か行

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コップ・カー/ジョン・ワッツ監督

2016.06.08

か行,

アメリカ西部の風景ののんびり感と起きる事件の凶悪殺伐さのギャップが面白いケヴィン・ベーコンさん、ミスティック・リバー以来かもしれません。最近は監督業にも手を伸ばしているようで、この映画では、主役だけではなく、エグゼクティブ・プロデューサーとしてもクレジットされています。俳優としての役回りは、公式サイトにはコロラド州とありますが、どこまでも真っ直ぐな道路が走って...

神様メール/ジャコ・バン・ドルマル監督

2016.06.03

か行,

考え過ぎであればいいのですが、何だか上から目線で差別意識を感じます。そんな映画じゃない?いくら何でも「神様メール」はないよな、などと憤慨(笑)しながらググってみましたら、邦題を考えた配給でしょうか、宣伝プロデューサーのインタビューがヒットしました。まあ、人のセンスをどうこう言っても始まりませんが、ずれているのは間違いないですね(笑)。それに、そもそも媚びタイト...

孤独のススメ/ディーデリク・エビンゲ監督

2016.05.11

か行,

この邦題が意図的な釣りだとしたら、参りました! 意図なしのマジだとしたら、出直してらっしゃい!孤独のススメ!? 孤独なんて、まるでテーマと関係ないじゃん!まさか、人間皆孤独という、しょうもない意味で使っているわけでもないでしょうし、フレッドがテオを受け入れるのは孤独で寂しいからではないでしょう。ん? この邦題、釣りか?確かに、「孤独」好きの日本人(笑)には受...

蜃気楼の舟/竹馬靖具監督

2016.04.08

か行,

脚本の基本線はいいと思いますが、映画的には「考え落ち」で、ややつらいです竹馬靖具監督の名前は知らなかったのですが、「真利子哲也と共に映画『NINIFUNI』の脚本を執筆(ウィキペディア)」と真利子哲也監督の名前があったことと田中泯さんが出演していることで見に行きました。んー、観念的ですね。こういう映画は嫌いじゃないですが、ちょっと中心がない感じで残念です。...

牡蠣工場/想田和弘監督

2016.03.18

か行,

観察映画なら、何も語らず、映画で観察眼を主張すべきでしょう。想田和弘監督、初めてです。「選挙」を何となく知っている程度なんですが、ウィキを見ましたら華々しい活躍なんですね。「観察映画」というスタイルでドキュメンタリーを撮っているとのことで、こちらでその意味合いについて語ってみえます。観察映画とは (想田和弘著 『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』 (講談社現...

殺されたミンジュ/キム・ギドク監督

2016.03.07

か行,

話が直接的すぎて「寓話」にならず。でもベースはキム・ギドク監督らしい映画です。キム・ギドク監督、久しぶりだなあと思いましたが、この映画は2014年の作品で、1年1本くらいの割合で撮っているんですね。知りませんでしたが、昨年も「ストップ STOP」という福島の原発事故を扱った映画を日本で撮ったようです。ただ、正直、「悲夢」あたりからちょっと飽きてしまっているのも事...

キャロル/トット・ヘインズ監督

2016.02.22

か行, , 褒めてる映画

ルーニー・マーラの魅力にやられてしまいました。古き良き映画の時代を感じさせる演出も適度で心地良いです。あまり興味のないアカデミー賞も、この映画のルーニー・マーラがノミネートされているとのことで、一気に興味が湧いてしまいました。ぜひ受賞して欲しいですね。それくらい良かったのですが、実はこれまであまり印象はなく、「ソーシャル・ネットワーク」では映画の主題とはちょっと...

クスクス粒の秘密/アブデラティフ・ケシシュ監督

2016.02.18

か行,

すごいですね、この映画。濃密に人間、人間、人間って感じですかね…。シネマテークの「フランス映画ウィーク」から「クスクス粒の秘密」です。「アデル、ブルーは熱い色」のアブデラティフ・ケシシュ監督、2007年の作品で、セザール賞でいくつかの賞と、ベネチアでは審査員特別賞に、リム役のアフシア・エルジがマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞しているようです。確か...

禁じられた歌声/アブデラマン・シサコ監督

2016.01.26

か行,

この映画に、我々がメディアを通して知る「イスラム国」を重ね合わせるのはどうなんだろう?と思うこの映画、昨年のフランス映画祭で上映されているようですが、このフランス映画祭というのは、ほとんどの作品が劇場公開されますね。逆ですかね? すでに配給のついている映画を集めているとか?まあ良い映画が多いのでどちらでもいいんですが、この「禁じられた歌声」は、セザール賞の最優...

ぐるりのこと。/橋口亮輔監督

2016.01.23

か行,

個人的には苦手な映画ではありますが、完成度は高く、劇場で見れば集中して見られたでしょう。「恋人たち」では、結構厳しいレビューを書いてしまいましたが、旧作を見てみたいと書いた通り、代表作(でいいのかな?)「ぐるりのこと。」を見てみました。ちなみに、「恋人たち」はキネ旬の2015年日本映画ベストテンの1位でした。で、ついでに外国映画のベストテンは何かなと見てみ...

