ソング・サング・ブルー

こういう映画はアメリカじゃないとできないですし、アメリカらしい映画です

ニール・ダイアモンドのトリビュートバンド、ライトニング&サンダーを描いた映画です。結構ドラマチックな展開の映画ですが、その描き方は別にして起きていることは実話みたいです。

ソング・サング・ブルー / 監督:クレイグ・ブリュワー

ネタバレあらすじ

トリビュートバンドというものにもあまり馴染みがないのですが、単なるコピーバンドではなく、音楽や演奏は当然のこととして衣装やパフォーマンスも本物を再現することを意図したバンドということです。大切なのはそのアーティストへのリスペクトということだと思います。tribute は称賛といった意味ですので当然ですね。

で、その本物のニール・ダイアモンドさんですが、こちらも名前は知っているものの曲の1曲も浮かんできません。と、映画を見てみましたら、何だ、知ってる曲じゃん、ということでした(笑)。さすがスタンダードナンバーと言われるだけのことはあります。

映画のタイトルにもなっている「Song Sung Blue」です。2008年のマディソン・スクエア・ガーデンでのライブからです。ニール・ダイアモンドさん、現在84歳です。亡くなっている方かと思っていました(ゴメン…)。

2008年製作ドキュメンタリー

この「ソング・サング・ブルー」には元となる2008年製作の同名タイトルのドキュメンタリーがあります。監督はグレッグ・コーズさん、ドキュメンタリー作家で、今回の映画のエグゼクティブ・プロデューサーにもクレジットされています。

上のリンク先はグレッグ・コーズさんのサイトです。ドキュメンタリー「Song Sung Blue」の制作や上映、そしてクレイグ・ブリュワー監督からドラマ化の打診があった話などかなり詳しく書かれた記事があります。

映画完成には10年の年月を費やしているようです。プレミア上映はカリフォルニアのスラムダンス映画祭でのことですが、楽曲の使用許可を取るためにパール・ジャムのエディ・ヴェンダーさんの協力を得てなんとか上映にこぎつけたそうです。

そのドキュメンタリーそのものが公開されています。約1時間半あります。

※スマートフォンの場合は2度押しが必要の場合があります

車が家に突っ込んでクレアさんが片足を失った事故のニュース映像もあります。

ライトニング&サンダー誕生

映画半分ほどを音楽が占めている印象の音楽映画です。ライトニングことマイクを演じているヒュー・ジャックマンさん、サンダーことクレアを演じているケイト・ハドソンさん、二人のパフォーマンスの素晴らしさにつきる映画です。

まず、マイクとクレアの出会いからライトニング&サンダー結成までが簡潔に描かれます。

マイク(ヒュー・ジャックマン)がカメラ目線でギターをかき鳴らしながら自分が何者であるかを語ります。皆は俺のことをライトニングと呼ぶと言い、車の整備の仕事がない時はバンドでギターを弾いている、ソロライブでも、バーでも、誕生日会でも何でもやるよと歌うように語ります。そして、今日は酒を断って20年目の記念日だとも言いながら「Song Sung Blue」を歌います。

1987年、ミルウォーキーのイベント会場、マイクはそこでモノマネ芸を求められたために拒否します。しかしクレア(ケイト・ハドソン)と出会い、その歌を聴きます。後日、マイクはクレアと会い、まあいろいろはあるのですが、ライトニング&サンダーの誕生です。そしてすぐに愛し合うことになり結婚します。

マイクには娘アンジェリーナ(20歳くらい?…)が1人、クレアには娘レイチェル(17,8歳くらい?…)と息子デイナ(12,3歳くらい?…)がいます。当初レイチェルはマイクにふてくされたような態度でしたがアンジェリーナとは気が合い、またマイクとクレアが結婚し同居することになる頃にはデイナ共々すっかり親子関係になっていました。

この映画、家族映画的なところもあり、結構いい感じで描かれています。ヒュー・ジャックマンさんの包容力がうまく演出されています。後半にはレイチェルが思わぬ妊娠をし、まずマイクに話し、いつクレアに話すかのタイミングを見計らうといったシーンもありました。妊娠出産は実話らしく、映画と同じように養子に出したとのことです。

成功、挫折、再起、そして…

バンドのメンバーもあっという間に集まります(笑)。モノマネイベントのプロモーターも入れてくれと言いギターを弾いていましたし、マネージャーはマイクの歯医者さんです。

初ライブは手違いがありバイカーたちの前で歌くことになり、メンバーたちはニール・ダイアモンドじゃダメだと言いますがマイクが強引に始めたためにブーイングの嵐となり、ついには乱闘騒ぎになってしまいます。ああ、この後にプロポーズしていましたね。

その後は順調に進み、ある時、エディー・ヴェンダーから電話が入ります。誰だかわからないマイクを前にしてレイチェルはエディーに会えると大騒ぎです。これでレイチェルのマイクを見る目が変わったということだったかも知れません。

そして大変なことが起きます。クレアが自宅の庭にいるときに車が突っ込みます。幸い一命はとりとめますが片足を失うことになります。映画ではこの後のクレアの絶望の自暴自棄をかなり長く描いています。また、マイクにも心臓の持病があることを見せています。

こうした映画にしてはこのパートがちょっと長過ぎる感じはします。マイクと子どもたちはクレアを精神科病院に入院させる選択をします。まだ元となるドキュメンタリーもすべてを見ていませんのでわかりませんが創作じゃないかとは思います。

当然ながら陰のシーンがあれば当然陽に転換します。クレアは退院しライトニング&サンダーも復活します。そして素晴らしい知らせが届きます。ニール・ダイアモンドのミルウォーキーでの公演の際にチケットを取れなかったファンのためのライブイベントの依頼が舞い込みます。さらにニール・ダイアモンドが終了後にフローズン・カスタード店に来ることが知らされます。

ライトニング&サンダーのライブイベントは大成功に終わります。そしてマイクとクレアはフローズン・カスタード店に向かいます。車を停めたクレアは先に降り、目を輝かせています。そして車内のマイクに声を掛けます。しかし、マイクがそれに応えることはありません。

マイクの葬儀、クレアが「I’ve Been This Way Before」を歌います。

感想:よくできた音楽映画です

すでに書きましたが、ヒュー・ジャックマンさんとケイト・ハドソンさんのパフォーマンスにつきます。

よくできた音楽映画だと思います。

それにしてもこういう映画はやはりアメリカですね。俳優の層が厚いこともありますし、音楽的な意味での完成度が高いです。

日本映画では難しいジャンルかと思います。

ところで、ヒュー・ジャックマンさん、これといった記憶がなくなにか見ているかとサイト内と検索してみましたら「The Son/息子」と「プリズナーズ」を観ているようです。

「レ・ミゼラブル」も観ているようです。

一方のケイト・ハドソンさん、こちらも記憶がなくサイト内を検索してみましたら「モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン」という映画がヒットしました。

こちらのケイト・ハドソンさんはほとんど記憶していませんが、この「ソング・サング・ブルー」のクレアはとても良かったです。