見ないとわからない、見てもわからない、聴くしかない。タイトルの「黙ってピアノを弾いてくれ」や、さわりの紹介コピー「挑発的な言動、強烈すぎるキャラクター、そして唯一無二の音楽性で知られるピアニスト・作曲家、チリー・ゴンザレス」だけでも無茶苦茶そそられます。公式サイト / 監督:フィリップ・ジェディックビョーク、ダフト・パンク、ジェーン・バーキンらが心酔す...
終末系ビジュアルの中で描かれる純愛もの、ただ既視感は強しタイトルをちらっと見て「ホステル」? と、見てはいないのにタイトルだけ記憶しているホラー映画が浮かんだのですが、そうではなく「ホスティル」でした。「敵意のある」といった意味のようです。伝染病(と公式サイトにはある)によりほとんどの人類が死滅した世界を舞台にしており、クリーチャーに変貌した人間の「敵意」を現し...
お茶を始めてみたくなる映画。ネタバレしていますが、それを知って楽しめない映画ではありません。お茶を始める人が増えるかもしれませんね。「お茶」そのものだけではなく、そのまわりに広がる時間と空間、そしてそれらを味わい楽しむこと、映画では茶事と言っていましたが、そうした一連のことが魅力的に感じられる映画です。公式サイト / 監督:大森立嗣この「日日是好日」、...
三幕の不条理劇を見るような映画。戦争は父権的なるものの究極。「レバノン」が2009年のヴェネチアで金獅子賞を受賞したサミュエル・マオス監督の最新作、 この作品も昨年のヴェネチアで銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞しています。8年ぶりの新作ということらしく、IMDb を見てみても、2013年にドキュメンタリーとショートを撮っているだけです。寡作な監督ですね。...
映画としてはまとまっているが、佐藤泰志っぽさが消えてしまったえ? こんなラストだった? と、原作を読み直してみましたら、やっぱり全く違っていました。佐藤泰志さんの『きみの鳥はうたえる』の映画化です。「海炭市叙景」「そこのみにて光り輝く」「オーバー・フェンス」に続いて4本目ですが、佐藤泰志さんの小説は、映画向きの話にみえて、なかなか難しそうですね。 公式サイ...
見えていなかったのはジーナ? それともジェームズ?マーク・フォースター監督、見たのは「チョコレート」だけかと思っていましたが、あらためてウィキペディアを見ていましたら「マシンガン・プリーチャー」? あら? 見たような記憶が…とブログ内を検索してみましたら、ありました(笑)。ただ、読み返してみても全くよみがえってきません。それにしても、いろんな映画を撮る監督ですね...
(曖昧なネタバレ)家なし、金なし、何も持たないポーラに未来はあるか?昨年のカンヌでカメラドールを受賞しています。元々は新人監督賞といっていたようで、日本では河瀬直美監督が「萌の朱雀」で20年前に27歳で受賞しています。こちらのレオノール・セライユ監督は、1986年生まれとありますので31歳くらいでの受賞です。映画の主人公も31歳の女性ポーラ、恋人と喧嘩をし、住ま...
視点を SNS 側に持っていけばよかったのではないかと思うけど…タイトルにそそられて見た映画です。原作が奥田英朗さんの小説とのことですが、名前を知っている程度で読んだことはありません。「ふたりの青春、あと3日ー」こういうヒリヒリしそうな青春ものが好きなもんですから、いくらヤクザの鉄砲玉が題材とはいえ、今どきの何かあるだろうと思ったのですが、残念…。公式サ...
監督は娘のエステール・ガレルが撮りたかったんじゃなかろうか…。こんな感情をあらわにする人間、特に女性を撮る監督でしたっけ? というのが、見始めてすぐ思ったこと。時々説明的に入る感傷的なピアノ曲やナレーションにもちょっと違和感…。でもまあ見終えてみれば、そこに、その感情の発露である「熱さ」があるわけでもないので、やっぱりいつものフィリップ・ガレル監督でした。...
意地を張れば角が立つ、箪笥をあければ愛がある(?)シルヴィア・チャンと聞いて思い浮かぶのは「山河ノスタルジア」のオーストラリアシーンの中国語教師くらいで、出演映画の一覧をみれば、ああ見たかもしれないと思うものもありますが、私にはあまり印象強くない俳優さんです。この「妻の愛、娘の時」は監督、主演ということです。公式サイト / 監督:シルヴィア・チャンそれ...
