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ボイリング・ポイント/沸騰

2022.07.18

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90分全編ワンカットでみるレストランオープントラブルもの90分ワンカットが売りの映画です。何年かに一度全編ワンカットにとらわれた映画制作者が現れます。映画制作者にはひきつける何かがあるようです。ボイリング・ポイント/沸騰 / 監督:フィリップ・バランティーニ全編ワンカットの魅力とはあらためて言うまでもなく、全編フイル...

破戒

2022.07.12

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近代的自我の葛藤のテーマがぼんやり、それは現代的?島崎藤村著『破戒』の映画化です。1948年の木下恵介監督作品、1962年の市川崑監督作品に続く3度めです。監督は前田和男さん、初めて見る監督です。破戒 / 監督:前田和男水平社創立100周年記念なぜ今映画化?と思いましたら、水平社創立100周年記念ということで部落...

ベイビー・ブローカー

2022.06.24

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疑似家族誕生ロードムービーだが、シナリオが薄っぺらい是枝裕和監督作品です。今年2022年のカンヌ映画祭コンペティションに出品され、ソン・ガンホさんが男優賞を受賞しています。また、作品としてはキリスト教団体が選ぶエキュメニカル審査員賞も受賞しています。俳優はもちろんのこと、スタッフも全員(かな?)韓国のようです。ベイビー・ブローカ...

PLAN 75

2022.06.18

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日本じゃ安楽死も集団で…という近未来ディストピア今年2022年のカンヌ映画祭「ある視点」部門でカメラドールのスペシャルメンションに選ばれた作品です。カメラドール受賞を争ったという意味でしょう。早川千絵監督の長編デビュー作で、2018年のオムニバス映画「十年 Ten Years Japan」の一編をあらためて長編として制作したものとのことです。その...

ベルイマン島にて

2022.04.28

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なんでもなさを映画にするミア・ハンセン=ラブ監督ミア・ハンセン=ラブ監督の映画は一般公開されたものはすべて見ていますが、イングマール・ベルイマン好きだとは知りませんでした。随分映画の傾向が違いますのでなにがあるんだろうとインタビュー記事を読んでみましたら10年くらい前からだそうです。ハンセン=ラブ監督の映画が変わっていく兆しかもしれません。[to...

パリ13区

2022.04.23

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セックスというコミュニケーションジャック・オーディアール監督は割と硬派な映画を撮る監督との印象を持っていましたので、結末にはちょっと驚きました。終わってみれば、え?今どきの日本映画じゃないの?!と思ったということです。パリ13区 / 監督:ジャック・オーディアール日本映画で言えば恋バナ映画4人の男女の恋愛話です。...

ふたつの部屋、ふたりの暮らし

2022.04.20

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サスペンスタッチで描かれる高齢レズビアンの恋愛2021年のセザール賞で新人監督賞受賞の映画です。監督のフィリッポ・メネゲッティさんは1980年生まれですので40歳くらいでの作品になります。公式サイトのプロフィールによりますと、主にイタリアで活動していたようですが2018年からフランスに拠点を移し、この「ふたつの部屋、ふたりの暮らし(DEUX)」が長編ビュ...

ハッチング―孵化―

2022.04.15

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母と娘のクリーチャーホラーフィンランドのクリーチャー系ホラーです。クリーチャーものを好んで見ることはありませんが、フィンランド映画ということで挑戦してみました。フィンランドということに特に意味があるわけではなく、このところ劇場公開される海外の映画の製作国が英米仏あたりに偏っている気がしますので、そうじゃない映画を見ようと思ったということです。中南...

ポゼッサー

2022.04.07

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暗殺者は身近な者の顔でやってくる他人の体を乗っ取って殺人を犯す殺し屋の話です。監督はブランドン・クローネンバーグさん、その名前から想像できるとおり、デヴィッド・クローネンバーグ監督の息子さんです。1980年生まれですから42歳くらいということになります。私は見ていませんが、2013年に「アンチヴァイラル」という映画で長編デビューしています。この映...

ベルファスト

2022.03.26

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ケネス・ブラナー、郷愁のファミリーストーリーケネス・ブラナー監督の自伝的な映画と言われています。同じ意味合いの映画ではアルフォンソ・キュアロン監督の「ROMA/ローマ」が思い出されますが、どちらもモノクロ映像です。やはりノスタルジーという感覚から考えれば当然の選択ということでしょうか。その「ROMA/ローマ」はかなり感傷的な映画でしたが、この「ベ...

