映画「アンダーカレント」は 心の undercurrent に迫れているか… それなりに何本か見ている今泉力哉監督ですが、「街の上で」あたりでもういいかなと思いそれ以降あまり気にかけていなかったところ、主演が真木よう子さん、井浦新さんという大人の映画のようでしたのでもう1本ということになりました。以下、読み返してみましたら書きすぎ...
もう「다음 소희(次のソヒ)」は出ないでほしい… 2017年に韓国全州で大手通信会社のコールセンターで働き始めた高校生がその3ヶ月後に自ら命を断ったそうです。この「あしたの(ない)少女」は、その起きてはいけないが現実に起きてしまったことをベースにした映画です。原題の「다음 소희(次のソヒ)」には、もう次のソヒは出ないでとの思いが込められているのだと思います...
求められる女性らしさと老いに苦しむ1878年のエリザベート… ミュージカルにもなっているオーストリア=ハンガリー帝国の皇后エリザベート(エリーザベト)の映画です。伝記映画ではありません。タイトル(邦題)に1878とあるように、エリザベートが40歳になる1878年一年に絞った映画です。エリザベート 1878 / 監督:マリー・クロイ...
小気味よい見事な展開と特徴的なカメラワーク メーサーロシュ・マールタ監督というハンガリーの監督の特集上映の1本、1975年のベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した「アダプション/ある母と娘の記録」を見てきました。アダプション/ある母と娘の記録 / 監督:メーサーロシュ・マールタ特徴的なカメラワーク有無を言わせぬ見事な...
16歳で生き別れになった恋人への思いを軸にバランスよくうまくまとまっている… 「Based on the true story of Harry Haft」とクレジットが入っている通り、実在のユダヤ系ポーランド人ハリー・ハントさんの実話にもとづいた映画です。もちろんこうした映画の常道で誇張されているとは思いますが、ことの経緯は実際にあったことのようです。生...
愛がない… 監督は、ヨアキム・トリアー監督の全作品で脚本を書いているエスキル・フォクトさんです。日本で公開されているトリアー監督の映画は、新しい方から「私は最悪。」「テルマ」「母の残像」の3作ですが、IMDb を見ますと2000年のショートからドキュメンタリーを除いてすべての映画にエスキル・フォクトさんの名前が入っています。イノセ...
親子愛をもってしても越えられないホモフォビア… アメリカの海兵隊新兵訓練所での過酷な訓練シーンが多くを占めますが、映画の主題はゲイの男性の母子関係とホモフォビアです。監督であるエレガンス・ブラットンさんの実体験に基づいているそうです。インスペクション ここで生きる / 監督:エレガンス・ブラットンホモフォビア、同性愛嫌悪...
ウォン・カーウァイ臭ぷんぷんの「恋する惑星」風ドラマ、ん? パクリに近いか…。 「風の電話」以降「恋恋豆花」の予告編で見かけたくらいでどうしたんだろうと思っていたモトーラ世理奈さん、映画.comでその後の出演作を見てみてびっくり! むちゃくちゃ売れているじゃないですか?!でもあまり作品に恵まれているようにはみえないですね…(ペコリ)。[to...
前半は兄ヴィットリオへの追悼の意味合い、そして後半はピランデッロの不条理劇(小説)「釘」の映画化です 監督のパオロ・タヴィアーニさんは長くタヴィアーニ兄弟監督として活躍されてきた弟さんの方で、兄ヴィットリオ・タヴィアーニさんは2018年に88歳で亡くなられています。記憶のあるところ(内容には記憶がないが…)では、兄弟監督として撮った「塀の中のジュリ...
ドキュメンタリー監督らしいじわーと効いてくる映画だが、公開のタイミングを逸している… ニューヨーク・タイムズがアメリカの映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインのセクシュアル・ハラスメントに関する告発記事を発表したのが2017年10月5日、それを契機に世界中で「#MeToo運動」が巻き起こりました。もちろん現在進行中でもあります。この映画は、...
