この話、アメリカじゃネタにしちゃいけないってことじゃないですかね
「シック・オブ・マイセルフ」のクリストファー・ボルグリ監督です。その1本を観ただけで言うのもなんですが、ちょっと世の中を斜めにみているようなところがあり、皮肉っぽい映画を撮る監督です。その目でこの映画の概要を読めばおおよそ想像はついてきます。

ネタバレあらすじ
ほぼ予想通り、ですが、ラストはちょっとだけ違っていました。
多分、アメリカ映画だからでしょう。クリストファー・ボルグリ監督はノルウェー人で「シック・オブ・マイセルフ」はノルウェーの映画です。その後すぐに A24 の製作で「ドリーム・シナリオ」という映画を撮っており、そのことは知ってはいたんですが観忘れています。
プライム会員は見放題の 0円みたいですね。
この「ドラマなふたり」も A24 でした。物語はシンプルで、公式サイトのストーリーを読みましたら、それ以上のことはもう結末しかありませんのでそのまま引用しておきます(笑)。
ボストンのカフェで運命的な出会いを果たしたチャーリーとエマは、この上なく幸せな日々を送っていた。結婚式まであと7日と迫った夜、付添人の親友夫婦と4人での食事中、これまでにやらかした最悪の行いを告白することに。軽い気持ちで始めたゲームだったが、エマの【最悪の秘密】に全員がドン引き。チャーリーはエマには想像を絶する別の顔があるのではないかと恐れを抱く。幸せの絶頂は一転、疑心暗鬼のどん底へと墜落するが、結婚式の準備を止める術はなく、遂に当日を迎えるー。
(公式サイト)
チャーリー、妄想スパイラルに陥る
結局、エマ(ゼンデイヤ)の最悪の秘密が何かということがこの映画ポイントで、それがアメリカであるがゆえに現実感があり過ぎて、チャーリー(ロバート・パティンソン)が妄想スパイラルに陥り、エマへの猜疑心を増幅させて関係破綻までいくという話です。
エマが語ったのは、ハイスクール時代に銃乱射を計画し、一歩手前、学校にライフルを持って行くところまでいったというものです。
さすがにアメリカじゃジョークでは済まないでしょう。その場にいた親友のレイチェル(アラナ・ハイム)はその話を聞き、自分の従姉妹は銃乱射事件で車椅子生活を余儀なくされていると言葉を失い、マジでエマをサイコパスだと憎悪し始めます。
エマは右耳が聞こえなく、チャーリーもそのことは知っているのですが、その原因がライフル銃をぶっ放した時に鼓膜が破れたと聞かされればますます話が現実感を帯びてきます。
チャーリーの頭からはもうライフル銃が離れません。ティーンエイジャーのエマ(子役…)が森の中で銃をぶっ放したり、鏡の前で銃を持ってポーズしたり、パソコンに向かって殺害予告を打ち込もうとする姿が次々に浮かんできます。
チャーリーの日常行動の中にそうした映像が頻繁に挿入されます。
チャーリー、壊れる
そして結婚披露パーティーです。
アメリカでもあんな披露宴みたいなことをやるのかなあと見ていたんですが、この映画、エマとチャーリーの出会いがワンシーン程度あり、その後はもう結婚パーティーの準備期間となり、9割方その間の出来事です。最悪の秘密を告白しあった食事会もパーティーの食事の試食会でのことです。
多分日本では一般的なことかと思いますが、なんだかアメリカっぽくないですね(知らないけど…)。ノルウェーの価値観とか? どうなんでしょう。ブライダルプランナーのような人もいて、ふたりでのダンスを教えたり、写真を撮る練習をしていました。
とにかく、パーティーです。当然エマもチャーリーもぎこちないです。レイチェルは刺々しく無愛想です。親友のマイク(ママドゥ・アティエ)の進行でエマの父親のスピーチがあり、チャーリーのスピーチです。
実のところ、もう映画中頃から飽きてきており(ゴメン…)、この映画、どうやって終えるんだろうということにしか気がいかず、早く進めてよと思いながら観ていましたのでやっと結末間近かとほっとしたのですが、かなりの肩透かしで終わっていました。
チャーリーがある男に殴られて血まみれになり、パーティーは混乱のうちに終わります。ただそのシーンはありません。
実はこの間のちょっと前、チャーリーは仕事(美術館のキュレーター…)中でも妄想世界から抜け出られず、同僚に自分のパートナーに銃乱射を考えた過去があると知ったらどうするなどと話し始め、我を忘れて泣き崩れ、その同僚がチャーリー介抱したことからキス、そしてセックスに移行し始めたことがあるのです。ただはっと気づき中断してはいます。パーティーにはその同僚のパートナーもきており、チャーリーのスピーチ中にその男がチャーリーに頭突きを食らわしたのです。
パーティーのシーンはそれで終わっています。
感想:ネタにしちゃいけないことだったんじゃないの
その後の結末です。
血まみれのチャーリーはダイナーに行き、コーラとバーガーを注文し席に座ります。エマがウェディングにダウンを羽織った姿のままやってきます。向かいに座り、よく見かけるけど近くに住んでるの? と話しかけ、私はエマと言います。チャーリーは戸惑いつつも、チャーリーと答えます。その顔どうしたの? 女の子が絡まれていたから間に入って喧嘩になった。勇敢なのね。と続き、エマは「It’s nice to meet you, Charlie.」と手を差し出します。チャーリーはその手を取り握りしめます。
※スマートフォンの場合は2度押しが必要な場合があります
人生はドラマ、仲良くね。という映画でしょうか。教訓にもならない中途半端な映画でした。
ダイナーでの結末には、レイチェルとマイク夫婦の経験談として、結婚披露パーティーでは何も食べられず終わってからダイナーへ行ったという前振りがしてはありました。
いずれにしても、アメリカで銃乱射をネタにしてはいけないということじゃないですかね。真正面からきちんと描くのならいざ知らず。