山本奈衣瑠さんの佇まいの美しさが救い… 前作の「泳ぎすぎた夜」がダミアン・マニヴェルさんとの共同監督でしたので、そのつながりで知った五十嵐耕平監督、この「SUPER HAPPY FOREVER」は単独監督になっています。SUPER HAPPY FOREVER / 監督:五十嵐耕平意図された曖昧さ? 中途半端の結果?…...
デヴィッド・リンチ版です。ドゥニ・ビルヌーブ版よりも面白いんじゃない… デヴィッド・リンチ監督が自ら失敗作と認める(ソース未確認…)「デューン/砂の惑星(1984年)」を見てきました。いやいや、ドゥニ・ビルヌーブ版よりもいいですよ。デューン/砂の惑星 4Kリマスター版 / 監督:デヴィッド・リンチこの物語のどこに魅力がある...
アルモドバル監督のクィア西部劇。パエリア・ウェスタンとなるか… アルモドバル監督が西部劇? さらに短編? という映画です。ただ、短編については2020年に「ヒューマン・ボイス」を撮っていますし、多くの監督がそうであるようにアルモドバル監督もメジャーになる1980年以前にはたくさん短編を撮っています。でも、なぜ今この企画? と思いましたら…[...
イギリスの労働者階級の父娘のリアルかと思ったものの… 昨年2023年のサンダンス映画祭のワールドシネマドラマ部門で審査員大賞を受賞している映画です。シャーロット・リーガン監督は1994年生まれの30歳くらいで、長編映画はこれが2作目かと思います。SCRAPPER/スクラッパー / 監督:シャーロット・リーガンイギリスの労働...
ネタバレレビュー・あらすじ・感想・評価 フランソワ・オゾン監督の最新作? と思いましたら、違いますね。これは2021年のカンヌのコンペティションに出品された映画で、オゾン監督はその後、2022年のベルリンのコンペティションに「Peter von Kant」を出品し、今年2023年1月にも「Mon crime(The Crime Is Mine)」がフランス...
ネタバレレビュー・あらすじ・感想・評価 出演が北村匠海、中川大志、松岡茉優、古川琴音とくれば、やはり見てみようと食指が動きます。監督は清水康彦さん、ウィキペディアのプロフィールには「映像ディレクター。映像監督。映像作家」と並んでいます。でも全部おんなじじゃないですかね(笑)。スクロール / 監督:清水康彦目立つ清水康彦監督の...
クリステン・スチュワートのダイアナが自由への物語を生み出す 「クリステン・スチュワートがダイアナ元皇太子妃を演じ(映画.com)」の書き出しを見ただけでもう映画館のチケット予約サイトでポチッとしてしまいました(笑)。ダイアナに興味があるわけではありません。「クリステン・スチュワートがダイアナ?!」ってことです。スペンサー ...
見どころはレア・セドゥのワンシーンのみか… 2017年のベルリン映画祭で金熊賞を受賞した「心と体と」のイルディコー・エニェディ監督最新作です。昨年2021年のカンヌ映画祭のコンペティションに出品されています。受賞はありませんでした。主演はレア・セドゥさん、新境地(私が見ている映画では…)の役柄でこれまでとは違った魅力が爆発していました。[t...
俳優の無駄遣い。新しい女性アクション映画を。 このところ日本映画を見ることが続いていますのでちょっと気分転換にということと、ジェシカ・チャステイン、ペネロペ・クルス、ファン・ビンビン、ダイアン・クルーガー、ルピタ・ニョンゴという錚々たるメンバーということと、そして、さらに女性が主人公のスパイアクションものということで見に行ったのですが…...
既視感はあるが気持ちが豊かになる映画、悲惨さを越えて。 「イン・ザ・スープ」のアレクサンダー・ロックウェル監督の25年ぶりの日本公開作品ということです。タイトルにはなにか引っかかるところがありますが多分見ていないです。それに、25年ぶりということは1996年になりますが、この映画の製作年は1992年になっており日本公開が遅かったのか、他の映画の話なのか、IMDbなど...
