青春とは所詮ダラダラしたものではあるが… 今週公開された映画をなにか見ようと思い消去法でポチッとしてしまった映画です。まなみ100% / 監督:川北ゆめきこれが今どきの100%?この映画を撮った人、また、この映画を見て感情移入できる人が「卒業」なんて映画を見たら、きっとベンジャミンはあぶない人に見えるのでしょう。...
見知らぬ男はサラのリビドーとタナトスの発現か… なかなかお勧めできる映画がない今日この頃ですが、この「PIGGY ピギー」はスペイン映画ですし、ちょっと変わった感じがしておもしろそうです。日本の公式サイトを見ますとあまり売る気がなさそうですので逆に興味がわきます(笑)。PIGGY ピギー / 監督:カルロタ・ペレダ青春屠殺...
集団主義かつ同調圧力の国ならバーナデットは引きこもりになっている… 「30年後の同窓会」以来、5年ぶりのリチャード・リンクレイター監督かと思いましたら、何のことはない、この「バーナデット ママは行方不明」の製作年は2019年ということでした。なぜ今になって公開したんでしょう。新型コロナウイルスのせいとか、公開のタイミングを図っているうちに機を逸したとか…。...
リチャード三世は駐車場の「R」の下に眠っていた… 悪人ほど魅力的というのは映画や演劇の中だけの話だと思いますが、イングランド王リチャード三世もそのひとりで、シェイクスピア『リチャード三世』をベースにした翻案ものが様々あります。そのリチャード三世の遺骨を発見したのはアマチュア歴史家の女性だったという話、それもわずか10年ほど前2012年のことです。...
セドリック・クラピッシュ監督、スパニッシュ・アパートメント以来のまとまりのいい映画… セドリック・クラピッシュ監督人気なんでしょうか、私が見る映画には珍しく150席超満員でした。クラピッシュ監督の映画は「スパニッシュ・アパートメント」以降ほとんど見ていますが、久々にきっちりまとまった映画でした。もちろん、ベタな物語なのは相変わらずです(笑)。[to...
革命の国の映画を忖度の国の住人が見ると、危険です マリオン・コティヤールとメルヴィル・プポーの共演というだけでも興味のわく映画ですが、さて…。監督は「あの頃エッフェル塔の下で」「ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して」のアルノー・デプレシャン監督です。私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター / 監督:アルノー・デプレシ...
アナクロ的母娘ものファンタジー、原作を読んでみたらそのとおりだった 公開時、気にはなっていたのですが優先順位で結局見なかった映画です。主演は戸田恵梨香さんと永野芽郁さん、監督は廣木隆一さん、原作は湊かなえさんです。母性 / 監督:廣木隆一戸田恵梨香さんと永野芽郁さんDVD視聴ですからなんとも言えませんが、感想として...
ほつれるではなく、そもそも結び目もないですし、キレて切っただけ… ちょうど1年前に見た「わたし達はおとな」の加藤拓也監督の長編2作めです。その映画では、映画的じゃないとか、映画に技術が足りないとか、女性への悪意があるとか、相当辛辣なことを書きましたのでとても記憶に残っています。ただ、記憶に残っているのはそう書いたことであり、映画そのものではありませ...
表現主義的、絵画的ヴィジュアルで描かれる1920年の悪夢的ウィーンの街… なぜ邦題を「ヒンターランド」ではなく「ヒンターラント」としているのかと思い、ドイツ語の発音を調べてみましたら、確かに「ラント」のほうが近いですね。ドイツ語のオーストリア映画ですので、おそらくそうした理由からでしょう。「ヒトラーの贋札」のステファン・ルツォヴィツキー監督です。2...
これは、子どもを求められる女性たちの悲劇か… 「アダプション/ある母と娘の記録」「ナイン・マンス」と見てきたメーサーロシュ・マールタ監督の特集上映ですが、もう一本見ることが出来ました(1週間ほど前ですが…)。若き頃のイザベル・ユペールさん(撮影時25、6歳…)が出演しています。ふたりの女、ひとつの宿命 / 監督:メーサーロシュ・マ...