男性しか癒せない映画????田恵輔(吉田恵輔)監督の映画は、「ヒメアノ~ル」「犬猿」に続いて3本目です。「犬猿」が(ラストをのぞいて)面白かったので早速見に行ったのですが、こちらは、何だかいやーな感じのする映画でした。ある意味、そう感じさせることが狙いでもあるとは思うのですが、それをラストで昇華させてくれれば、それはそれでよかったのですが、そこまではいっていないと...
「スター・トレック」ファンであってもなくても楽しめるけど、現実を考えると重い「自閉症を抱える少女ウェンディが500ページの脚本を届けるためハリウッドを目指す」(映画.com)と紹介されている映画ですので、正しく理解しているとは言えない「自閉症」自体を調べたほうがいいだろうとウィキペディアなど読んでみましたが難しいですね。公式サイト / 監督:ベン・リューイン...
ネタバレしていますが、言葉で言い換えることの出来ないネタバレに意味のない映画です昨年のベルリンのジェネレーションKplus でグランプリを受賞した映画です。ジェネレーションKplus と言いますと、児童・青少年向け映画部門 (Kinderfilmfest)ということなんですが、この映画、(多分)子どもが見て感情移入できるような映画ではないですね。むしろ大...
柴崎友香と濱口竜介によって作られた新しい女性像、朝子。今年のカンヌでは「万引き家族」がパルムドールを受賞しましたが、この「寝ても覚めても」もコンペティション部門に出品されています。こうした映画祭への出品がどのように選定されるのかはわかりませんが、「ある視点」に出していれば何か受賞したかもしれませんね。作り物臭い(ペコリ)「万引き家族」に比べれば、実在感という点で...
うまくつくられたエンターテインメントであるがゆえに心に残りにくい些細なことから大喧嘩になる、ちょっとした行き違いが取り返しのつかないことになる、日常生活でもよく起きることですが、そこに民族、宗教、主義主張が絡もうものならば、それこそ戦争までやってしまいそうになるというお話。ただ、それも男たちだから、の話かも?公式サイト / 監督:ジアド・ドゥエイリ片や、...
イギリス目線のインド・パキスタン独立(秘話までいかない)歴史ドラマ何となく気にはなっていたのですが、そのイメージ画像の印象がいかにも定形パターンのヒューマンドラマっぽくてパスしていた映画。映画.com の評価欄を何気なく見ていましたら、意外にもちゃんとした歴史ドラマの予感、見てみました。公式サイト / 監督:グリンダ・チャーダインド独立前夜の1947年前...
この監督、俳優を信頼していないですね。洋画にしても邦画にしても、あまりメジャーなものは見ないのですが、何となく足を運んでみました。…ら、すごいですね、超満員でした。それも月曜の昼間なのに、学生さんというわけでもなく、高齢者というわけでもなく、月曜休みの方というのも意外と多いのかもしれません。公式サイト / 監督:原田眞人んー、これは小説で読むべき物語かもしれま...
青春残酷物語、ビタースイートじゃないよ。「イタリアでスマッシュヒット! 16歳の恋と友情をビタースイートに描いた青春映画」なんてコピー、間違っちゃいないですし、確かにそうなんですが、見終わってみれば、ビターどころか、かなり後味の悪い、残酷で救いのない、といっても批判ではなく、ため息しか出ないようないい映画でした。公式サイト / 監督:イバン・コトロネーオ...
ありがちな物語なのに、音楽を大切にし、シンプルでいい映画音楽が人、特に子どもを育てるといったテーマの映画は、過去にもいろいろあったと思いますが、この映画もそのひとつで、プロのバイオリニストが子どもたちにバイオリンを教えるというものです。ただ、この映画の場合、むしろ育つ(変わる)のは教える側のバイオリニストの方です。公式サイト / 監督:ラ...
はたして18キロ増量は必要だったか?シャーリーズ・セロンが役作りのために18キロ(諸説あり)増量したという映画です。同じように13キロ増量して撮った2003年の「モンスター」は、なぜか劇場公開時には見逃してしまっていますので二の舞は踏めずと早速見に行きました。タリーと私の秘密の時間 / 監督:ジェイソン・ライトマン完全にシャーリーズ・セロンひとりの映...