は本当にシリアス?
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元々コメディ系が苦手なこともあり、また描かれているのがユダヤ人コミュニティの、やたら比喩的な話なので、どうしても引き気味に見てしまいます。
『ノーカントリー』のジョエル、イーサン・コーエン監督がメガホンを取り、次々と不幸に見舞われる男の姿をシニカルに描くコメディー・ドラマ。アメリカの片田舎のユダヤ人コミュニティーを背景に、平凡な大学教授と周りの人々との間に巻き起こる不条理な小事件をつづってゆく。主演は、主に舞台で活躍し、映画では『ワールド・オブ・ライズ』などに出演しているマイケル・スタールバーグ。観る者を煙に巻くようでありながら深いストーリー展開に、引き付けられる。(cinematoday)
「シリアスマン」=「まじめな男」というよりは、深刻な状況に陥った人間という意味だとは思いますが、その男ラリーには、次々に起きる不幸(というより、好ましくないかな?)な出来事に比して、あまり深刻さは感じられず、そこそこ飄々と生きているじゃんなんて感じがしてしまいます。
まあ、不幸物語をやろうとしているわけではなく、コーエン兄弟が育った(らしい)子供のころの時代やアメリカ中西部の地方都市のそのまたユダヤ人コミュニティという特定の時間と場所での物語と考えれば、まあよくできた映画と言えるかも知れません。
ただ、ラリーを含め、妻、その恋人、子供たち、同僚などなど、登場人物の人物像がつかみづらく、そのあたり、アメリカ人には説明不要なキャラだとは思いますが、日本人の私には、深く入っていくための障害になってしまいます。
また、こういう映画ですから、その中から、人生における教訓を導き出すのは簡単ですが、それもまたあまり意味のあることではないでしょう。
前作「バーン・アフター・リーディング」も、今では内容をすっかり忘れてしまっていますし、予告編で流れていた「トゥルー・グリッド」をラストチャンスとしましょう(笑)。