記者たち 衝撃と畏怖の真実

2019.04.03

か行,

今の日本を顧みるための映画ブッシュ政権が2003年3月20日に始めた違法なイラク戦争、アメリカの大手メディアがこぞって戦争を支持していた時、ただ一社ナイト・リッダーだけがブッシュの嘘を暴こうとしていたという based on a true story の映画です。主要な登場人物である下の画像の四人、皆実在の人物ですし、現実のニュース映像も頻繁に使われています。...

喜望峰の風に乗せて

2019.01.16

か行,

これはもったいない映画だ…、如何ようにも描けるのに。こんな映画だったのかい!? 邦題から感じる印象とは真逆の映画でした。喜望峰の風に乗せて / 監督:ジェームズ・マーシュ配給の狙いをどうこう言っても始まりませんのでどうでもいいのですが(笑)、成功物語かと思って見ていましたら、なんと挫折物語でした。それも究極の挫折でした。実話がベースとのことで、時...

きみの鳥はうたえる

2018.10.01

か行,

映画としてはまとまっているが、佐藤泰志っぽさが消えてしまったえ? こんなラストだった? と、原作を読み直してみましたら、やっぱり全く違っていました。佐藤泰志さんの『きみの鳥はうたえる』の映画化です。「海炭市叙景」「そこのみにて光り輝く」「オーバー・フェンス」に続いて4本目ですが、佐藤泰志さんの小説は、映画向きの話にみえて、なかなか難しそうですね。 公式サイ...

菊とギロチン

2018.08.13

か行,

シナリオと編集に難あり…瀬々敬久監督の自主企画とか構想30年などという言葉がありましたので、どういうことなんだろうとググっていましたら、クラウドファンディングで資金を募っていた記事がありました。やるなら今しかない! 7月7日公開 瀬々敬久監督入魂の『菊とギロチン』上映支援プロジェクト - クラウドファンディングのMotionGalleryプロデューサーの坂口一...

君が君で君だ

2018.07.17

おすすめ映画, か行,

仮想空間で繰り広げられる狂気の恋愛ゲーム愛は狂気だ、って映画です。ただ、時代の空気からなのか、この手の話をストレートにやるのは憚れるのでしょう、その狂気はギャグで包まれ、オチにしても、迷いなのか、ごまかしなのか、いくつものパターンで終えています。とは言え、少なくとも、映画や演劇は、まだ狂気を表現できる、また、表現してもいいものだと再認識させてくれている点におい...

君の名前で僕を呼んで

2018.04.27

か行,

というほどのネタはなく、ボーイズラブ的美しさの映画かと思う随分前から予告編をやっていたんじゃないでしょうか、すでに見た映画のような印象です。それにしてもこの(チラシやサイトの)ブルー、合成でしょうが、Windows Blue のようなブルーで、印象深いですね。ふたりの気持ちの深さのブルーなんでしょうか。監督は、「ミラノ、愛に生きる」「胸騒ぎのシチリア」のルカ・...

希望のかなた

2018.01.07

か行,

希望とは反対側にある現実ということ「ル・アーヴルの靴みがき」以来のアキ・カウリスマキ監督です。映画って、何々三部作というくくり方をする場合が多く、この「希望のかなた」も「ル・アーヴルの靴みがき」と共に「港町三部作」あらため「難民三部作」と呼ばれて(呼んで?)いるそうです。本人の言葉かどうか定かではありませんが、「難民」をテーマにもう一作撮るということでしょうか...

ギフテッド gifted

2017.11.24

か行,

マッケナ・グレイスちゃん11歳の演技につきるかなこの映画、内容は推して知るべしで、メアリー役のマッケナ・グレイスちゃん11歳の演技につきるってとこですかね。ネットの画像ではもう少し大人っぽいものや前歯も揃っています(映画では前歯がない)ので、映画の撮影時は年齢も一桁だったかも知れません。子役で成功すると(普通の)大人になっていくのがなかなか難しそうですので、そ...

きっと、いい日が待っている

2017.09.07

か行,

50年前、デンマークの話であっても、今の日本に思いを馳せる何だか嫌な映画ですね…、といっても、嫌でも直視しなくてはいけないという意味の嫌ですので誤解なきよう。1967年頃、今から50年くらい前ですね、デンマークはコペンハーゲンの養護施設で実際にあった話をもとに作られた映画だそうです。何が嫌かって、子どもたちへのあらゆる暴力、肉体的暴力、精神的暴力、そして性的暴...

君はひとりじゃない

2017.07.30

か行,

ある意味、今の日本が抱える病理をあぶり出す「Body/Cialo」一昨年2015年ベルリンの銀熊監督賞受賞作がひっそり(?)と公開されています。ひっそりと言うのもなんですが、あまり注目されているようにも見えません。でも、こういう映画がなくなって(見られなくなって)しまうというのも悲しいことで、それこそ、いま日本のメジャーで公開されている「作られたドラマ」、アニメ...