ジギー・スターダスト誕生に迫れているか…? 音楽映画は鉄板というのはほぼ間違いなく、迷いなく見に行けます。と思い、見に行ったのですが、音楽映画ではありませんでした。もう3年前になりますが、フレディ・マーキュリーの伝記もの「ボヘミアン・ラプソディ」のような映画を期待していきますとややがっかりするかもしれません。ただ、様々な世界(ジャンル)でア...
女16歳、男35歳の恋愛を16歳の側から描く スザンヌ・ランドン監督、現在21歳、撮影時は19歳くらい、この映画のシナリオ(のベース、多分)を書いたのは15歳、そして自ら、監督、脚本、主演という映画です。両親は、ともに俳優のサンドリーヌ・キベルランさんとヴァンサン・ランドンさんです。スザンヌ、16歳 / 監督:スザンヌ・ランドン16歳女子から見た...
Let him go はアメリカ社会の裏の一面かも ラリー・ワトソン(Larry Watson)さんという作家の同名タイトル「Let him go」という小説が原作らしく、その小説の時代設定は1951年であるところを映画では1963年にしています。なぜこんなに中途半端に時代をずらしたのでしょう。アメリカ人にとっては、その10年の違いにもなにか意味があるのかも...
看板の裏表と人間の裏表 今日の今日までハリウッド、少なくともアメリカ映画だと思いこんでいました。それゆえDVDでいいやとスルーしていたのを「ノマドランド」を見たことから、そういえばと思い出して見てみましたら、こんな映画だったの?! とびっくりした次第です。スリー・ビルボード / 監督:マーティン・マクドナーオチなしじゃん! 登場人物みなディスコミュ...
音楽と俳優でみせる映画、深くはないけど楽しい いい音楽といい俳優がいれば映画は成り立つという典型でしょうか。もちろん、コメディやファンタジーに限ってのことであり、シリアス系であれば当然それらとともに監督なりつくり手の視点が問われることになりますのでこの限りではありません。ステージ・マザー / 監督:トム・フィッツジェラルドこの映画はいわゆるファンタジ...
エピソードつなぎの安易なドラマになっていないか… 西川美和監督、ついに原作ものか?!と思ったのですが、正直、これまでの自作のオリジナル脚本との違いはあまり感じられませんでした。いい意味で言えば、もともときっちりした脚本の存在が感じられる映画を撮る監督ですので、この映画でも原作に納得し、それを完全に自分のものにして脚本を仕上げたんだろうと思います。すばらしき...
アメリカン・ニューシネマの幻を見ているようだ 映画としては意外にも面白かったです。意外にもというのは、「ストックホルム・シンドローム」についての映画なんだろうと見に行ったのに、(まったく)そうではなく単に犯罪ものの娯楽映画だったので、なーんだあと思ったのに、割と見られたというややこしい意味です(笑)。この映画は、ストックホルム・シンドロームとは何かと考える上で必...
蒼井優は若尾文子になれたのか? 不思議な映画です。なぜこんな昔くさい映画を撮ったのでしょう?ドラマの内容ではありません。映画のつくりがです。スパイの妻 / 監督:黒沢清今年2020年のヴェネツィア映画祭で最優秀監督賞(銀獅子賞)を受賞しています。なのに「劇場版」となっていますので、え? と思ったのですが、今年の6月にNHKのBS8Kで放送されたものの...
子育て映画ではなく、家族主義的感動(させたい)映画だった 山田孝之さんがシングルファーザー? ってことで見てきました。ステップ / 監督:飯塚健始まってしばらくは、少しふっくらした印象もあり、へぇー、こういう役もいけるんだと見ていたんですが、映画が進むにしたがって、でも待てよ、この俳優さん、風変わりな役柄でもバタバタしないし崩れないタイプだよなあとい...
グレタ・ガーウィグ監督の自由な価値観があふれる 四姉妹の台詞のアンサンブルがすごいです!グレタ・ガーウィグ監督(脚本も)の才能が爆発しています。それにキャスティングもすごいです。ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 / 監督:グレタ・ガーウィク始まってしばらくは混乱するかもしれません。なにせ四姉妹の2つの時代が同じキャスティングで入り乱れ...