記事一覧

泣き虫しょったんの奇跡

2019.12.29

な行,

(DVD)サラリーマンから将棋のプロへ将棋の世界のことなどまったくわかりませんが、こういう映画を見ますと藤井聡太くんは超超天才なんだということがわかります。プロの棋士になるためには、奨励会に入り26歳までに三段リーグ戦で上位ふたりに入らなくてはいけないらしいのですが、この映画の主人公で自伝小説の原作者瀬川晶司さんは、年2回あるリーグ戦に8回のチャンスがあったのに...

2人のローマ教皇

2019.12.27

英数字, 数字

二人の教皇が互いに赦しを請い、そして与えるNetflix オリジナルの映画はネット配信の1週間前にイオンシネマで劇場公開するパターン(契約?)が定着しているようです。この映画もそうで、ネット配信は12月20日からされており、その1週間前からイオンシネマで公開されていました。このパターンはこれまで数本見に行っていますが、そのどれも客の入りはあまりよくありません。と...

私のちいさなお葬式

2019.12.23

わん他,

解凍された鯉とザ・ピーナッツ「恋のバカンス」?「73歳、年金暮らし。それはあまりにも突然の余命宣告・・・。自分の<お葬式計画>に奮闘するエレーナの笑って泣けるやさしさに包まれる物語!!(公式サイト)」といったいわゆる終活ものというよりも母と息子の再生物語のような映画です。私のちいさなお葬式 / 監督:ヴラジーミル・コット英題は「Thawed Carp...

愛の小さな歴史 誰でもない恋人たちの風景vol.1

2019.12.21

あ行,

撮りたいものがわからない「愛の小さな歴史」ってタイトル、中川龍太郎監督の2015年の映画にありますが、知らないということはないでしょうから、わかってやっているんでしょう。それに副題が「誰でもない恋人たちの風景vol.1」ということですので連作として撮っていくということかと思います。愛の小さな歴史 誰でもない恋人たちの風景vol.1 / 監督:越川道夫...

ある女優の不在

2019.12.18

あ行,

イラン社会の3人の女性、過去、現在、未来(となるか?)それにしても「ある女優の不在」とは無茶苦茶な邦題をつけたものです。原題は「Se rokh」、Google翻訳で調べてみたんですが、何語なのかもわかりません。映画の言語はペルシャ語、アゼルバイジャン語、トルコ語となっており、そのいずれかとは思いますが変換されません。想像ではペルシャ語の音をアルファベット表記に当...

家族を想うとき

2019.12.16

か行,

労働者よ、もっと怒れ!とケン・ローチ監督は言っているケン・ローチ監督はもともと策を弄するような映画は撮らない直球勝負の監督ですが、前作の「わたしは、ダニエル・ブレイク」からさらにその傾向が強まり、この映画では行くところまで行っている感じがします。言い方を変えますと、ケン・ローチ監督、前作にも増して心の底から怒っています。家族を想うとき / 監督:ケン・ロ...

カツベン!

2019.12.14

か行,

エンタメ映画の王道でシリーズ化をねらう?特に何かを期待して見るような映画ではなく(批判ではない)、映画の楽しみ方のひとつとしてはありかなという映画です。笑いの要素がやや不足してはいますが、全体としては楽しめます。個々の俳優を見る映画でもあります。カツベン! / 監督:周防正行と言ったことよりも、この映画の企画がどういう形で生まれてきたか興味がありま...

夕陽のあと

2019.12.12

や行,

前半の完成度は高い、特に山田真歩さんがすばらしい。前半は賞をとってもいいレベルでした。後半もダメというわけではないのですが、おそらく企画の性格上やむを得ないのでしょう、説明的なシーンが多くなりますし、話を前向きにまとめようという意図があからさまになってきます。夕陽のあと / 監督:越川道夫鹿児島県長島町という町の町おこし映画だったんですね。島の町の...

読まれなかった小説

2019.12.11

や行,

父と息子の軋轢と邂逅ではなく男たちの諦観の物語189分、およそ3時間の映画です。前作の「雪の轍」が196分ですので、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督にはこの長さがないと語りきれないということなんでしょう。前作では人の業のようなものを延々語ったものの、最後は割と簡単に人と人がわかり会えるような結末で終えていましたが、この映画はどうなんでしょう?読まれなかった小...

あなたを、想う

2019.12.10

あ行,

導入よし、画よし、俳優よし、なのに…なぜ?シルヴィア・チャン監督の2015年の映画です。シルヴィア・チャン監督の映画は、昨年2018年に「妻の愛、娘の時」を初めて見たのですが、その一作前が今公開されたようです。公式サイトによりますと、「台湾で活躍する日本人俳優・蔭山征彦が温めていた3つの短編の脚本が監督の目に留まり1本の作品へと結実した」とのことです。蔭山...