ホテルアイリス

2022.02.22

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翻訳家の男の存在感が足りません。ミスキャストでしょう。もう2年前になりますが、この映画の監督の前作「黒四角」をDVDで見て、こういう映画をきっちり撮れる監督が日本にもいるんだ(劇場公開される映画でという意味)と興味を持ち、さらにさかのぼって宮﨑あおいさんとARATA(当時)さんの「青い車」まで見てしまったという奥原浩志監督の最新作です。2年前とい...

ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ

2022.02.17

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正統派伝記映画にすべきだった映画の邦題というのはどんなタイトルをつけてもあれこれ言われるものだとは思いますが、それにしても、この「ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ」はもう少し考えないと長すぎて肝心の「ビリー・ホリデイ」が三点リーダーに省略されてしまいます。「奇妙な果実」とかにすればよかったんじゃないでしょうか。ビリー・ホリデイの代...

春原さんのうた

2022.02.03

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その時生きている空間をその時の出会いで撮った映画ホームビデオみたいな映画です。だからといってダメというわけでもありませんが、さすがにこれを2時間見続けるのはつらいです。春原さんのうた / 監督:杉田協士なにがホームビデオ的なのか?ひとことでいいますと、映画を撮っている人の、ここでは杉田協士監督ですが、その人のなに...

フタリノセカイ

2022.02.01

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ファンタジーだが、新鮮な感覚を感じる身体的性と性自認が一致している女性ユイとFtMトランスジェンダーの真也の10年にわたる恋愛を描いた映画です。いやあ、面白かったです。社会からの偏見や差別という視点ではなく、それこそユイと真也の「フタリノセカイ」に絞って描いていますのでとても新鮮な感じを受けました。フタリノセカイ / 監...

ハウス・オブ・グッチ

2022.01.14

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俳優の重厚さのわりにグッチ一族が薄っぺらくみえる「アリー スター誕生」のガガさん、よかったです。アダム・ドライバーさんの方は「マリッジ・ストーリー」「パターソン」が印象に残っています。その二人の共演なら見なくちゃいけないでしょう。それにアル・パチーノ、ジャレッド・レト、期待が持てます。俳優のレベルは高いのだが…ネタバレあらすじ「ゴッドフ...

ヴォイス・オブ・ラブ

2022.01.05

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脚本,監督,主演のヴァレリー・ルメルシエのパフォーマンスがすごい何を見ようかと映画.comの上映欄を見ていましたら、音楽映画なのに(音楽映画にハズレはないという意味)あまり良い評価もなく、期待せず見に行ったのですが、これ、面白いです。全編音楽がふんだんに使われていますが、音楽映画というよりも、脚本、監督、主演のヴァレリー・ルメルシエさんの何がした...

パーフェクト・ノーマル・ファミリー

2021.12.25

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ある日、父親が女性になると宣言する11歳と14歳の娘を持つ父親がトランスセクシュアルするデンマークの映画です。LGBTQをテーマにした映画も随分多くなってきましたが、この映画はその当事者である父親に焦点をあてているわけではなく、11歳の娘がそのことをどうとらえ、どう変わっていくかを描こうとしています。その視点自体もこれまであまりなかったのでは...

花束みたいな恋をした

2021.12.02

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あるある型映画、傷つく恋愛映画は好まれない公開時(まだ今年のはじめだったんですね)、菅田将暉さんの映画ということでどんな映画だろうと映画.comを見たときに、かなり評価が高い上にちらっと見たレビューから「リアル」という言葉が飛び込んできたがために記憶に残っており、DVDで見てみました。花束みたいな恋をした / 監督:土井裕泰説明モノローグにびっくり...

ホテルローヤル

2021.11.23

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ラブホテル舞台の昭和的ホームドラマみたいな映画2020年11月、ちょうど一年くらい前に公開された映画です。原作は2013年上半期直木賞受賞作、桜木紫乃さんの短編小説集『ホテルローヤル』です。ホテルローヤル / 監督:武正晴原作の評価は高いようだ映画はベタベタネタバレあらすじ廃墟の「ホテルローヤル」雅代、「ホテルローヤル」のオーナーになるミ...

パワー・オブ・ザ・ドッグ

2021.11.20

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犬は男?うさぎは女?隠されたセクシュアリティ「ピアノ・レッスン」のジェーン・カンピオン監督です。今年2021年のヴェネチアで最優秀監督賞(銀熊賞)を受賞しています。そう言えば随分名前を耳にしていないなあとウィキペディアを見てみましたら、12年ぶりの監督作品とのことです。私は「ピアノ・レッスン」以来かもしれません。「トップ・オブ・ザ・レイク」という2013年のテ...