恋する遊園地

2021.01.19

か行,

エッフェル塔と結婚した実在の女性がモデルの映画監督のゾーイ・ウィットックさんが、エッフェル塔と恋に落ちて結婚したアメリカ人女性がいるとの新聞記事を読んだことがこの映画製作の始まりだそうです。恋する遊園地 / 監督:ゾーイ・ウィットックエッフェル塔と結婚したエリカ・エッフェル対物性愛ファンタジーでもなくコメディでもなくホラーでもない ネタバ...

この世界に残されて

2021.01.14

おすすめ映画, か行,

ホロコースト サバイバーの医師と少女、そして男と女昨年2020年のアカデミー賞国際長編映画賞のショートリストに選出されたハンガリー映画です。結局ノミネートされなかったということで残念ですが、逆に言えばアカデミー好みじゃないいい映画ということでしょう(笑)。この世界に残されて / 監督:バルナバーシュ・トートアカデミー賞国際長編映画賞のショートリスト...

荒野にて

2020.09.25

おすすめ映画, か行,

居場所を求めて2000km、少年と馬の放浪の旅劇場公開時に見ようかどうしようかと迷った映画です。宣伝チラシの印象から少年と馬の交流を描いたほのぼの系のヒューマンドラマだと思い込んでしまったことと前作の「さざなみ(2015)」が映画としてさほどよく思えなかったことからです。ところがDVDで見てみましたら、ほのぼの感は一切なく少年チャーリーの激烈な人生そのものでし...

この世の果て、数多の終焉

2020.08.24

か行,

フランス版地獄の黙示録なのだが…この映画は、ギヨーム・ニクルー監督のユニークな発想でつくられたものなのか、あるいは単に映画づくりが下手なだけなのか(ペコリ)よくわからないところがあります。日付を追って時間経過を示しながら物語として変化させられない構成、ぶっきらぼうな編集、戦場シーンに不釣り合いな音楽、そしてファーストシーンとラストシーンの意図不明な関連性、どれも...

コリーニ事件

2020.06.22

か行,

不都合な過去、負の記憶に目をつむってはいけないドイツ映画の法廷ドラマで「ドイツ史上最大の司法スキャンダル」とか「ドイツ国民誰もが知りたくなかった真実」という言葉で語られるとすれば、その真実が何かはおおよそ見当がつきます。コリーニ事件 / 監督:マルコ・クロイツパイントナーやはり予想通り、殺人事件の背後にはナチスによる戦争犯罪があったわけですが、ただ映...

コロンバス

2020.03.31

か行,

主役はモダニズム建築? ジンとケイシー?「モダニズム建築の街コロンバス」を背景に、二人の男女がそれぞれの人生におけるひとつの決断をくだすまでの姿が描かれていく映画です。コロンバス / 監督:コゴナダそもそも「モダニズム建築の街コロンバス」という街を知りませんでしたのでいろいろググってみたんですが、まずアメリカにはコロンバスという街が5ヶ所もあるんです...

コンプリシティ 優しい共犯

2020.01.30

か行,

日本映画には珍しい(?)センスの良さが光るこういう映画を撮れる監督が日本にもいるというのはうれしいですね。こういうというのは、現実社会に積極的に関わろうとし、それをきっちりドラマと仕上げることができ、そしてなにをおいてもセンスがいいという映画です。もちろん他にいないというわけではありませんが、日本映画でこういう外に開かれた映画は少ないとは思います。社会全体が内...

ゴールデン・リバー

2019.07.09

か行,

西部劇がヒューマンドラマに変わる時ジャック・オーディアール(オディアール)監督が西部劇? という感触を持っていたのですが、見てみれば、確かに、なるほどとも思える一風変わった西部劇でした。ゴールデン・リバー / 監督:ジャック・オーディアールオーディアール監督は、ハリウッドで撮るのも、英語で撮るのも初めてとのことですが、経緯は、この映画の主演でもあるジ...

コレット

2019.05.23

おすすめ映画, か行,

キーラ・ナイトレイの演技とやさしい演出でよき人コレットにシドニー=ガブリエル・コレットさんの半生を描いた映画です。ウィキペディアによりますと、1873年生まれ、1893年(20歳くらい)に結婚し、1906年(33歳くらい)に離婚とありますので、その間の13年間くらいが描かれていることになります。コレット / 監督:ウォッシュ・ウェストモアランド公式サイ...

コンフィデンスマンJP

2019.05.18

か行,

100%騙されて、ああ今日も騙されたとしあわせな気持ちで帰路につくメラニー・ロラン監督の「ガルヴェストン」を見る予定が急遽変更、「コンフィデンスマンJP」を見ることになりました。理由はいたって簡単、ちょっとした時間の行き違いです(笑)。朝のテレビで長澤まさみさんを見たことも理由のひとつです。番宣も有効との事例ですね。以下、しょうもないことしか書いていません。...

