記事一覧

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2020.02.15

英数字, 数字

VR映画を目指すもドラマで破綻これは企画倒れ、いやいや企画は実現しているんですからそうじゃなくて、なんて言うんでしょう、企画段階では面白そう! となるのに実際にやってみると意外につまらないという映画です。もしこの映画を楽しみたいと考えるならば、少なくともドルビーシネマか IMAXで見るべきかと思います。そうすれば多少なりとも VRゲームのような感覚が味わえるかも...

37 seconds サーティセブンセカンズ

2020.02.13

英数字, 数字

佳山明さんあっての映画だが…。この映画、ユマを演じている佳山明さんにつきます。オーディションで選ばれた演技未経験の方とのことです。佳山さんの自然体の心地よさが映画全体を覆っています。まるであて書きしたかのようにしっくり収まっています。37 seconds サーティセブンセカンズ / 監督:HIKARI監督は HIKARIさん、公式サイトに「本作は2...

ロニートとエスティ 彼女たちの選択

2020.02.08

ら行,

苦しみながら選択することこそが人間に与えられた自由だということ「ナチュラルウーマン」「グロリアの青春」のセバスティアン・レリオ監督です。新作? と思いましたら、製作年は「ナチュラルウーマン」と同じ2017年になっています。公式サイトによりますと、主演のレイチェル・ワイズさんの企画から立ち上がった映画で、レリオ監督はオファーをうけたということのようです。だからとい...

ロマンスドール

2020.02.06

ら行,

第一級のジョークか、はたまた脳内男性の成せる業かタナダユキ監督だからだと思いますが女性客が多い印象でした。女性はこういう映画を見て共感するんでしょうか?いや、この問題の立て方自体が間違っていますね。そもそもこの映画、男目線の映画ですので、園子に共感することはないにしても、男ってこんな馬鹿なのと呆れかえることはあるやもしれません。ロマンスドール / 監督:...

オルジャスの白い馬

2020.02.04

あ行,

カザフスタンの美しき風景に西部劇を持ち込むと…この映画、竹葉リサ監督とカザフスタンのエルラン・ヌルムハンベトフ監督の共同監督となっています。俳優としては、森山未來さんがカザフスタンの俳優たちの中にひとり加わっています。映画監督というのは、こういう映画を撮りたいという思いがあってこそできる仕事ですので、共同監督というのは難しそうです。役割分担を身を...

テリー・ギリアムのドン・キホーテ

2020.02.02

た行,

30年をかけた偉大なる駄作なんともとりとめのない映画です。ひとことで言えば批評性に欠けているということなんですが、映画であれ小説であれ、古典を題材にするということは、その古典を現代的意味においてどう読むかということが求められると思います。特に『ドン・キホーテ』は、時代により、人により、表現形態により、様々に取り上げられてきた古典ですので批評性という視点を避けるこ...

母との約束、250通の手紙

2020.02.01

は行,

シャルロット・ゲンズブールが浮き、バランス悪さだけが目立つシャルロット・ゲンズブール、憑依型俳優に目覚めたか!?というような映画で、ゲンズブールさんが悪魔に取り憑かれたような母親を演じています。ロマン・ガリーというフランスの小説家の半生を描いており、その母親がゲンズブールさんです。母との約束、250通の手紙 / 監督:エリック・バルビエ原題は「La...

コンプリシティ 優しい共犯

2020.01.30

か行,

日本映画には珍しい(?)センスの良さが光るこういう映画を撮れる監督が日本にもいるというのはうれしいですね。こういうというのは、現実社会に積極的に関わろうとし、それをきっちりドラマと仕上げることができ、そしてなにをおいてもセンスがいいという映画です。もちろん他にいないというわけではありませんが、日本映画でこういう外に開かれた映画は少ないとは思います。社会全体が内...

風の電話

2020.01.26

おすすめ映画, か行,

この映画には俳優モトーラ世理奈ではなくハルがいる10年という時の流れを経てもなお癒やされない悲しみを俳優の演技だけで表現することはかなり難しいことだと思います。それをやってのけたのがモトーラ世理奈さんであり、監督の諏訪敦彦さんです。東日本大震災のことです。ラスト、亡くなった家族へ「風の電話」をするハル=モトーラ世理奈、10分か、15分か、カメラはそのハルをアッ...

ジョジョ・ラビット

2020.01.23

さ行,

ヒトラーが吹っ飛ぶ寓話的なヒューマンドラマナチスを題材にしてコメディ映画を撮るとすれば、それがいいことかどうかは別にしますとヒトラーを茶化すことが一番に思いつきそうですし、そんな映画があったようにも思います。しかし、この「ジョジョ・ラビット」は、そうしたシニカルな手法をとらず、主人公に10歳の少年をおいて寓話的なヒューマンドラマに仕上げています。原作があるよう...

