「暴力」が「乱暴」を超えられず、血の生臭さも折れた歯の痛みも感じられず。 真利子哲也監督を知ったのは、「NINIFUNI」ですが、今自分のレビューを読み返してみますとまず何をおいても重要なのは、何を撮ろうとしているのかという明確な意志でしょう。テーマとかそういうことではなく、もっと直接的な、この人間の熱が撮りたいとか、この風景の凶暴さが撮りたいとか、そういった意味...
映画としての見どころは、樹海のシーンではなく、アーサーとジョーンの言い争いの場面かもしれない ガス・ヴァン・サント監督、さほど見ている方ではありませんが、「死」を見つめた映画が多いように感じます。この映画も、そのものずばりで、アメリカ人のアーサー(マシュー・マコノヒー)が、わざわざ死に場所を求めて日本の青木ヶ原までやってくるという話です。アーサーは「the pe...
確かに、この自由さは息苦しく、自らを閉じ込め、傷つけることでしか存在を確認できないということか… あるいは、若いころに1本や2本は見ているのかもしれませんが、監督、あるいは脚本 足立正生の名前で思い浮かぶものはありません。やはり、浮かぶのは「日本赤軍」としての足立正生さんでしょうか。「幽閉者 テロリスト」、見ていませんので、早速 DVD を借りてみようと思います...
見るべきものはなにもなし。 映画は、一年に100本ほど見ます。300本、400本なんて人もいるようですので、一般的には多い方としても、映画好きからすると、まだまだというところでしょう。100本見て、唸るほどいい映画は数本、逆に、とにかく早く終わって欲しい、劇場から早く出たいと思う映画は、まあ1,2本というところでしょうか。何をもったいぶった言い方をしているのかと...
エンターテイメント色の強い少年たちの冒険譚、見せ方や構成がうまくDVD鑑賞でも引き込まれます スティーブン・ダルドリー監督の映画は、なぜか DVD鑑賞になってしまいます。劇場で見たのは「めぐりあう時間たち」だけです。「リトル・ダンサー」「愛を読むひと」も DVD鑑賞で、後から劇場で見ればよかったと後悔し、「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」も未だ未鑑賞です...
この程度の「悪」では99%を操ることは出来ないし、この薄っぺらさでは1%の希望も見えない 毎週土曜日に、その週の上映予定をざっと見て何を見るか予定(というほどではない)を立てています。で、この「ドリームホーム 99%を操る男たち」、しばらく前から上映されていると思いますが、タイトルではどんな映画か全く想像力が働かず、画像の印象からクライムものかなとスルーしていたので...
残念ながら「預言者」的カタルシスに到達できず。 昨年2015年のカンヌ、パルム・ドールです。受賞時、あまり芳しくない、つまりパルム・ドールに相応しくないといった話がネット上に上がっていましたが、どうなんでしょうか?まあ相応しい相応しくないということ自体にあまり意味がありませんので、要は自分が楽しめるかどうか、自分の眼を信頼するしかないのですが、最近では映画祭に出...
独裁者よりも反政府軍の不埒な振る舞いや暴力が目立つってのは復讐の連鎖とはちょっと違うんじゃないの モフセン・マフマルバフ監督、何か見ているのではと思って作品一覧を見てみても思い出せません。思い出せるのは、娘のハナ・マフマルバフ監督が撮った「子供の情景」の原題「ブッダは恥辱のあまり崩れ落ちた」が、モフセン監督の書簡集から取られていたことです。その本のタイトルが「アフ...
"その人柄と堅実な仕事ぶりから多くの映画監督に愛された"という監督の持ち味がよく出た映画だとは思いますが… ディア・ハンターならぬディア・ウォチャーとヒューマン・ウォチャーの内なる戦いのお話ですかね。といった話は後回しにして、「リョウモウシカ」ですが、本当にいるのかなと思ってググってみましたら(笑)、ヒットしたのが「両毛線 伊勢崎駅付近の線路...
見終わって何も残らない爽快さはリュック・ベッソン・アクションでしか味わえない! 「トランスポーター」のフランク・マーティンが、ジェイソン・ステイサムからエド・スクレインという人に変わってしまいました。監督も「96時間」などの編集をやっていたというカミーユ・ドゥラマーレ監督という方に変わりました。アクションものはほとんど見ないのですが、リュック・ベッソンだけは別で...
