突然起きる?と不思議でならない 乱暴な映画だと思います。10年前に両親を亡くし、祖母と叔父の家で、自由にのびのびと育てられてきた(としか見えない)5人姉妹が、学校の帰りに海辺で男子生徒たちと肩車をしたりして水遊びしたことが不純行為と咎められ、その日から突然(としか見えない)、祖母と叔父によって、幽閉状態のような環境に置かれ...
真ん中辺りで一気にテイストを変えようとした洒落た真似(笑)に大いに期待するが、その後ややもの足らず タイトルもよく分からないですし、特に興味があったわけでもないのですが、何となく見に行きました。知っている俳優さんは濱田岳さんくらいで、その印象もゆるい系、癒し系といったところですので、ああ、こういうコミカルなほんわか系の映画なのねと、中学生の告りドラマを見るような...
こういう映画が楽しめないと映画ファンとはいえないのかも…。とは言っても何が面白いのやら…。 書き始めてはみたものの、何か書けるほど、いや、書いていいほど、ちゃんと見ていません。と言いますのは、花粉症と言っていいのか、鼻炎と言うべきなのか、毎年梅雨入りあたりまで、くしゃみや鼻づまりに悩まされ、その日、あまりの酷さに薬を飲んで映画館へ出掛けました。あいにく前日にネット...
毎食ワインとパンとサラダのような、考えてみれば結構シュールな、美しき構図の映画でした。 最近は、リバイバル上映やデジタルリマスター版の上映が結構多くなっていますね。あまり客の入らない映画の買い付けが難しくなっているのか、観客の二分化が進んでいるのか、何が起きているんでしょう?この「放浪の画家ピロスマニ」も、ギオルギ・シェンゲラヤ監督1969年の作品です。映画.c...
監督の演出力とチャニング・テイタムとスティーブ・カレル二人の演技力ですね ピーンと張りつめた緊迫感がいいですね。一昨年のカンヌで監督賞を受賞、アカデミー賞では、スティーブ・カレル(ジョン・デュポン役)とマーク・ラファロ(デイブ・シュルツ役)が俳優賞にノミネートされていますが、この映画は、監督の演出力とマーク・シュルツ役のチャニング・テイタムとスティ...