か行

彼女たちの革命前夜

2022.06.29

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1970年から半世紀、女性解放は遅々として進まず、特に日本では…1970年前後は第二波フェミニズムの時代であり、日本でもウーマン・リブ(Women's Liberation Movement)と呼ばれた女性解放運動が大きなムーブメントとなっていました。そうした時代の1970年、イギリスで行われたミス・ワールド世界大会の会場で女性解放を訴えようと抗...

神は見返りを求める

2022.06.26

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岸井ゆきの、ムロツヨシ2人の豹変力(?)俳優力が光る????田恵輔(吉田恵輔)監督、振り返ってみれば「ヒメアノ~ル」からすべて見ています。「犬猿」「愛しのアイリーン」「BLUE/ブルー」「告白」、好みとして合うわけではないのですが、うまいなあと思うところが多い監督です。よかったのは「犬猿」と「BLUE/ブルー」です。神は見返りを...

君を想い、バスに乗る

2022.06.06

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1300kmのローカルバスの旅、果たしてその目的は…公式サイトの宣伝コピーに「数々の映画祭での受賞・ノミネート歴を誇る名監督として評価されるギリーズ・マッキノン監督」というものがあり、え? まったく知らない監督だぁ…と過去のタイトルを見てみましたが、やはりどのタイトルも見た記憶のない監督でした。現在74歳、スコットランドの監督で「ウイスキーと2人...

帰らない日曜日

2022.05.31

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1924年のジェーンが現代女性のように描かれているイギリスの文学賞ブッカー賞を受賞している作家グレアム・スウィフトさんの『マザリング・サンデー』の映画化です。受賞している作品はこれではなく『ラスト・オーダー』です。今年2022年のブッカー賞には川上未映子さんの『へヴン』が最終候補作に残っていたんですが受賞は逃しています。日本人の受賞はまだひとりも...

グロリアス 世界を動かした女たち

2022.05.17

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今の日本は50年前のアメリカかも…グロリア・スタイネムさんという「女性解放運動のパイオニア(公式サイト)」といわれる女性の伝記的な映画です。英語版のウィキペディアでは「an American feminist journalist and social political activist(フェミニスト、ジャーナリスト、社会政治活動家)」となっています。...

カモン カモン

2022.04.26

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マイク・ミルズ、ホアキン・フェニックス、ウッディ・ノーマンマイク・ミルズ監督はプライベートなところから創作意欲がわく監督のようです。前作の「20センチュリー・ウーマン」では自身の母親、「人生はビギナーズ」では父親、そしてこの「カモン カモン」では自身の子育てをテーマに映画を撮っています。カモン カモン / 監督:マイク・ミルズ...

きょうのできごと a day on the planet

2022.03.29

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原作とは違い、男たちの青春ものになってしまった(涙)柴崎友香さんの『きょうのできごと、十年後』を読み、おもしろかったので、それがデビュー作の続編であることも知らなかったそのデビュー作『きょうのできごと』を読み、そのデビュー作が行定勲監督によって映画化されていることを知り、DVDで見てみました。きょうのできごと a day on ...

ガンパウダー・ミルクシェイク

2022.03.23

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超スローモーションのアクションシーンが唯一の見せ場映画を見る際の選択肢のひとつにいろんな国の映画を見たいということがあります。残念がら最近はその希望もなかなか叶わなくなってきており、そろそろ配信ということも考えなくてはいけないかと思い始めているところなんですが、この「ガンパウダー・ミルクシェイク」は、ナボット・パプシャド監督がイスラエルの方であり、前作の...

金の糸

2022.03.06

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ゴゴベリゼ監督自身が過去の思いと折り合いをつける映画か…ジョージアのラナ・ゴゴベリゼ監督の2019年の映画です。現在93歳とのことです。公式サイトにはジョージアを代表する映画監督とありますが、この「金の糸」の前は1992年の「ペチョラのワルツ(Valsi Pechoraze)」という映画が最後であり、ちょうどジョージアが1991年のソ連邦解体後に独立して...

GAGARINE/ガガーリン

2022.02.27

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建物にしみ込んだ記憶への詩的な鎮魂ファンタジーユーリイ・ガガーリン人類で初めて宇宙へ行ったソ連の宇宙飛行士であり軍人です。1961年のことです。この映画はその伝記ものでも何でもありません。パリ南東に隣接するイヴリー=シュル=セーヌというコミューン(地方自治体のこと)にある(あった)「ガガーリン団地(CitéGagarine)」と名付けられた共同住...

