記事一覧

はじまりの街

2017.11.20

は行,

監督の自伝かと思うくらい感傷的で共感は難しいなんとなく見に行った映画ですが、今、公式サイトの監督紹介を読んでいましたら、「2012年に発表した『幸せのバランス』は、ヴェネチア国際映画祭に出品され」なんてあり、あれ、それ見ていますよと、この自分のブログを検索してみましたら、ありました。「幸せのバランス/イヴァーノ・デ・マッテオ監督」イタリアの公務員は、月収1,20...

ノクターナル・アニマルズ

2017.11.17

な行,

スーザンの今、過去、そして小説の物語が交錯して…(いない)トム・フォードさん、映画も撮っていたんですね。「シングルマン」が第一作だったとのことですが、タイトルに記憶がある程度で見ていません。この「ノクターナル・アニマルズ」は、昨年のヴェネチアで審査員グランプリを受賞しているようです。審査員グランプリって何かと思いましたが、ウィキペディアによりますと金獅子に次ぐ賞...

南瓜とマヨネーズ

2017.11.16

か行,

出来は結構いいのですが、印象薄くすぐに忘れてしまいそう「漫画家・魚喃キリコの代表作『南瓜とマヨネーズ』」の映画化ですが、そもそもその漫画どころか作者の名前の読み方も分かりません。「なななん」と読むようで、ざっとググってみたところでは、そういう魚がいるともいないとも、よく分かりません。いないよね(笑)。「ストロベリーショートケイクス」の原作も魚喃さんの漫画が原作...

ネルーダ 大いなる愛の逃亡者

2017.11.13

な行,

理解するより感じる映画、監督の才能は感じるが難しい1971年にノーベル文学賞を受賞したパブロ・ネルーダさん? 知らないなあと思ったのですが、「イル・ポスティーノ」で映画化されたあの詩人でした。で、この映画は、その「ネルーダが逃亡した謎の1年である1948年にスポットを当て」ており、各地をさまよい逃亡するネルーダとそれを追う警官ペルショノーを軸に、詩人パブロ・ネル...

グッド・タイム

2017.11.10

か行,

面白いのですが、何が撮りたいのか見えてこない前作「神様なんかくそくらえ」が、2014年の東京国際映画祭のグランプリを受賞したジョシュア&ベニー・サフディ兄弟監督の新作です。その前作では「次作で化けてくれれば」などと偉そうなことを書きましたが、この映画は面白かったです。ただ…ああー、やっぱり、但し書きがついてしまいました(笑)。監督:ジョシュア&ベニー・...

汚れたダイヤモンド

2017.11.08

おすすめ映画, や行,

ラスト10分のピエールの描き方が見事この映画、ラストの数シーンが無茶苦茶いいです。その良さというのは、主人公のピエール(ニールス・シュネデール)、下の引用の人物なんですが、彼の心の揺れが映画的に実にリアルなんです。実際にありそうとか現実的という意味ではなく、彼は次どうするんだろう、こうはしないでくれと考えながら見ていると、ああそうするんだ、そうか、そうだよなと...

ポンチョに夜明けの風はらませて

2017.11.03

は行,

「母をたずねて三千里」かと思いきや、探すべきは父だった♫ ポンチョに夜明けの風はらませて~、って「母をたずねて三千里」ですか? と思いながら公式サイトなど見ていましたら、青春覚醒ロードムービーなんてそそられるコピーもあり、太賀くんや染谷くんも出ていますし、ということで見てみました。廣原暁(ひろはらさとる)監督、まだ31歳なんですね。2010年に、東京藝術大学でし...

ポリーナ、私を踊る

2017.11.01

は行,

フランス製グラフィックノベル(漫画?)の映画化プレルジョカージュさんが映画監督!?と驚きと期待を持って見た映画です。アンジュラン・プレルジョカージュさんは、フランスのコンテンポラリーダンスの振付家で自身のカンパニーも持っている方です。もう30年くらい前になりますが、初めてプレルジョカージュさんの作品「肉体のリキュール」を見た時のインパクトと感動は今でも記憶して...

ポルト

2017.10.30

は行,

ポルトガルの古都ポルトの(特に夜の)街並みが美しい監督のゲイブ・クリンガーさんは、「大学で映画学を教え批評家としても活躍するブラジル出身の新鋭。処女作でヴェネチア国際映画祭最優秀ドキュメンタリー賞を受賞、本作は長編劇映画初挑戦ながら、ジム・ジャームッシュがその稀有な才能に惚れこみ、製作総指揮を名乗り出た。(公式サイト)」という方です。で、映画はと言いますと、男と...

ブレードランナー2049

2017.10.28

は行,

だからやめなさいって言ったのに…だからやめなさいって言ったのに…。って、実際誰かに言ったわけでもないのですが、そもそもこういうカルト的(ちょっと言葉が違いますが…)な映画の続編がうまくいった試しはありません。続編としてどうこう以前に映画としてつまらなさすぎます。30分もすれば飽きてしまいます。それにしても「ブレードランナー」って、時代設定が2019年だ...

