最新映画一覧

マイ・エンジェル

2019.08.13

ま行,

マリオン・コティヤールさんの熱演は認めますが、もういい加減…またもこれかい! ネグレクトを愛情視点で描いちゃダメでしょ! という映画です。それに、子どもを救うのが擬似父親ってのもどうなんですかね…、ひと昔前の価値観じゃないでしょうか。マイ・エンジェル / 監督:ヴァネッサ・フィロ物語に目新しさはありません。ネグレクトの母親マルレーヌ(マリオン・コテ...

北の果ての小さな村で

2019.08.12

か行,

グリーンランド、人口80人の村の実在の人々が演じるドラマグリーンランドの物語です。といっても、そもそものグリーンランドの位置をイメージしようとしても、北欧の…アイスランドの…と、(私は)その程度の曖昧さで終わってしまいます。その意味では、こういう映画は、それを機にいろいろ調べたりすることを含めて、知らないことを知るいいきっかけになるかと思います。北の果て...

ピータールー マンチェスターの悲劇

2019.08.10

は行,

マイク・リー監督の関心は歴史ものに移っている?マイク・リー監督、前作の「ターナー、光に愛を求めて」あたりから、興味の向く先が歴史ものに変わっちゃったんですかね。それに、そのターナーにしてもこのピータールーにしても、映画化するまでは知らなかったと語っているようです。ピータールー マンチェスターの悲劇 / 監督:マイク・リー私の見てきたリー監督の映画、「...

メモリーズ・オブ・サマー

2019.08.08

ま行,

12歳のピョトレックくんには大人の世界は不可解なはずだが…この映画、見たときの体調が悪かったのか、ほとんど何も感じられず書かずに終わってしまうかと思っていたものを、記録程度にと書き始めましたら、やはりいいことは書けずに終わってしまいました。念の為。メモリーズ・オブ・サマー / 監督:アダム・グジンスキアダム・グジンスキ監督は1970年生まれのポーラン...

あなたの名前を呼べたなら

2019.08.07

あ行,

階級社会が色濃く残るインド、女性はどう生きる?「あなたの名前を呼べたなら」のタイトルに、メイドの女性と裕福な男性の物語とくれば、立場が違うがゆえの悲恋物語なんだろうと割と簡単に想像できてしまいますが、この映画、そうまんざら捨てたもんじゃないです。確かに、悲恋ではないにしてもそれに近いものだったのですが、意外にもベタなところもなく、どちらかと言いますと、よく知らな...

パラダイス・ネクスト

2019.08.06

は行,

豊川悦司、妻夫木聡、ニッキー・シエがかわいそうフィルム・ノワール系が狙いなんでしょうが、これはかなり厳しい出来ですね。監督は、「雨にゆれる女」の半野喜弘さん、音楽家としてのキャリアは長く、ジャ・ジャンクー監督やホウ・シャオシェン監督の音楽を手掛けている方です。映画では前作の「雨にゆれる女」が長編デビュー作で、この「パラダイス・ネクスト」が二作目です。パラ...

世界の涯ての鼓動

2019.08.03

さ行,

ヴィム・ヴェンダース監督の最新作はラブサスペンスか?ヴィム・ヴェンダース監督、73歳、まだまだ精力的です。1,2年に1本の割合で撮っている印象です。前作の「アランフェスの麗しき日々」では言葉の洪水でついていくのが大変でしたが、この「世界の崖ての鼓動」は、しばらく前から流れていた予告編を見て、ん? ヴィム・ヴェンダース監督? と、何となくベタな恋愛ものの印象でちょ...

7月の物語

2019.07.31

英数字, 数字

勇者たちの休息ギヨーム・ブラック監督のセンスが光る「7月の物語」71分、「勇者たちの休息」38分、さらに「7月の物語」の方は、実質的には「日曜日の友だち」と「ハンネと革命記念日」の2本に分かれているという、劇場公開作としてはかなり変則的です。ただ、「7月の物語」を見れば、ギヨーム・ブラック監督の良さは十分に伝わりますし、他の作品も見たくなることは...

カニバ パリ人肉事件38年目の真実

2019.07.30

か行,

映画というよりビデオアートと思って見たほうがいい「あまりに衝撃的な内容に各国の映画祭で途中退場者続出!」と煽っていますが、もしそれが本当だとすれば、それは映画がつまらないからでしょう。カニバ / 監督:ヴェレナ・パラヴェル、ルーシァン・キャステーヌ=テイラーつまらないというのも正しくないかもしれません。まず、この映画、たとえば、カニバリズムであると...

田園の守り人たち

2019.07.27

た行,

絵画を見るようなフランス農村風景が美しい思っていた以上にいい映画でした。グザヴィエ・ボーヴォワ監督本人も語っているように、まったく戦場を描かない戦争映画という感じです。第一次世界大戦時のフランス、農業を営む一家の物語です。ふたりの息子と娘の夫、成人男性は皆戦場です。母と娘、そしてその一家に雇われた女、その三人の女性たちの物語です。田園の守り人たち / 監...

