さっちゃん(伊東蒼)の無限自己フォロー告白がすごいね。一人ボケツッコミです(笑)。
お盆休み、そそられる公開作もなく、ぼんやりとネットでポチッポチッとしていて、ああ、この長いタイトル、記憶にあるなあとポチッと観てみたら結構面白かったです。

ネタバレあらすじ
「勝手にふるえてろ」「私をくいとめて」の大九明子監督でした。うまいですね。特に編集が小気味よく、いいリズムを作り出しています。
それに俳優のバランスがいいです。基本は小西徹(萩原利久)と桜田花(河合優実)のラブストーリーですが、その間にさっちゃん(伊東蒼)が入ってうまくバランスが取れています。さっちゃんがいなかったらベタなラブストーリーで終わっていたかも知れませんね。いや、いるいないにかかわらず結構ベタだとは思いますが、大九監督の演出で爽やかにうまくまとまっています。
河合優実さんは「サマーフィルムにのって」から観ていますがこの映画が一番あっているんじゃないでしょうか。伊東蒼さんは私の観ている「死ねばいいのに」「さがす」「空白」が業を背負ったような役柄ばかりでしたのでこのさっちゃんは新鮮な感じでした。ただ、さっちゃんも幸せにはなれなかったんですけどね。
小西の初恋系ラブストーリー
誰とでも仲良くできるような性格ではない男女のラブストーリーです。どちらかと言いますと初恋系のちょっと初な感じのするラブストーリーです。
大学生の話で2回生と言っていましたので20歳くらいです。小西徹(萩原利久)はおばあちゃんが死んだショックでしばらく大学へ来ていなかったようです。おばあちゃんっ子だったということなんでしょう。それに、ちょっと意味不明ですがいつも日傘を差しています。目立ちたくないのであれば普通そんなことはしないですね。
桜田花(河合優実)の方はヘアスタイルをお団子頭にしています。本人はこんな頭にしていれば誰も寄ってこないだろうと言っています。友だちは一人もいないとも言っていました。
小西の一目惚れ的に始まり、雨の日、偶然(かどうかはわからない…)出会い、声を掛け、意気投合した雰囲気となり、その後親しく話すようになります。タイトルに使われている「今日の空が一番好き」は桜田がつぶやいた言葉に小西がおばあちゃんがいつも言っていた言葉だと反応し、その後の小西の独りよがりの挫折が「、とまだ言えない僕は」になっているんだと思います。
小西、さっちゃんの思いに気づかず
その独りよがりの挫折となる経緯が映画前半にバイト先で一緒になるさっちゃん(伊東蒼)との関係で描かれます。
小西とさっちゃんは銭湯の閉店後の掃除のバイトをしています。さっちゃんも大学生ですが大学は違うようです(なにか言っていたかもしれない…)。サークルでバンドをやっておりギターを担当しています。
さっちゃんは久しぶりにバイトにやってきた小西を見てうれしそうです。掃除中もうきうきしており、バイト終わりに夜道を歩きながらの会話も楽しそうです。スピッツの「初恋クレイジー」のイントロがかっこいいから聴いてみてとそれとなく思いを伝えようとしています。しかし、小西はまったく気づいていません。
ある日、小西が銭湯の掃除中に女の子の友だちが出来た話をし始めます。内心ショックを受けたサッちゃんはその帰り道、突然、一人ボケツッコミで告白します。さっちゃんの 8分におよぶ長台詞です(ワンカットではない…)。
そしてさっちゃんは消えます。後日、小西は桜田と待ち合わせの約束をしますが、夜中まで待っても桜田は現れません。小西は振られたと思い、実は桜田はいやいや付き合っていたのだと悪い方に妄想します。その後も桜田が現れないことからさらに悪い方へ悪い方へと妄想が増大していきます。
小西、さっちゃんの位牌の前で桜田に告白する
一月半後、銭湯の店主(古田新太)がさっちゃんのことを話し始めます。小西は、それ、僕のせいなんですとさっちゃんが来なくなったことの言い訳をしようとします。店主はそれを遮り「さっちゃんは死んだんや」ともらします。さっちゃんはひと月ほど前に交通事故で亡くなっていたのです。
そして小西はさっちゃんの弔問に行った家で桜田と再会します。さっちゃんは桜田の妹だったのです。
この後ラストまで、小西と桜田ふたりのシーンとなります。ここでも桜田の 7、8分の長台詞(カット割りあり…)があり、小西がすっぽかされたと思ったあの日にさっちゃんは亡くなったことやその後の悲しみの日々を語ります。
その後、小西は「初恋クレイジー」を聴きたいと言い、慟哭します。
そして、最大音量の中、小西は 5分の長台詞で桜田に告白します。
という映画で、何もこんなに詳しく物語を書く必要はなかったですね(笑)。
感想:無限自己フォロー告白
原作があります。福徳秀介さんの『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』です。
お笑いコンビの「ジャルジャル」とありますがまったく知りません(ゴメン…)。
現在42歳、だから「スピッツ」なんですね。「初恋クレイジー」は1996年の曲ですので福徳さんは13歳、中学生ですか。中学時代の初恋を思い出しながら書いたということでしょうか。
それにさっちゃんの無限自己フォロー告白(一人ボケツッコミ…)もお笑い系作家ゆえのものということでしょう。
この「無限自己フォロー告白」がなければただの初恋系ラブストーリーということになっていたと思います。