婚約者の友人

2017.10.27

か行,

フランソワ・オゾン監督の「愛」と「死」これ、映画のつくりとしてはかなり完成度高いです。(ただ…)物語の展開のスピード感とスムーズさ、モノクロとカラーを織り交ぜた画の美しさ、俳優の存在感、それらがうまく絡み合って、見るものを最後まで引っ張っていく力が生まれています。俳優では、下の画像にもありますパウラ・ベーアさん、演技はもちろんですが、アール・デコ風のドレスや帽...

女神の見えざる手

2017.10.23

ま行,

は、読まずに見たほうがいいとは思いますが…これ、作りもテーマも無茶苦茶ハリウッド臭いんですけど、そうじゃなく、ヨーロッパ・コープの製作なんですね。と言いながら、私、最近は何か語れるほどハリウッド映画を見ていません(笑)。それに、今ではハリウッド臭いといえる特徴的なものもなくなっているのかもしれません。監督は「恋に落ちたシェークスピア」「プルーフ・オブ・マイ・ラ...

あゝ、荒野 後篇

2017.10.21

あ行,

ボクシングシーンがすごい!「前篇」を見て面白かったので「後篇」を見ようと上映スケジュールを見てみましたら、何と朝一と夜の2回しかなく、さらに朝は 8:45 から!?とやや怒りながらも、5時起きで公開初日に見てきました。5時起き? って、なにせ出かける前の準備に3時間かかりますので(笑)。何やってんの?と言われそうですが、別に普通に朝ごはん作って、食べて、顔洗った...

囚われ人 パラワン島観光客21人誘拐事件(DVD)

2017.10.20

た行,

「ローサは密告された」を見た際に、ブリランテ・メンドーサ監督がイザベル・ユペールさんで撮った映画があることを知り、2009年のカンヌで監督賞を受賞した「キナタイ -マニラ・アンダーグラウンド-」とともに借りてみました。この「囚われ人」の元となっているのは、イスラム・ゲリラ組織アブ・サヤフによって、2001年5月にパラワン島のリゾートホテルから20人の観光客が身代金目的で誘拐された事件です。...

ひかりのたび

2017.10.18

は行,

父親役の高川裕也が異彩を放っていたことと志田彩良に期待澤田サンダー監督ってどんな人? と気になったのと、下の画像にあるしっかりした表情の女性は誰だろう?と興味を持った映画です。澤田サンダー監督は、下に引用した通りで、いろいろ多方面のことが書かれていてよく分かりませんが、これが長編デビュー作なんですかね。 女性は志田彩良さん、まだ18歳、こちらもほぼデビュー作の...

あゝ、荒野 前篇

2017.10.16

あ行,

60年代ぽさがうまく現代に融合し、適度にリアル、適度に嘘っぽい。寺山修司を映画化? というよりも、1960年代を映画化?といったほうが正確なんですが、今の時代、最も映画化するのが難しいのではないかと思う時代をやりますか?と、思ったのですが、面白かったです(笑)。時代を2021年に置き換えているのですが、あまり違和感がないのは、新宿という街の持っている空気な...

サーミの血

2017.10.13

さ行,

老いたエレ・マリャの表情とシワに数十年の思いを感じるラップランドは、映画の舞台になったりしますし、割と耳にする言葉、地域なんですが、サーミ人というもともと遊牧を主とする先住民が暮らしていた地域を指す言葉なんですね。ただ、『ラップランドという呼称が本来、"辺境"の地を指す蔑称』でもあるので注意が必要とのことです。で、1930年代にスウェーデンが行っていたサーミ人の...

月と雷

2017.10.11

た行,

初音映莉子さんの映画です。ちょっとだけ高良健吾くんも。安藤尋監督って誰だっけ? 安藤? 安藤サクラの姉はなんて言ったっけ?と、そもそも名前の読み方もわからず(スマソ)、逆にそれで興味を持って調べているうちに物語が面白そうということで見ることになりました。「あんどうひろし」さんと読むそうです。原作の角田光代さん、結構映画化の声を聞きますがさほど多い方ではなく最...

わたしたち

2017.10.09

わん他,

最後まで子どもの目線からぶれないのが素晴らしいイ・チャンドン監督が見出したとの謳い文句が目に止まり見てきました。公式サイトによりますと、ユン・ガウン監督は30代なかばのようで、過去短編で高い評価を受けており、この映画が長編デビュー作とのこと、過去作に対して、「『Guest』で父親の浮気相手の家を探し出す女子高生の一日を生き生きとしたタッチで」とか、「『Sprou...

ドリーム

2017.10.08

た行,

白人男性を類型化して描いているのが印象的差別と分断の時代、21世紀は後にこう呼ばれることになるかも知れません。日々のニュースには、排除、排斥、ヘイト、テロなどの言葉がやたら目立つようになっています。考えてみれば、映画もそうしたテーマのものが多くなっているようにも思います。もちろん描き方は様々で、さすがに差別を肯定するものは見かけませんが、差別の現実を描くもの、...