イスラム国モロッコの同性愛と夫婦愛とカフタン愛 マリヤム・トゥザニ監督「モロッコ、彼女たちの朝(Adam)」に続く長編二作目です。昨年2022年のカンヌ国際映画祭「ある視点部門」で国際映画批評家連盟賞を受賞しています。青いカフタンの仕立て屋 / 監督:マリヤム・トゥザニミナとハリム少ない台詞と抑制された演出は前作「...
あなたは男社会を赦す?戦う?逃げる?と映画が問うてくる 「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」のサラ・ポーリー監督、あれは2007年の映画でしたので16年ぶりということになります。監督自身はその間にも2、3本の映画やテレビドラマを撮っています。この「ウーマン・トーキング 私たちの選択」の主演はルーニー・マーラさん、私には「キャロル」を見た以降、評価の...
下世話な意味ではないファザー・コンプレックスの映画 スコットランドのシャーロット・ウェルズ監督の長編デビュー作です。現在35歳、過去に短編3本がクレジットされています。また、この「aftersun」の父親カラム役のポール・メスカルさんが今年2023年のアカデミー賞主演男優賞にノミネートされています。受賞は「ザ・ホエール」のブレンダン・フレイザーさんでした。...
イエジー・スコリモフスキ監督いきあたりばったり イエジー・スコリモフスキ監督、現在84歳です。前作の「イレブン・ミニッツ」が2015年ですので、7年ぶりです。昨年2022年のカンヌ国際映画祭のコンペティションに出品され審査員賞と作曲賞を受賞しています。EO イーオー / 監督:イエジー・スコリモフスキEO どこへ行くイ...
11歳の少年は世の不公平や偏見差別を肌身を持って体験する ジェームス・グレイ監督、見ているのは「エヴァの告白」だけです。もうほぼ10年前になりますが、マリオン・コティヤールさんを見に行った映画でよく覚えています。で、この「アルマゲドン・タイム ある日々の肖像」ですが、邦題の副題の言葉の選択が間違っています。日本語として「ある日々の肖像」なんてのはお...
オリジナルへのリスペクトと何かが抜け落ちた物足りなさ 言うまでもなく黒澤明監督の「生きる」のリメイクです。脚本はカズオ・イシグロさんです。生きる LIVING / 監督:オリヴァー・ハーマナスオリジナルに忠実なリメイク版オリジナルへのリスペクトが感じられるリメイクです。黒澤明監督の「生きる」をほぼ踏襲している印象です。...
事件そのものの問題点に迫ることなく弁護側の主張に基づく映画 Winny? と、すぐにはあのファイル共有ソフトには結びつかず、逆に何だろうと目を引き、さらに監督松本優作の名に記憶があり、サイト内を検索してみましたら「ぜんぶ、ボクのせい」の監督でした。実は、この「ぜんぶ、ボクのせい」という映画、リンク先のレビューに「日本映画界の失われた30年」とまでかなり辛辣...
史実のつまみ食いとベタなラブストーリー エッフェル塔が人の名前からとられたもの程度のことは知っていましたが、こんな悲しいラブストーリーがあったなんて…って、作り話に決まってますやん(笑)。まあ「ニューヨークの巴里夫」以来のロマン・デュリスを見に行ったと思えばいいでしょう。と思いましたら「彼は秘密の女ともだち」も「パパは奮闘中!」も見ていました。...
『世界人権宣言』を読むきっかけにはなるかも… クラウディオ・ロッシ・マッシミ監督、初めて目にする監督ですのでプロフィールをちらっと見ましたら1950年生まれとあり、現在72、3歳ということになります。なのに、過去に日本で公開された映画がないようです。ということから興味がわき、イタリア映画でタイトルが「丘の上の本屋さん」であれば、きっとイタリア映画得...
基本は家族もの、低予算を逆手にとったキワモノか… 今年2023年のアカデミー賞に作品賞、監督賞、主演女優賞はじめ10部門11(助演女優賞2人)ノミネートされている映画です。見ようか見まいかと迷って結局見なかった「スイス・アーミー・マン」のダニエル・クワン&ダニエル・シャイナートのダニエルズ監督です。エブリシング・エブリウェ...