ギャング・オブ・アメリカ

2022.02.12

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ゴッドファーザーに囚われ続けるマフィアものいわゆるマフィアものの映画でかなり渋くつくられていますので、そこそこ見ごたえはあります。ただ、人生の終わりを感じ始めた(のだと思う)大物マフィアが自分自身の生涯を語る現在とそのマフィアの過去が交錯して描かれますので、わかりにくい部分も多いですし集中しづらいところがある映画です。それにしても邦題を「ギャング...

コーダ あいのうた

2022.01.22

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CODAはChildren of Deaf Adults、また主題とは違うもの聴覚障害を持つ両親と兄の手話通訳者として家族を支える高校生ルビーが、自分の進路に悩み、そして羽ばたくという青春映画です。2014年の「エール!」というフランス映画のリメイクとのことです。見ていませんので予告編で触りを見てみましたら、つくりはほぼ同じような印象です。...

決戦は日曜日

2022.01.12

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面白くとも一歩間違えば冷笑系話は面白いですし、宮沢りえさんも窪田正孝さんも他の俳優さんも皆うまいですし、各シーンよくこなれていてとてもよく出来ているのですが、だめなんですよね、こういう映画は…。本気度が問われる俳優の間合いがとてもいいネタバレあらすじ一歩間違えば冷笑系決戦は日曜日 / 監督:坂下雄一郎本気度が...

カセットテープ・ダイアリーズ

2022.01.10

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青春旅立ち映画としてはかなり保守的音楽映画&青春旅立ち映画という感じです。パキスタンをルーツとするイギリス人のサルフラズ・マンズールの回顧録(自伝?)を原作としており、脚本にも本人が参加しています。ブルース・スプリングスティーンの曲によって人生を一歩踏み出したという映画ですのでブルース・スプリングスティーンの曲がふんだんに使われています。...

偶然と想像

2021.12.17

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短編集では面白くはあっても映画にならず、もったいない…濱口竜介監督はこういうことがやりたいんだなあということがよくわかります。そして、無茶苦茶よく考えられていますし、うまいです。余計なことをひとつ言わせていただきますと、「ドライブ・マイ・カー」も村上春樹氏の短編を短編として何本か集めて映画にすればよかったのにと思います。さらにもうひとつ余計な...

グロリア 永遠の青春

2021.12.11

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自由に生きることと依存の束縛にまどろむことジュリアン・ムーアさんがリメイクを熱望した(らしい)セバスティアン・レリオ監督の「グロリアの青春(Gloria)」のジュリアン・ムーア版「グロリア永遠の青春(Gloria Bell)」です。オリジナルはもう7、8年前の映画ですのであまり細かいところは記憶していませんが、俳優が変わっているだけで物語や展開は...

カオス・ウォーキング

2021.11.18

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男たちよ、うるさいぞ!SFはあまり見ないのですが、以前見た同じくダグ・リーマン監督の「オール・ユー・ニード・イズ・キル」には妙によかったとの印象が残っており、その名が目に入りましたので、ちょっと不安ながらも(笑)見てみましら…いや、面白かったですよ。カオス・ウォーキング / 監督:ダグ・リーマン意表を突く始まり方男性社会と共生社会ノイズネ...

かそけきサンカヨウ

2021.10.24

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人間関係にツッコミが足りず、かなり古くさい今泉力哉監督の映画は「知らない、ふたり」以降それなりに見ていますが、そろそろもういいかなと、これは単に個人的趣味の話ではあるのですが、そう思っていたところ志田彩良さんの名前が目に入り、ん?だれっけ?とググりましたら、「ひかりのたび」でした。結構印象に残っている俳優さんですので、もう1本ということで見た映画です。か...

草の響き

2021.10.22

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原作ではなく佐藤泰志本人を描こうとしているようだ佐藤泰志さんの小説からの映画化は、「海炭市叙景」「そこのみにて光り輝く」「オーバー・フェンス」「きみの鳥はうたえる」に続いて5作目です。最初の「海炭市叙景」が映画化されたのは2011年、もう10年前です。映画化を機にその原作を読み、すっかりはまって、出版されているものはすべて読みました。ですので例にもれず(笑)...

コレクティブ 国家の嘘

2021.10.06

か行,

ドキュメンタリーは真実報道ではなく非俳優によるドラマです前作の「トトとふたりの姉」は、これ、ほんとにドキュメンタリー?! というようなすごい映画でしたけれども、この「コレクティブ」も、ちょっと違う意味ですごい映画でした。東欧ルーマニアの映画なんですが、あれこれちょっと入れ替えれば今の日本にも当てはまりそうでかなり怖い話ではあります。というよりもどの国にもという方...