監督の自伝的映画?マジか?! 配信スルーかDVDスルーでよかったんじゃないの、と思います(笑)。日本の公式サイトによれば「オーガスティン・フリッゼル監督のほぼ自伝的映画」だそうです。マジか?!Never Goin' Back ネバー・ゴーイン・バック / 監督:オーガスティン・フリッゼル内容ほど下品じゃない(笑)確か1...
バルト三国エストニアのダークファンタジー&悲恋物語…かな? 2018年のアカデミー賞外国語映画賞のエストニア代表になった映画です。ノミネートはされていません。ノベンバー / 監督:ライネル・サルネットダークファンタジーただエストニア映画であることにそそられて事前情報ゼロで見に行きましたので全体をつかむことに苦労しました...
ディストピアではなく、起きてはいけないがこれが現実か ミシェル・フランコ監督、「父の秘密」「或る終焉」「母という名の女」と見てきており、その名前をみれば必ず見ようと思う監督のひとりです。現在42歳、メキシコ出身の監督です。その三作ともカンヌで何らかの賞をとっていますし、この新作「ニューオーダー」も2020年のヴェネツィア映画祭で審査員グランプリの銀...
自閉スペクトラム症だとしたら、この描き方でいいのか? 1996年4月28日にオーストラリアのタスマニア島で起きた無差別殺人事件を犯人である27歳の青年に焦点をあわせて描いています。ポートアーサー事件といい、死者35人、負傷者15人の被害者を出した大事件なんですが、日本でどう報道されていたのかも含め記憶にありません。ニトラム / 監...
ブラッドリー・クーパーひとり舞台のやや残念な豪華キャスト 見ているようであまり見ていないギレルモ・デル・トロ監督、直近では「シェイプ・オブ・ウォーター」、さらに遡りますと「パンズ・ラビリンス」くらいです。この映画は、「アリー スター誕生」がとてもよかったブラッドリー・クーパーさん、「キャロル」以降名前をみれば見たくなるルーニー・マーラさんという名前...
1988年のペルー、乳児売買、センデロ・ルミノソ、先住民の貧困、同性愛 1988年頃のペルーを舞台にした映画です。どんな時代だったのかざっとウィキペディアから拾いますと、1985年に誕生したアラン・ガルシア大統領の経済政策の失敗によりハイパーインフレになっており、その影響もあって反政府勢力のセンデロ・ルミノソが勢力を伸ばしリマを包囲するような状態だったようです。日...
人にはまやかしに頼りたいときもある 「北白川派」という「京都造形芸術大学と映画学科が一丸となり、その全機能を駆使しながら、プロと学生が協働で一年をかけ一本の映画を完成させ、劇場公開を目指すプロジェクト」で製作された映画です。ちょうど2年前に「嵐電」という鈴木卓爾監督の映画を見ていますが、それも同じプロジェクトでした。渋くっていい映画でした。のさりの島 / ...
ホン・サンス監督の自虐的懺悔映画か? 私には2017年の「それから」以来のホン・サンス監督です。特別注目しているわけではありませんが、名前をみれば見てみようかと思う監督です。公式サイトに、主演のキム・ミニさんが「監督の公私のパートナー」とありましたので、そうなんだとググってみましたら、数年前からプライベートでもパートナーの関係にあるようです。それを知りますと、映画...
ノマドファンタジーへの誘い 間もなく発表になる今年のアカデミー賞に作品賞、監督賞、主演女優賞など6部門でノミネートされています。先日見た「ミナリ」も同じように6部門でノミネートされていることとあわせて考えますとなんとも興味深いです。どちらもアメリカのルーツに関わるような内容なのにどちらも監督がアジア系であり、そしてどちらも映画の基調がノスタルジックです。ノ...
改憲誘導を意図すれど俳優は踊らず 宮沢りえさんと浅野忠信さん主演の映画でしたので見に行ったんですが、映画のつくりはともかく、内容(主張?)にやや胡散臭さが感じられ、これは一体どういう映画なんだろう?と調べてみましたら…日本独立 / 監督:伊藤俊也改憲誘導映画か?ネタバレあらすじとちょいツッコミ日本国憲法成立の過程戦艦大和ノ最期 映画の質は低...