ドキュメンタリー作家らしくない、あまりにもつくりもの臭い… ドキュメンタリー作家森達也監督の初めての劇映画、題材は1923年9月6日千葉県福田村、現在の野田市で起きた「福田村事件」です。福田村事件 / 監督:森達也福田村事件とは…こうした映画には珍しくメディアでもたくさん取り上げられていますので今さら事件について書...
津軽塗を見たい、知りたいと思っても映画が応えてくれない… 津軽塗を取り上げたご当地映画か、と思いましたらそうではなく、盛夏子さんというプロデューサーの「ものを作る工程を見るのがすごく好き(公式サイト)」から始まった企画もののようです。主演は堀田真由さんと小林薫さん、監督は「まく子」「過ぐる日のやまねこ」の鶴岡慧子さんです。バカ塗り...
もう「다음 소희(次のソヒ)」は出ないでほしい… 2017年に韓国全州で大手通信会社のコールセンターで働き始めた高校生がその3ヶ月後に自ら命を断ったそうです。この「あしたの(ない)少女」は、その起きてはいけないが現実に起きてしまったことをベースにした映画です。原題の「다음 소희(次のソヒ)」には、もう次のソヒは出ないでとの思いが込められているのだと思います...
女性の自立と主体性、男性の家族主義と支配欲… メーサーロシュ・マールタ監督特集上映の一作「アダプション/ある母と娘の記録」が素晴らしかったですので、可能な限り見ようと「ナイン・マンス」を見てきました。これまた、びっくりしました。ナイン・マンス / 監督:メーサーロシュ・マールタ明確な女性の自立と主体性への意識...
昭和物語なのに意外にもあっさりビズリーチ、そして橋本環奈に驚く… 沢木耕太郎さんの『春に散る』の映画化です。監督は瀬々敬久さん、そろそろ巨匠や大御所と呼ばれる領域に入る方ですのでもういいかなと思ったのですが、横浜流星さんを見てみようというのが目的です。春に散る / 監督:瀬々敬久横浜流星、窪田正孝、橋本環奈横浜流星...
求められる女性らしさと老いに苦しむ1878年のエリザベート… ミュージカルにもなっているオーストリア=ハンガリー帝国の皇后エリザベート(エリーザベト)の映画です。伝記映画ではありません。タイトル(邦題)に1878とあるように、エリザベートが40歳になる1878年一年に絞った映画です。エリザベート 1878 / 監督:マリー・クロイ...
小気味よい見事な展開と特徴的なカメラワーク メーサーロシュ・マールタ監督というハンガリーの監督の特集上映の1本、1975年のベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した「アダプション/ある母と娘の記録」を見てきました。アダプション/ある母と娘の記録 / 監督:メーサーロシュ・マールタ特徴的なカメラワーク有無を言わせぬ見事な...
絶望の香港か… 「私のプリンス・エドワード」に続いて香港映画です。こちらの製作年は2022年、映画の設定はほぼ撮影時期と思われる2020年、新型コロナウイルスによって世界中が騒然としていた頃の物語です。星くずの片隅で / 監督:ラム・サム絶望の香港か…びっくりします。希望も何もあったもんじゃない話です。一般...
製作年は2019年ですのであの民主化運動真っ最中の時に撮られた映画です 「新世代香港映画特集2023」という企画上映の一作です。香港映画を最後に見たのはいつだったか思い出せないくらい見ていないです。サイト内を検索しましたら2020年に「THE CROSSING ~香港と大陸をまたぐ少女~」という香港と深センが舞台の映画を見ていますが、製作国は中国で...
16歳で生き別れになった恋人への思いを軸にバランスよくうまくまとまっている… 「Based on the true story of Harry Haft」とクレジットが入っている通り、実在のユダヤ系ポーランド人ハリー・ハントさんの実話にもとづいた映画です。もちろんこうした映画の常道で誇張されているとは思いますが、ことの経緯は実際にあったことのようです。生...