70年代風劇画の影がちらつく男の恋愛妄想 真利子哲也監督ということだけで見に行った「宮本から君へ」、変わったタイトルだなあくらいの軽い気持ちだったんですが、見終わってみれば、こんなの今どき受けるのかなあという疑問と、個人的にはどことなくいやーな感じが残る映画でした。宮本から君へ / 監督:真利子哲也そんなことを考えながらエンドロールを見ていましたら「...
マリオン・コティヤールさんの熱演は認めますが、もういい加減… またもこれかい! ネグレクトを愛情視点で描いちゃダメでしょ! という映画です。それに、子どもを救うのが擬似父親ってのもどうなんですかね…、ひと昔前の価値観じゃないでしょうか。マイ・エンジェル / 監督:ヴァネッサ・フィロ物語に目新しさはありません。ネグレクトの母親マルレーヌ(マリオン・コテ...
12歳のピョトレックくんには大人の世界は不可解なはずだが… この映画、見たときの体調が悪かったのか、ほとんど何も感じられず書かずに終わってしまうかと思っていたものを、記録程度にと書き始めましたら、やはりいいことは書けずに終わってしまいました。念の為。メモリーズ・オブ・サマー / 監督:アダム・グジンスキアダム・グジンスキ監督は1970年生まれのポーラン...
モーションキャプチャによるフィギュア・アニメーションの世界 これは事前にマーク・ホーガンキャンプさんのことをよく調べてから見たほうがよさそうです。マーウェン / 監督:ロバート・ゼメキスなぜかと言いますと、この映画の前段となるホーガンキャンプさんの身に起きた事件についてはほとんど描かれませんし、映画の内容もホーガンキャンプさんを描くことよりモーションキ...
B級狙いなのか何なのか、狙いがわからない 惜しいー!15分くらいは面白くなりそう! と期待したのに…。麻雀放浪記2020 / 監督:白石和彌何かと話題の多い映画です。東京五輪が中止になるという映画の設定に自民党国会議員がクレームをつけたとか、それが炎上商法だとか、ピエール瀧さん逮捕であるとか、ただ、そのどれもが映画そのものの話題ではないところがつらい...
イギリスの田舎の風景は美しく、エミリー・モーティマーもいい ひとりの女性がイギリスの田舎町に本屋をひらく、ただそれだけ話なんですがかなりよかったです。ゆったりしたリズムと間合い、そしてなんといっても、その女性フローレンスをやっているエミリー・モーティマーさんがいいです。マイ・ブックショップ / 監督:イザベル・コイシュ久しぶりのイザベル・コイシェ監督、...
前半は鶴岡慧子監督のうまさが光るが、後半は物語として厳しい…。 何を見ようかとざっと映画の公開情報を見ていた際には、これは見ることはないかなと思っていたのですが、その後ふと鶴岡慧子監督の名前が目に入り、ああそういえば「過ぐる日のやまねこ」でかなり辛辣なことを書いたなあと思い出し、ちょっと反省の意味も込め公開日初日に見てきました。まく子 / 監督:鶴岡慧子...
つくり手の意志がみえなければ映画にならない 地の果てのイオンシネマまで行って見てきました。エンドロールの配給(協力?)でしたかにイオンシネマの名が入っていたような…。そういえば「ROMA/ローマ」も配給すっ飛ばしてイオンシネマが(多分)Netflixから買ったとか、Netflixが売ったとか、あるいは配給システム崩壊の前触れ?岬の兄妹 / 監督:片山慎三...
シュール、シュールと唱えて見ないと理解できないよ この映画を自分の価値観の中に引き込んで見ようとすると、おそらく前半でお手上げになるでしょう。危ないところでした。心も頭も解き放ってじっとスクリーンを見つめていれば、やがて静かなる感動と、そして見終えて後の、疑問の嵐に見舞われることでしょう(笑)。未来を乗り換えた男 / 監督:クリスティアン・ペッツォルト...
フランケンシュタインは18歳の女性によって生み落とされた! ハイファ・アル=マンスール監督といえば、サウジアラビア出身の監督で、前作の「少女は自転車にのって」がとてもいい印象の映画でした。もう5年前になります。公開当時、サウジアラビアには映画館がないという話があり、びっくりしたのですが、その後どうなっているんでしょう?今年の6月まで女性の自動車運転が禁止されていた...
