女性への性差別、抑圧を視覚化するニナ・メンケス… 今回が日本初公開となる1986年の映画です。「ニナ・メンケスの世界」という企画で3作が上映されており、他に1991年の「クイーン・オブ・ダイヤモンド」、そして2022年の「ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー」が公開されています。マグダレーナ・ヴィラガ / 監督:ニナ・メン...
松井玲奈さんを撮ることを目的にした映画のようだ… いい映画を見落としていないかと DVD のレンタルリストを見ていて、そう言えば「よだかの片想い」では松井玲奈さんの印象がとても良かったなあと思い出し見てみました。製作年はともに2021年となっていますが公開はこちらのほうが先です。幕が下りたら会いましょう / 監督:前田聖来...
悲運な男の逃避行妄想ものだったりして… 日本語には「ガンをつける」という言葉があり、それによって喧嘩になったり、ときに死人が出たりすることもあるわけですが、この映画のヴィンセントの眼は結構やさしいですし、決してガンを飛ばしたりはしていません。でも、なぜか襲われちゃうんですね(笑)。またヴィンセントは襲われる / 監督:ステファン・...
カルロス・ベルムト監督の恐ろしい才能と、そして恐ろしい結末と… 前々作「マジカル・ガール」のレビューの冒頭に「これだけ作り手の才能が感じられる映画はめずらしい」と書いたカルロス・ベルムト監督です。んー、なんと言っていいか、かなり難しい映画です。でも、やはり才能は間違いないです。マンティコア 怪物 / 監督:カルロス・ベルム...
ニカラグア映画、貧困、児童労働への怒りというよりも母娘の物語… ニカラグアの映画です。監督もニカラグア出身のローラ・バウマイスター監督、1983年生れとありますので40歳くらいの方です。10年ほど前から数本の短編を撮っておりこの映画が初の長編です。2022年9月のトロント国際映画祭でプレミア上映されています。マリア 怒りの娘 / ...
レナード・バーンスタインの夫婦愛とバイセクシュアル… ブラッドリー・クーパー監督主演によるレナード・バーンスタインの伝記映画です。と言っても映画全体としては音楽面での伝記ではなく、妻フェリシアとの愛憎の伝記ドラマです。音楽面では1ヶ所、1973年にバーンスタインがイギリスのイーリー大聖堂でロンドン交響楽団を指揮して演奏したマーラーの「復活」の一部が...
中川龍太郎監督、EXILE HIRO企画をウォン・カーウァイ風映像で遊ぶ… 劇場公開日の数日前に中川龍太郎監督の映画ということだけでポチッとしておいたこの映画、見る少し前にどんな映画だろうと公式サイト見てびっくり! 企画プロデュースに EXILE HIRO氏の名前が出ていました。中川龍太郎監督の映画を何本か見てきた者としては、え? どういうこと? ...
青春とは所詮ダラダラしたものではあるが… 今週公開された映画をなにか見ようと思い消去法でポチッとしてしまった映画です。まなみ100% / 監督:川北ゆめきこれが今どきの100%?この映画を撮った人、また、この映画を見て感情移入できる人が「卒業」なんて映画を見たら、きっとベンジャミンはあぶない人に見えるのでしょう。...
マッドになりきれないハイジ、パロディにもならずにパクリで終わる… タイトルからしてバリバリのB級ねらいです。こういうセンスの映画には意外と掘り出し物があったりします。が…。マッド・ハイジ / 監督:ヨハネス・ハートマン、サンドロ・クロプシュタインもの足りな~い…もの足りな~い、のひとことですね。チー...
概念と表層で戯れる… 「ミヒャエル・ハネケ監督に師事したC.B. Yi監督」の宣伝文句でポチッです。若い監督かと思いましたら、意外にも1976年生まれの47歳の監督です。映画は2021年の製作でその年のカンヌ国際映画祭ある視点部門で上映されています。「母の聖戦」「アフター・ヤン」「母へ捧げる僕たちのアリア」「LAMB ラム」「ONODA 一万夜を越えて」が...
