これまた原作には興味を持ちますが、映画はダメでしょう タイトルや予告編で、何これ? 香港か中国のアクションもの? とか思いましたら、何と監督が熊切和嘉さんに主演が綾野剛さん、え? どういう映画? と興味を持ったわけです。そもそも「ぶきょく」ではなく「むこく」と読むんですね。それに原作が藤沢周さん。ほう…と、俄然興味が湧いてきました。監督:熊切和嘉...
原作の詩集には興味は持つが、映画はダメ 「川の底からこんにちは」ではボロクソに書き、「舟を編む」では褒めまくった(それほどでもない)石井裕也監督の新作です。原作は、最果タヒさんの詩集『夜空はいつでも最高密度の青色だ』ということですので、多分、原作というよりも詩に触発されてのオリジナル脚本に近いのではないかと思います。映画のタイトルに「映画 夜空は~」とわざわざ「...
イタリア的叙情感あふれる劇画的ヒーローもの イタリアでは日本のアニメが結構テレビ放映されているという話を聞いたことがありますが、この映画は、子どもの頃から日本のアニメのファンだったガブリエーレ・マイネッティ監督が、永井豪原作「鋼鉄ジーグ」をモチーフ(でいいのかな?)に撮ったダークヒーローものということです。アニメについてはタイトルを耳にしたことがあるとかないとかく...
珠玉のラブストーリーというよりも河瀨直美監督の映画愛? 「殯の森」以来見ていない河瀬直美監督ですが、あらためてウィキペディアなど見てみますと、年1本は撮っているんですね。正直なところ、あまり性に合わないのですが、「カンヌ、パルムドールか!」などとかなり宣伝をかけていますので、久しぶりに見てみました。エキュメニカル審査員賞を受賞しています。青山真治監督の「EURE...
(ほぼ完全ネタバレ)と、ひねくれレビュー 「ブルーバレンタイン」「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ」のデレク・シアンフランス監督、えらくドラマチックな映画を撮ったもんです。と、ややびっくりして公式サイトを見てみましたら原作があるようです。M・L・ステッドマン「海を照らす光」、オーストラリアの作家です。オーストラリアの話だったのですね?第一次大戦後の、心に傷を負...
最後まで見切ればストンと心に落ちます。 チベットが舞台の映画では、「ラサへの歩き方 祈りの2400km」が印象深く、今でもその感動がよみがえってきますが、監督は中国人のチャン・ヤン監督、「胡同のひまわり」の監督でした。この「草原の河」は、チベット人のソンタルジャ監督、日本でチベットの監督の映画が公開されるのは初めてとのことです。ただ、いまどき何人の監督などという...
全編クリステン・スチュワートの魅力爆発!(となったかどうか…) 「クリステン・スチュワート × オリヴィエ・アサイヤス」のチラシを見たときは、ああなるほどと、「アクトレス ~女たちの舞台」が頭に浮かびました。そのリンクの記事で「クリステン、この個人秘書役がむちゃくちゃいい」と絶賛し、オリヴィエ・アサイヤス監督も「唐突に(映画の中から)クリステンを消してしまったこと...
ムーンライトよりは作品賞に値するのではと思いますが、それでも物足りない… 「マンチェスター・バイ・ザ・シー」って、「海辺のマンチェスター」といった意味合いのラブストーリーか失恋ものかと思っていましたら、なんと(アメリカの)町の名でした。ボストンから北東に車で1時間15分(映画で言っていた)の海沿いの町、もともとは漁村だったようですが、今は避暑地のようでもあります...
iPhoneで撮ろうと何で撮ろうと映画は映画 全編 iPhone5sで撮られているそうです。MtF トランスジェンダーのセックス・ワーカー二人とアルメニア移民のタクシードライバーの三人のクリスマスイブの一日を追いかけています。タクシードライバーのラズミックが、通りで拾ったシスジェンダーの娼婦に、お前のようなやつがくるところじゃないというようなことを言っていました...
前半はややかったるいが、後半に至れば傑作! 昨年2016年のベルリンで銀熊審査員グランプリを受賞しています。今では「サラエヴォ」と聞きますと、「ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争」を思い浮かべますが、この映画は第一次大戦のきっかけとなった「サラエヴォ事件」が主なテーマです。ただ、直接的テーマはそうであっても、現在に至る(バルカン半島周辺の)人々の争い、民族、国家などな...
