実話にもとづく70年後の感動物語と70年間のラブストーリー… 現在91歳のマイケル・ケインさんと残念ながら昨年2023年6月15日に87歳で亡くなられたグレンダ・ジャクソンさんの共演という映画です。さすがにこの年齢ですのでどちらも何本かは見ていますが、これといった映画を思い出せない俳優さんです(ゴメン…)。2度目のはなればなれ /...
どう考えても理不尽なことなのに、それをスクリーンで見ているだけの居心地の悪さ… 「ソハの地下水道」「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」のアグニエシュカ・ホランド監督です。前作の「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」では、ホロドモールというスターリン時代のソ連邦によるウクライナの人為的な飢餓を知りました。そして、この「人間の境界(Green Border)」で...
退職金あげるよと言えなければ人生変わらないと思いますが… 2019フィルメックス新人監督賞受賞作とあり、4年前の受賞作を今なの? と思いましたら、「新人監督賞は商業映画の実績がない新鋭監督が対象で、シナリオと過去の映像作品をもとに選考」ということらしく、「賞金50万円のほか、木下グループが5000万円を上限に製作費を提供、劇場公開に向けて企画開発や製作・配...
人は誰もが愛するものを殺す、それでも人は死なない(オスカー・ワイルド) フランソワ・オゾン監督は多作なんてもんじゃないですね、年1本ペースで撮っています。この「苦い涙」も最新作ではなく、もう1本「Mon crime(The Crime Is Mine)」という映画があります。この映画の前にはつい数ヶ月前に「すべてうまくいきますように」、そしてその1年くらい...
ディストピアではなく、起きてはいけないがこれが現実か ミシェル・フランコ監督、「父の秘密」「或る終焉」「母という名の女」と見てきており、その名前をみれば必ず見ようと思う監督のひとりです。現在42歳、メキシコ出身の監督です。その三作ともカンヌで何らかの賞をとっていますし、この新作「ニューオーダー」も2020年のヴェネツィア映画祭で審査員グランプリの銀...
自閉スペクトラム症だとしたら、この描き方でいいのか? 1996年4月28日にオーストラリアのタスマニア島で起きた無差別殺人事件を犯人である27歳の青年に焦点をあわせて描いています。ポートアーサー事件といい、死者35人、負傷者15人の被害者を出した大事件なんですが、日本でどう報道されていたのかも含め記憶にありません。ニトラム / 監...
ホン・サンス監督の自虐的懺悔映画か? 私には2017年の「それから」以来のホン・サンス監督です。特別注目しているわけではありませんが、名前をみれば見てみようかと思う監督です。公式サイトに、主演のキム・ミニさんが「監督の公私のパートナー」とありましたので、そうなんだとググってみましたら、数年前からプライベートでもパートナーの関係にあるようです。それを知りますと、映画...
改憲誘導を意図すれど俳優は踊らず 宮沢りえさんと浅野忠信さん主演の映画でしたので見に行ったんですが、映画のつくりはともかく、内容(主張?)にやや胡散臭さが感じられ、これは一体どういう映画なんだろう?と調べてみましたら…日本独立 / 監督:伊藤俊也改憲誘導映画か?ネタバレあらすじとちょいツッコミ日本国憲法成立の過程戦艦大和ノ最期 映画の質は低...
人は結局利己的にしか動かない… 「人生はシネマティック!」「17歳の肖像」「幸せになるためのイタリア語講座」のロネ・シェルフィグ監督、2019年の映画です。その年のベルリン映画祭のオープニングで上映されています。映画の傾向としては「幸せになるためのイタリア語講座」に近いものがあります。ニューヨーク 親切なロシア料理店 / 監督:ロネ・シェルフィグ人は...
(DVD)ビジュアルだけではドラマは生まれない ついつい蜷川実花ワールド! と言いたくなってしまいますが、ちょっと変わってきている感じがします。というより、俳優、特に宮沢りえさんと二階堂ふみさんによるものかも知れません。集中させられるシーンがいくつかあります。人間失格 太宰治と3人の女たち / 監督:蜷川実花「さくらん」と「ヘルタースケルター」しか見...
