ノスタルジックなフロンティア精神がアメリカのアイデンティティを刺激する 韓国系移民2世のリー・アイザック・チョン監督の自伝的な映画とのことです。ですので映画の中のデビッドが監督の幼い頃であり、映画の内容も監督の記憶やそこから広がった創作ということになるのでしょう。ミナリ / 監督:リー・アイザック・チョンアカデミー賞6部門ノミネートネタバレあらすじ...
映画に隙きはないが味わいも薄い 天野千尋監督の映画は短編を2本見ているだけですが、映画づくりがうまくて隙がない印象です。この映画もその印象どおりでした。ミセス・ノイズィ / 監督:天野千尋映画に隙きはない…が、ネタバレあらすじとちょいツッコミ(なし)説明的で味わいがない映画に隙きはない…が、基本は三幕構成的であり、オチもきっちりついていま...
300歳の恋バナ映画 年をとっても恋をすれば人生楽しいよ、という映画です。ただし、この俳優集めてこの映画か…と悲しくなったりもします(涙)。また、あなたとブッククラブで / 監督:ビル・ホールダーマン見どころは豪華俳優陣(だけ?)ネタバレあらすじとちょいツッコミダイアン(ダイアン・キートン)ビビアン(ジェーン・フォンダ)シャロン(キャンディ...
オルフェウスとヴィヴァルディの夏とつかの間の愛 日本語タイトルの「肖」が反転してありますね。ちょっとばかりあざといのではと思いますが、まあ「振り返る」がキーワードでもありますし、鏡に姿を写すシーンもかなり多いですのでそこからなんでしょう。燃ゆる女の肖像 / 監督:セリーヌ・シアマアデル・エネルにエロイーズって合ってる? ネタバレあらすじとちょいツ...
一部ホラーも徹底すればコメディになる DVD鑑賞です。劇場公開時(2020年2月21日)にはかなり話題になっており、何度も見ようかどうしようかと迷った映画です。結局、前作「ヘレディタリー 継承」の自分自身のレビューを読み返して足を運ぶ決断ができなくDVD鑑賞となりました。ですので、以下、映画の評価の高い人が読んでもつまらんです(笑)。ミッドサマー / 監...
トランスジェンダーはミッドナイトに生きる存在ではない 悲劇物語で涙を流させることは簡単ですが、いつまでもこうした昭和的ステレオタイプな手法に頼っていていいのかなあとは思います。ドラマパターンは昭和で言えば「日陰の女」です。もちろん感動すること、あるいは感動できることはいいことですが、その感動がどこから来るのか、何に感動しているのか、その感動によって自分の何が変わる...
「わたしはロランス」のグザヴィエ・ドランが帰ってきた! グザヴィエ・ドランが帰ってきた! という映画です。 帰ってきたというのは自分のやりたいことを思う存分やっているという意味で、映画のつくりは「わたしはロランス」に近いものがあります。実際、製作、監督、脚本、編集、衣装、モンタージュを自らやっており、その上出演までしています。マティアス&マキシム / 監督...
(DVD)世界は音楽で溢れている 映画紹介を読んだ限りでは少女漫画によくあるスポ根系の音楽ものかなと思っていましたら、意外にも、そうした人物間のぶつかり合いや葛藤を描く映画ではありませんでした。そりゃそうですよね、原作が恩田陸さんの直木賞受賞作なんですから。じゃあ、「ピアノの天才たちが集う芳ヶ江国際ピアノコンクールに参加する若き4人のピアニストたち(映画.com...
(DVD)キャスティングの妙と原作があったほうがいい石井裕也監督 とうとう映画館が休館になってしまいました。Change.org で「#SaveTheCinema 「ミニシアターを救え!」プロジェクト」オンライン署名キャンペーンが始まっています。キャンペーン · #SaveTheCinema 「ミニシアターを救え!」プロジェクト · Change.orgし...
物語も人物も富山の風景に溶け込んでいる ていねいに作られた映画ですね。富山出身、在住(かな?)の坂本欣弘監督が富山を舞台に一年かけて撮ったということです。実際に富山の四季の移り変わりとともに物語は進みますし、有名な砺波の散居村の夕陽風景も使われています。もみの家 / 監督:坂本欣弘もみの家 / 監督:坂本欣弘不登校になった東京の16歳の高校...
