恋に悩む男女におすすめ、大人になるために。 「恋人たちの失われた革命」以降ですのでごく最近のものしか見ていませんが、フィリップ・ガレル監督、一貫して男女の関係を撮っている印象です。モノクロへの思いも強いのでしょうか、この「パリ、恋人たちの影」もそうですが、「恋人たちの失われた革命」「ジェラシー」「愛の残像」がそうでした。それに、極めてシンプルに、余計なものは一切...
俳優の素晴らしさと丁寧な描写がひかります ヨアキム・トリアー監督、ラース・フォン・トリアー監督の甥だそうです。ただ、監督紹介ではデンマークではなくノルウェー人となっています。それにしても「ラース・フォン・トリアーの遺伝子を受け継ぐ」なんてのは、宣伝文句とはいえ、ちょっとばかりいただけません。長編三作目だそうですが、才能が感じられます。こうした丁寧な人物描写が求め...
エレン・ペイジのアップになるたびに涙が流れて…。もちろんジュリアン・ムーアもいいのですが。 あ~、最初から最後まで涙が止まりませんでした。1リットルくらい出たかもしれません(笑)。ただ、単純に感動というわけではなく、とにかく細かいところでうまいんですよ。監督も、俳優も、もちろんジュリアン・ムーアもそうなんですが、ステイシーをやっているエレン・ペイジ、無茶苦茶いいで...
ローリー・アンダーソン、愛と死を語るという感じ 現在では、パフォーマンスという言葉は、ほぼ正しい意味あい、能力や出来栄えや公演といった意味で使いますが、70年代、80年代には、パフォーマンスアートのことを指していたと思います。ローリー・アンダーソンは、その時代の代表格ではないかと思いますが、その音楽を初めて聞いた時は結構インパクトがありました。多分、CDではなく...
ヒップホップ、バイオリン演奏、バレエ、アイリッシュダンス、各種混合パフォーマンスバトルがカッコいい! パフォーマンスバトルもの、とでも言えばいいのでしょうか、ヒップホップダンスのバトル、バイオリン演奏のバトル、そしてラストは、やや「バトル」という言葉とはニュアンスが異なり、弦楽器&ダンスのコンペティションではありますが、そうしたバトルシーンが見どころの映画です。...
10年の時間が感じられず、なぜこの事件が今突然起きる?と不思議でならない 乱暴な映画だと思います。10年前に両親を亡くし、祖母と叔父の家で、自由にのびのびと育てられてきた(としか見えない)5人姉妹が、学校の帰りに海辺で男子生徒たちと肩車をしたりして水遊びしたことが不純行為と咎められ、その日から突然(としか見えない)、祖母と叔父によって、幽閉状態のような環境に置かれ...
この映画の時間は止まっている。あるひとつの感情が約2時間に渡って繰り返されているよう 「息子の部屋」を見たような記憶はあるのですが、全く内容を思い出せないという程度ですので、初ナンニ・モレッティ監督ということになります。カンヌの「エキュメニカル審査員賞」というものを受賞していますので、どんな賞?と調べてみましたら、「エキュメニカルとはキリスト教の教会統一の意。キリ...
コソボ独立反対のデモ(暴動?)のシーンはうまく撮れていたと思いますが、映画としてはややとりとめのない印象 セルビアの映画です。民族や宗教が交錯するバルカン半島は、実感として日本人には一番理解し難い地域かもしれません。特にセルビアが属していた旧ユーゴスラビアは、「七つの国境、六つの共和国、五つの民族、四つの言語、三つの宗教、二つの文字、一つの国家」(ウィキ)と形容さ...
本気で安田顕さんを主役で撮ろうとしたのか問いたいですね。 横浜聡子監督、私の中ではかなり期待度の高い監督で、「ウルトラミラクルラブストーリー」以来、長編を待ち望んでいた監督です。短編では、「おばあちゃん女の子、真夜中からとびうつれ」を見ているのですが、もう4年前ですね。「ウルトラミラクルラブストーリー」からは8年です。まあ、映画を撮るのもそう簡単ではないとい...
人間みんなバードピープルですよ。 予告を見た印象ではもっとファンタスティックな映画かと思っていましたら、結構シリアスで、ちょっと不思議な感じの映画でした。ファンタジーをイメージしたわけは、主役の役名がオドレイで、演じているのがアナイス・ドゥムースティエときていて、似ているわけではないのですが、なんとなく「アメリ」のオドレイ・トトゥが浮かんでしまい、きっとアナイス...