幸福なラザロ

2019.05.01

か行,

聖人を思わせるラズロの澄んだ瞳があっての映画この映画、しばらく前に見たのですが、なんとなく書くポイントが定まらずそのままになっていました。前作の「夏をゆく人々」に比べれば、この「幸福なラザロ」はかなり明快なんですが、それでも、なんと言うのでしょう、これは決して批判的に言うのではなく、映画がぼんやりしている感じがします。幸福なラザロ / 監督:アリーチェ・ロ...

ごっこ

2018.11.03

か行,

これ、疑似父娘(ごっこ)じゃなくてマジ父娘でしょうこれ、映画になっていますかね?映画とは何かなどと大仰に構えて語るつもりもありませんが、これ、事前に何も知らず、まっさらな状態で見たら何やってんだか全くわかりませんよね。公式サイト / 監督:熊澤尚人城宮(千原ジュニア)は、ニートで引きこもりなのに、BB弾を打ち込む子供たちに、ああやって毎回怒鳴っているん...

告白小説、その結末

2018.06.24

か行,

その結末なしのサスペンスは原作者の実体験かも…オチなしのサスペンス映画でした(笑)。言い方を変えれば、私の妄想を聞いてくれてありがとう、みたいなことですかね。公式サイト / 監督:ロマン・ポランスキーある人気作家がいて、書けないスランプに陥って悶々としているところへ、ひとりの女性が現れ、かなり強引に近づいてきます。女性は、ELLEと名乗り、ゴーストライ...

心と体と

2018.04.21

か行,

おお、見応え充分のシリアス系…と、終わってみればラブコメ系!?ハンガリーの映画です。昨年2017年のベルリンで金熊を受賞しています。全く知らない監督ですので公式サイトの紹介を見てみましたら、1989年にデビュー作の「私の20世紀」という映画でカンヌのカメラドールを受賞し、その後数本をヴェネチアやロカルノに出品していますが、この映画は1999年以来18年ぶりの長編...

恋する都市 5つの物語

2018.04.17

か行,

若手中国人監督5人によるオムニバス映画。ウォン・カーウァイを思わせる映画もあり…若手中国人監督5人によるオムニバス映画です。プラハ、上海、パリ、小樽、フィレンツェの5都市を舞台にして、それぞれ男女の様々なラブストーリー(的交流)を描いています。基本的には5つの物語に関連性はないのですが、エンドロールでそれらをうまい具合に結びつけてひとつの映画としての余韻をもた...

恋とボルバキア

2018.01.26

か行,

井上魅夜さん(すず)を見に行ってきた日本のドキュメンタリーはあまり見ないのですが、井上魅夜さんという、以前読んで感動した「化粧男子 男と女、人生を2倍楽しむ方法」の著者が出ているということで見に行きました。初日の1月20日には舞台挨拶にみえていたんですね。知りませんでした。え? 井上魅夜さんって、今、名古屋でお店やってるんですか?若衆bar やまと男ノ娘 ...

婚約者の友人

2017.10.27

か行,

フランソワ・オゾン監督の「愛」と「死」これ、映画のつくりとしてはかなり完成度高いです。(ただ…)物語の展開のスピード感とスムーズさ、モノクロとカラーを織り交ぜた画の美しさ、俳優の存在感、それらがうまく絡み合って、見るものを最後まで引っ張っていく力が生まれています。俳優では、下の画像にもありますパウラ・ベーアさん、演技はもちろんですが、アール・デコ風のドレスや帽...

午後8時の訪問者

2017.04.20

おすすめ映画, か行,

ダルデンヌ兄弟、相変わらず隙がなく完璧!ダルデンヌ兄弟監督の映画は、どの作品も全く隙がありません。多くの場合、映画を見ていますと、え、そこで切るの?とか、もうちょっと見せてよとか、(カットが)長いなあとか、何かしら気になることはあるのですが、この監督の作品ではそうした気持ちを感じた記憶がありません。「ロゼッタ」以降、オムニバス以外は全て見ていますし、いつも公開...

ゴースト・イン・ザ・シェル

2017.04.15

か行,

ブレード・ランナー(だけではないのだろうけど)のパクリとしか思えないのだが…常々、押井守監督の「攻殻機動隊」は一度見てみたいと思っているのですが、レンタル屋へ行っても、たまたま思い出して借りようとした時にはレンタル中といった具合で、未だ手にすることもなく、どんな物語なのかも知りません。それなのに、いきなり実写版「ゴースト・イン・ザ・シェル」から入ってしまいました...

こころに剣士を

2016.12.31

か行,

大国に翻弄される小国エストニアの悲劇が根だけれども、それを抑えて静かに感動物語2016年、最後の映画は静かなる感動物語でした。戦争はいろんな悲劇を生みますが、この映画は、第二次大戦中はドイツ占領下であったためにドイツ軍として戦い、終戦後はソ連に併合されたために、今度は追われる身となったエストニア人のフェンシング選手の話です。実話ベースの映画とのことです。...