食欲、性欲、そして世界は続くの輪廻観 キム・ギドク監督の「人間の時間」です。結構多作の監督ですが、前回見たのは3年前の「The NET 網に囚われた男」です。それにこの映画もちょうど2年前の2018年2月にベルリンでプレミア上映された映画です。IMDbにもこの映画以降これといったものがリストアップされていません。さすがにネタ切れ気味なのか、あるいは女性俳優への暴行...
(DVD)篠原涼子ってスゴイね。 面白かったです。DVD鑑賞ながら結構集中して見られました。人の「生」と「死」の境界線という個々の局面では永久に結論のでないテーマがドラマというフィクションの世界にうまく落とし込まれています。まあこれは原作のものでしょうが、映画としては特に篠原涼子さんの演技が素晴らしく、現実感の薄いセットやライティングの中のリアリティある薫子(篠原...
マルガレーテ・フォン・トロッタ監督、ラブコメに挑戦か? 何度も見せられた予告編だけで充分だなあと思っていたのですが、ふと監督名を見ましたら、「ハンナ・アーレント」「生きうつしのプリマ」のマルガレーテ・フォン・トロッタ監督ではありませんか!え、こんな映画撮るの? と半信半疑だったのですが、そういえばこの元妻の方の俳優さん、何かで見た…、ああ、「生きうつしのプリマ」の...
日々作られる爆買いイメージに隠された(もうひとつの)中国を知る ドキュメンタリーなんですが、2016年ヴェネチアのオリゾンティ部門脚本賞(Best Screenplay)を受賞したという映画です。一般的な感覚からしますとドキュメンタリーに脚本ってあるの?と思いますが、ドキュメンタリーだって、どう構成しどう見せるかという視点は当然あるわけですから、見た目がいわゆるシ...
さほど格差社会も人間の欲望も描かれておらず、サスペンスでもないのですが… 「見るべきか、見ざるべきか」なんて、大層な話ではありませんが、どうしようかなあと迷っていた思いを決断(?)させたのは、富豪の妻役バレリア・ブルーニ・テデスキさんです。何と! 何と! あの「アスファルト」の看護師役のバレリア・ブルーニ・テデスキさんじゃないですか!?ちなみに、バレリアさん、そ...
ロウ・イエ監督は、やっぱりうまいですね。映画としては見応えはあります。 二重生活 [DVD]出版社/メーカー: TCエンタテインメント発売日: 2016/09/07メディア: DVDこの商品を含むブログを見るそこそこ満たされてくるとこういう映画になってしまうということでしょうか。映画というもの、というより創作物全般でしょうが、やはりつくり手に満たされていないものや欠...
グザヴィエ、いやむしろロマン・デュリスがと言った方がいいかもしれませんが魅力的なキャラクターです ニューヨークの巴里夫(字幕版)発売日: 2015/06/02メディア: Prime Video前二作を復習しておかないとやや戸惑うかも知れません。何だっけ?誰だっけ?なんて考えているうちにどんどん進んで行ってしまいます。映画「ニューヨークの巴里夫」予告編いきなり精子...
この映画のニシノユキヒコは女の願望とみればいいのですかね どう見ていいのかよく分からない映画ですね。何かのジョークなんですよね、きっと(笑)。ニシノユキヒコの恋と冒険 Blu-ray(特典DVD付2枚組)出版社/メーカー: 東宝発売日: 2014/08/20メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (3件) を見るもう一つのブログで、「イ...
見終えてみれば、良し悪しを超えてきっちり見せてくれる監督ですね、ラースは…(笑)。 前編を見たのはひと月くらい前になるんじゃないでしょうか? 後編のことなんてすっかり忘れていました、というより、もう見るのをやめようかと迷っていたんですけど(笑)、公開終了も迫ってきましたので思い切って後編を見てきました。(注)ここに予告編を入...
人間失格 Blu-ray 豪華版発売日: 2010/08/04メディア: Blu-rayこれが荒戸節なんですから、それを知りつつ見て、どうこう言ってはいけないのですが、相変わらず、カット毎の、いわゆる様式美と言うんでしょうか、その多くがシンメトリーを基本としているようですが、こだわってます。でも、どうなのかなあ…、やや古い感じは否めないですね。それにこういう映像から、果たして太宰らしさは出てくる...