フォードvsフェラーリ

2020.01.21

は行,

ハリウッドにしてはメリハリ不足。実話にとらわれ過ぎ?なぜ今この題材? という感じがする「フォード vs フェラーリ」です。結局映画は、1966年のル・マン24時間レースにおいてフォードがフェラーリに一矢報いるという内容でなんですが、そのどちらも現在はル・マン24からは撤退していますし、題材自体に現代性が乏しい感じがします。と、思いましたが、ウィキペディアを読み...

ラストレター

2020.01.18

ら行,

岩井俊二監督らしい叙情的感傷映画…でいいのか?構成力はさすがです。見る前にどんな話かと公式サイトのあらすじを読んでみましたら、読み方もよくわからない役名が並び、過去と現在を同じ俳優の二役で配役したりとなんだかややこしい話だなあと思ったのですが、実際に見てみれば、現在と過去の行き来も自然ですし、二役にもまったく違和感がありません。それと俳優、特に松たか子さんでも...

フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛を込めて

2020.01.16

は行,

実話ベースの音楽ものはテッパン!実話ベースのサクセスストーリーで音楽ものとくれば鉄板でしょう。イギリス、ポート・アイザックの漁師たちのバンド「フィッシャーマンズ・フレンズ」がメジャーデビューし、全英チャートトップ10入りを果たすまでの物語です。2010年に発売されたこのCDがそれです。Port Isaac's Fisherman's Friends...

冬時間のパリ

2020.01.14

は行,

オリヴィエ・アサイヤスが描く大人のフランス人のノンフィクション(みたいな話)先日見た「パリの恋人たち」もそうですが、フランス映画には叙情的な邦題をつければ客が増える法則でもあるのでしょうか(笑)。もちろん客が入らなければ映画も見られなくなるわけですからそうした努力なんだろうとは思いますが、それにしてもこの「冬時間のパリ」は下のチラシのような内容の映画ですよ。...

パラサイト 半地下の家族

2020.01.11

は行,

階級社会ではなく格差社会の悲哀と悲劇昨年2019年のカンヌパルムドール受賞作です。このところの映画界(特に日本?)では、「格差社会」という言葉がこの時代を写すキーワードのように語られていますが、この映画こそはまさにそのものズバリの映画です。それは、現代が「階級社会」ではなく「格差社会」だという意味においてもです。パラサイト 半地下の家族 / 監督:ポン...

サイゴン・クチュール

2020.01.09

さ行,

ベトナムの活力を感じる映画こういう映画が作られるということはその国に活力があるということでしょう。予告編をみていましたら「1969年 サイゴン、アオザイ屋の娘ニュイはサイゴンいちのファッションリーダー!」などと始まります。え!? 1969年? ベトナム戦争は…? と、一瞬声を失くしてしまうような語りに、これはいったいどういうこと? 是非とも見に行かなくてはとい...

残されたもの 北の極地

2020.01.07

な行,

マッツ・ミケルセンを生かせず単調に終わるこれはそもそもの企画が無理なんじゃないでしょうか。登場人物は実質的にひとりです。北極圏のどこかに小型飛行機で不時着した男が救助を求めるが救助のヘリも強風で墜落、やむなく生存者の女性パイロットを連れて自力での生還を試みるという物語で、その女性は負傷して最後まで意識は朦朧で会話はできず、ただただ最後まで男のハアハアという息切れ...

人魚の眠る家

2020.01.06

な行,

(DVD)篠原涼子ってスゴイね。面白かったです。DVD鑑賞ながら結構集中して見られました。人の「生」と「死」の境界線という個々の局面では永久に結論のでないテーマがドラマというフィクションの世界にうまく落とし込まれています。まあこれは原作のものでしょうが、映画としては特に篠原涼子さんの演技が素晴らしく、現実感の薄いセットやライティングの中のリアリティある薫子(篠原...

ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋

2020.01.03

ら行,

下ネタ好きにはオススメ、シャーリーズ・セロンファンにもオススメ下ネタも臆することなくやれば下品さも薄まるかどうかという映画です(笑)。正直薄まっちゃいませんが、まあ、シャーリーズ・セロンだから許しましょ、というところでしょうか。ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋 / 監督:ジョナサン・レヴィンアメリカ合衆国国務長官シャーロット・フィールド(シ...

パリの恋人たち

2019.12.31

おすすめ映画, は行,

ルイ・ガレル、映画で戯れるルイ・ガレルさん、無茶苦茶楽しんで映画つくってます。公式サイトにある「フランス映画界きってのサラブレッド」という枕詞(的な)がフランスでも言われていることかどうかはわかりませんが、こういう(映画の)センスには二世、三世という環境が大きく影響しているように思います。パリの恋人たち / 監督:ルイ・ガレルどの国にも様々な価値観...