ローリー・アンダーソン、愛と死を語るという感じ 現在では、パフォーマンスという言葉は、ほぼ正しい意味あい、能力や出来栄えや公演といった意味で使いますが、70年代、80年代には、パフォーマンスアートのことを指していたと思います。ローリー・アンダーソンは、その時代の代表格ではないかと思いますが、その音楽を初めて聞いた時は結構インパクトがありました。多分、CDではなく...
監督は「キンキーブーツ」のジョエル・エドガートン、サイコ・スリラーより心理劇にすべきだった? 監督ジョエル・エドガートンと聞いても、何も浮かんでこなかったのですが、「キンキーブーツ」のチャーリーを演っていたオーストラリア出身の俳優さんでした。ハリウッドでもたくさん出演しているようですが、残念ながら他の映画は見ていないです。この映画が初監督作品とのことですが、脚本は...
切実な愛の物語を期待していくと乗り遅れますよ。アルモドバル節に身を委ねればOK。 受賞はありませんでしたが、今年のカンヌのコンペ出品作品です。今年のパルムドールは、ケン・ローチ監督の「わたしは、ダニエル・ブレイク」、来年の3月公開です。グランプリが、グザヴィエ・ドラン監督の「Juste la fin du monde」、こちらも来年の2月公開らしく、邦題は「たかが...
マリの女性たちの性と生、女性賛歌的でエロさはないよ 「ロシア西部のヴォルガ川流域に広がるマリ・エル共和国」こういう知らない国や地域の名を聞きますと、え?どこどこと、即、グーグルマップを開きたくなりますし、どんな映画だろう?と興味をそそられます。もっと南のコーカサス地方かと予想してマップを見たのですが、意外にもモスクワに結構近いんですね。と言っても、モスクワから東...
アニメ初心者によるつまらない考察 劇場でのアニメ映画鑑賞デビューです。自分でも何を思ったか不明なまま「君の名は。」を見てしまいました(笑)。これまで見たアニメは、「エヴァンゲリオン」の TV版すべてと映画版の1作くらい(はっきりした記憶がないので…)と、訳あって見た「魔法少女まどか☆マギカ」、すべて DVD ですが、それくらいですね。ですので、画がきれいだとか...
さほど格差社会も人間の欲望も描かれておらず、サスペンスでもないのですが… 「見るべきか、見ざるべきか」なんて、大層な話ではありませんが、どうしようかなあと迷っていた思いを決断(?)させたのは、富豪の妻役バレリア・ブルーニ・テデスキさんです。何と! 何と! あの「アスファルト」の看護師役のバレリア・ブルーニ・テデスキさんじゃないですか!?ちなみに、バレリアさん、そ...
俳優がすごい!タハール・ラヒム、オリビエ・グルメ、マチュー・アマルリック、そしてコンスタンス・ルソー! ダゲレオタイプ?知らない言葉だけに、何やらあやしいげな印象を受けます。というのは私だけ(笑)?ただ、全然「あやしい」言葉ではなく、「銀板写真」のことでした。 フランス語タイトルは「La femme de la plaque argentique」で「銀板写真の...
あまりにも内容がなくビックリ! ケンブリッジ大学のハーディ教授役のジェレミー・アイアンズさん、先日「ある天文学者の恋文」を見たばかりです。こういう知的な役が似合う俳優さんなんですね。一方のデヴ・パテルさんは「マリーゴールドホテルで会いましょう」以来です。監督:マシュー・ブラウン1914年、ケンブリッジ大学のハーディ教授は、植民地のインドから届いた1通...
映画この寓話的真実で争いがなくなることはないにしても、この寓話的真実を理解できなければとっくに世界は終わっている。 さすがに現代では帝国主義戦争は起きにくくなっていますが、民族紛争はいたるところで起きています。シリア内戦、南スーダン、毎日のように何人死亡などと記事になっています。この映画は、そうした民族紛争(戦争)の、ある意味核心をとらえた素晴らしい映画で...
映画 ブログ復刻版? 「永い言い訳」を見た際に、そういえば「ゆれる」について何か書いたはずだと思い、探しましたらありました(笑)。ゆれる発売日: 2016/09/14メディア: Amazonビデオこの商品を含むブログを見る 以下、2006年当時に書いた文章です。で、「ゆれる」です。女性監督、西川美和監督の作品で、かなり評価は高いよ...
