さ行

葬送のカーネーション

2024.01.13

さ行,

人生に意味はない、なんのために生きるかではなく義務だ…故郷に埋葬してほしいとの亡き妻の願いを叶えようと、おじいさんと孫娘が棺を担いでトルコからシリアまで旅をする(帰ろうとする…)というトルコ映画です。引用の画像やタイトルの葬送などといった言葉からは重く暗い映画かと思ってしまいますが、そうではありません。どちらかと言えばファンタジーです。それになか...

ショータイム!

2024.01.09

さ行,

酪農家が納屋でキャバレーを始めたという嘘のような本当の話、らしい…酪農家が資金繰りに行き詰まり、一念発起で納屋をキャバレーにして大成功! という嘘のような本当の話を映画にしました! というフランス映画です。ショータイム! / 監督:ジャン=ピエール・アメリス農場の差し押さえの原因は牛のゲップ?エンドロールに、モデ...

ショーイング・アップ

2023.12.28

さ行,

とらえどころがないけれども、ちょっとケリー・ライカート監督がわかったような気がする…つい先日見た「ファースト・カウ」のケリー・ライカート監督の最新作です。その映画ではライカート監督の高い評価を実感できませんでしたので再挑戦です。「A24の知られざる映画たち」という企画の一本として上映されています。ショーイング・アップ / 監督:...

サタデー・フィクション

2023.11.19

さ行,

モノクロ映像、動き回るカメラ、細かく切り刻まれた編集、さて…2017年の「ブラインド・マッサージ」以降見ていないなあと思っていたロウ・イエ監督ですが、今年はじめに「シャドウプレイ完全版」という映画が公開されていることを知りませんでした。見逃しましたね。ただその映画も2018年製作、そしてこの「サタデー・フィクション」も2019年製作となっています...

正欲

2023.11.11

さ行,

あってはいけない感情はない、そりゃそうだけど小児性愛どうするの…朝井リョウ著『正欲』の映画化です。監督は「あゝ、荒野」「前科者」の岸善幸監督です。今年2023年の東京国際映画祭で最優秀監督賞と観客賞を受賞したようです。正欲 / 監督:岸善幸シナリオがよくないのではないか…この映画をみても原作が見えてこないですね。...

ザ・キラー

2023.11.05

さ行,

仕事は失敗しても、筋違いともいえる復讐は完璧にこなす殺し屋の物語…Netflix というのは監督に自由に撮らせてくれるのでしょうか、完璧主義者と言われるデヴィッド・フィンチャー監督は Netflix 以外では撮らなくなっています。2020年の「Mank マンク」以降4年間の独占契約を結んでいるそうですし、それ以前も2014年の劇場公開作「ゴーン・ガール」...

SISU/シス 不死身の男

2023.11.03

さ行, , 英数字, 英字

不死身ではなく、死ぬことを拒否した…に大ウケフィンランドのアクション映画です。普段アクションものに興味を持つことは少ないのですが、フィンランド映画であることと、そしてもうひとつ、予告編のある台詞がツボにはまってしまったからです(笑)。SISU/シス 不死身の男 / 監督:ヤルマリ・ヘランダー死ぬことを拒否する…そ...

シック・オブ・マイセルフ

2023.10.19

さ行,

注目されたい病のシグネはどんな夢を見ているのでしょう…ノルウェーの映画です。これが長編2作目のクリストファー・ボルグリ監督です。2022年のカンヌ国際映画祭ある視点部門で上映されています。次回作が A24 の製作で決まっているとありましたので IMDb を見てみましたら、もう今年の9月頃から各映画祭で上映され、一般公開も決まっているようです。タイトルは「...

ソウルに帰る

2023.08.15

さ行,

カンボジア系フランス人の監督が韓国系フランス人のアイデンティティのゆらぎを追う…フランス人の養女としてフランスで育った韓国系フランス人の女性が韓国で実の両親を探すという映画です。ただ、それを撮ったのがカンボジア系フランス人のダビ・シュー監督という、ちょっと変わった映画です。カンボジアではなく韓国というのはどういう経緯なんでしょう。...

世界のはしっこ、ちいさな教室

2023.08.02

さ行,

ブルキナファソ、シベリア、バングラデシュの辺境地で奮闘する先生と子どもたちを描いたドキュメンタリーです。2013年に「世界の果ての通学路」という映画がありましたが、プロデューサーがバーセルミー・フォージェアさんという同じ方です。世界のはしっこ、ちいさな教室 / 監督:エミール・テロン5言語が飛び交うブルキナファソブルキナ...

