藤原竜也×西野七瀬、男女バディーものでいけるんじゃない この映画を見た理由は「鳩の撃退法」のタイトルにつられただけです(笑)。それだけ映画のタイトルは重要ということでもあります。原作者の佐藤正午さんの名前は見聞きはしていますが読んだことはなく、同名タイトルの原作も知らなかったということです。もちろん見る前にはざっと公式サイトを覗きましたのでわかって見てはいます。...
サイコパス映画でした。今や、ヤクザ映画は成り立たず? この映画を見るために一作目の「孤狼の血」を見て、さらに柚月裕子さんの原作『孤狼の血』まで読んでいます(笑)。んー、これはヤクザ映画ではなくサイコパス映画ですね。原作には続編があり三部作となっているのですが、映画はそれとは関係がないようでオリジナルストーリーとあります。ただひとつだけ、原作の『孤狼の血』のラ...
ロッド・スチュワート「セイリング」の2シーンが美しい 人には誰でもどう生きるかといった人生に対するスタンスのような代えがたい価値観のようなものがあると思います。それは、自分の人生に対することだけではなく、社会的な出来事や身の回りの人間関係の見え方にも影響します。当然、そうしたものは創作物にも現れ、またそれが作品の持ち味にもなるわけで、フランソワ・オゾン監督のそれは...
細かすぎて伝わらないと音が加福に言う 濱口竜介監督、私個人としても評価は高く、大いに期待する監督のひとりですので批判という意味ではなく言えば、映画としてはちょっとやり過ぎじゃないかと思います。言い方をかえれば、力が入り過ぎている感じがしますし、映画の特質である(と私が思う)直感的にわかる(伝わる)ことがおろそかになっています。それもまあ、本人がわかっていることなの...
児童虐待が人情噺に利用されている 現在の社会問題を昭和の価値観で片付けてしまってはなにも生まれないと思います。「10ANTS」という劇団の上西雄大さんという方が監督であり、主人公である男性を演じている映画です。劇団(兼芸能プロダクション)のウェブページをみてみますと、「かつての大映映画」とか「浪速の人情」などの言葉が踊っていますので、ああ、そういうことねと、それ...
Let him go はアメリカ社会の裏の一面かも ラリー・ワトソン(Larry Watson)さんという作家の同名タイトル「Let him go」という小説が原作らしく、その小説の時代設定は1951年であるところを映画では1963年にしています。なぜこんなに中途半端に時代をずらしたのでしょう。アメリカ人にとっては、その10年の違いにもなにか意味があるのかも...
少ない台詞と抑制された演出で静かなるフェミニズム 予想に反してとてもいい映画でした。劇場で本編映画の前に流れる予告編をぼんやり見た印象と邦題「モロッコ、彼女たちの朝」の響きから、それぞれ問題を抱えるふたりの女性が助け合いながら問題を解決していく甘めのハッピーな映画なんだろうと思っていました。違っていました。とんでもなく厳しい映画でした。モロッコ、彼女たち...
青春ノスタルジーは男の特権か? 湿っぽさのないノスタルジック青春映画という感じがします。1990年代半ばのロサンゼルス、家庭環境のせいで居場所を見いだせない13歳の少年が、スケボー仲間と出会い、背伸びして仲間に入ろうとする話です。映画が描いているのはそれだけですが、それだけであるがゆえに、見る人の年齢によってノスタルジックにも、あるいは、危なっかしいものにも見え...
伊藤万理華と金子大地の大立ち回り、サブカルがメインになる日 始まってしばらくは、なんだ…学生の卒業制作か…と、公開日早々に見に来たことを後悔していたんですが、金子大地さんが登場し中盤に入りますと、ん? 何か違うぞと思い始め、終盤に向かってどうまとめるんだろうと期待も膨らみ、終わってみれば、んー、うまいねえと感心した映画です。サマーフィルムにのって / 監督:...
1988年のペルー、乳児売買、センデロ・ルミノソ、先住民の貧困、同性愛 1988年頃のペルーを舞台にした映画です。どんな時代だったのかざっとウィキペディアから拾いますと、1985年に誕生したアラン・ガルシア大統領の経済政策の失敗によりハイパーインフレになっており、その影響もあって反政府勢力のセンデロ・ルミノソが勢力を伸ばしリマを包囲するような状態だったようです。日...
