最新映画一覧

ある天文学者の恋文/ジュゼッペ・トルナトーレ監督

2016.09.22

あ行,

全編、オルガ・キュリレンコの魅力とエンニオ・モリコーネの叙情的旋律を楽しむ映画ジュゼッペ・トルナトーレ監督、結構見ていますね。「ニュー・シネマ・パラダイス」は DVDを含めれば何度も見ていますし、意外と好きなのは「マレーナ」で、シチリア島ののんびり感(知らないけれど)とモニカ・ベルッチの悩殺ボデーのアンバランス感といいますか、逆に不思議なおさまり感といいますか...

だれかの木琴/東陽一監督

2016.09.20

た行,

常盤貴子と池松壮亮の存在感が映画をきめている、誰にでもストーカーになれそうな気がする映画?よく分からないけど、この映画面白いです(笑)。何が「よく分からない」かは後回しにして、東陽一監督の映画は「サード」以降何も見ていなくて、30年ぶりに見た「酔いがさめたら、うちに帰ろう」を見てがっかりした話はこちらなんですが、この「だれかの木琴」を見ると、映画にとって、いか...

オーバー・フェンス/山下敦弘監督

2016.09.19

あ行,

オダギリジョーと蒼井優、この湿っぽすぎる男女は佐藤泰志ではなく、高田亮のもの(多分)こんな男女の話でしたっけ?佐藤泰志さんの作品は、発表されているもの全てを読んでいますが、かなり記憶が薄らいでいるようで、こんな話だったかなあ…というのが映画の印象です。職業訓練校の男たちの人間関係と整理がつかない妻との関係が中心で、特別男女関係が際立っていなかったように記憶して...

アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲/クロード・ルルーシュ監督

2016.09.13

あ行,

大人の恋愛映画というより、むしろ壊れることを恐れない若さあふれる男と女たちの恋愛映画このしょうもない話(笑)をこれだけの映画にするってのは本物の巨匠です。マジでです。尾ひれがくどいことを除けば、まったくもってうまいですし、まったくもって面白いですし、現実と夢と妄想を見事に違和感なく融合させて、男と女 Un homme et une femme のありえそうであ...

映画よ、さようなら/フェデリコ・ベイロー監督

2016.09.09

あ行,

後半、一転して、え?何起きるの?と、ハラハラドキドキ感が面白い。何だよ、このハラハラドキドキ感は!? って言うくらい、退屈な前半(スマソ)から一転、後半のサスペンスタッチが面白い映画でした。前半は、邦題の「映画よ、さようなら」の通り、資金難で閉鎖せざるを得なくなったシネマテークの館長と支配人でしょうか、ホルヘの日々が描かれており、ああこういう映画なのねと思ってい...

イレブン・ミニッツ/イエジー・スコリモフスキ監督

2016.09.07

あ行,

78歳とは思えない映画、いや巨匠と言われる78歳だから撮れたのでしょう。イエジー・スコリモフスキ監督、1938年生まれの78歳です。とても78歳の映画とは思えません。人間、年をとれば枯れるというわけではありませんので、年齢なんて関係ないといえばその通りなんですが、いきなりスマホ(っぽい)映像から始まったり、7,8組でしたか、無関係の人間たちの同時刻11分間の映...

めぐりあう日/ウニー・ルコント監督

2016.09.04

ま行,

監督に才能は感じるが、「9歳の時に養子に」という自他ともからの固定化が邪魔をしていないだろうか?「冬の小鳥」、もう6年前ですか…。いい映画との記憶もかなりぼやけてきています。2,3年に1本は撮ってほしい監督ですね。この映画においても、映画的な物語の運び方や俳優の使い方に才能は感じますが、果たして再びこのテーマというのはどうなんでしょう…。『冬の小鳥』で...

ティエリー・トグルドーの憂鬱/ステファヌ・ブリゼ監督

2016.09.03

た行,

ラストシーンが意味不明、あそこであのように切れる理由がわからない。「母の身終い」のステファヌ・ブリゼ監督、最新作です。主演のヴァンサン・ランドンさんも引き続いての出演で、昨年のカンヌ映画祭で男優賞を受賞しています。ところで、この映画、なぜシネコン(ミッドランドスクエア シネマ)での上映となったのでしょう? 土曜日ということもあり、全体としてはかなり混雑してい...

ホース・マネー/ペドロ・コスタ監督

2016.08.30

は行,

これは映画ではなく、抽象画の絵画展、あるいは写真展を見てまわる感じです。事前情報を全く入れずに見に行きましたら、全くわからない映画でした。幾度も落ちそうになったのですが、いつかきっと引き込まれるところが来るに違いないと頑張って何とか最後までたどり着いたものの、結局、全くわからない、と言いますか、感じるところがなく終わってしまいました。山形国際ドキュメンタ...

ハートビート/マイケル・ダミアン監督

2016.08.27

は行,

ヒップホップ、バイオリン演奏、バレエ、アイリッシュダンス、各種混合パフォーマンスバトルがカッコいい!パフォーマンスバトルもの、とでも言えばいいのでしょうか、ヒップホップダンスのバトル、バイオリン演奏のバトル、そしてラストは、やや「バトル」という言葉とはニュアンスが異なり、弦楽器&ダンスのコンペティションではありますが、そうしたバトルシーンが見どころの映画です。...