監督自身の永い言い訳を聞いているようだ。男の影のような女の描き方は「ゆれる」と同じだね。 「ゆれる」以降、単独作品は全て見ているのですが、何も書き残していないようで、このブログ内に何もありません。なぜだろう? と考えながら、ウィキで西川美和監督の作品リストを見ていましたら、すごいですね。独擅場(どくせんじょう)です。ゆれる(2006年) - 監督・脚本・原案...
グルジアとアブハジアの境界、悠久の大河エングリ川よ、人の争いなどきれいさっぱり流し尽くしてくれ…。 ジョージアは、「やさしい嘘(リンクは「バベルの学校」)」という映画を見て以来、気持ちの中だけですが、妙に親近感のある国です。最近では「放浪の画家ピロスマニ」という映画も見ています。この映画、良かったです。「当サイトおすすめ映画」に上げていましたが、次のおすすめ...
ひとこと、筒井真理子さんを絶賛の映画です。 今年のカンヌ「ある視点」審査員賞を受賞しています。面白いですね。ですが…(は、後で)。深田晃司監督の映画は、「ほとりの朔子」「東京人間喜劇」に続いて三作目です。えらそうな言い方ですが、だんだん映画らしく洗練されてきています。一貫しているのは、人間を撮りたい、描きたいということのようで、この映画ではその意識が相当明確...
映画 第二次大戦時の日米が描かれていますが、偏見もなく、バランスの取れた優しい映画です。 日本人から見れば、広島、原爆、ジャップが気になってしまう映画ですが、基本は少年ペッパーの交流と成長物語でしょう。それに、原爆投下の善悪については、ごく一般的なアメリカ人の認識そのものなのだと思います。監督は、メキシコ人のアレハンドロ・モンテベルデさんという方で、1977年生...
再見。一枚一枚考え抜いて撮られたカットを丹念に積み上げた映画だからこそ持ち得る情感があります。 アスファルト [DVD] 出版社/メーカー: ポニーキャニオン 発売日: 2017/05/17 メディア: DVD この商品を含むブログ (2件) を見るあまりの素晴らしさに、知らぬ間に再び劇場に足が向いていました(笑)。「アスファ...
単純な伝記ものっぽくややもの足りないが、動くジャニスを堪能 「ジャニス・ジョプリン」時代とともに記憶されているスターであるがゆえに、知っているようで知らない人物のひとりです。よく分からないままにレコードを買った記憶があります。ドラッグのせいで亡くなったことをいつどこで聞いたかは覚えていません。あの時代がゆえのスターであり、あの時代がゆえの早逝だったのだと思...
原作の良さにつられてみた映画に良作はない、の定説でいけば原作本に大いに期待? 高慢と偏見とゾンビ??タイトルを見たときには、B級ねらいのキワモノ(ちょっと使い方が違う?)か?と思ったのですが、何と同タイトルの原作小説があるということで、それも公式サイトによりますとベストセラー本らしく、原作も読んでみなくっちゃいけませんし、何はともかく、まずは映画ということになりま...
人生あれやこれやいろいろあってもまだまだ捨てたものじゃないと気持ちが和らぎます いやあー、今年のベストでしょう!!おしゃれですし、シュールですし、切ないですし、ナンセンスですし、笑えますし、ほっこりしますし、映画として冴えていますし、完璧でしょう!ですが、観客は私を含め3人でした(涙)。団地の故障中のエレベーター。修理代を負担しない代わりにエレベーター...
面白い題材なのに、実話ベースであることと、その内容の奇妙さ異様さにおんぶしすぎている これは宣伝が大成功の映画ですね。プロデューサー アルモドバルに、この予告編(いきなり音が出ます)、そりゃ誰もがぶっ飛んだ映画に違いないとむちゃくちゃ期待しますわね(笑)。まあ、これが実話って言うんですから、確かに、ぶっ飛んでいるといえばぶっ飛んでいるのですが、話の内容はぶっ飛...
全編、オルガ・キュリレンコの魅力とエンニオ・モリコーネの叙情的旋律を楽しむ映画 ジュゼッペ・トルナトーレ監督、結構見ていますね。「ニュー・シネマ・パラダイス」は DVDを含めれば何度も見ていますし、意外と好きなのは「マレーナ」で、シチリア島ののんびり感(知らないけれど)とモニカ・ベルッチの悩殺ボデーのアンバランス感といいますか、逆に不思議なおさまり感といいますか...