消えた声が、その名を呼ぶ/ファティ・アキン監督

2016.01.20

か行,

これは愛、死、悪に関する三部作の最終章ではない。撮り直してとお願いしたい。ファティ・アキン監督、「愛より強く」から「ソウル・キッチン」までは続けざまに撮っていた印象があったのですが、ドキュメンタリーを一本撮っているとはいえ、この作品までには随分間があいています。それにわざわざ「愛、死、悪」の三部作と(多分本人が)位置づけての完結編とくれば、「愛より強く」も「そし...

氷の花火 山口小夜子/松本貴子監督

2016.01.07

か行,

ある人物を撮る切り口はいろいろありますが、やや入門編的です。でも「山口小夜子」の歩く美しさには感動します。山口小夜子さん、そういえば亡くなられていましたね。多分ニュースでも報じられたんでしょうが、はっきりした記憶はありません。2007年ですから8年ですね。生前親交のあったという松本貴子監督が撮られたドキュメンタリーです。松本貴子監督のプロフィールにPFF入選とあ...

神様なんかくそくらえ/ジョシュア&ベニー・サフディ監督

2015.12.28

か行,

淡々と、ジャンキーもホームレスもひとつの生き方だからという見方をすれば、まあいいか2014年ですから、一昨年ということになりますが、東京国際映画祭のグランプリです。さくら何とかとかいう賞はなくなって、「東京グランプリ」というのが正式名称なんでしょうか。いろいろ名前が変わったり、ロゴが変わったりするのは、そもそものコンセプトが変わるってことでしょうから、残念ながら...

コードネーム U.N.C.L.E./ガイ・リッチー監督

2015.11.24

か行,

あのナポレオン・ソロがティモシー・エベレストとジョージ・クレバリーを身につけ帰ってきた!「0011ナポレオン・ソロ」懐かしいですね! あらためてググってみますと、TV版の原題も「The Man from U.N.C.L.E.」だったんですね。1966年から70年にかけて放送されていたそうです。「スパイ大作戦」とともによく見ていました。あの頃は西部劇からワンシチュ...

恋人たち/橋口亮輔監督

2015.11.20

か行,

世の不条理を描くことは映画の常道ではあるけれど、それと戦う意思なくして物語となり得るのか?映画を撮ることがとても苦しそうですね。厳しい言葉になりますが、撮りたいものがあるのではなく、撮るために無理やり何かを引きずり出そうとしているような感じがします。橋口亮輔監督、名前は見聞きしていますが、多分何も見ていないと思います。その上での言葉ですので、この映画を見て直感...

クロワッサンで朝食を/イルマル・ラーグ監督

2015.11.09

か行,

邦題にかなり違和感、ヨーロッパの「老い」の感覚が感じられる映画というところかな見始めてしばらくは、あれ?借りる映画を間違えたのかと思いました。記憶している予告編の印象やタイトルから、裕福だけれども偏屈がゆえに孤独な老婦人が、貧しいけれども心豊かな家政婦さんの優しさに触れて心をひらいていくお話かと思っていました。その思い込みから、まあ DVD でいいかと思っ...

岸辺の旅/黒沢清監督

2015.10.23

か行,

深津絵里さんの良さで持っているような映画ですね。やたら大層な音楽が良いのやら悪いのやら…黒沢清監督の作品を見るのは「トウキョウソナタ」以来でしょうか。この映画、カンヌの「ある視点」部門で監督賞を受賞していますが、見ての印象は、むしろ深津絵里さんに女優賞をあげたほうがいいような映画ですね。3年間、失踪していた夫が突然帰ってきた。だが、夫は「俺、死んだよ」と妻...

過ぐる日のやまねこ/鶴岡慧子監督

2015.10.20

か行,

フランスを目指した(かどうかは本当のところ分かりませんが…)はずが日本に舞い戻ってしまったのでしょうか?2012年「くじらのまち」でPFFグランプリを獲得し、出品したベルリン映画祭で「フランス映画のようだ」と評された鶴岡慧子監督が、PFFスカラシップで撮った初の劇場公開作です。確かに「くじらのまち」は、無駄なところのない、よく練って作られた映画でした。三人の高校...

顔のないヒトラーたち/ジュリオ・リッチャレッリ監督

2015.10.14

か行,

映画の評価より「フランクフルト・アウシュビッツ裁判」について語るしかない誤解を受ける言い回しかもしれませんが、我々日本人ってヒトラーやアウシュビッツを扱った映画って好きですよね。配給もそれを分かって邦題をつけているのでしょうが、かく言う私もつい見なくてはいけない(強迫)観念にとらわれて見に行きました。連休明けの朝イチですので空いているかと思いきや、その時間帯にし...

黒衣の刺客/ホウ・シャオシェン監督

2015.09.14

か行,

ホウさん、これじゃ分かりませんよ(笑)。と言うより、ストーリーなどどうでもいいか…「最も美しく、最も静謐な、新しい武侠映画」と言われても、武侠映画であるなら、もう少しストーリーを分かりやすくしてくださいよ(笑)。これじゃ、誰が誰やら、誰と誰がどういう関係やら、よく分かりません。 唐代の中国。13年前に女道士に預けられた隠娘(インニャン/スー・チー)が戻ってく...