こんなレストランには行きたくないと思わせたらダメでしょう… レストランの調理場を舞台にした映画で最近のものといえば「ボイリング・ポイント/沸騰」があります。全編ワンショットで撮られたせわしいノンコンセプト映画ですのであまりお勧めしませんが(ゴメン…)、この「ラ・コシーナ」はアーノルド・ウェスカーの『調理場』にインスピレーションを得てつくられたとのことですの...
悶々にまどろむ27歳、はたして飛び立てるか… そのタイトルをよく目にしてきた「佐々木、イン、マイマイン」、やっと見ました。青春回顧(懐古)ものだったんですね。5年前の映画です。佐々木、イン、マイマイン / 監督:内山拓也悶々は青春の証しであり特権…「若き見知らぬ者たち」よりはうまくできています。まあベタな青春回顧(...
あの散漫な原作を(ゴメン…)、国宝級の映画化でした… 国宝級の入りでした(笑)。特に女性客を多く感じました。吉沢亮さん? 横浜流星さん? ひょっとして謙さん? と思ったわけです。歌舞伎ファンということもあるのかも知れません。国宝 / 監督:李相日見事な映画化でした…原作を読んでいる者からしますとよくもまあ、あの散漫...
ベタな余命ものラブストーリーだった… 余命ものラブストーリーの気配があり、ちょっと迷ったのですが、「ブルックリン」のジョン・クローリー監督ということでポチッとしてみました。それにしてもクローリー監督、9年ぶり? と思いましたら、2019年に日本では劇場未公開ですが「ザ・ゴールドフィンチ」という映画を撮っているんですね。We Liv...
喪失と孤独が甘き青春の夢を見る… 「グラハム・フォイ監督の長編デビュー作『メイデン』は、彼自身が育ったカナダ西部のアルバータ州カルガリーで撮影を行ったメランコリックな青春映画」と、日本の公式サイトにあります。16ミリフィルムで撮られています。メイデン / 監督:グラハム・フォイ神秘さと退屈さの境界線上…神秘さと退屈...
ロックダウン下の隔離生活が夏の休暇のように見える映画(笑)… オリヴィエ・アサイヤス監督の前作「WASP ネットワーク」は Netflix だけで劇場公開されていないですね。ですので私には2018年製作の「冬時間のパリ」以来ということになります。かなりアサイヤス監督自身のパーソナルな内容でした。でも結構見られます。季節はこ...
人生はサスペンス、次々放たれる不穏の矢の行き先は人生しみじみ… フランソワ・オゾン監督です。レビューを書くたびに書いていますが、オゾン監督は年1本ペースという多作かつその内容も多様でありながらどの作品も出来がとてもいいです。とにかく映画のつくりがうまいですし、やろうとしていることか明快な監督です。秋が来るとき / 監督:フランソワ...
ビッグフットの一年、たどり着いた先は人類の未来か… サスカッチというのはビッグフットのことです。ビッグフットに興味はありませんが、主演がジェシー・アイゼンバーグさんですし、アリ・アスターさんが製作総指揮となっていますのでどんな映画だろうと見てみました。サスカッチ・サンセット / デヴィッド・ゼルナー、ネイサン・ゼルナージェ...
ホラーではなく、17,8世紀ヨーロッパの歴史もの… 今週公開の映画の中から「デビルズ・バス」を選択しました(笑)。ホラーに興味もないのになぜ? ですが、あいにく他にないからということです。でもホラーじゃなかったです。17,8世紀ヨーロッパの歴史ものでした。デビルズ・バス / 監督:ヴェロニカ・フランツ、ゼヴリン・フィアラ...
ホラー要素を持った社会派ドラマが狙いらしい… 第一次世界大戦前後のデンマークで起きた連続殺人事件が基になっている映画です。上の一行、最初はさすがに一行目からネタバレはまずいなあと思い連続殺人事件のところを実話と書いていたのですが、今日本の公式サイトを見ましたらはっきりと書いてありました(笑)。ああ、チラシにも書いてありますね。私は何も知らず...
