塩田明彦監督、才能と知識の無駄使い… 塩田明彦監督は「麻希のいる世界」を見て、内容はともかくとしてうまいなあと思い、DVDで「害虫」を見てみたところ、結局、少女が大人の男たちの性的視線に晒され続ける映画かと残念に思ったという経緯の監督です。さて、「春画先生」…。春画先生 / 監督:塩田明彦展開はほぼ AV ストーリ...
行き詰まるジャ・ジャンクー監督… 前作「帰れない二人」が2018年製作ですから6年ぶりのジャ・ジャンクー監督になります。んー、もう新作は撮れません宣言みたいな映画ですね。新世紀ロマンティクス / 監督:ジャ・ジャンクー満ち足りてノスタルジー…どうしちゃったんですかね、ジャ・ジャンクー監督。前作「帰れない二人...
真相は、原作者あるいは脚本家や監督に女性蔑視観が潜んでいるということでしょう… アイドル映画だろうとスルーしていたのですが、ふと監督の豊島圭介さんの過去作に「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」があるのを知り、また内容に記憶はないのですが「森山中教習所」を見たような記憶があり、迷いに迷って(笑)ポチっとしてみました。#真相を...
アカデミー作品賞でもよかったかも、ノミネートされていないけど… 刑務所での更生プログラムとして演劇に挑戦するという映画は以前見たことがあり、その映画では囚人たちが脱走していました。実際にあった話らしいです。その映画の話は後に書きますが、この「シンシン SING SING」も実話にもとづいているそうです。多分、この映画は脱走はしていないでしょう(笑)。...
これだけの映画が撮れるのなら、その立ち位置ちょっと離れてみてほしい… 東京都世田谷区の小学校の一年を描いたドキュメンタリーです。海外向けのタイトルは「The Making of a Japanese」です。日本人はこうしてつくられるみたいなニュアンスでしょうか。小学校~それは小さな社会~ / 監督:山崎エマ山崎エマ監督の才...
藤井道人監督の映画はもういいと言いながら見てしまった、その結果は… 今朝、たまたまテレビでこの「正体」の舞台挨拶の様子を見たためにポチッとしてしまいました。吉岡里帆さんが餃子をつくるシーンで横浜流星さんは下手くそだったと言っていたのがツボにはまったのかもしれません(笑)。正体 / 監督:藤井道人原作を読んでいないのに適当な...
家父長制はあらゆる人の人間性を押しつぶす、特に女性のだが… パキスタンが関係する映画では「汚れたミルク」とか、パキスタン系移民のイギリス映画「ポライト・ソサエティ」「カセットテープ・ダイアリーズ」といった映画を見ていますが、パキスタン人監督によるパキスタン映画は初めてです。この「ジョイランド 私の願い」は2022年のカンヌ国際映画祭ある視点部門に出...
ドキュメンタリータッチでパワフルだが、ややドラマっぽさが気になる… 「愛について、ある土曜日の面会室」のレア・フェネール監督です。とてもいい印象が残っている映画で、レビューを読み返してみましたら「長編デビュー作でこの映画が撮れますか!28歳にしてこれだけ多様な人間たちが描けますか!」と絶賛しています。助産師たちの夜が明ける / 監...
制作費がないのであればそれに見合ったこだわりでクオリティを上げるべき… 「シサㇺ」とはアイヌ語で隣の人といった意味らしく、歴史的経緯として和人(アイヌ以外の人)を指すようになったんだと思います。また、シサムの「ム」は、小文字表記が正しいアイヌ語の仮名表記です。ただ、小文字ですと検索に引っかからなくなりますので一部「シサム」表記も使っています。ところ...
日本という箱庭の中のお話… なんとなくスルーしてしまった映画、その少し前に見た同じ白石和彌監督の「孤狼の血 LEVEL2」がしょうもなかったからかもしれません(ゴメン…)。なのでDVDで見てみました。死刑にいたる病 / 監督:白石和彌倍速視聴の気持ちがわかる…こういうサスペンスものは劇場で見ないとダメですね。集中で...
