記事一覧

ゴールデン・リバー

2019.07.09

か行,

西部劇がヒューマンドラマに変わる時ジャック・オーディアール(オディアール)監督が西部劇? という感触を持っていたのですが、見てみれば、確かに、なるほどとも思える一風変わった西部劇でした。ゴールデン・リバー / 監督:ジャック・オーディアールオーディアール監督は、ハリウッドで撮るのも、英語で撮るのも初めてとのことですが、経緯は、この映画の主演でもあるジ...

Girl/ガール

2019.07.06

英数字, 英字

ララの究極の選択は本当に性別違和の解決か?これまた何度も見せられた予告編から、性別違和を抱える男の子が周囲の偏見、差別に負けずにバレリーナ(女性バレエダンサー)を目指して頑張る感動ものかと思っていましたら、まったく、まったく、違っていました。Girl ガール / 監督:ルーカス・ドンベルギーという国は、LGBTに対する施策が進んでいるということで有名...

アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場

2019.07.05

あ行,

無名戦士たちの終わりなき継続戦争現在、秋篠宮が外交関係樹立100周年ということでフィンランドを訪問しています。多少なりともその話題性を集客に結びつけようとしたかどうかはわかりませんが、2017年製作のフィンランドの戦争映画が公開されています。アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場 / 監督:アク・ロウヒミエスフィンランド映画といいますと、どうしてもアキ...

ニューヨーク 最高の訳あり物件

2019.07.03

な行,

マルガレーテ・フォン・トロッタ監督、ラブコメに挑戦か?何度も見せられた予告編だけで充分だなあと思っていたのですが、ふと監督名を見ましたら、「ハンナ・アーレント」「生きうつしのプリマ」のマルガレーテ・フォン・トロッタ監督ではありませんか!え、こんな映画撮るの? と半信半疑だったのですが、そういえばこの元妻の方の俳優さん、何かで見た…、ああ、「生きうつしのプリマ」の...

COLD WAR あの歌、2つの心

2019.07.01

英数字, 英字

ズーラとヴィクトルを翻弄したのは冷戦か? 愛そのものか?下の予告映像にグッときてこの映画を見たとしたら、見終えた後、どう評価すべきか迷うかもしれません。 映画『COLD WAR あの歌、2つの心』6月28日(金)公開 特報予告この映画、想像力をフルに発揮して見ていませんと、いや、それでも初見では難しいかもしれませんが、なかなか感動に浸るというところまでは...

新聞記者

2019.06.28

さ行,

新聞記者というより内閣情報調査室の官僚たちという映画政治ネタを映画にするのは難しいですね。圧力があるからということではなく、リアリティを求めれば地味だと言われたり、エンターテイメントに走ればわかっていないと言われたり、まあ、映画の題材には向いていない、特に日本ではということだと思います。新聞記者 / 監督:藤井道人この映画も、これだけ現実を模して、...

アマンダと僕

2019.06.26

あ行,

パリ、ボルドー、ロンドンの日常風景の中の僕、という映画アマンダの母親が亡くなることは予告編で知っていたのですが、理由はこれですか!? と、びっくり。それに、アマンダがその喪失感を乗り越えていく過程を描いた映画かと思っていましたら、そうでもなかったです。アマンダと僕 / 監督:ミカエル・アース昨年(2018年)の東京国際映画祭のグランプリと最優秀脚本賞...

さよなら、退屈なレオニー

2019.06.23

おすすめ映画, さ行,

実はレオは”さよなら”しておらず、退屈と失望の真っ只中「グザヴィエ・ドランにつづく新鋭×東京ジェムストーン賞受賞の未来を担う女優」の宣伝コピーにつられたとしても、裏切られることも後悔することもありません。新鋭とはセバスチャン・ピロット監督、未来を担う女優とはカレル・トレンブレイさんです。さよなら、退屈なレオニー / 監督:セバスチャン・ピロットただ...

ウィーアーリトルゾンビーズ

2019.06.20

あ行,

ゲームボーイ世代&ロスジェネ世代の冷ややかなる憂鬱映画「『そうして私たちはプールに金魚を、』が第33回サンダンス映画祭ショートフィルム部門でグランプリを受賞した新鋭・長久允監督の長編デビュー作(映画.com)」との紹介コピーですのでかなり期待度は高かったのですが…ウィーアーリトルゾンビーズ / 監督:長久允公式サイトをみてから見に行けばよかったです(...

ガラスの城の約束

2019.06.19

か行,

ネグレクトを愛情視点で描いていいものか?まためんどくさい映画を見てしまいました(笑)。これが今の話なら、完全に児童虐待でアウトです。それをこんな脳天気な父娘の愛情物語に描くなんて、いくら1970年代の話だとしても、映画にするならもう少し考えるべきかと思います。もうこんなブラックな家族ファンタジーはやめましょうよ、という映画です。ガラスの城の約束 / 監...

