誰もが誰かを求めている、神父でさえも… アラン・ギロディ監督特集上映の3作のうち、先日見た「ノーバディーズ・ヒーロー」がことのほか面白かったので「ミゼリコルディア」も見てみました。こちらのほうが直近の作品で昨年2024年のカンヌ国際映画祭プレミア部門で上映され、また、カイエ・デュ・シネマ誌ではその年のベストテン第1位に選ばれているそうです。[toc...
この面白さがわかれば、もう大人… 「現代フランスを代表する鬼才」とか「ゴダールが今年(2001年)最高の映画と評した」と紹介されているアラン・ギロディ監督の3作が公開されています。え? 誰それ? ホントかなあとやや懐疑的ながらも見てみましたら、これ、面白い! です。ノーバディーズ・ヒーロー / 監督:アラン・ギロディ...
髙石あかりさんにつきます… 「ベイビーわるきゅーれ」の流れの映画です。シリーズのアクション監督だった園村健介さんが監督、監督だった阪元裕吾さんが脚本、そして主演は髙石あかり(高石あかり)さんです。ゴーストキラー / 監督:園村健介髙石あかりさんにつきる…私は「ベイビーわるきゅーれ2ベイビー」しか見ていないのですが、...
アカデミー作品賞でもよかったかも、ノミネートされていないけど… 刑務所での更生プログラムとして演劇に挑戦するという映画は以前見たことがあり、その映画では囚人たちが脱走していました。実際にあった話らしいです。その映画の話は後に書きますが、この「シンシン SING SING」も実話にもとづいているそうです。多分、この映画は脱走はしていないでしょう(笑)。...
映画のつくりとしては完璧です… 「イタリアで600万人を動員し「バービー」「オッペンハイマー」を押しのけて2023年のイタリア国内興行収入ランキングNo.1の大ヒット(公式サイト)」というのも当然でしょう。映画のつくりとしては完璧です。ドマーニ! 愛のことづて / 監督:パオラ・コルテッレージネオレアリズモへのリスペクトと...
え? ミシェル・フランコ監督がラブストーリー? と驚きはするが、やはりうまい… ミシェル・フランコ監督の2023年の映画、最新作じゃないんですね。最新作は今まさに開催中のベルリン国際映画祭のコンペティション部門に出品されている「Dreams」です。主演はこの映画と同じくジェシカ・チャンステインさんです。あの歌を憶えている / 監督...
陽気さと裏腹の切なさに心動かされる人のための映画… なんと、こんないい映画がジョージアと日本でしか上映されていない!?(IMDbによる…)蝶の渡り / 監督:ナナ・ジョルジャゼ陽気さと裏腹の切なさ…ジョージアのナナ・ジョルジャゼ監督、初めて見ました。俳優としては、ラナ・ゴゴベリゼ監督の2019年の映画「金の糸」に出...
感傷的にならないよう過剰さを避けてつくられたいい映画… マレーシアと台湾の合作となっていますが、映画の舞台はクアラルンプールですし、監督もマレーシアのジン・オング監督です。現在50歳くらい、自分の制作会社を持っており、IMDb によればプロデューサーとして3作品、そしてこの映画が初監督作品です。社会の底辺に生きる人々を描いた映画ですが、感傷的になら...
およそ想像のつく話だが、意外にもベタさを避けたいい映画だった… メキシコの最底辺の地域の小学校6年生のクラスが型破りな教師の指導で学力テスト全国トップに躍り出たという、またかと思うような話なんですが、これがなかなかうまくできており、かなり好感のもてるいい映画でした。2011年に実際にあった話をもとにしているそうです。型破りな教室 ...
みな非職業俳優らしい、その存在感が素晴らしい… 2017年の「悲しみに、こんにちは」がベルリン国際映画祭ジェネレーション Kplus でグランプリを受賞し、その年のアカデミー賞外国語映画賞のスペイン代表にも選ばれたカルラ・シモン監督、この「太陽と桃の歌」では2022年のベルリン国際映画祭金熊賞を受賞しています。太陽と桃の歌 / 監...