こういう映画を面白く見せるには才能を要す ホナス・キュアロン監督は、アルフォンソ・キュアロン監督の息子さんで「ゼロ・グラビティ」の脚本にも名を連ねています。二世がそこそこ活躍するというのはどの世界でもあることですが、やはり環境が人間の成長に大きな影響を及ぼすということでしょう。ただ、本人に才能が伴えば一流、伴わなければ親の七光りということになってしまいます。さ...
いろいろなものが散りばめられており一筋縄ではいかない 「グッバイ・レーニン!」と聞けば、ああ、あの映画ねと、いくつかのシーンをすぐに思い出すくらい記憶に残るいい映画でしたが、言われてみれば、あれから12年、ヴォルフガング・ベッカー監督の映画は何も公開されていないようです。IMDbを見ても、この間、オムニバスなどのショート3本がクレジットされているだけです。次作の...
富田克也監督がオザワ役で出演しています 「国道20号線」「サウダーヂ」と見てきて、富田克也監督ってどんな人?と思っていたのですが、この映画でわかりました(笑)。出ていました。それも主役で。俳優でいけるんじゃないの。監督:富田克也バンコク。日本人専門の「人魚」でNO.1のラックは出稼ぎに出て5年が経った。ラックの支える大家族は、メコン川のほとりノンカー...
(DVD)何もこれを実写化する必要なんてないのに。 実写版の「ゴースト・イン・ザ・シェル」を見たことが契機になり、念願のアニメ版押井守監督「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」と「イノセンス」を二本立てで見ました!「攻殻機動隊」の方は面白かったのですが、「イノセンス」の方はちょっと無理でした。ウィキを見ましたら、「イノセンス」は、ほぼ押井監督のオリ...
ヘイリー・スタインフェルドの映画ですね 「PARKS パークス」に続いての青春映画です。といっても、タイプも傾向も全く違う青春で、こちらはもうほんとにアメリカの青春!(知らないけど)という映画です。公式サイトの受賞歴(AWARDS)をみますとアメリカじゃ大ウケだったんだろうと想像しますが、日本の同年代たちはこういう映画をどう見るんでしょう?夕方からの上映だった...
青春音楽ドラマといいながら、音楽も…青春も…もの足りず 監督瀬田なつき、出演橋本愛、染谷将太で見に行ったのですが、率直な気持ちとしては、……って感じです。この映画、「井の頭恩賜公園100年実行委員会100年事業企画」となっていますが、どっかの紐付きなんでしょうか?確かに、ほぼすべて井の頭公園あたりがロケ地だと思いますし、エキストラも相当出していましたので、いわゆ...
ダルデンヌ兄弟、相変わらず隙がなく完璧! ダルデンヌ兄弟監督の映画は、どの作品も全く隙がありません。多くの場合、映画を見ていますと、え、そこで切るの?とか、もうちょっと見せてよとか、(カットが)長いなあとか、何かしら気になることはあるのですが、この監督の作品ではそうした気持ちを感じた記憶がありません。「ロゼッタ」以降、オムニバス以外は全て見ていますし、いつも公開...
これは単なる「ネスレ・ボイコット」的告発映画でも、勇気あるひとりの男の物語でもない。 この映画、公式サイト(下に引用)の解説などを読みますと、グローバル企業の不正を暴く告発映画のように思われるかもしれませんが、そう簡単な問題ではありません。確かに、「巨大企業の悪」対「それに立ち向かう正義の一個人」という図式は、宣伝上は受けるかもしれませんが、ダニス・タノヴィッチ監...
ブレード・ランナー(だけではないのだろうけど)のパクリとしか思えないのだが… 常々、押井守監督の「攻殻機動隊」は一度見てみたいと思っているのですが、レンタル屋へ行っても、たまたま思い出して借りようとした時にはレンタル中といった具合で、未だ手にすることもなく、どんな物語なのかも知りません。それなのに、いきなり実写版「ゴースト・イン・ザ・シェル」から入ってしまいました...
青春の味は甘く切なく悲しくて、お茶目な大人たちは隠し味。 ヤスミン・アフマド監督、映画祭では頻繁に上映される監督ですが、日本で劇場公開されるのはこの映画が初めてではないでしょうか。監督本人は2009年の7月に亡くなっており、この映画はその年の3月にマレーシアで公開され、結果として遺作となってしまった作品です。2003年の長編デビュー以来、6年間で6本の作品を残し...