ハル・ベリーとダニエル・クレイグのキャスティングが意味不明 意識しているのかどうかはわかりませんが、「チョコレート」を思わせるようなキャスティングですね。公式サイト / 監督:デニズ・ガムゼ・エルギュヴェンという思いがあったせいか、ダニエル・クレイグが一向に絡んでこず、前半など、窓からちらりと裸(だったのかな?)を見せていただけで、後半になってやっと絡...
歴史大作かと思いきや、ドタバタ恋愛ADVのようでした。 重厚な歴史ドラマを期待していったのですが、バラエティのような映画でした(笑)。公式サイト / 監督:アレクセイ・ウチーチェリ多少は歴史ドラマの趣もありますが、突然下世話な恋愛ドラマになったり、おいおいオカルトかい?と思わせたり、何?スポ根もの?(バレエだけどね)とか、何だスペクタルなのねとか、結局アクシ...
家族関係が過剰すぎてよく見えない家族の物語かな? 今年2018年のカンヌ、パルムドール受賞作です。1997年の「うなぎ」以来の21年ぶりだそうです。公開一週間で「興行収入は約12億円、14日時点の観客動員は約100万人を記録」(映画.com)ということらしく、このまま伸びていくかどうかはわかりませんが、受賞による宣伝効果というのはすごいですね。公式サイト /...
ギャンブル映画にみせたフロイト心理学的父娘関係の映画か? 映画のつくられ方って、もちろんドラマやドキュメンタリーといった違いもありますので様々だとは思いますが、(広い意味での)シナリオがあって撮影をして編集をして完成という基本をはずしたものはないでしょう。中には全てひとりでやってしまう人もいるようですが、シナリオの良し悪しは映画の出来に大きく影響するものだと思います...
マルクス生誕200年の2018年はボーダレスによる細分化で階級なき社会 タイトルを見て、マルクスとエンゲルスを映画化?! って、なんとなく不思議な感じがしたのですが、今年2018年がマルクス生誕200年ということからの映画化だったんですね。漠然と19世紀の人との意識はあったのですが、正確には1818年5月5日生まれとのことです。この映画のクライマックスともなってい...
台湾発ミステリー・サスペンス、ストーリーは面白いが… 台湾のサスペンス・スリラーです。監督のチェン・ウェイハオさんによれば、「台湾映画の主流は、感動的な人間模様や、若者の姿を描いた作品です。それらに比べるとスリラー映画や犯罪映画は数が多くありません。」とのこと、確かに台湾映画と聞きますと、すぐに「海角七号 - 君想う、国境の南 -」など青春ものを思い出しますし、犯...
は、読まずに見たほうがいいとは思いますが… これ、作りもテーマも無茶苦茶ハリウッド臭いんですけど、そうじゃなく、ヨーロッパ・コープの製作なんですね。と言いながら、私、最近は何か語れるほどハリウッド映画を見ていません(笑)。それに、今ではハリウッド臭いといえる特徴的なものもなくなっているのかもしれません。監督は「恋に落ちたシェークスピア」「プルーフ・オブ・マイ・ラ...
イタリア的叙情感あふれる劇画的ヒーローもの イタリアでは日本のアニメが結構テレビ放映されているという話を聞いたことがありますが、この映画は、子どもの頃から日本のアニメのファンだったガブリエーレ・マイネッティ監督が、永井豪原作「鋼鉄ジーグ」をモチーフ(でいいのかな?)に撮ったダークヒーローものということです。アニメについてはタイトルを耳にしたことがあるとかないとかく...
ムーンライトよりは作品賞に値するのではと思いますが、それでも物足りない… 「マンチェスター・バイ・ザ・シー」って、「海辺のマンチェスター」といった意味合いのラブストーリーか失恋ものかと思っていましたら、なんと(アメリカの)町の名でした。ボストンから北東に車で1時間15分(映画で言っていた)の海沿いの町、もともとは漁村だったようですが、今は避暑地のようでもあります...
すべての意味で踏み込みが足りなく中途半端 言うまでもなく、 今年2017年のアカデミー賞作品賞受賞作です。公式サイトによりますと、戯曲「In Moonlight Black Boys Look Blue(月の光の下で、美しいブルーに輝く)」が原案となっているらしく、タイトルはそこから取られているんですね。また、製作はブラッド・ピットのプランBエンターテインメント...