妊娠や母性は選択肢であるべき アフガニスタン人(の表記は正確ではないが)によってアフガニスタン国内で2019年に製作された映画です。製作年が重要なのは、アフガニスタンは2021年8月15日にブッシュが始めた20年の戦争を経て再びタリバン政権に戻っているからです。監督のサハラ・カリミさんはタリバンが政権を掌握した直後にカブールを脱出しウクライナに逃れ...
わけがわからなくても見ておくべき映画(だと思うけど…) この監督、天才だわ、と思った映画です。「LETO レト」を見ていますので、この映画の紹介文にそのタイトルを見て何の事前情報も入れずに見に行きましたら、ひっくり返りました(笑)。約2時間半の映画ですが、1時間ほどは、いやもっとかなあ、とにかくまったくついていけず、何をやっているのかさっぱりでした...
レオス・カラックス監督とスパークスによるロックオペラ 忘れた頃にやってくるレオス・カラックス監督です。「ポンヌフの恋人」までの三作は好きな映画ですので茶化しているわけではなく、そのアレックス三部作で監督としては燃え尽きたのかなと思っていましたら、8年後に「ポーラX」、次が13年後の「ホーリー・モーターズ」、そしてこの「アネット」が9年後の2021年です。...
レオは認知症の後期、ひとりで置いておける状態ではないと思うが… サリー・ポッター監督が、若年性認知症を患った弟さんを介護した(公式サイト)ことから着想したという映画です。認知症の父親レオを演じているのはハビエル・バルデムさん、そしてその娘モリーをエル・ファニングさんが演じています。選ばなかったみち / 監督:サリー・ポッター...
ナチを欺いた嘘のような本当の話、なのだが… 第二次世界大戦中、イギリス諜報部がイタリア侵攻作戦を撹乱するために死体に偽の機密文書を持たせて地中海に流し、それをナチスドイツに回収させ信じさせようとしたという、嘘とも本当ともつかないような本当にあった話の映画です。オペレーション・ミンスミート ーナチを欺いた死体- / 監督:ジョン・マ...
人はひとりでは生きられない、思い出にも生きられない 人間とロボットやアンドロイドとの恋愛を描いた映画ってたくさんありそうですが、なかなか思い浮かびません。ググってみましたら「her/世界でひとつの彼女」「エクス・マキナ」、どちらも見ていませんので浮かばないはずです。考えてみれば「ブレードランナー」も、あまり直接的なシーンはありませんが「ブレードランナー20...
これは映画でさえないかも知れない… ミレニアル世代アーティスト「アマリア・ウルマン」さんの映画です。アマリア・ウルマン映画ではないかも知れないこれを映画としてみれば…で、結局なんなのかエル プラネタ / 監督:アマリア・ウルマンアマリア・ウルマンアマリア・ウルマンさん、上の画像の女性ですが、初めて名前を...
父親との確執と自己承認欲求かな… 宣伝コピーだとしても、阪本順治監督の言葉として「これを撮らなければ自分は先に進めない」とまで語る映画ですのでかなり強い個人的な思いがあるのでしょう。それゆえでしょう、他人にはとてもわかりにくい映画です。家族間のわだかまり映画か?ネタバレあらすじ主題は父親への自己承認欲求か?弟とア...
脚本,監督,主演のヴァレリー・ルメルシエのパフォーマンスがすごい 何を見ようかと映画.comの上映欄を見ていましたら、音楽映画なのに(音楽映画にハズレはないという意味)あまり良い評価もなく、期待せず見に行ったのですが、これ、面白いです。全編音楽がふんだんに使われていますが、音楽映画というよりも、脚本、監督、主演のヴァレリー・ルメルシエさんの何がした...
特別を求めない平凡さを描け 2021年最後の映画になりました。一年の最後に見るにはちょっと…という映画です。平凡を映画にすること平凡を平凡な映画にすることロスジェネ、はざま、ゆとり世代特別を求めない平凡さを描け2022年は圧倒的な映画を期待する明け方の若者たち / 監督:松本花奈平凡を映画にすること...