三島も全共闘もすでに歴史になってしまったという現実 三島の楽しそうな顔が印象的です。緊張の裏返しの笑顔ということもあるのかとも思いますが、学生たちから投げつけられる批判をひとことひとこと丁寧に受け止めようとしている時の笑顔は本当に楽しそうです。三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 / 監督:豊島圭介学生たちが、特に東大生ですので最初から三島に一目...
日常が戦場という現実 シリア内戦に関する正しい情報を知ることはかなり困難です。アサド政権と反体制派による政治闘争に始まり、民族闘争、宗教闘争、さらに大国による軍事介入が絡み合っていると言われています。ただこの映画はそうした政治的、宗教的、民族的立ち位置から描かれた映画ではありません。監督のワアド・アルカティーブさん、下の画像の女性ですが、ワアドさんはたしかに反体制...
結婚、そして離婚、でも生きている Being Alive Netflix 製作、配信は12月6日からですが、11月29日から先行劇場公開されています。「イカとクジラ」「フランシス・ハ」「ヤング・アダルト・ニューヨーク」のノア・バームバック監督、主演は下の画像のようにスカーレット・ヨハンソンさんとアダム・ドライバーさんです。タイトルは「結婚物語」となっていますが、...
予測不能なブラックコメディーと言われても(コラ!) インド映画と言いますと「歌って、踊って」がすぐに浮かんでしまい、およそ想像がついてしまいますのでほとんど見ないのですが、「踊らないのに大ヒット!」「予測不能なブラックコメディー」の宣伝コピーにつられ見てしまいました(笑)。盲目のメロディ インド式殺人狂騒曲 / 監督:シュリラーム・ラガヴァンえー! ブラッ...
平成のすれ違いメロドラマは非日常に飛び立たず 究極の「平成のすれ違いメロドラマ」見てきました。原作を読んでいますので、もっと気恥ずかしく感じるかと思いましたが、以外にもあっさりしており、「福山さん、この台詞だけはやめて…」と思っていたシーンもなんとかクリアし(笑)、逆に、オイオイ普通すぎるだろみたいに茶々入れたくなるくらいでした。マチネの終わりに / 監督...
吉岡里帆のなつめよりも犯人が主役のようだ この映画が2011年の韓国映画「ブラインド」のリメイク版だというのは知っていたんですが、「見えない目撃者」でググりますと、この映画ともうひとつ同じタイトルでGAGA版がヒットします。なんと、2015年の中国版までありました。それだけ基本的なプロットに皆がひかれるということなんでしょう。見えない目撃者 / 監督:森淳...
70年代風劇画の影がちらつく男の恋愛妄想 真利子哲也監督ということだけで見に行った「宮本から君へ」、変わったタイトルだなあくらいの軽い気持ちだったんですが、見終わってみれば、こんなの今どき受けるのかなあという疑問と、個人的にはどことなくいやーな感じが残る映画でした。宮本から君へ / 監督:真利子哲也そんなことを考えながらエンドロールを見ていましたら「...
マリオン・コティヤールさんの熱演は認めますが、もういい加減… またもこれかい! ネグレクトを愛情視点で描いちゃダメでしょ! という映画です。それに、子どもを救うのが擬似父親ってのもどうなんですかね…、ひと昔前の価値観じゃないでしょうか。マイ・エンジェル / 監督:ヴァネッサ・フィロ物語に目新しさはありません。ネグレクトの母親マルレーヌ(マリオン・コテ...
12歳のピョトレックくんには大人の世界は不可解なはずだが… この映画、見たときの体調が悪かったのか、ほとんど何も感じられず書かずに終わってしまうかと思っていたものを、記録程度にと書き始めましたら、やはりいいことは書けずに終わってしまいました。念の為。メモリーズ・オブ・サマー / 監督:アダム・グジンスキアダム・グジンスキ監督は1970年生まれのポーラン...
モーションキャプチャによるフィギュア・アニメーションの世界 これは事前にマーク・ホーガンキャンプさんのことをよく調べてから見たほうがよさそうです。マーウェン / 監督:ロバート・ゼメキスなぜかと言いますと、この映画の前段となるホーガンキャンプさんの身に起きた事件についてはほとんど描かれませんし、映画の内容もホーガンキャンプさんを描くことよりモーションキ...