旅のおわり世界のはじまり

2019.06.17

た行,

前田敦子さんのドキュメンタリーとしてみればよくできた映画前田敦子さんを追ったドキュメンタリーのような映画です。それが結構見られる映画になっているわけですから、黒沢清監督が、前田敦子さん自身に映画一本持たせられるだけのものがあると考えた結果の映画だとは思います。旅のおわり世界のはじまり / 監督:黒沢清ですので、もし、そもそもの企画の意図が、日本とウ...

ハウス・ジャック・ビルト

2019.06.15

は行,

内なる殺人鬼妄想に苦悩するラース・フォン・トリアートリアー監督(呼びかけ)、飛行機恐怖症ということはわかりますが、一度、ヨーロッパ以外の非キリスト教圏に長期滞在してみたらどうですか? 列車で行けますし、それに、もしすでに経験されているのであれば、さらにその倍の期間行ってみてはどうですか。ハウス・ジャック・ビルト / 監督:ラース・フォン・トリアーこれ...

嵐電

2019.06.14

ら行,

過去と現在、現実と幻、見えるものと見えないものが出会う場所。嵐山と四条大宮を結ぶ京福電気鉄道嵐山本線のことを「嵐電(らんでん)」と呼ぶそうです。路面電車ですね。その嵐電を舞台にした三組のラブストーリーを描いた映画です。 嵐電 / 監督:鈴木卓爾監督は鈴木卓爾さん、「楽隊のうさぎ」で知った監督です。今読み返してみましたら、「この映画には、すぐれたドラマ...

エリカ38

2019.06.13

あ行,

樹木希林企画、浅田美代子主演が売りの日比遊一監督作品樹木希林さんが浅田美代子さんのために企画したというのが売りの映画です。ただ私は、それだけではなく、監督が日比遊一さんということもあり、(若干)興味を持った映画です。エリカ38 / 監督:日比遊一日比遊一監督の初劇映画「ブルー・バタフライ」を見たのはちょうど一年前ですね。写真家でもあるということで、前...

ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた

2019.06.11

は行,

音楽に、父は夢を見、娘は現実を見る過剰なもののない見ていて気持ちのいい映画です。クライマックスのライブシーンは泣けます。ただ、あまり深いものを求めてはいけません。ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた / 監督:ブレッド・ヘイリー娘のサムをやっている上の画像の女性、何かで見た記憶が…、と思いながら見ていたのですが、「さよなら、僕のマンハッタン」でミミ...

パリの家族たち

2019.06.10

は行,

原題は『母の日』母の話ではあっても家族の話ではない5月の「母の日」の前に公開するという選択は、あえて避けたということなんでしょうかね。そうだとしたら、その理由は何なんでしょう?この映画、原題が「母の日」であるだけでなく、内容も「母の日」をキーワードにした「母(となることも含め)という存在との関係に苦悩する女性たち」をテーマにした映画なんですが、「働く女性の幸せ探...

アナと世界の終わり

2019.06.08

あ行, , おすすめ映画

青春、ゾンビ、ミュージカル、3ジャンルの王道をゆく青春ゾンビミュージカル映画としては完璧です。ただ、そうしたジャンルがあればですが(笑)。「ショーン・オブ・ザ・デッド」と「ラ・ラ・ランド」の融合(‘Shaun Of The Dead’ Meets ‘La La Land’)とのコピーで紹介されています。どちらも見ていませんので、それが妥当かどうかわかりませんが...

誰もがそれを知っている

2019.06.06

た行,

ペネロペ・クルス&ハビエル・バルデムは果たしてこれを望んだのか?これまで「誰もそれを知らなかった」ことを撮ってきたアスガー・ファルハディ監督が、「誰もがそれを知っている」ことを、はたしてこれまで通りの重層的な人間模様として描けるかに挑戦した映画です。誰もがそれを知っている / 監督:アスガー・ファルハディ…かどうかはわかりませんが、残念ながら、人間模...

ハイ・ライフ

2019.06.04

は行,

キリスト教的価値観の脳内妄想映画こういう映画はキリスト教世界の価値観がないと撮れないでしょう。絶対的なるものへの憧憬、人間の誕生と再生への積極的な関与、性的欲望との葛藤、そして肉体と精神の二元論。基本は「2001年宇宙の旅」の流れの中の映画だと思います。ハイ・ライフ / 監督:クレール・ドニそれにしても、せっかくいい俳優を使っているのに何やってんだか...

長いお別れ

2019.06.02

な行,

家族ファンタジーもいいけれど、さすがにここまでくると…さすがにこの価値観(家族観)にはついていけないなあという映画です。映画のつくりとしては俳優で持っている感はありますが、さすがにそれも30分くらいまでで、こうしたエンターテイメント系としてはメリハリがなく厳しいです。  長いお別れ / 監督:中野量太「湯を沸かすほどの熱い愛」の中野量太監督の商業映...