他国の話ではない、日本でもやっているでしょう。ノートのカメラは切りましょう。 スノーデン氏が NSA の盗聴などの諜報活動を告発したのは2013年、もう4年前になります。「シチズンフォー スノーデンの暴露」というドキュメンタリーもありました。オリバー・ストーン監督は、この映画について「私個人の考えは作品に一切入れていない。すべてスノーデンが私に語った内容です。NS...
グリーグ、ドビュッシー、アルヴォ・ペルト、グレツキを聴きながらファッション雑誌を繰る テレンス・マリック監督、この監督くらい世間(ではなく業界?)の評価と自分の感覚にずれを感じる監督はいません。初期の「地獄の逃避行」「天国の日々」は40年くらい前の作品ですのでおいておいても、映画界復帰後の「シン・レッド・ライン」「ツリー・オブ・ライフ」など、金熊賞やパルム・ドール...
3つの時代の3組の恋人たちがひとつの物語を紡ぎ出す。「争い」「迷い」そして「許し」 1990年に始まり、その後10年にわたったユーゴスラビア紛争は、これまで幾度も映画になっていますし、多分これからも様々な視点からの映画が作られていくことでしょう。スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、コソボ、マケドニア。それぞれその下に「紛争」がつくわけですが、遠く...
なぜこの映画を買い付けたの? 各映画館の上映作品欄を見ていましたら、なんだコレ? 世界の…果てまで…? ヒャ? ヒャ? ヒャッハー!? ヒャッハー??何じゃ、これ?と、結構おバカ映画好きな私としましては、マウスのスクロールも止まってしまったわけです。ふむ、ふむ…。「オシャレの国フランスで昨年公開され、興行収入2週連続No.1、8週連続Best10入りを果たす...
巨大なアナコンダのごときアマゾンを上る(下る?)神話的物語かな? 今年のアカデミー外国語映画賞にノミネートされたコロンビア映画です。監督のシーロ・ゲーラさんは、Variety誌の「2016年に注目すべき監督10人」に選ばれているそうです。これですね。10 Directors to Watch: Ciro Guerra: ‘Embrace of the Serpen...
監督は「キンキーブーツ」のジョエル・エドガートン、サイコ・スリラーより心理劇にすべきだった? 監督ジョエル・エドガートンと聞いても、何も浮かんでこなかったのですが、「キンキーブーツ」のチャーリーを演っていたオーストラリア出身の俳優さんでした。ハリウッドでもたくさん出演しているようですが、残念ながら他の映画は見ていないです。この映画が初監督作品とのことですが、脚本は...
切実な愛の物語を期待していくと乗り遅れますよ。アルモドバル節に身を委ねればOK。 受賞はありませんでしたが、今年のカンヌのコンペ出品作品です。今年のパルムドールは、ケン・ローチ監督の「わたしは、ダニエル・ブレイク」、来年の3月公開です。グランプリが、グザヴィエ・ドラン監督の「Juste la fin du monde」、こちらも来年の2月公開らしく、邦題は「たかが...
マリの女性たちの性と生、女性賛歌的でエロさはないよ 「ロシア西部のヴォルガ川流域に広がるマリ・エル共和国」こういう知らない国や地域の名を聞きますと、え?どこどこと、即、グーグルマップを開きたくなりますし、どんな映画だろう?と興味をそそられます。もっと南のコーカサス地方かと予想してマップを見たのですが、意外にもモスクワに結構近いんですね。と言っても、モスクワから東...
単純な伝記ものっぽくややもの足りないが、動くジャニスを堪能 「ジャニス・ジョプリン」時代とともに記憶されているスターであるがゆえに、知っているようで知らない人物のひとりです。よく分からないままにレコードを買った記憶があります。ドラッグのせいで亡くなったことをいつどこで聞いたかは覚えていません。あの時代がゆえのスターであり、あの時代がゆえの早逝だったのだと思...
セカンド・インパクトはゴジラの来襲だった! 第一作目のゴジラが制作されたのは1954年なんですね。さすがに同時代に見ていることはありませんので、記憶にあるのはテレビ放映なのか、あるいはいくどか話題になったことで見たような気になっているのか、そんなところだと思います。で、「シン・ゴジラ」面白かったです。それに、これエヴァンゲリオンですね。比較したり分析できるほど「...