ドラマとして消費するだけの題材じゃないと思うけど… 2019年のベルリン国際映画祭でアルフレッド・バウアー賞(銀熊賞)を受賞している映画です。5年前の映画です。なにゆえ今これを? とは思います。システム・クラッシャー / 監督:ノラ・フィングシャイト制作者たちの意図がわからない…まず、この映画が何をしたいのかわから...
謎解きでもなく、ドキドキ感を煽ることもなく、なのに面白い… 前作「悪なき殺人」では、2019年の東京国際映画祭で最優秀女優賞と観客賞を受賞していたドミニク・モル監督です。この「12日の殺人」では、昨年2023年のセザール賞で作品賞、監督賞、助演男優賞、有望若手男優賞、脚色賞、音響賞を受賞しています。期待できそうです。12日の殺人 ...
マイウェン監督、自らの自然体演技で貴族社会の滑稽さをあぶりだす… あまり興味の持てないフランス王家ものですし、ジャンヌ・デュ・バリーという名も今回ググって初めて知ったくらいの興味のなさですが、マイウェン監督の映画は過去に「モン・ロワ愛を巡るそれぞれの理由」を見ていますのでちょっと興味をそそられたという映画です。意外と面白かったです。[to...
酪農家が納屋でキャバレーを始めたという嘘のような本当の話、らしい… 酪農家が資金繰りに行き詰まり、一念発起で納屋をキャバレーにして大成功! という嘘のような本当の話を映画にしました! というフランス映画です。ショータイム! / 監督:ジャン=ピエール・アメリス農場の差し押さえの原因は牛のゲップ?エンドロールに、モデ...
とらえどころがないけれども、ちょっとケリー・ライカート監督がわかったような気がする… つい先日見た「ファースト・カウ」のケリー・ライカート監督の最新作です。その映画ではライカート監督の高い評価を実感できませんでしたので再挑戦です。「A24の知られざる映画たち」という企画の一本として上映されています。ショーイング・アップ / 監督:...
不死身ではなく、死ぬことを拒否した…に大ウケ フィンランドのアクション映画です。普段アクションものに興味を持つことは少ないのですが、フィンランド映画であることと、そしてもうひとつ、予告編のある台詞がツボにはまってしまったからです(笑)。SISU/シス 不死身の男 / 監督:ヤルマリ・ヘランダー死ぬことを拒否する…そ...
注目されたい病のシグネはどんな夢を見ているのでしょう… ノルウェーの映画です。これが長編2作目のクリストファー・ボルグリ監督です。2022年のカンヌ国際映画祭ある視点部門で上映されています。次回作が A24 の製作で決まっているとありましたので IMDb を見てみましたら、もう今年の9月頃から各映画祭で上映され、一般公開も決まっているようです。タイトルは「...
アウシュビッツサバイバー、ヴェイユ法、欧州議会議長、女性の権利… フランスで1974年に人工妊娠中絶が合法化された、いわゆる「ヴェイユ法」の起草者のシモーヌ・ヴェイユさんの伝記映画です。その名前は、2021年のヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞受賞作「あのこと(L'evenement)」のレビューを書く際にウィキペディアなどで知った方です。...
センスと技術力は感じるが、またも物語は語れても物語を生み出せない日本映画の現状の一作か… 劇場公開時、見逃していますのでDVDです。監督、脚本は土井笑生さん、商業デビュー作とのことです。出演は倉悠貴さんと見上愛さん、どちらも初めて見ます。衝動 / 監督:土井笑生2020年の青春残酷物語2020年東京渋谷、名前を失っ...
映画の作り方、教えます 「映画作りに情熱を燃やす若者たちを描く70年代青春グラフィティ」という映画です。このコピーと映画のメインビジュアルを見れば内容はおおよそ想像がつきます。でも驚くのは、これを撮ったのが60歳の小中和哉監督であり、にもかかわらず、と言うのもなんですが、どちらかと言いますとノスタルジーよりも青春のみずみずしさが感じられる映画です。...