君の名は。

2016.11.03

か行,

アニメ初心者によるつまらない考察劇場でのアニメ映画鑑賞デビューです。自分でも何を思ったか不明なまま「君の名は。」を見てしまいました(笑)。これまで見たアニメは、「エヴァンゲリオン」の TV版すべてと映画版の1作くらい(はっきりした記憶がないので…)と、訳あって見た「魔法少女まどか☆マギカ」、すべて DVD ですが、それくらいですね。ですので、画がきれいだとか...

奇蹟がくれた数式

2016.10.24

か行,

あまりにも内容がなくビックリ!ケンブリッジ大学のハーディ教授役のジェレミー・アイアンズさん、先日「ある天文学者の恋文」を見たばかりです。こういう知的な役が似合う俳優さんなんですね。一方のデヴ・パテルさんは「マリーゴールドホテルで会いましょう」以来です。監督:マシュー・ブラウン1914年、ケンブリッジ大学のハーディ教授は、植民地のインドから届いた1通...

奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ/マリー=カスティーユ・マンシオン=シャール監督

2016.08.18

か行,

ホロコースト生還者レオン・ズィゲルさんの語りには強い力が感じられます。一部カットされていたのが残念。落ちこぼれの子どもたちが、先生の熱意によって何かを見出し変わっていくという物語は結構ありがちです。とはいえ、いつも感動して涙してしまいます。それに、実話ものが多いですね。この映画も、マリック役で出演しているアハメッド・ドゥラメさんの体験がベースになっているとのこと...

君がくれたグッドライフ/クリスティアン・チューベルト監督

2016.07.21

か行,

感動ものかと思いましたら、意外とそうでもなく、ただ淡々と物語が進行する映画でした「尊厳死」をテーマにした映画というのは、考えてみれば、結構多いですね。見たもので、今ふっと思い出すもので言えば、「海を飛ぶ夢」「みなさん、さようなら」「母の身終い」、介助する側にテーマがあるもので言えば、「或る終焉」、その記事の中で紹介した「グッド・ハーブ」などなど、ググれば、「ミ...

キャロル/トット・ヘインズ監督

2016.02.22

おすすめ映画, か行,

ルーニー・マーラの魅力にやられてしまいました。古き良き映画の時代を感じさせる演出も適度で心地良いです。あまり興味のないアカデミー賞も、この映画のルーニー・マーラがノミネートされているとのことで、一気に興味が湧いてしまいました。ぜひ受賞して欲しいですね。それくらい良かったのですが、実はこれまであまり印象はなく、「ソーシャル・ネットワーク」では映画の主題とはちょっと...

禁じられた歌声/アブデラマン・シサコ監督

2016.01.26

か行,

この映画に、我々がメディアを通して知る「イスラム国」を重ね合わせるのはどうなんだろう?と思うこの映画、昨年のフランス映画祭で上映されているようですが、このフランス映画祭というのは、ほとんどの作品が劇場公開されますね。逆ですかね? すでに配給のついている映画を集めているとか?まあ良い映画が多いのでどちらでもいいんですが、この「禁じられた歌声」は、セザール賞の最優...

消えた声が、その名を呼ぶ/ファティ・アキン監督

2016.01.20

か行,

これは愛、死、悪に関する三部作の最終章ではない。撮り直してとお願いしたい。ファティ・アキン監督、「愛より強く」から「ソウル・キッチン」までは続けざまに撮っていた印象があったのですが、ドキュメンタリーを一本撮っているとはいえ、この作品までには随分間があいています。それにわざわざ「愛、死、悪」の三部作と(多分本人が)位置づけての完結編とくれば、「愛より強く」も「そし...

岸辺の旅/黒沢清監督

2015.10.23

か行,

深津絵里さんの良さで持っているような映画ですね。やたら大層な音楽が良いのやら悪いのやら…黒沢清監督の作品を見るのは「トウキョウソナタ」以来でしょうか。この映画、カンヌの「ある視点」部門で監督賞を受賞していますが、見ての印象は、むしろ深津絵里さんに女優賞をあげたほうがいいような映画ですね。3年間、失踪していた夫が突然帰ってきた。だが、夫は「俺、死んだよ」と妻...

共犯/チャン・ロンジー監督

2015.08.13

か行,

学園生活の「陰」を描きながら、浮かび上がってくるのは「友情」というポジティブな人間関係あの感動的な「光にふれる」のチャン・ロンジー監督の新作です。今回も、と感動ものを期待したわけではないのですが、多少戸惑いを感じるくらい雰囲気の違う映画でした。サスペンス&ミステリー学園青春ものという感じで、ふっと「桐島、部活やめるってよ」を思い出したりもしましたが、あらためて考え...

恐怖分子/エドワード・ヤン監督

2015.05.15

か行,

無機質な映像感覚や希薄な人間関係の際立たせ方や時間軸を狂わせたり複数の物語を交錯させる編集などなど恐怖分子 デジタルリマスター版 [Blu-ray]出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)発売日: 2015/11/03メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (3件) を見るエドワード・ヤン監督、初めて見ました。1986年の作品ですか…。その時代...