よこがお

2019.07.26

や行,

筒井真理子さんよりも市川実日子さんの「よこがお」が見えてしまう世界で認められた監督に対して失礼であることも、一観客からの余計なことであることも承知で言いますが、深田晃司監督は初心に帰るべきじゃないかと思います。よこがお / 監督:深田晃司丁寧に作られていることは認めますが、全く面白くありません。ネタが火サス的であることはまあいいとしても、なにをやろう...

マーウェン

2019.07.22

ま行,

モーションキャプチャによるフィギュア・アニメーションの世界これは事前にマーク・ホーガンキャンプさんのことをよく調べてから見たほうがよさそうです。マーウェン / 監督:ロバート・ゼメキスなぜかと言いますと、この映画の前段となるホーガンキャンプさんの身に起きた事件についてはほとんど描かれませんし、映画の内容もホーガンキャンプさんを描くことよりモーションキ...

存在のない子供たち

2019.07.21

さ行,

「僕を産んだ罪」で両親を訴える子どもの絶望ゼインという、実名と同じ役名の12,3歳の少年を演じているゼイン・アル=ラフィーアくん、下の画像の少年ですが、彼の演技があっての映画です。俳優ではなく、シリア難民で、現在は家族とともにノルウェイで暮らしているそうです。存在のない子供たち / 監督:ナディーン・ラバキーこの映画で描かれる貧困や児童婚はあってはな...

慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ

2019.07.19

か行, , 褒めてる映画

人の生きざまは俗なものと裏腹の無常なりこれ、面白いですね。チャン・リュル監督、知りませんでした。1962年生まれの中国籍の朝鮮族で、経歴は公式サイトの Director に詳しいです。アジアフォーカスや東京では上映されているようです。慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ / 監督:チャン・リュル一見、ホン・サンス監督を思わせるところもありますが、比べたら...

僕はイエス様が嫌い

2019.07.17

は行,

奥山大史監督、サンセバスチャン国際映画祭新人監督賞受賞作奥山大史(ひろし)監督、現在23歳、この映画を撮ったのは青山学院大学(映画美?)の卒業制作だそうです。それにしてもびっくりするくらい映画がまとまっています。若いのに老成という言葉まで浮かんできます。僕はイエス様が嫌い / 監督:奥山大史フィックスが多いせいもありますが画が上品ですし光の使い方もう...

さらば愛しきアウトロー

2019.07.15

さ行,

ロバート・レッドフォード、82歳、最後の出演作ロバート・レッドフォードさん、82歳、俳優として最後の映画になるようです。さらば愛しきアウトロー / 監督:デヴィッド・ロウリー「明日に向って撃て!」からちょうど50年、下積みの時代が10年ほどあるようですのでおよそ60年、ハリウッドの第一線で俳優として活躍し、さらに監督、製作という立場でも一定の評価を受け...

ワイルドライフ

2019.07.11

わん他,

ポール・ダノ監督デビュー作、大人ってワイルドだろぉ、って?「ワイルドライフ」とは野生動物という意味、まさしく野生動物のように生きる両親の間にあって、必死に人間的(?)であろうとする子どもの、何とも痛々しい物語です。ワイルドライフ / 監督:ポール・ダノジョー(エド・オクセンボールド)は14歳の少年です。仮にこれが乳幼児の話なら、育児放棄で事件になって...

ゴールデン・リバー

2019.07.09

か行,

西部劇がヒューマンドラマに変わる時ジャック・オーディアール(オディアール)監督が西部劇? という感触を持っていたのですが、見てみれば、確かに、なるほどとも思える一風変わった西部劇でした。ゴールデン・リバー / 監督:ジャック・オーディアールオーディアール監督は、ハリウッドで撮るのも、英語で撮るのも初めてとのことですが、経緯は、この映画の主演でもあるジ...

Girl/ガール

2019.07.06

英数字, 英字

ララの究極の選択は本当に性別違和の解決か?これまた何度も見せられた予告編から、性別違和を抱える男の子が周囲の偏見、差別に負けずにバレリーナ(女性バレエダンサー)を目指して頑張る感動ものかと思っていましたら、まったく、まったく、違っていました。Girl ガール / 監督:ルーカス・ドンベルギーという国は、LGBTに対する施策が進んでいるということで有名...

アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場

2019.07.05

あ行,

無名戦士たちの終わりなき継続戦争現在、秋篠宮が外交関係樹立100周年ということでフィンランドを訪問しています。多少なりともその話題性を集客に結びつけようとしたかどうかはわかりませんが、2017年製作のフィンランドの戦争映画が公開されています。アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場 / 監督:アク・ロウヒミエスフィンランド映画といいますと、どうしてもアキ...