消えてはいないが、結局天使はカーラ・デルヴィーニュだった。 「ペルージャ英国人留学生殺害事件(アマンダ・ノックス事件)」を題材にした映画なんですが、如何せんその事件を全く知りません。更にそうした類の事件に全く興味がありません(笑)。なら、なぜ見にいった? って、マイケル・ウィンターボトム監督の映画を見てみたかったことと、宣伝文句に「観る者の心を揺さぶる重層的なドラ...
エディ役のブノワ・ポールブールドさんの寂しさをたたえた雰囲気と涙目の小さな目がチャップリン チャップリン、何となくその人そのものを知っているような感じがするのに、実は何も知らない人物の一人です。特に赤狩りでアメリカから追放されてからの晩年のことは全く知りませんでした。スイスで亡くなっていたんですね。それに、この映画の下敷きとなっているチャップリンの棺盗難事件という...
通訳の女性を交えたシーン、通訳される間合いを待ちながらのコミュニケーションが興味深かったです 追憶と、踊りながら(字幕版) 発売日: 2016/06/01 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログを見るいかにも眠くなりそうな内容なんですが、意外ともちました(笑)。追憶と、踊りながら(字幕版)正直、印象の薄い映画です...
冒頭30分くらいでしょうか、夫が強制労働から逃げ帰って妻に会いに来るくだりは緊迫感もありかなり見応えがあります 妻への家路 [Blu-ray] 出版社/メーカー: ギャガ 発売日: 2016/12/02 メディア: Blu-ray この商品を含むブログを見る泣けますし、と言っても泣かせようとしているのではなく自然に涙が流れてしまうの...
タイトルや予告編の印象から「天才物語」かと思って見ていましたら随分違って10歳の男の子の心の旅と大人社会へのちょっとした皮肉が主題の映画でした [aal B00XZOXVOA]独特でちょっと奇妙な世界観とまるで色づけしたような明瞭な色彩感が特徴的なジャン=ピエール・ジュネ監督、あらためて考えてみますと「デリカテッセン」「ロスト・チルドレン」以降...
アスペクト比が違うシーンが何カ所(気づいたのは二ヶ所)かありましたが、どういう意味合いなんでしょう? トム・アット・ザ・ファーム(字幕版)発売日: 2015/05/02メディア: Prime Videoなんだか様子が違うなあ、グザヴィエ・ドラン、ついにミステリーか、などと違和感を持ちながら見ていたら、最後までミステリーでした(笑)。映画『トム・アット・ザ・フ...
コリン・ファース、リース・ウィザースプーン、他にも、ああこの人誰だっけ?というくらい見知った俳優さんをいっぱい使ってこれはないでしょう!? デビルズ・ノットBlu-ray出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店発売日: 2015/06/26メディア: Blu-rayこの商品を含むブログを見るえっ!? これで終わりかい!?『デビルズ・ノット』予告編いくら...
一対一の組み打ちがやたら多く、それをまた同じような切り返しで撮っているのが、何ともくどい 友よ、さらばと言おう [DVD]出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2015/01/07メディア: DVDこの商品を含むブログ (3件) を見るいやあ、かったるい! どうしてしまった、フレッド・カヴァイエ!?映画『友よ、さらばと言おう』予告編分かちがたい絆で結ば...
なぜ皆男の子と思い込んでいるのだろう?そして「インセプション」と「ゲゲゲの女房」 連休は、未見となっているDVDを少しでも消化しなくっちゃとがんばりました。トゥモロー・ワールド[aal B000KIX9BO]これは劇場で観ておくべきでした。知りませんでしたが、「(疑似)長回し」が話題の映画だったんですね。た...
第二話の強盗シーンのカッコ良さは必見!ジャ・ジャンクー監督、次はフィルム・ノワールものでしょ [aal B01CHO58XU]本当にジャ・ジャンクー監督はこの映画を今撮りたかったのかと少しばかり首をひねるといいますか、理屈が先立ちすぎてあまり伝わってこないといいますか、やや期待が裏切られたわけですが、あるいは、ジャ・ジャンクー監督自身の何かが変わっ...