最新映画一覧

ハッピーエンド

2018.03.07

は行,

85歳と13歳、救いのないふたつの「死」ミヒャエル・ハネケ監督はどうやら「死」に取り憑かれているようです。前作「愛、アムール」に引き続き「死」について語っています。むしろ、この映画の方が「愛」がない分、より「死」に向かっているように思います。Facebook やチャットなどの現代のコニュニケーションツールや移民の問題が登場し、わかりにくくなっていますが、描かれ...

シェイプ・オブ・ウォーター

2018.03.04

さ行,

偏見や差別をはねのけることができるのは、やはり「愛」この映画、アカデミー賞の13部門でノミネートされているそうですが、主演女優賞のサリー・ホーキンスさんは是非とも受賞してほしいですね。おそらく、彼女でなければ映画そのものがこの出来にはならなかったでしょう。もうひとり目立つのが悪役をやっているマイケル・シャノンさん、残念ながらノミネートされていませんが、こちらも賞...

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ

2018.03.01

英数字, 英字

欲望なき縺れ、殺意なき殺人昨年2017年のカンヌで監督賞を受賞しています。 ソフィア・コッポラ監督の映画は、「ロスト・イン・トランスレーション」「マリー・アントワネット」「SOMEWHERE」と見ていますが、どれも(私には)全然ダメで良さが全くわかりません(ペコリ)。 今読み返してみて思う、その理由をひとことで言えばリアリティがないということかなと思いますが、...

ナチュラルウーマン

2018.02.27

な行, , 褒めてる映画

ロッカーの中にあったもの、それはマリーナがマリーナであるためのものむちゃくちゃ力強い映画です。最近やたら耳にする、特にオリンピックシーズンでしたので毎日のようにテレビから流れてくる「勇気をもらう」という言葉を(嫌いだけど)あえて使えば、これほど「勇気をもらえる」映画、そして人物はいないでしょう。映画の中では何も語られませんので詳しい性自認はわかりませんが、公式...

苦い銭

2018.02.26

な行,

日々作られる爆買いイメージに隠された(もうひとつの)中国を知るドキュメンタリーなんですが、2016年ヴェネチアのオリゾンティ部門脚本賞(Best Screenplay)を受賞したという映画です。一般的な感覚からしますとドキュメンタリーに脚本ってあるの?と思いますが、ドキュメンタリーだって、どう構成しどう見せるかという視点は当然あるわけですから、見た目がいわゆるシ...

リバーズ・エッジ

2018.02.23

ら行,

(原作知らずの斜め読みネタバレ解説)40代のノスタルジー岡崎京子さんについてもこの映画の原作についても何も知らない者のレビューです。今、公式サイトとウィキペディアを読んだ程度です。それにしても最近の日本映画は、漫画が原作とかアニメの実写とかが多くなっている印象です。元となるものが、形は違っても、すでにひとつのビジュアル様式として一定の評価を得ているわけですから、...

ゆれる人魚

2018.02.21

や行,

ポーランド発、ややホラー、やや純愛、ややミュージカルなファンタジー映画面白いのか面白くないのか、洒落ているのかダサいのか、ユニークなのかありきたりなのか、あらゆる点で判断に迷う映画です(笑)。ポーランドのアグニェシュカ・スモチンスカ監督の長編デビュー作とのことです。今ではヨーロッパで製作される映画をどの国の映画だからどうこうと語ることにあまり意味があるとも思え...

花咲くころ

2018.02.19

は行, , 褒めてる映画

1992年トビリシ、14歳エカとナティアの二人は確かにその時そこで生きていたという映画。この映画、2013年の製作で、その年の東京フィルメックスで最優秀作品賞を受賞している映画です。とてもいい映画で私はお勧めしますが、こうしたやや地味とも言える映画の公開は難しいのでしょう。まさかジョージア出身の栃ノ心が優勝したタイミングを見計らったわけでもないでしょうが、時代に...

The PROMISE 君への誓い

2018.02.17

英数字, 英字

ホテル・ルワンダの監督が史実をベースに架空の人物を据えてアルメニア人大虐殺を描くアルメニア人大虐殺のことを知ったのはいつだったんでしょう? 2年くらい前に見たファティ・アキン監督の「消えた声が、その名を呼ぶ」の頃にはもう知っていましたので、それよりも前、いずれにして映画からでしょう。150万人が犠牲になったとも言われるオスマン帝国によるアルメニア人大虐殺、差別...

犬猿

2018.02.14

か行,

舞台劇にもできそうな会話劇、面白いですよ。特に江上敬子さんがいいです。映画と関係のないところから入りますが、監督の????田恵輔(吉田恵輔)さんの「????」って公式サイトでは「つちよし」になっていますね。普通じゃ変換されません。ちょっと調べてみましたら、もともと「吉」が旧字体で「????」が新字体(異字体)の同じ文字で、「????」は現在でも人名には使えない...

