観念が先走っては映画にならない 観念的に作り上げられた映画ですね。テーマがあって、それをどう表現するかと書き上げられた脚本、映画ということです。一概に悪いというわけではないでしょうが、難しいでしょう。特にこういう犯罪ものは観念だけでは成り立たないですよ。むしろリアリティにこだわり抜いた中から何かしら人間存在自体に関わるような、それこそ真理みたいなものがみえて...
(記憶曖昧なネタバレ)スウェーデン産の不思議な母子ものファンタジー ちょっと変わった印象のスウェーデン映画です。物語は、下の引用を読みますと、肉体的ハンディを跳ね返す感動ものや母子ものを思わせますが、確かにそういうところがあるにしても、そのドラマをファンタジーっぽく描いている映画です。リカルドが巨人になった自分を夢想するシーンの印象からというだけではなく、映画の...
綾瀬はるかさんのうまさが光る映画ですかね 原作は、 吉田秋生さんって方の漫画なんですね。そんなことも知らずに、そういえばカンヌのコンペティションに出品されたなあと思い借りてみました。パルムドールが「ディーパンの闘い」の年で、「ティエリー・トグルドーの憂鬱」「五日物語 3つの王国と3人の女」「キャロル」「黒衣の刺客」「山河ノスタルジア」「モン・ロワ 愛を巡るそれぞ...
50年前、デンマークの話であっても、今の日本に思いを馳せる 何だか嫌な映画ですね…、といっても、嫌でも直視しなくてはいけないという意味の嫌ですので誤解なきよう。1967年頃、今から50年くらい前ですね、デンマークはコペンハーゲンの養護施設で実際にあった話をもとに作られた映画だそうです。何が嫌かって、子どもたちへのあらゆる暴力、肉体的暴力、精神的暴力、そして性的暴...
浅野忠信の役作りしない演技が功を奏して 随分古臭いタイトル付けだなあと目につき、公式サイトを見てみましら、原作が重松清さんの小説で、タイトルも原作通りとのこと、重松清さんは10年くらい前に結構ハマって何作が読みましたが、この作品は知りませんでした。1996年、20年前の作品ですか、中途半端に古いですね(笑)。重松清さんって、少年の話が多いですよね。いじめであった...
他人事とは言っていられない日本なのに「君の名は。」でいいのか? 普段どこの国の映画とさほど意識しているわけではありませんが、あらためて考えてみれば、確かに香港映画を見る機会は減りましたね。ここ1年くらいを思い返しても思い当たりません。製作本数も減っているのだろうと調べてみましたら、2015年で59本というのがあります。ウォン・カーウァイ監督の時代(というのは変?...
オリジナル詩篇による、ありふれた日常ではない、詩集のような映画 ニュージャージー州パターソンって何処だろう?と GoogleMap を見てみましたら、マンハッタンから北西へ直線距離で 25kmくらいの町なんですね。https://goo.gl/maps/QBPEXrTADWP2映画では、滝や渓谷のようなロケーションもあり、もっとローカルな印象だったんですが、車で...
イザベル・ユペール自身がポスト・フェミニズムと語る、俳優が監督を越えた映画。 自由な女性の映画です。おそらくそれは、ミシェルを演じたのがイザベル・ユペールであったがためにそうなったのであり、あるいは、ポール・バーホーベン(ポール・ヴァーホーベン)監督にとっては(うれしい?)誤算であったのかも知れません。「犯人よりも危険なのは、彼女だった」というコピー、そうし...
フィリピン スラムのリアリティは異次元の映画だが、その先は… つい最近、フィリピン マニラのスラムを舞台にした「ブランカとギター弾き」を見たばかりですが、スラムのリアリティという点では、この「ローサは密告された」は異次元です。多分ドキュメンタリーを意識しているのでしょう。カメラがかなり動き回ります。それを意識して撮られています。ブリランテ・メンドーサ監督、知りま...
映画はシンプルなのに物語は深い こういう映画を撮ることが出来る長谷井宏紀監督ってどんな人? と公式サイトを見てみましたら、2009年、フィリピンのストリートチルドレンとの出会いから生まれた短編映画『GODOG』では、エミール・クストリッツァ監督が主催するセルビアKustendorf International Film and Music Festival にてグ...