テルアビブ・オン・ファイア

2019.12.06

た行,

痛々しい。サラームがパレスチナの今だとしたら…パレスチナが舞台の映画は、製作国や監督など、その映画がどのような背景のもとで作られたかをみないと、映画のもつ意味を理解するのは難しいです。この「テルアビブ・オン・ファイア」のサメフ・ゾアビ監督は、(多分)イスラエル国籍のパレスチナ人で、テルアビブで生まれ育っていますがテルアビブ大学卒業後はアメリカに移りコロンビア大学...

マリッジ・ストーリー

2019.12.04

おすすめ映画, ま行,

結婚、そして離婚、でも生きている Being AliveNetflix 製作、配信は12月6日からですが、11月29日から先行劇場公開されています。「イカとクジラ」「フランシス・ハ」「ヤング・アダルト・ニューヨーク」のノア・バームバック監督、主演は下の画像のようにスカーレット・ヨハンソンさんとアダム・ドライバーさんです。タイトルは「結婚物語」となっていますが、...

i 新聞記者ドキュメント

2019.11.30

英数字, 英字

森達也監督らしくない中途半端さ映画の宣伝コピーが「森達也 vs 望月衣塑子」となっており、おそらく、映画の意図としては、森監督が望月さんの新聞記者としての活動を追うことによって、ジャーナリズムの本質的なことを前景化しようということなんだろうと思います。それが間違っていなければですが、タイトルの「i」に意味がありそうですし、また「新聞記者ドキュメント」というかなり...

ライフ・イットセルフ 未来に続く物語

2019.11.28

ら行,

感動するか、あまりの作り込みに引くか、あなたはどちら?こういう映画は苦手だなあ…(笑)。なにがって、全編、ストーリーを説明されているような映画ですし、それに、なんだか壇上から教訓話を聞かされているような窮屈さを感じません?ライフ・イットセルフ 未来に続く物語 / 監督:ダン・フォーゲルマンそれもそのはずでした。この映画、二世代にわたる二つのルー...

盲目のメロディ インド式殺人狂騒曲

2019.11.27

ま行,

予測不能なブラックコメディーと言われても(コラ!)インド映画と言いますと「歌って、踊って」がすぐに浮かんでしまい、およそ想像がついてしまいますのでほとんど見ないのですが、「踊らないのに大ヒット!」「予測不能なブラックコメディー」の宣伝コピーにつられ見てしまいました(笑)。盲目のメロディ インド式殺人狂騒曲 / 監督:シュリラーム・ラガヴァンえー! ブラッ...

失くした体

2019.11.26

な行,

音楽とエスプリの効いた会話でみせるアニメーションふと見た予告編に惹きつけられたアニメーション、本編81分も惹きつけられっぱなしでした。今年2019年のカンヌ国際映画祭批評家週間でグランプリを受賞したらしく、また、この部門でアニメーションがグランプリを受賞したのは初めてとのことです。失くした体 / 監督:ジェレミー・クラパン切断された手が自分の体を求...

ゾンビランド ダブルタップ

2019.11.24

さ行,

笑いと差別は紙一重…かな?一作目の「ゾンビランド」の成功の後、かなり早い段階から続編の話が出ていたように思いますが、やっと「ゾンビランド ダブルタップ」登場です。ゾンビ好きというわけではありませんが、こういうただひたすら理屈を超えた展開のおバカ映画は大好きです(笑)。言わずもがなですが、何かを語るような映画ではありませんので、以下、感想程度です。ダブルタップは...

象は静かに座っている

2019.11.20

さ行,

この閉ざされた世界から抜け出す先もまた国境に閉ざされた町「象は静かに座っている」上映時間234分ですからほぼ4時間の映画です。監督のフー・ボーさんは、この映画がベルリン国際映画祭のフォーラム部門でプレミア上映された昨年2018年2月16日から遡ることおよそ4ヶ月前の2017年10月12日に自ら命を断っています。その理由をウィキペディアは「his death w...

ラフィキ ふたりの夢

2019.11.18

ら行,

ケニア、自由にあるがままに生きたいと願う少女たちケニア映画です。アフリカを「舞台」にした映画ではないアフリカ映画って見たことがあるのだろうかと思い返してみても記憶がありません。この映画の製作は南アフリカの Big World Cinema というプロダクションで、アフリカ映画がたくさんラインナップされており面白そうなものがあります。監督のワヌリ・カヒウさんは1...

わたしは光をにぎっている

2019.11.15

おすすめ映画, わん他,

翔ばなくてもいい時代の青春ファンタジー中川龍太郎監督、かなり注目している監督です。一年ほど前に見た「四月の永い夢」がとてもいい映画であり、その名前になんとなく記憶がありましたので過去記事を検索しましたら、その三年ほど前に「愛の小さな歴史」を見ていたという、そんな始まりです。わたしは光をにぎっている / 監督:中川龍太郎映画としてすごく洗練されてきて...