チャニング・テイタムとKylie Sheaのデュエットは見応えあるが… 久しぶりのスティーブン・ソダーバーグ監督です。「コンテイジョン」以来ですので12年ぶりに見ました。ですので、この「マジック・マイク」がシリーズものであり、また、この映画が三作目であることも今回知ったわけです。過去二作ともに興行成績もかなりよく人気シリーズみたいです。...
原作漫画を絵コンテにそのまま撮ったようだ 平庫ワカ著『マイ・ブロークン・マリコ』という漫画が原作です。タナダユキ監督、向井康介脚本ということで見てみました。マイ・ブロークン・マリコ / 監督:タナダユキ原作を絵コンテにした映画原作の試し読みがあり、シイノトモヨ(シイちゃん)がマリコの遺骨を盗んで窓から飛び出すところまで...
プラハの春の時代の宗教物語、あるいは脱宗教か? 1967年製作のチェコスロバキア(現在はチェコ共和国)の映画です。監督はフランチシェク・ヴラーチルさんという方で1999年に75歳(くらい)で亡くなっています。日本初公開とのことですが、なぜ今この映画か、発掘してきた方に聞いてみたいですね。と思ったんですが、IMDbを見ましたら、2000年代に入ってか...
サリンジャーと過ごしたジョアンナ・ラコフさんの日々 作家になることを目指す20代の女性がニューヨークの老舗出版エージェンシーのカリスマ上司の元で日々奮闘して成長していくという物語です。ジョアンナ・ラコフさんの自叙伝『サリンジャーと過ごした日々』が原作です。文学とファッションと業界は違いますが、「プラダを着た悪魔」もローレン・ワイズバーガーさんの体験...
難民問題というよりも17歳サーリャの絶望の物語 日本で2020年に難民と認められたのは、難民申請した3,936人のうちわずか47人です(出入国在留管理庁2021/3/31発表による)。クルド人の家族、父親と子どもたち3人の物語です。父親は難民申請をしていますが不認定となり在留資格(言葉の使い方は正確ではない)を失います。子どもたちは日本で育ち、さら...
深層なき愛憎うずまく青春音楽物語かな 塩田明彦監督の映画を初めて見ました。すごいですね。先が読めないですし、その先はと言えばとんでもないことのほうが多いのですが、ああ、こういうこともあるかもしれないなあと妙に納得がいきます。青春音楽映画のようにもみえますが、「青春」にも「音楽」にも甘えていないところがいいです。麻希のいる世界 / ...
残念、佐藤健、阿部寛の共演生かされず このところ続けざまに日本映画の社会派ドラマ(と言われる映画)を見ていますので、それが自ら望んだものであるとはいえ、やや食傷気味のところへ、さらにこの「護られなかった者たちへ」です(笑)。ただ、佐藤健さんと阿部寛さんの共演ということで俳優力で見せる映画だろうと期待は大なのですが、さて…護られなかった者たちへ / 監督:瀬...
誰も傷つかいない閉じた世界の恋愛ファンタジー この人たちの頭の中には恋愛しかないのか?(笑)という映画です(ペコリ)。全編いわゆる恋バナの映画です。街の上で / 監督:今泉力哉誰も傷つかない(漫画的)恋愛ファンタジーネタバレあらすじとちょいツッコミ恋バナだけでは先がなくはないか…誰も傷つかない(漫画的)恋愛ファンタジー今泉力哉監督の映画、...
300歳の恋バナ映画 年をとっても恋をすれば人生楽しいよ、という映画です。ただし、この俳優集めてこの映画か…と悲しくなったりもします(涙)。また、あなたとブッククラブで / 監督:ビル・ホールダーマン見どころは豪華俳優陣(だけ?)ネタバレあらすじとちょいツッコミダイアン(ダイアン・キートン)ビビアン(ジェーン・フォンダ)シャロン(キャンディ...
「わたしはロランス」のグザヴィエ・ドランが帰ってきた! グザヴィエ・ドランが帰ってきた! という映画です。 帰ってきたというのは自分のやりたいことを思う存分やっているという意味で、映画のつくりは「わたしはロランス」に近いものがあります。実際、製作、監督、脚本、編集、衣装、モンタージュを自らやっており、その上出演までしています。マティアス&マキシム / 監督...