デューンは呪われている 「デューン」は呪われていますね。1970年代に企画されたホドロフスキー案は10時間の大作となりプロデューサーがびびって頓挫、そのあたりの経緯は「ホドロフスキーのDUNE」に詳しいのですが、その後、1984年にデイヴィッド・リンチ監督が映画化するも、本人が失敗作と認める出来で、逆にそれがリンチ監督ファンの間ではカルト的な人気が出た(かな?)...
友情と不条理のONODA、フランス向けの映画 小野田寛郎さんがフィリピンのルバング島から日本に帰還したのは戦後29年の1974年、もう47、8年前のことです。半世紀前にもなりますのでリアルタイムでそのことを記憶しているとなりますと少なくとも60歳は越えている方々かと思います。確かに、客層のほとんどはそのように見えました。少なくと20代、30代にみえる方は見かけま...
ロッド・スチュワート「セイリング」の2シーンが美しい 人には誰でもどう生きるかといった人生に対するスタンスのような代えがたい価値観のようなものがあると思います。それは、自分の人生に対することだけではなく、社会的な出来事や身の回りの人間関係の見え方にも影響します。当然、そうしたものは創作物にも現れ、またそれが作品の持ち味にもなるわけで、フランソワ・オゾン監督のそれは...
青春ノスタルジーは男の特権か? 湿っぽさのないノスタルジック青春映画という感じがします。1990年代半ばのロサンゼルス、家庭環境のせいで居場所を見いだせない13歳の少年が、スケボー仲間と出会い、背伸びして仲間に入ろうとする話です。映画が描いているのはそれだけですが、それだけであるがゆえに、見る人の年齢によってノスタルジックにも、あるいは、危なっかしいものにも見え...
不老不死をホームドラマのように描かれても… 不老不死を題材にした映画を撮ろうとすれば、一般的にはファンタジーかSFになるのではないかと思いますが、なんと!この映画はごく普通のドラマ(?)でそれを描こうとしています。挑戦的な試みなのか、原作のトーンがそこにあるのか、あるいはほかに思いつかなかったのか…どうなんでしょう?Arc アーク / 監督:石川慶...
正義の皮を被った興味本位の映画 こんな映画見なきゃよかったです。「るろうに剣心」を見たかったんですが、どうせ満員だろうと敬遠してこれを見てしまいました。内容の気持ち悪さはもちろんありますが、それよりもこの映画の製作自体が極めて胡散臭いです。SNS-少女たちの10日間- / 監督:バーラ・ハルポヴァー、ヴィート・クルサークこれは正義の行為か?ネタバ...
昭和のドラマ、平成の価値観、令和の女性観 ボクシング映画というよりもボクシングジム映画というべき、リング上の格闘よりもそこにいたるまでの(やや年齢のいった)若者たちの「心の格闘」を描いた映画でした。俳優によってドラマが生まれるいい映画です。BLUE/ブルー / 監督:?田恵輔俳優がドラマをつくる昭和のドラマのベタさを排して…ネタバレあらすじとち...
ソ連全体主義再現プロジェクト この映画を一般的な面白い面白くないという範疇で語ってもあまり意味がないかもしれません。なにせ「DAU」というのは壮大なプロジェクトであり、この映画は、13本の映画と6本のTVシリーズ(14本の映画と3本のTVシリーズかも)のうちの1本ということです。また、プロジェクトの基本的なテーマが全体主義の再現ということであれば、あるいは「静かな...
ミスコン擁護にも見えるが… 男性がミスコンに出るという話であれば、切り口としてはトランスジェンダーかなと思っていましたがそうではなく、主人公の性自認は映画の主題にはあまり関係がないようで、単純に子どもの頃の夢を叶えた男の子という映画…なのかな?MISS ミス・フランスになりたい! / 監督:ルーベン・アウベスミスコンを相対化し得たか? ネタバレあら...
イ・ビョンホン主演の実録ものだが、乾いたノワールものに 韓国の大統領朴正煕(パク・チョンヒ)暗殺事件までの40日間を描いた実録ものです。ただ、公式サイトには暗殺したKCIA部長の名前がキム・ギュピョンとありますし字幕もそうなっていました。実際にはその部長の名前は金載圭(キム・ジェギュ)ですので、これはフィクションだよっていう意味なんでしょうか。大統領の方も「パク大統...