オレゴン州アストリアのロケーションが映画にぴったり… 時々何を考えるのかと思いましたら「About Dying」だったんですね。邦題は「Sometimes I Think About Dying」から「About Dying」が隠されていました。時々、私は考える / 監督:レイチェル・ランバート時々「死」を考えることを知っ...
美しきタイ ナコーンパノムと美しくもほろ苦きユーとミーの青春物語… タイ映画です。タイトルや画像のとおり、双子のユーとミーのちょっとほろ苦い青春物語です。高校生の年齢設定だと思います。制作会社は「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」や「ハッピー・オールド・イヤー」のGDH559です。この会社の映画はどれもレベルが高いです。ふたごの...
フィリップを演じているエリック・クルム・ジュニアさんがすごい… 映画の紹介文からの刷り込みや画像からの印象を捨てて見ますとこれがなかなかすごい映画なんです。まずは「ナチスの妻たちを次々に誘惑」とか「ナチスへの復讐」という言葉を忘れましょう(笑)。フィリップ / 監督:ミハウ・クフィェチンスキ1941年、ワルシャワ・ゲットー...
「No.10」はアレックス・ファン・ヴァーメルダム監督自身の10作目という意味らしい… オランダのマルク・ファン・ヴァーメルダム監督の2021年の映画です。初めて目にする名前ですが、2013年に「ボーグマン」という映画でカンヌのコンペティションに選出されたことがあるようです。オランダの映画監督といいますと、「エル ELLE」や「ベネデッタ」のポール・バーホ...
どう考えても理不尽なことなのに、それをスクリーンで見ているだけの居心地の悪さ… 「ソハの地下水道」「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」のアグニエシュカ・ホランド監督です。前作の「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」では、ホロドモールというスターリン時代のソ連邦によるウクライナの人為的な飢餓を知りました。そして、この「人間の境界(Green Border)」で...
謎解きでもなく、ドキドキ感を煽ることもなく、なのに面白い… 前作「悪なき殺人」では、2019年の東京国際映画祭で最優秀女優賞と観客賞を受賞していたドミニク・モル監督です。この「12日の殺人」では、昨年2023年のセザール賞で作品賞、監督賞、助演男優賞、有望若手男優賞、脚色賞、音響賞を受賞しています。期待できそうです。12日の殺人 ...
リュック・ベッソン監督が帰ってきた! リュック・ベッソン監督、なに以来か思い出せないくらい久しぶりです。サイト内を検索しましたら「マラヴィータ」「ルーシー」以来です。10年ぶりのこの「DOGMAN」、すでに自分の撮りたいと思うものがなくなっているんじゃないかと思われるリュック・ベッソン監督ですのでどうなんでしょう。DOGMAN ド...
ヴィム・ヴェンダース監督と役所広司さんでなければ撮れなかったでしょう… 劇場公開日の12月22日の朝刊に見開きで広告が出ていてびっくりしました。PERFECT DAYS / 監督:ヴィム・ヴェンダースマーケティング戦略…新聞の広告はこれです。すごいなあ。配給会社も命運をかけてますね、なんて思っていま...
ギャスパー・ノエ監督の映画への真面目さを強く感じる感傷なき死の描写… ギャスパー・ノエ監督は、「アレックス」「CLIMAX クライマックス」「ルクス・エテルナ 永遠の光」と見てきた私の中では真面目な監督という位置づけになっています。この映画もこれ以上ない真面目さで人の「死」、最期というものを描いています。おすすめ映画に入れていますが、決して楽しい映...
心の中の葛藤が画からにじみでる… もう2年前になりますが「君は永遠にそいつらより若い」を見て、吉野竜平監督の構成力がすごい! って思いましたので、アイドル云々の内容についていけるかなあ(笑)と心配しながらも見てみました。やはり吉野竜平監督、構成力もさることながら演出力もなかなかのものです。ファンファーレ / 監督:吉野竜平...