ゴッドファーザーに囚われ続けるマフィアもの いわゆるマフィアものの映画でかなり渋くつくられていますので、そこそこ見ごたえはあります。ただ、人生の終わりを感じ始めた(のだと思う)大物マフィアが自分自身の生涯を語る現在とそのマフィアの過去が交錯して描かれますので、わかりにくい部分も多いですし集中しづらいところがある映画です。それにしても邦題を「ギャング...
CODAはChildren of Deaf Adults、また主題とは違うもの 聴覚障害を持つ両親と兄の手話通訳者として家族を支える高校生ルビーが、自分の進路に悩み、そして羽ばたくという青春映画です。2014年の「エール!」というフランス映画のリメイクとのことです。見ていませんので予告編で触りを見てみましたら、つくりはほぼ同じような印象です。...
面白くとも一歩間違えば冷笑系 話は面白いですし、宮沢りえさんも窪田正孝さんも他の俳優さんも皆うまいですし、各シーンよくこなれていてとてもよく出来ているのですが、だめなんですよね、こういう映画は…。本気度が問われる俳優の間合いがとてもいいネタバレあらすじ一歩間違えば冷笑系決戦は日曜日 / 監督:坂下雄一郎本気度が...
青春旅立ち映画としてはかなり保守的 音楽映画&青春旅立ち映画という感じです。パキスタンをルーツとするイギリス人のサルフラズ・マンズールの回顧録(自伝?)を原作としており、脚本にも本人が参加しています。ブルース・スプリングスティーンの曲によって人生を一歩踏み出したという映画ですのでブルース・スプリングスティーンの曲がふんだんに使われています。...
短編集では面白くはあっても映画にならず、もったいない… 濱口竜介監督はこういうことがやりたいんだなあということがよくわかります。そして、無茶苦茶よく考えられていますし、うまいです。余計なことをひとつ言わせていただきますと、「ドライブ・マイ・カー」も村上春樹氏の短編を短編として何本か集めて映画にすればよかったのにと思います。さらにもうひとつ余計な...
自由に生きることと依存の束縛にまどろむこと ジュリアン・ムーアさんがリメイクを熱望した(らしい)セバスティアン・レリオ監督の「グロリアの青春(Gloria)」のジュリアン・ムーア版「グロリア永遠の青春(Gloria Bell)」です。オリジナルはもう7、8年前の映画ですのであまり細かいところは記憶していませんが、俳優が変わっているだけで物語や展開は...
男たちよ、うるさいぞ! SFはあまり見ないのですが、以前見た同じくダグ・リーマン監督の「オール・ユー・ニード・イズ・キル」には妙によかったとの印象が残っており、その名が目に入りましたので、ちょっと不安ながらも(笑)見てみましら…いや、面白かったですよ。カオス・ウォーキング / 監督:ダグ・リーマン意表を突く始まり方男性社会と共生社会ノイズネ...
人間関係にツッコミが足りず、かなり古くさい 今泉力哉監督の映画は「知らない、ふたり」以降それなりに見ていますが、そろそろもういいかなと、これは単に個人的趣味の話ではあるのですが、そう思っていたところ志田彩良さんの名前が目に入り、ん?だれっけ?とググりましたら、「ひかりのたび」でした。結構印象に残っている俳優さんですので、もう1本ということで見た映画です。か...
原作ではなく佐藤泰志本人を描こうとしているようだ 佐藤泰志さんの小説からの映画化は、「海炭市叙景」「そこのみにて光り輝く」「オーバー・フェンス」「きみの鳥はうたえる」に続いて5作目です。最初の「海炭市叙景」が映画化されたのは2011年、もう10年前です。映画化を機にその原作を読み、すっかりはまって、出版されているものはすべて読みました。ですので例にもれず(笑)...
ドキュメンタリーは真実報道ではなく非俳優によるドラマです 前作の「トトとふたりの姉」は、これ、ほんとにドキュメンタリー?! というようなすごい映画でしたけれども、この「コレクティブ」も、ちょっと違う意味ですごい映画でした。東欧ルーマニアの映画なんですが、あれこれちょっと入れ替えれば今の日本にも当てはまりそうでかなり怖い話ではあります。というよりもどの国にもという方...