市民ケーンの脚本家マンクをゲイリー・オールドマンが演じる オーソン・ウェルズ監督の「市民ケーン」(1941年)の内容やその裏事情を知っていないとわかりにくい映画です。昨年の12月4日からNetflixで配信されているようです。映画を配信で見る比率が高くなっているとのニュースを見かけるようになりました。私は集中できなく無理ですが、ただこういう映画は配信のほうが調べな...
失意と絶望に生きるしかないのか 林海象監督、私は「ZIPANG」以来です。それはバブル真っ只中でした。「二十世紀少年読本」はノスタルジックでファンタジックでかつ切ない映画でした。バブルの浮かれた気分との裏腹さがとてもよかったと記憶しています。その後の「ZIPANG」はあまりいい印象がなくそのまま林海象監督も忘れてしまいました(ペコリ)。BOLT / 監督:...
フェミニズム、PTSD、そしてヒッチコック すごいですね、この映画、まったく先が読めません。で、終わってみれば、主人公ハンター(画像の女性)が「家」や「家族」という個人を抑圧する環境から自己を開放する物語でした。タイトルの Swallow はこの映画ではツバメではありません。「飲み込む」「侮辱などに耐える」「受け入れる」などの意味です。スラングでも使われているよ...
主演のホアン・ヤオで持っている 基本は香港の学校に通う深センの女子高生の青春物語なんですが、そこに iPhoneの密輸というクライム・サスペンス風味を加えた映画になっています。主演のホアン・ヤオ(黄堯・黄尧)さんの存在感で持ちこたえている映画かと思います。THE CROSSING 香港と大陸をまたぐ少女 / 監督:バイ・シュエしかし、それにしても今の香...
難解複雑さは愛が紐解く クリストファー・ノーラン監督、私はあまりよく知らなく、「ダンケルク」を劇場で、その後「インターステラー」をDVDで見ただけですが、この映画の宣伝コピーなどをみていますと名前で客が呼べる監督のようです。確かに上の二作を見ただけの私でも、やはりこの監督の映画を見るのであれば劇場へ足を運ぶべきだと思います。TENET テネット / 監督:...
80年代ソ連の切ない青春物語と皮肉を込めた反権力 半月ほど前に見た「WAVES ウェイブス」に対しては「初めから終わりまでべったりくっついた音楽がうるさいですし、画のつくりがあざとすぎる」とやや(かなり?)批判的に書きましたが、この映画も同じようにほぼ全編音楽がついており、画の点でも下の画像のように基本はモノクロで時々カラーになったりアニメーションが入ったりとか...
映画が MV 化がする 新しいスタイルの映画かもしれないと期待する気持ちもないわけではありませんが、個人的にはちょっとばかり入れないタイプの映画です。ですので、いいことは書けそうもありません。WAVES ウェイブス / 監督:トレイ・エドワード・シュルツいきなり批判的な言い回しになりますが、初めから終わりまでべったりくっついた音楽がうるさい(笑)です...
再び、全員ミスキャストに見えてしまう、それは監督の責任 タイトルに書いた「再び、全員ミスキャストに見えてしまう、それは監督の責任」の「再び」は、大森立嗣監督の2017年の映画「光」との関連からの言葉です。やろうとしていることが映画として見えてこず、キャスティングに問題があるようにみえるということです。MOTHER マザー / 監督:大森立嗣この映画...
昭和(バブリー)的昼メロ&女性旅立ちドラマ しばらく前までは、邦画はほとんど DVDですましていたんですが、最近では劇場で見る比率が上がってきています。多分、単館系の洋画の上映が東京以外では少なくなっているからでしょう。「Red」正直、見ながらなぜこれを見ようとしたのか、何気なくクリック(予約なので)してしまったような記憶しかなく、自分ながら不思議でした。つま...
森達也監督らしくない中途半端さ 映画の宣伝コピーが「森達也 vs 望月衣塑子」となっており、おそらく、映画の意図としては、森監督が望月さんの新聞記者としての活動を追うことによって、ジャーナリズムの本質的なことを前景化しようということなんだろうと思います。それが間違っていなければですが、タイトルの「i」に意味がありそうですし、また「新聞記者ドキュメント」というかなり...