ラテン系ヒップホップのMV的ミュージカル映画 2008年にトニー賞の作品賞、楽曲賞、振付賞、編曲賞を受賞しているブロードウェイ・ミュージカルの映画化です。たまにはミュージカルでもと軽い気持ちで見に行きますと疲れるかもしれません(笑)。イン・ザ・ハイツ / 監督:ジョン・M・チュウ楽しめるのは音楽のみネタバレあらすじニューヨークの大停電ウスナ...
白色テロ下の純愛が悲劇を生む ゲームが原作の映画ということで見るのを迷ったのですが、見てみればあまり違和感はなく、前半はともかく、後半は映画らしくまとまっていました。ゲームと言えば敵と戦ってパワーアップしていくイメージしか持っていなかったのですが、こうした物語でもゲームになるようです。で、この映画を見てみようと思った理由は、台湾の「白色テロ」の時代を描いているとい...
実話に基づくホロコーストの復讐計画「プランA」 ホロコーストサバイバーの復讐劇、事実に基づく物語ということです。「Nakam(ナカム)」というヘブライ語で復讐という意味を持つグループの存在や映画で描かれるニュルンベルクの水道に毒を流し込んで無差別にドイツ人を殺害しようとした「Plan A」という計画があったのは事実のようです。 映画では語られていませんが「Pla...
ベトナムのストリートチルドレン走る ベトナム映画です。ベトナム公式の宝くじに便乗しておこなわれている(らしい)違法ギャンブル「sốđề」という闇くじを生活の糧にしているストリートチルドレンを描いています。走れロム / 監督:チャン・タン・フイ監督短編映画「16:30」何をやろうとしているのかよくわからない ネタバレあらすじ混乱もカオスに向かわ...
よくできた泣けるガール・ミーツ・ボーイだが… 今年のアカデミー賞国際映画賞にノミネートされた中国映画です。昨年2020年の大阪アジアン映画祭では観客賞を受賞しています。見れば、そりゃ観客賞受賞でしょうという泣かせる感動ものです。少年の君 / 監督:デレク・ツァンガール・ミーツ・ボーイネタバレあらすじとちょいツッコミチェンニェン、いじめの標的にさ...
レイプリベンジ、ラブコメ、スリリングだが…#MeTooの消費かも 今年のアカデミー賞脚本賞を受賞しているんですね。そんなことも知らずに見ていました。それに作品賞、監督賞、主演女優賞、編集賞にもノミネートされていたようです。プロミシング・ヤング・ウーマン / 監督:エメラルド・フェネルプロミシング・ヤング・マンではなくウーマンネタバレあらすじとちょい...
瞳に映る世界ではなく女性たちが今現在置かれている世界 原題の「Never Rarely Sometimes Always」の意味がわかるシーンは圧巻です。その一連の質問をオータムにしている女性は俳優ではなく実際の人工妊娠中絶クリニックのカウンセラーとのことです。17歳の瞳に映る世界 / 監督:エリザ・ヒットマン女性たちが置かれている世界 女性を性...
母を亡くしたダウン症の女性と父親の旅 2019年のベルリン映画祭パノラマ部門で国際批評家連盟賞を受賞しています。わたしはダフネ / 監督:フェデリコ・ボンディカロリーナ・ラスパンティさんの映画ネタバレあらすじドキュメンタリーという選択もあったのでは?カロリーナ・ラスパンティさんの映画見始めてしばらくの間は、この映画、なんかへんだなあと思い...
小川紗良監督への期待と小川未祐さんへの驚き 小川紗良監督、現在25歳、ウィキペディアで経歴を見る限り、どういう経緯でこの映画を撮ることになったんだろうと不思議でしたが、インタビュー記事を読みますと、自主制作の延長線のような感じで広がっていったようです。主演の小川未祐さんともう一度一緒に映画をつくりたいから始まり、最初は短編をイメージしていたけれども構想がふくらん...
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2020グランプリ作品 女性がプールで上向きに浮かんでいる画やその女性がプールの底でしゃがんでいるトレーラー内のカットに目が止まり見てみました。監督は佐藤智也さんという方で、この映画は「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2020」のグランプリ作品です。湖底の空 / 監督:佐藤智也日本、韓国、中国合作ネタバレあら...