シモーヌ フランスに最も愛された政治家

2023.08.01

さ行,

アウシュビッツサバイバー、ヴェイユ法、欧州議会議長、女性の権利…フランスで1974年に人工妊娠中絶が合法化された、いわゆる「ヴェイユ法」の起草者のシモーヌ・ヴェイユさんの伝記映画です。その名前は、2021年のヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞受賞作「あのこと(L'evenement)」のレビューを書く際にウィキペディアなどで知った方です。...

サントメール ある被告

2023.07.15

さ行,

ヒロシマ・モナムール、王女メディア、そして母親とは何者か…昨年2022年のヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞の審査員グランプリを受賞しています。現在、この映画の公開に合わせてアリス・ディオップ監督が来日されており、前作のドキュメンタリー「私たち」も上映されるようです。サントメール ある被告 / 監督:アリス・ディオップ母親と...

衝動

2023.07.13

さ行,

センスと技術力は感じるが、またも物語は語れても物語を生み出せない日本映画の現状の一作か…劇場公開時、見逃していますのでDVDです。監督、脚本は土井笑生さん、商業デビュー作とのことです。出演は倉悠貴さんと見上愛さん、どちらも初めて見ます。衝動 / 監督:土井笑生2020年の青春残酷物語2020年東京渋谷、名前を失っ...

世界が引き裂かれる時

2023.07.05

さ行,

穴から見える世界は馬鹿な男たちの争いごとであり、破壊され、人が死んでいくだけの何も残さない世界2014年7月頃のウクライナ東部ドンバス地方の物語です。2023年の今から見ますと、どうしても現在進行中のロシア・ウクライナ戦争という視点で見てしまいますが、そこに力点が置かれた映画ではありません。映画の制作も、2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻以...

最後まで行く

2023.05.22

さ行,

え?!どこまで行くの?特に見たいと思える映画もなく、迷いに迷ってポチッとしてしまった映画(笑)。なぜ迷ったかと言いますと、藤井道人監督の映画は「新聞記者」、DVDで「光と血」、そして「ヤクザと家族 The Family」と見てきていますが、この監督には人間の内面を描くことは無理だなと見きったからです(ペコリ)。ですので、見ておいてなんですがこの映...

それでも私は生きていく

2023.05.07

さ行,

レア・セドゥの魅力が裏目か…、ミア・ハンセン=ラヴ監督の新機軸か…自伝的、あるいは自分の家族を題材にすることが多いミア・ハンセン=ラヴ監督の最新作、昨年2022年のカンヌ国際映画祭監督週間で上映され、ヨーロッパ・シネマ・レーベル賞を受賞しています。前作の「ベルイマン島にて」では自分自身ですし、「未来よ こんにちは」でイザベル・ユペールさんが演じた...

セールス・ガールの考現学

2023.05.02

さ行,

モンゴルっぽい映画ではなく、真モンゴル映画日本の公式サイトに「“モンゴル映画”と言えば、草原を舞台にした作品を想起する人が多いはず」とあり、確かにそうだなあと思いながらも、さてどんな映画があるのだろう?と考えて思い出されるのは「モンゴル映画っぽい映画」であって、そもそも「真モンゴル映画」を見たことがないことに気づきます。でも、この「セールス・ガー...

せかいのおきく

2023.04.29

さ行,

着想の面白さだけで映画はもつか…着想が面白い映画です。反面、もったいない感じがする映画でもあります。監督は阪本順治監督、最近の映画では「弟とアンドロイドと僕」「半世界」を見ています。せかいのおきく / 監督:阪本順治青春映画だったの?ラストシーンでしたか、章のタイトルでしたか、どこかに「青春」という言葉が出てきたと記...

サイド バイ サイド 隣にいる人

2023.04.17

さ行,

美しき自然の中の美しき女性たちの佇まい…映画.comのレビューの点数がかなり低いことで目につき、ひとつふたつレビューを読んで逆に興味がわいた映画です。それに、監督の伊藤ちひろさんの名前になんとなく記憶があり、このブログ内を検索してみましたら、「窮鼠はチーズの夢を見る」のシナリオがいいと褒める際に、何の根拠があったのかは忘れましたが、その映画の脚本の堀泉杏...

聖地には蜘蛛が巣を張る

2023.04.15

さ行,

イランの女性連続殺人事件に見る女性蔑視の構造…前作の「ボーダー 二つの世界」では、見る者のざわざわ感を呼び覚ますダークファンタジーで驚かせてくれたアリ・アッバシ監督です。アッバシ監督はその長編2作目にして、2018年のカンヌ国際映画祭ある視点部門でグランプリを受賞しています。そして、この最新作では主演のザーラ・アミール・エブラヒミさんが2022年のカンヌ...