ラサへの歩き方 祈りの2400km/チャン・ヤン監督

2016.08.22

ら行, , 褒めてる映画

ただひたすら無心で五体投地、地にひれ伏し他者のために祈る人々が美しいです。五体投地五体、すなわち全身を地に投げ伏して礼拝する、仏教における最も丁寧な礼拝方法だそうです。日本仏教では馴染みがない礼拝方法ですが、僧侶が膝をつき、額を床につけて両手を頭の上まで上げる姿を目にすることがありますが、あれも五体投地の変形のようです。で、この映画、その五体投地の礼拝をしな...

ブルックリン/ジョン・クローリー監督

2016.08.20

は行,

この不思議な映画は何だろう?感情の表出が消され、ただただ明るいエイリシュは、アイルランド移民の強き意志の現れか?随分前に予告を見た時から、まさにフィフティーズというメインスチルが強く印象に残っていたのですが、見るのが公開最終日になってしまいました。1950年代、ひとりアイルランドからアメリカに渡った女性が、新天地での夢や希望と生まれ故郷への郷愁の間で思い悩み、揺...

奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ/マリー=カスティーユ・マンシオン=シャール監督

2016.08.18

か行,

ホロコースト生還者レオン・ズィゲルさんの語りには強い力が感じられます。一部カットされていたのが残念。落ちこぼれの子どもたちが、先生の熱意によって何かを見出し変わっていくという物語は結構ありがちです。とはいえ、いつも感動して涙してしまいます。それに、実話ものが多いですね。この映画も、マリック役で出演しているアハメッド・ドゥラメさんの体験がベースになっているとのこと...

秘密 THE TOP SECRET/大友啓史監督

2016.08.14

は行,

原作ファンも漫画読まずの映画ファンも楽しめます。突っ込みどころ満載!「るろうに剣心」はフロックだった?大友啓史監督といえば、あの「るろうに剣心」の監督ではないですか!と、DVD でしか見ていないのですが思いの外良い印象でしたので、一度劇場で見てみようと出掛けました。「シン・ゴジラ」に続いて、メジャー系の日本映画を連続鑑賞です。サスペンスものとのことで、多少は事...

シン・ゴジラ

2016.08.06

さ行,

セカンド・インパクトはゴジラの来襲だった!第一作目のゴジラが制作されたのは1954年なんですね。さすがに同時代に見ていることはありませんので、記憶にあるのはテレビ放映なのか、あるいはいくどか話題になったことで見たような気になっているのか、そんなところだと思います。で、「シン・ゴジラ」面白かったです。それに、これエヴァンゲリオンですね。比較したり分析できるほど「...

ヤング・アダルト・ニューヨーク/ノア・バームバック監督

2016.08.03

や行,

世代間ギャップ?子どもがいるいないのしあわせ感?世渡り上手が得をする?あれもこれも入れ過ぎなのでは?ノア・バームバック監督、46歳、本人のリアルな時代感覚が反映された映画なんでしょうか。時代に敏感に生きてきたつもりの40代夫婦が、20代の若き男女の新鮮な感覚に刺激を受けつつ、またギャップも感じつつ変わっていく様子が描かれ、また、映画制作における「真実」をめぐる、...

夏の終り/熊切和嘉監督

2016.08.01

な行,

満島ひかりさんフィーチャーの映画としてみれば悪くはないが、昭和30年は感じられずかな「愛のむきだし」で、何だこの子は!?と、ある種、衝撃を感じた満島ひかりさん、その後見ているのは、「カケラ」「川の底からこんにちは」「悪人」ですが、読み返してみますと、どれも監督をぼろくそに書いています(笑)ので、「悪人」以外は、満島さんの話題になっていません。「悪人」で褒めてい...

セトウツミ/大森立嗣監督

2016.07.30

さ行,

まるでコントを見るように面白い。ん?それでいいのか?結局、池松壮亮&菅田将暉の映画です。夏休みということもあるので仕方ないのですが、日本映画にそそられるものがありません。で、上映一覧を見ていて、ふっと目に止まったのがこの映画。「喋るだけの青春」のコピーと監督大森立嗣の名前、公式サイトの予告編で一笑いして、さらに興味がわき、見に行きました。男子高校生二人...

生きうつしのプリマ/マルガレーテ・フォン・トロッタ監督

2016.07.27

あ行, , 褒めてる映画

皮肉まじりの人間愛に満ちた大人の映画です。女の秘密の先には男の意外な結末が待っています(笑)。「ハンナ・アーレントの監督&主演の最新作」これがこの映画のキャッチになっているようです。それだけ「ハンナ・アーレント」が良かったということなのでしょう。確かに、その後、本やネットで「ハンナ・アーレント」の名を目にすることが多くなった印象です。正確に言いますと、今まで読み...

AMY エイミー/アシフ・カパディア監督

2016.07.24

英数字, 英字, 褒めてる映画

の構成力のすごさが光ります。エイミー・ワインハウスさんの CD を買いたくなること間違いなし。このところ続けざまにドキュメンタリーを見ています。もちろん、結果としてですが、「FAKE」「ラスト・タンゴ」「シリア・モナムール」、そしてこの「AMY」と、2週間で4本目です。この映画はいいですね。ドキュメンタリーと言えども、ドラマと同じように作りものであることに変わ...