まるでコントを見るように面白い。ん?それでいいのか?結局、池松壮亮&菅田将暉の映画です。 夏休みということもあるので仕方ないのですが、日本映画にそそられるものがありません。で、上映一覧を見ていて、ふっと目に止まったのがこの映画。「喋るだけの青春」のコピーと監督大森立嗣の名前、公式サイトの予告編で一笑いして、さらに興味がわき、見に行きました。男子高校生二人...
YouTube 映像の再構成で、新しい映像表現は生み出せるか? シリアが内戦状態に陥ったのは2011年、もう5年余続いていることになります。それに関わる多くの映像が YouTube や Facebook にあげられているらしく、それらをオサーマ・モハンメド監督が再構成した映画ということです。監督自身はパリ在住らしく、この映画のためにシリアに入ったのかどうかは定...
MTV世代が撮った懐かしの80年代UKポップス映画。やっぱり人は30年前を懐かしがる。 「音楽映画にハズレはない」は、ほぼ定説ですし、その上「青春恋愛もの」とくれば、これはもう鉄板でしょう。とにかく、何も考えなくてもいい、楽しめる映画でした。デュラン・デュランやザ・キュアー、アーハ…、後は、ホール&オーツも流れていましたっけ? といった感じで、一度は...
言葉のないところに叙情的風情が生まれる。2025年、現実の世界は「世界」になる。 ジャ・ジャンクー監督が帰ってきた! そんな感じのする映画です。前作「罪の手ざわり」のレビューを読み返してみますと、ジャ・ジャンクー監督の何かが変わっていく過渡期ではないかなどと書いていますが、結局「青の稲妻」や「世界」に戻ったのでしょう。ただ、当然十年余という時間は、人も、そして国...
タイのさわやか青春映画を見て、リフレッシュしてみてはいかが? タイのさわやか映画です。タイ映画と聞いて、思いつくものは何でしょうね? マッハ!? ブンミおじさん?私は、「風の前奏曲」「レター 僕を忘れないで」、他に、アクションものを何か見た記憶はありますがタイトルは思い出せません。「ブンミおじさんの森」も見ましたが、これは過去見た中で最も眠かった映画です。ですの...
俳優2人の演技はともかく、30代の夫婦に起きたことを70代の老夫婦が演っているような違和感を感じます 昨年のベルリンで女優賞と男優賞を受賞しています。俳優の名前を記憶するのが苦手な方ですので、シャーロット・ランプリングさんと名前を聞いても映画が浮かんできません。ググってみましたら、ああ「リスボンに誘われて」でライムントが訪ねて行くアマデウの妹役の俳優さん! それに...
まるで中身のないダイジェスト版のような映画。作り手に見たいもの、知りたいものがない映画はつらい。 今年のアカデミー賞、作品賞と脚本賞受賞作品です。そのせいだと思いますが、2,3日前の昼間に出掛けた時は、映画館の外にまで列ができていました。さすがに怯み、鑑賞をあきらめてすごすごと帰ったのでした。で、昨日あらためて夜に見に行きました。昼間とは全く客層が変わり、ほと...
こういうドラマがウソっぽく感じられないのがアメリカの強さ(かな?)。メリル・ストリープのギターや歌は見応え、聴き応え充分。 もうそろそろ配給もこうしたタイトルで人の歓心を買おうとすることがマイナスになると知るべきでしょう。ロックですよ、ロック。ジョナサン・デミ監督なので見に行きましたが、そうでもなければ、こんなタイトルの映画など見に行きませんよ(笑)。そのせい...
ジェンダー・マリアージュは同性婚という意味にはならないのではないでしょうか? カリフォルニア州で同性婚が法的に(再び)認められるまでを追ったドキュメンタリーです。2,3年前、LGBT に関する本を何冊かまとめて読んだことがあり、この映画が追っている「提案8号」についても事の成り行きだけは知っていました。映画は、2013年6月28日に下されたカリフォルニア州での「...
ゾンダーコマンドたちが、サウルに子どもはいないと言っていましたが、あれは何を意味しているのでしょうか? 昨年のカンヌ、グランプリ作品です。先日のアカデミー賞外国語映画賞も受賞しているようです。それもあって混んでいたんでしょうか?この映画、ゾンダーコマンドという「ナチスが選抜した、同胞であるユダヤ人の死体処理に従事する特殊部隊(公式サイト)」である主人公サウルを追っ...