人は結局利己的にしか動かない… 「人生はシネマティック!」「17歳の肖像」「幸せになるためのイタリア語講座」のロネ・シェルフィグ監督、2019年の映画です。その年のベルリン映画祭のオープニングで上映されています。映画の傾向としては「幸せになるためのイタリア語講座」に近いものがあります。ニューヨーク 親切なロシア料理店 / 監督:ロネ・シェルフィグ人は...
仲野太賀と吉岡里帆、の良さを出せない脚本 「是枝裕和が惚れ込んだ新たな才能!」という宣伝コピーがついています。確かに企画に是枝裕和さんの名前もありましたし、分福が企画協力となっていたと思います。で、その才能が佐藤快磨監督ということです…泣く子はいねぇが / 監督:佐藤快磨…が、私にはまったくリズムがあわなかったです。なぜそこで次のシーンへ行く? な...
(DVD)香取慎吾と脚本加藤正人と白石和彌監督がぴったりあった映画 これは劇場で見るべきでした。映画自体がよくできているということもありますが、全体的に画が暗いので家のモニターでは伝わってくるものが半減します。それに、香取慎吾さん、いいですね。映画では始めて見ました。凪待ち / 監督:白石和彌ギャンブル依存症の男が立ち直るまで、まあそう単純でもないん...
(DVD)ビジュアルだけではドラマは生まれない ついつい蜷川実花ワールド! と言いたくなってしまいますが、ちょっと変わってきている感じがします。というより、俳優、特に宮沢りえさんと二階堂ふみさんによるものかも知れません。集中させられるシーンがいくつかあります。人間失格 太宰治と3人の女たち / 監督:蜷川実花「さくらん」と「ヘルタースケルター」しか見...
食欲、性欲、そして世界は続くの輪廻観 キム・ギドク監督の「人間の時間」です。結構多作の監督ですが、前回見たのは3年前の「The NET 網に囚われた男」です。それにこの映画もちょうど2年前の2018年2月にベルリンでプレミア上映された映画です。IMDbにもこの映画以降これといったものがリストアップされていません。さすがにネタ切れ気味なのか、あるいは女性俳優への暴行...
歴史ものに、悪いやつもいるし、いいやつもいるってのはダメ! 19世紀のタスマニアを舞台にした、アイルランド人の女性の復讐物語が軸になった映画で、そこにイギリス対アイルランド、そして先住民アボリジニの虐殺をからめた、しかしながら映画の出来としてはあまり良くはなく美しくもありません。ただ、2018年のヴェネツィアで審査員特別賞を受賞しています。ナイチンゲール ...
イタリア人のイタリア人によるイタリア人のための映画 「カラヴァッジョ展」が大阪で開催中です。昨年2019年の8月から札幌、名古屋と巡回しているようです。また、これとは別の企画なんでしょうか、今年の10月には国立新美術館で「カラヴァッジョ《キリストの埋葬》展(仮称)」も開催されます。そのカラヴァッジョの作品「キリスト降誕」は、シチリア、パレルモのサン・ロレンツォ礼拝...
マッツ・ミケルセンを生かせず単調に終わる これはそもそもの企画が無理なんじゃないでしょうか。登場人物は実質的にひとりです。北極圏のどこかに小型飛行機で不時着した男が救助を求めるが救助のヘリも強風で墜落、やむなく生存者の女性パイロットを連れて自力での生還を試みるという物語で、その女性は負傷して最後まで意識は朦朧で会話はできず、ただただ最後まで男のハアハアという息切れ...
(DVD)篠原涼子ってスゴイね。 面白かったです。DVD鑑賞ながら結構集中して見られました。人の「生」と「死」の境界線という個々の局面では永久に結論のでないテーマがドラマというフィクションの世界にうまく落とし込まれています。まあこれは原作のものでしょうが、映画としては特に篠原涼子さんの演技が素晴らしく、現実感の薄いセットやライティングの中のリアリティある薫子(篠原...
(DVD)サラリーマンから将棋のプロへ 将棋の世界のことなどまったくわかりませんが、こういう映画を見ますと藤井聡太くんは超超天才なんだということがわかります。プロの棋士になるためには、奨励会に入り26歳までに三段リーグ戦で上位ふたりに入らなくてはいけないらしいのですが、この映画の主人公で自伝小説の原作者瀬川晶司さんは、年2回あるリーグ戦に8回のチャンスがあったのに...