出来るならば、70歳になっても80歳になっても、こういう映画を作り続けて欲しいとは思います 「その男、凶暴につき」に続き、「HANA-BI」と「キッズ・リターン」です。やはり、見る時代によって、というより自分の年齢でしょうか、随分印象が違います。[aal B0741C57S1]公開時と同じように、今でも、俳優ビートたけしの、つまり監督北...
ラストも過剰ではなく程よい感動をもたらしてくれます。気持ちのいい映画でした。 パレードへようこそ(字幕版)発売日: 2015/09/25メディア: Amazon インスタント・ビデオこの商品を含むブログ (3件) を見るベタだけど感動しますね、こういう映画は。テンポもいいですし、いろいろ細かいエピソードをちりばめて楽しませてくれます。『パレードへようこそ』予告編...
個人的趣味の問題なのかも知れませんが、オーソドックスに時間軸に沿って音楽と映像だけで見せてもらった方が感動したような映画です パプーシャの黒い瞳 Blu-ray 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店 発売日: 2015/10/31 メディア: Blu-ray この商品を含むブログ (2件) を見る何だかもったいない感じがします。興味をそ...
日本でこういう映画が生まれないのはなぜなんでしょう? パリよ、永遠に(字幕版) 発売日: 2015/09/02 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログを見るドイツ人であるフォルカー・シュレンドルフ監督がフランスでこういう映画を撮るということがドイツとフランスの成熟した関係を現しているということなんでしょう。残念ながら、なか...
こうした映画を見ますと、日本で語られるグローバルだの多様性だのという言葉が実に空虚に聞こえます。 バベルの学校 [DVD]発売日: 2015/10/10メディア: DVD何気なく映画の紹介欄をみていましたら「やさしい嘘」の文字が目にとまり、「えっ?」と思い、読んでみますと、ジュリー・ベルトゥチェリ監督のドキュメンタリー作品とのこと、「バベルの学校」という映画をやっ...
完全にベルリンの金熊にだまされました(笑) 薄氷の殺人メディア: Prime Video完全にベルリンの金熊にだまされました(笑)。映画『薄氷の殺人』予告編カメラが微妙に揺れる冒頭のシーン、ビニールシートに包まれた、多分死体だろう物体が土の中に埋もれています。やがてそれはトラックの荷台だと分かり…、なんて、結構出だしは良かったのですが、しばらく見ていますと、首...
映像はスペクタクルで迫力もあるのに映画が説明的で残念 ボリビアと聞いてもゲバラの名が浮かんでくる程度にしか何も知らないのだとあらためて感じているのですが、「ボリビア・ウカマウ集団革命映画祭」という企画が気になり見てみました。INSURGENTES TRAILER HDボリビアに「映像制作集団ウカマウ」というグループがあり、その作品を太田昌国さんが主宰する「...
面と向かって、お前がつきあっていたあばずれ中国女か、と言われ、顔色ひとつ変えないこととは… いきなり、パリの街角で、つきあっていた男にすがる中国人女性。それを得意の手持ちカメラで追いかけるわけですから、何とも微妙な感じで始まります。さらに、女は傷心の面持ちで街でさまよううち、たまたま出会った男にナンパされ、食事を共にした後、路地でレイプされ、それでも自分の部屋に連れ...
静かに始まり、静かに終わるといった感じです。自らの最期もそうありたいものですが… 母の身終い(字幕版)発売日: 2014/08/13メディア: Prime Videoこの商品を含むブログを見るステファヌ・ブリゼ監督は、「自殺幇助はこの映画の主題ではありません」と語っている(プレスリリースなのか出所が分からない)らしいですが、自殺幇助のインパクトからして、そう捉える...
思考する能力を放棄することによって生まれる「悪の凡庸さ」 [aal B00NE9O9VK]3週目ですが、1日1回上映ということもあるのでしょうか、超満員でした。名古屋での上映はシネマテークで来週いっぱいです。公式サイトの劇場情報を見てみたら、3月末まで全国のミニシアターでの上映が決まっているようです。人気からするとまだまだ増えるかも知れませんね...