RAW~少女のめざめ~

2018.02.13

英数字, 英字

スタイリッシュな映像のグロさなしのカニバリズム映画名古屋での話ですが、この映画、東方面に住むものには地の果てにも感じる(ペコリ)港方面のシネコンの、それも夜7時10分の1回しか上映しないというかなりひどい扱いをされており見逃すところでした。なのに結構入っていましたよ。カニバリズムを扱っていることもあるのでしょうか、マニアックな映画かと思われそうですが、映像も美...

紙の月

2018.02.12

か行,

(DVD)宮沢りえさんの映画でした宮沢りえ主演、吉田大八監督、角田光代原作の2014年の映画です。日本アカデミー賞最優秀主演女優賞など数多くの賞を受賞しているようです。確かに主演女優賞にふさわしい宮沢りえさんの映画ですね。最近吉田大八監督の「羊の木」や角田光代原作の「月と雷」を見たことや、DVDで「湯を沸かすほどの熱い愛」を見て宮沢りえさんって結構いいじゃないと...

ローズの秘密の頁

2018.02.10

ら行,

アイルランドの時代背景が見えづらく、結局ルーニー・マーラっていいねとしか…やっぱり、ルーニー・マーラさん、いいですね。「キャロル」ですっかりその魅力にやられてしまったのですが、寡黙さが似合いますし、眼差しはやさしいけれど意志の強さを持った目ぢからがあります。この映画でもそうですが、秘めたパワーみたいなものがすごく出ていました。ただ、余計なことですが、素の写真か...

羊の木

2018.02.07

は行,

悪人は天から罰を受け、悔い改めれば救われるってか?公式サイトに「山上たつひこ、いがらしみきおという日本ギャグマンガ界のレジェンドが、原作と作画でまさかのタッグを組んだ超問題作『羊の木』」とありましたので、漫画で共作ってどうやって作業を振り分けるんだろうと思いましたら、いがらしみきおさんが原作(ではなく作画)で山上たつひこさんが作画(ではなく原作)ってことなんですね...

52Hzのラヴソング

2018.02.06

英数字, 数字

ウェイ・ダーション監督、青春恋愛ミュージカルに挑む?ウェイ・ダーション監督、前作「セデック・バレ」から随分年月が経っていますね。日本公開からは5年です。あの歴史大作から打って変わって、最新作は、何と青春ミュージカルです。「海角七号 - 君想う、国境の南 -」が青春映画でしたから、さほど違和感はないのですが、ミュージカルとはまた大胆な。それもほぼ全編、歌で構成...

アバウト・レイ 16歳の決断

2018.02.05

あ行,

トランスジェンダーであるレイの決断ではなく、母親マギーの決断女の子として育てられたラモーナは4歳の頃から性別に違和感を持ち、自分は男の子であると自認し、名前もレイと名乗っています。そして、16歳にして性別移行を決断しホルモン療法を受けようとします。しかし、未成年ですので親の同意が必要、その顛末を描いた映画です。最近では LGBT という言葉をよく目にしますが、広...

ロング,ロングバケーション

2018.02.02

ら行,

ラストは、老いてくればおそらく多くの人が望むであろう結末というべきか…イタリアのパオロ・ヴィルズィ監督がアメリカで撮ったロードムービーです。そういえば、前作の「歓びのトスカーナ」もロードムービー的な映画でした。で、この監督の映画は前々作と2本見ていますが、今、「人間の値打ち」を読み返してみましたら、無茶苦茶書いています(ペコリ)。「歓びのトスカーナ」も、主演のヴ...

目撃者 闇の中の瞳

2018.02.01

ま行,

台湾発ミステリー・サスペンス、ストーリーは面白いが…台湾のサスペンス・スリラーです。監督のチェン・ウェイハオさんによれば、「台湾映画の主流は、感動的な人間模様や、若者の姿を描いた作品です。それらに比べるとスリラー映画や犯罪映画は数が多くありません。」とのこと、確かに台湾映画と聞きますと、すぐに「海角七号 - 君想う、国境の南 -」など青春ものを思い出しますし、犯...

ジュピターズ・ムーン

2018.01.29

さ行,

難民、テロ、天使、神、SF、ファンタジー、内容は豊富だけれど…「ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(ラプソディ)」のコーネル・ムンドルッツォ監督の日本公開第2作です。残念ながら前作も見ていませんし、監督のことも何も知らず、予告編で面白いかもと思い見てみました。ハンガリーの監督なんですね。ハンガリーといいますとタル・ベーラ監督くらいしか思い浮かびませんが、自分のサ...

恋とボルバキア

2018.01.26

か行,

井上魅夜さん(すず)を見に行ってきた日本のドキュメンタリーはあまり見ないのですが、井上魅夜さんという、以前読んで感動した「化粧男子 男と女、人生を2倍楽しむ方法」の著者が出ているということで見に行きました。初日の1月20日には舞台挨拶にみえていたんですね。知りませんでした。え? 井上魅夜さんって、今、名古屋でお店やってるんですか?若衆bar やまと男ノ娘 ...