歓びのトスカーナではなく、狂気のはての歓び。 「歓びのトスカーナ」ってタイトルに釣られたわけではありませんが(笑)、こんな映画だったんかい!?それにしても、何とも難しいテーマに挑戦したものです。原題の「La pazza gioia」は、直訳すれば「狂気の歓び」というような意味らしく、pazza は「気が狂った, 頭がおかしい」英語では crazy だとすれば、ネ...
人生相談の母親の台詞が本音なら傑作、でもおおむね駄作 マルコ・ベロッキオ監督、77歳、一体どうしてしまったの!?というくらいの駄作です。ここリード部分に結論を書くことはあまりないのですが、この映画、語ることがほとんどありません。と、公式サイトを見てみましたら、原作があるんですね。それも大ベストセラーとあります。それが本当なら、マルコ・ベロッキオ監督が原作を理解し...
実話といいつつ、作られた物語性を強く感じる アンヌ・フォンテーヌ監督、「オーギュスタン 恋々風塵」「ココ・アヴァン・シャネル」「美しい絵の崩壊」「ボヴァリー夫人とパン屋」と聞けば、ああと思い当たるのですが、なぜか一本も見ていません。この「夜明けの祈り」は、マドレーヌ・ポーリアックという女性医師の実話にもとづく物語とのことです。原題の「Les innocentes...
かなり新鮮ではあるが、何が伝わってくるかといえば微妙 久々に「新鮮」さを感じた映画でした。映画の舞台はインド・ムンバイですが、歌も踊りもありませんし、ベタな人情噺もありません。ああ、歌はありましたね。ただ、いわゆるボリウッド・ダンスミュージックではなく、民族楽器を伴奏にしたプロテストソングといいますか、民衆詩人のような人がメッセージ性の強い詩を朗唱するように歌っ...
演出意図が裏目か?俳優の存在感が足りず 監督:越川道夫、主演:満島ひかりで見に行ったのですが、『死の棘』の島尾敏雄さんと妻島尾ミホさんの話だったんですね。知りませんでした。映画タイトルと同名の原作があるとのことですが、『死の棘』共々読んでおらず、小栗康平監督「死の棘」しか知りません。越川道夫監督は、長くプロデューサーをされており、前作の「アレノ」が初監督作品とい...
漫画的?劇画的?こういう映画はオリジナリティがないと難しい 「キラキラではなく、ギラギラした青春群像。実話をベースにした“真っ黒な青春映画”が誕生した。『下衆の愛』の内田英治監督と英国人プロデューサーのアダム・トレルが再びタッグを組み、オリジナル脚本で“地方社会”のリアルを笑いたっぷりに描いた異色作。新興宗教にはまる親、未成年者を取り込む風俗産業、社会保障を食い尽く...
ある意味、今の日本が抱える病理をあぶり出す「Body/Cialo」 一昨年2015年ベルリンの銀熊監督賞受賞作がひっそり(?)と公開されています。ひっそりと言うのもなんですが、あまり注目されているようにも見えません。でも、こういう映画がなくなって(見られなくなって)しまうというのも悲しいことで、それこそ、いま日本のメジャーで公開されている「作られたドラマ」、アニメ...
号泣必至の家族ファンタジー 夏休みということもあるのでしょう、公開される映画がアニメやら若年層向けの恋愛ものが多く、なかなかそそられるものがありません。そうした中にもきっといい映画があるのでしょうが、見つけ出すのは難しいですね。で、DVD を数本借りました。その1本「湯を沸かすほどの熱い愛」、公開時に見ようかなと思っていた映画ですが見逃しています。湯...
セルゲイ本人には映画では伝わってこない何かがありそう セルゲイ・ポルーニンが突然ロイヤルバレエ団を辞めると言い出したというニュースは記憶しています。それ以前からあれやこれや問題児と言われていたとも報じられていましたので、その時は、ふ~ん程度にしか関心はなかったのですが、下の引用の写真のダンスが予告編で流れており、へー、すごいね、もったいないなあと思ったわけではあり...
ラストのカサゴがかすかな救いでも、子どもたちの見る希望なき世界 アイスランド映画です。最近では、「ひつじ村の兄弟」と「馬々と人間たち」を見ていますが、どちらも辺り一帯知らない者のいないような狭い地域の人間模様がテーマでした。この映画もそうした生活環境は同じようなものですが、物語は思春期を迎えた少年少女たちの話です。グズムンドゥル・アルナル・グズムンドソン監督は...