ネタはロスジェネ世代の男の恋愛妄想か? 見始めは(DVDです)、謎解き学園ものみたいな物語かなあと思った映画です。そんなジャンルはないとは思いますが…。階段島という島に閉じ込められた高校生たちの話です。ただ、島の人口は2,000人とか言っていましたので、マジな物語であれば大人たちも物語に参加してこなくてはいけないのですが、登場人物は高校生だけです。...
閉じた円環、つくりもの過ぎて多くは伝わってこない 2019年の東京国際映画祭で最優秀女優賞と観客賞を受賞しています。最優秀女優賞って誰が? と思いましたら、マリオン役のナディア・テレスキウィッツさんでした。主だった女性の俳優は3人ですが、特別目立っていたわけではありませんのでいろいろなにかあるのでしょう。サスペンスのジャンルかと思いますが、英題の「Only T...
アイダの苦しみを共有できるのなら世界は… 日本での公開は3作目になるヤスミラ・ジュバニッチ監督、2006年の「サラエボの花」はベルリン映画祭で金熊賞を受賞しています。1990年代始めのボスニア・ヘルツェゴビナ紛争下で起きた悲劇的な過去を乗り越えようとする母娘を描いていました。この映画「アイダよ、何処へ?」も同じくボスニア・ヘルツェゴビナ紛争下の話ですが、まさしくそ...
娘の死のせいか、色濃く漂う破滅欲求 「What is youth? A dream. What is love? The dream’s content.」キェルケゴールの言葉から始まります。直訳では「若者とは何ですか?夢。愛とは何ですか?夢の内容」となりますが、映画を見た印象からすれば、「若さとは何だ? 夢さ。愛とは何だ? 夢を見ていただけさ」といったニュアンス...
ラテン系ヒップホップのMV的ミュージカル映画 2008年にトニー賞の作品賞、楽曲賞、振付賞、編曲賞を受賞しているブロードウェイ・ミュージカルの映画化です。たまにはミュージカルでもと軽い気持ちで見に行きますと疲れるかもしれません(笑)。イン・ザ・ハイツ / 監督:ジョン・M・チュウ楽しめるのは音楽のみネタバレあらすじニューヨークの大停電ウスナ...
小川紗良監督への期待と小川未祐さんへの驚き 小川紗良監督、現在25歳、ウィキペディアで経歴を見る限り、どういう経緯でこの映画を撮ることになったんだろうと不思議でしたが、インタビュー記事を読みますと、自主制作の延長線のような感じで広がっていったようです。主演の小川未祐さんともう一度一緒に映画をつくりたいから始まり、最初は短編をイメージしていたけれども構想がふくらん...
俳優たちの本音のぶつかりあいがなく緊張感がない 昨年(2020年)末の「生きちゃった」から今年に入ってついひと月前の「茜色に焼かれる」、そしてこの「アジアの天使」と続けざまに石井裕也監督の映画を見ています。たまたま公開が重なったということなんでしょうが、映画の内容や出来からすると、何を撮り急いでいるんだろう、焦りでもあるのかしらと思ってしまいます。アジアの...
すべてにおいて過不足なく完璧! 横浜聡子監督、2016年の「俳優 亀岡拓次」以来です。長編ではその前が2008年の「ウルトラミラクルラブストーリー」ですから、なかなか撮りたいものの環境が整わないということなのか、もっと撮って欲しい監督のひとりです。で、「いとみち」、完璧でした。あらゆる点において過不足なく完璧でした。いとみち / 監督:横浜聡子駒井...
感傷的な内容をさらりと描いて好印象、ロベール・ゲディギャン監督 ロベール・ゲディギャン監督が「フランスのケン・ローチ」と言われているとの宣伝コピーがありましたので、疑り深い私は(笑)海外のサイトを調べてみました。すみません、確かにそうしたニュアンスで語られている批評がたくさんありました。海辺の家族たち / 監督:ロベール・ゲディギャンずいぶん演劇的...
子育ては母親の仕事か?あたかもそう言っているかのような… 椰月美智子さんという作家の同名の原作があります。知らない作家さんですが、児童文学でたくさん賞をとっているようです。ただ、この「明日の食卓」は母親の話ですので大人向けの作品です。下の画像にあるように菅野美穂さん、高畑充希さん、尾野真千子さんの三人が同じ「石橋ゆう」という名の10歳の息子を持つ母親を演じています...