寓話ものなのに中途半端なコメディで終わる
公開作のうち何を見るかの情報は映画.com から得ることが多いのですが、まあ観なくてもいいかと思ったこの「見えない娘」、それでも観た訳は「14歳の栞」にわりといい印象が残っている竹林亮監督の名前からです。

ネタバレあらすじなし
竹林亮監督のこと
それに「14歳の栞」は、ある中学校の2年生35人の一年間を撮ったドキュメンタリーでしたので、え、なに、透明人間? SF? と、その傾向の違いに興味を持ったこともあります。
この「14歳の栞」は特別何ということもないのに映画として成立していますので、へぇ〜すごいなあと記憶に残っているということです。
ただ、今あらためて竹林亮監督の名前でサイト内を検索してみましたら、すっかり忘れていたのですが、その後「大きな家」という映画も観ており、何と、酷評しています(ゴメン…)。
他にも、私は観ていませんが「MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」という映画も撮っています。
コメディですか、なかなか幅広いですね。それにタイムループとありますので永久に月曜日という話なんでしょうか(笑)。
俳優たち、特に矢山花さん
で、この「見えない娘」です。以下、ネタバレあらすじのようなものは書いていません(ゴメン…)。
神津島で暮らす家族が内地の東京で暮らす祖母(子どもたちから見て…)に会いに行くという話で、その三女が透明人間ということで起きるてんやわんや(でもないけど…)を描いている映画です。
透明人間のひかりは最後まで姿を現しませんので声優さんかと思いましたら鈴木凛子さんという10歳のキッズタレントでした。確かに声優さんの作り声ではなかったです。
父親は毎熊克哉さん、つい数日前にも「時には懺悔を」で観たばかりです。
バイプレイヤーとして長く活躍されていく俳優さんだと思います。ただ、この映画ではひかりを隠そう隠そうとする一本調子の役回りですので見せ場がなかったです。こういう内容の映画ですのでちょっとしたボケとか入れてみればよかったのにと思います。
「見える娘」は長女の近藤華さんと次女の矢山花さんのふたりです。近藤華さんの経歴を見ましたら「未来」とあり、ああ、高校時代の真珠役の俳優さんでしたか。
そして矢山花さん。この映画を観ての唯一の収穫かも知れません。その大人芝居にちょっと驚きました。14歳です。落ち着いた自信を持った演技をしています。プロフィールをみますと8歳でデビューとありますので場馴れもあるのかも知れません。なんとなく観たことがあるかもと思ったのは多分「キリエのうた」ですね。
画としては矢山花さんの姿は蘇ってきませんが「路花」役だったようです。
まだ14歳ですので俳優としてやっていくのかどうかもわかりませんが、そうであればいい映画といい監督に出会えるといいですね。
話は寓話ものだと思うけど
透明人間というものは現実には存在しないわけですから、それを現実のものとしてやれば SF や完全コメディじゃない限り当然教訓的な話になるわけで、この映画で言えば、見えているものがすべてじゃない、見えているものだけで判断してはいけないといったことになるかと思います。
いわゆる寓話ものです。
ひかりが視覚障害者を助けるシーンや祖母とひかりが照明の落ちたスタジオで会うシーンではそれが示されているわけですが、この映画ではそれが寓話的広がりを持たずに、ただそれだけで終わっています。
考えてみれば、日本では実写版の寓話もの映画ってあまりみないですね。寓話はファンタジーにするのが一番簡単ですのでそうした志向のものはアニメにいっちゃうのかも知れません。
この映画もその点ではかなり中途半端なコメディになっており、人は見えないものに出会えば驚くというところから離れられずに最後までいってしまっているのが問題なんだろうと思います。
寓話ものなのに、寓話ものならず、でしょうか。