キューバ危機は「信頼」で回避された?というスパイ映画 ドミニク・クック監督の二作目です。一作目の映画「追想」は、原題が「チェジルビーチで」となっているように、チェジルビーチでの男女の別れのシーンのカメラワークの美しさが印象に残っている映画です。ただ、自分のレビューを読み返してみますと、映画自体にはあまりいい印象を持たなかったようです。しかし、この二作目「クーリエ...
父娘のつながりに救いを求めてはダメでしょう ????田恵輔(吉田恵輔)監督の「よし」は「????」なのか、「吉」なのか、どっちなんでしょう?公式サイトでも混在しています。これ、どっちでもいいわけじゃなく、検索に引っかからなくなるんですよね。 「????」と「吉」 | 三省堂 ことばのコラム空白 / 監督:????田恵輔 今作は古田新太さん… ...
吉野竜平監督の構成力と佐久間由衣、奈緒の俳優力が光る 原作の津村記久子著『君は永遠にそいつらより若い』を読んでいなければ見なかったかも知れない映画、見てよかったです。俳優よし、構成よしの映画らしい映画でした。君は永遠にそいつらより若い / 監督:吉野竜平吉野竜平監督の構成力が素晴らしい人物にバックボーンが感じられるネタバレあらすじホリガイさ...
手漕ぎ船と一本の銛で鯨に挑む 数日前に劇場で見た予告編、銛一本で巨大なクジラに向かって海に飛び込んでいく人の姿に驚き、早速見に行った映画です。くじらびと / 監督:石川梵手漕ぎ船と銛一本3つの視点と美しい映像血に染まる海ラマレラの人々の本当の姿か手漕ぎ船と銛一本そのトレーラーは多分下のものだったと思います。15秒くらいのところです。...
サイコパス映画でした。今や、ヤクザ映画は成り立たず? この映画を見るために一作目の「孤狼の血」を見て、さらに柚月裕子さんの原作『孤狼の血』まで読んでいます(笑)。んー、これはヤクザ映画ではなくサイコパス映画ですね。原作には続編があり三部作となっているのですが、映画はそれとは関係がないようでオリジナルストーリーとあります。ただひとつだけ、原作の『孤狼の血』のラ...
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2020グランプリ作品 女性がプールで上向きに浮かんでいる画やその女性がプールの底でしゃがんでいるトレーラー内のカットに目が止まり見てみました。監督は佐藤智也さんという方で、この映画は「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2020」のグランプリ作品です。湖底の空 / 監督:佐藤智也日本、韓国、中国合作ネタバレあら...
映画菅田将暉、高畑充希共演を期待したのにお茶くみだけだった これまでですとDVDでは見るにしても公開日に劇場へ足を運ぶような映画ではないのですが、菅田将暉さんと高畑充希さんの共演であればと早速見に行きました。それに、新型コロナウイルスのせいで製作される映画も少なくなっているのか、特に海外からはあまり映画が入ってこなくなっているような気がします。見たいと思う映画が少...
旧東ドイツのボブ・ディラン?の伝記映画 ゲアハルト・グンダーマン。旧東ドイツ時代から東西ドイツ統一後の東ドイツで活躍したというシンガーソングライターで、昼間は褐炭採掘場で働き、仕事が終わるとステージに立っていたということです。そのグンダーマンの伝記(的)映画なんですが、実は彼は秘密警察シュタージへの情報提供者だったという話です。グンダーマン 優しき裏切り...
舞台劇のノリで映画を撮ってみたら… 3年前の映画「君が君で君だ」のハチャメチャぶりが気に入って記憶に残っている松居大悟監督です。この「くれなずめ」までの間に2本ありますがあまり食指が動かず、やっと今作は期待できそうということで…。くれなずめ / 監督:松居大悟あまり映画的じゃない舞台劇映画的テーマはゴーストものネタバレあらすじとちょいツッコミ俳...
実録ヤクザ路線の時代劇化を目指すも… 痛いし、汚い映画です(ペコリ)。暴力シーンや女性の扱いにもうんざりしましたが、でもまあ、そういう映画ですし、松坂桃李さんがよかったのでいいんじゃないでしょうか。「凪待ち」を見て白石和彌監督の評価が上がりましたので見てみた映画です。孤狼の血 / 監督:白石和彌"血沸き肉躍る、男たち渇望の映画"ってか実録ヤクザ映...