DVD 一年ほど前に「麻希のいる世界」という同じく塩田明彦監督の映画を見てその手法に興味がわき、正月休みに旧作の「害虫」を見てみました。宮崎あおいさんと蒼井優さんの映画です。二人は同い年なんですね。20年前の映画ですので若い! 撮影当時は15、6歳ということだと思います。害虫 / 監督:塩田明彦画が説明的「麻希のいる世...
男の願望、妄想、勘違い… 見るべき映画がないときは、わざわざ劇場に足を運ぶこともないだろうと思ってスルーした映画をDVDで…。ちひろさん / 監督:今泉力也有村架純という俳優…有村架純さんを有村架純さんとして知ったのは3年前にDVDで見た「花束みたいな恋をした」です。もちろんそれまでも名前は知ってはいたんですが意識...
寛容性の最大の敵はローレンス… 今年2025年のアカデミー脚色賞を受賞した「教皇選挙」です。エドワード・ベルガー監督は「西部戦線異状なし」で紹介されることが多いようですが、私が見ている作品で言えば「ぼくらの家路」の監督です。教皇選挙 / 監督:エドワード・ベルガーほぼ原作のプロット通り…脚色賞ですので原作があるわけ...
序盤はほぼ完璧なミュージカル、中盤以降もその線でいけばよかったのに… 昨年2024年のカンヌ国際映画祭で4人の俳優が女優賞を受賞し、今年2025年のアカデミー賞ではそのひとりゾーイ・サルダナさんが助演女優賞を受賞したジャック・オーディアール監督の「エミリア・ペレス」です。あるいは過去の差別発言がなければ、タイトルロールであるエミリア・ペレスを演じたカルラ・...
この映画は「安倍公房」的ではなく「石井岳龍」的なるもの… 「“あの”悲劇から27年―」ってなんのことかと思いましたら、そんなことがあったんですね。箱男 / 監督:石井岳龍映画化してはいけない原作…「箱男」映画化の企画は、27年前の1997年に一度日独合作で製作が始まったもののハンブルクでのクランクイン前日に日本側の...
CODAの話ではなく、五十嵐大の半生記、あるいは青春放浪記みたいなもの… コーダ(CODA)という言葉を、またそれが Children of Deaf Adults の頭文字を取った言葉であり、両親、またはそのどちらかが聴覚障害者の子どものことだと知ったのは2022年のアカデミー賞作品賞を受賞した「コーダ あいのうた」です。ぼくが...
こんな話を書けるのは、2023年現在の日本の社会環境においては女性しかいません(笑)。 特に期待を持ってというわけでもなく、広瀬すずさん、久しぶりだなあなどと思いポチッとしてみました。と思ったのですが、何年ぶりだろうと出演作をみてみましたらちょうど1年前に「流浪の月」を見ていました(笑)。水は海に向かって流れる / 監督:前田哲...
描くべきテーマを映画が隠してしまっているようだ… 「生きてるだけで、愛。」の関根光才監督です。映画だけではなく映像に関わる分野で幅広く活躍されている方のようです。6年前のその映画は、趣里さんの面倒くさい女演技と菅田将暉さんのカツラが印象深く記憶に残ってはいるのですが、レビューに何を書いたかは記憶がなく、読み返してみましたら、映像は美しいけれども新鮮さは感じ...
この邦題で引く人がいなければいいのですが… 「第三夫人と髪飾り」のアッシュ・メイフェア監督、その長編デビュー作からもう7年になります。評価は高かったはずですが、なかなか新作を撮る環境が整わないのでしょうか、実質的には長編二作目になります。それにしても「その花は夜に咲く」って邦題、なんと言っていいのか…(涙)。その花は夜に咲...
あみこ、カナ、山中瑶子監督の分身かな… 前作「あみこ」のレビューに「こういう才能が継続的に映画が撮れるといいのですが…」と書いた山中瑶子監督の長編二作目です。今年2024年のカンヌ国際映画祭の監督週間で上映され、国際映画批評家連盟賞を受賞したとのことです。ナミビアの砂漠 / 監督:山中瑶子ナミブ砂漠の人工水飲み場…...