差入屋を描きたいの? 事件を描きたいの?… えー? あれ、北村匠海さんかい!? やっぱり、この俳優さん、すごいわ。これだけでも見る価値があると思った映画です(笑)。監督は「東京リベンジャーズ」で助監督をされている古川豪さん、だから北村匠海さんをよく分かっているということなんでしょうか。初監督作品、脚本も古川豪監督のオリジナルということです。...
ボディ・ちょっとだけホラー・コメディ… 見ました(笑)!へー、この映画、昨年のカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞しているんですか?! 他にもアカデミー賞やゴールデングローブ賞でなにか受賞しているようです。脚本、監督はフランスのコラリー・ファルジャ監督、初めて見ます。サブスタンス / 監督:コラリー・ファルジャボディ・ち...
塩田明彦監督、才能と知識の無駄使い… 塩田明彦監督は「麻希のいる世界」を見て、内容はともかくとしてうまいなあと思い、DVDで「害虫」を見てみたところ、結局、少女が大人の男たちの性的視線に晒され続ける映画かと残念に思ったという経緯の監督です。さて、「春画先生」…。春画先生 / 監督:塩田明彦展開はほぼ AV ストーリ...
この映画が描く一面だけではなくリー・ミラーの全人生を知りたくなる… リー・ミラーというアメリカ人の写真家の半生を描いた映画です。「シビル・ウォー アメリカ最後の日」でキルステン・ダンストさんが演じた従軍カメラマンのモデルとなった人らしいです。たしかに役名はリー・スミスとなっています。この映画のキービジュアルになっている上の画像の浴室はヒトラーの浴室...
誰もが誰かを求めている、神父でさえも… アラン・ギロディ監督特集上映の3作のうち、先日見た「ノーバディーズ・ヒーロー」がことのほか面白かったので「ミゼリコルディア」も見てみました。こちらのほうが直近の作品で昨年2024年のカンヌ国際映画祭プレミア部門で上映され、また、カイエ・デュ・シネマ誌ではその年のベストテン第1位に選ばれているそうです。[toc...
行き詰まるジャ・ジャンクー監督… 前作「帰れない二人」が2018年製作ですから6年ぶりのジャ・ジャンクー監督になります。んー、もう新作は撮れません宣言みたいな映画ですね。新世紀ロマンティクス / 監督:ジャ・ジャンクー満ち足りてノスタルジー…どうしちゃったんですかね、ジャ・ジャンクー監督。前作「帰れない二人...
偏見差別よりもラブストーリー、エンディングはちょっと… 「ヒゲを生やした女性」と表現されていますが要は多毛症の女性ということで、クレマンティーヌ・デレさんというフランスに実在した方をモデルとした映画です。そのクレマンティーヌ・デレさんのウィキペディアをみますと写真なども残っていますし、ヒゲに誇りを持っていたという記述もあり、かなり力強く生きた方のよ...
この面白さがわかれば、もう大人… 「現代フランスを代表する鬼才」とか「ゴダールが今年(2001年)最高の映画と評した」と紹介されているアラン・ギロディ監督の3作が公開されています。え? 誰それ? ホントかなあとやや懐疑的ながらも見てみましたら、これ、面白い! です。ノーバディーズ・ヒーロー / 監督:アラン・ギロディ...
真相は、原作者あるいは脚本家や監督に女性蔑視観が潜んでいるということでしょう… アイドル映画だろうとスルーしていたのですが、ふと監督の豊島圭介さんの過去作に「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」があるのを知り、また内容に記憶はないのですが「森山中教習所」を見たような記憶があり、迷いに迷って(笑)ポチっとしてみました。#真相を...
雪は降る あなたは来ない 雪は降る 思い心に 虚しい夢 白い涙 鳥は遊ぶ 夜はふける… 「SAINT LAURENT サンローラン」のベルトラン・ボネロ監督です。この映画は当初その映画でサンローランを演じていたギャスパー・ウリエルさんとレア・セドゥさんで撮る企画だったようですが、ウリエルさん、2022年の1月に事故で亡くなってしまいました。映画の最後に追悼...