「ツィゴイネルワイゼン」時代の脚本じゃないですかね… 根岸吉太郎監督、久しく名前を見ていないなあと思いましたら東北芸術工科大学の教授や学長をやっていたんですね。現在はその運営法人の理事長であり、同系列で京都芸術大学を運営する瓜生山学園の理事でもあるようです。それで思い出しました。林海象監督の2020年の映画「BOLT」のプロデューサーに名前が入って...
感じさせるだけの情感もなく、考えさせるだけのわかりやすさもなく… 何度見せられたかわからない予告編以上のものはあるのか? と思うくらい印象深い予告編、そして音楽という映画です。アウシュビッツを描いた映画は数え切れないほどありますが、まだこうした切り口があったかと期待は高まります。関心領域 / 監督:ジョナサン・グレイザー感...
「傲慢」も「善良」も、え?と言うほどの今どきのラブストーリーでした… 『高慢と偏見』が意識されているんだろうと思い興味を持ったのですが、見てみれば、「傲慢さ」もほどほど、「善良さ」にいたっては何のこと? という程度の今どきのラブストーリーでした。傲慢と善良 / 監督:萩原健太郎今どきのラブストーリー…あらすじとして...
映画のつくりとしては完璧です… 「イタリアで600万人を動員し「バービー」「オッペンハイマー」を押しのけて2023年のイタリア国内興行収入ランキングNo.1の大ヒット(公式サイト)」というのも当然でしょう。映画のつくりとしては完璧です。ドマーニ! 愛のことづて / 監督:パオラ・コルテッレージネオレアリズモへのリスペクトと...
こういう映画が生まれるのもアメリカ映画の強み… これは面白い! けれども難しい。それにこの面白さは心には残らない(ゴメン…)。スイート・イースト 不思議の国のリリアン / 監督:ショーン・プライス・ウィリアムズ不思議な国、あるいは鏡の国のアリスのもじり…サウスカロライナ州の高校3年生リリアン(タリア・ライダー)がワ...
原作者はソニーでプレイステーションの開発を主導した人だった… 映画.comでは「「ザ・ディープ」「エベレスト」などでアイスランドを代表する監督として知られるバルタザール・コルマウクル」監督と紹介されています。いずれの映画も見ていませんし、知らない監督ですので余計に見たくなります。それに Kōki, さんが出演していることもそう思う要因のひとつにはなります。...
不幸にまどろみつつ暴力への誘惑を内在化する若き見知らぬ者たち… 見ていないのですが、前作が「佐々木、イン、マイマイン」というちょっと気になっている映画の内山拓也監督です。それに磯村勇斗さん、岸井ゆきのさんの名前がありますのでどんな映画かと楽しみではあったのですが…。若き見知らぬ者たち / 監督:内山拓也不幸にまどろむ若き者...
たまにはこういう映画も悪くない… ちょうど1年くらい前の2023年12月8日に公開された映画です。タイトルをよく見かけましたし、結構長く上映されていたように思いますのでDVDを借りてみました。知らなかったんですが、監督は「光を追いかけて」の成田洋一監督でした。あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 / 監督:成田洋一シンプ...
おんなたちは、男、宗教、抑圧から逃走する… 初めて見る監督の映画の場合は、ざっと映画.com を読んで見る見ないを判断しています。で、この「緑の夜」を見ることになったのは、なんだかよくわかんない映画だなあとの印象とファン・ビンビンさんです。で、結果、本当によくわからない映画でした(笑)。緑の夜 / 監督:ハン・シュアイ...
藤井道人監督の映画はもういいと言いながら見てしまった、その結果は… 今朝、たまたまテレビでこの「正体」の舞台挨拶の様子を見たためにポチッとしてしまいました。吉岡里帆さんが餃子をつくるシーンで横浜流星さんは下手くそだったと言っていたのがツボにはまったのかもしれません(笑)。正体 / 監督:藤井道人原作を読んでいないのに適当な...