男の感傷物語にみえて、実は女性(たち)の物語かも…。 男性監督作品であれ女性監督作品であれ、およそ恋愛映画の大半は男の妄想物語ときまっています(異論は認めません(笑))が、それでも中には、その妄想にしとやかな品位をもって女の存在感を示す映画もあるわけで、この「男と女、モントーク岬で」はその一本だと思います。フォルカー・シュレンドルフ監督が恋愛もの? と、(多分)3...
青春音楽物語。この映画、貧困、差別、女性の自立が主たるテーマじゃないよ ラップって、こういう言い方をするとラップ好きには怒られるかも知れませんが、ダサさと紙一重のカッコよさみたいなところがありますよね。この映画でも、MCバトルという交互にラップを(でいいのかな?)競い合うシーンがありますが、必然的に相手をディスることになり、汚い言葉を浴びせ合うような結果になります...
ロッカーの中にあったもの、それはマリーナがマリーナであるためのもの むちゃくちゃ力強い映画です。最近やたら耳にする、特にオリンピックシーズンでしたので毎日のようにテレビから流れてくる「勇気をもらう」という言葉を(嫌いだけど)あえて使えば、これほど「勇気をもらえる」映画、そして人物はいないでしょう。映画の中では何も語られませんので詳しい性自認はわかりませんが、公式...
1992年トビリシ、14歳エカとナティアの二人は確かにその時そこで生きていたという映画。 この映画、2013年の製作で、その年の東京フィルメックスで最優秀作品賞を受賞している映画です。とてもいい映画で私はお勧めしますが、こうしたやや地味とも言える映画の公開は難しいのでしょう。まさかジョージア出身の栃ノ心が優勝したタイミングを見計らったわけでもないでしょうが、時代に...
ドキュメンタリーとしての問題提起も含めオススメです 2016年のサンダンス映画祭のワールドシネマ ドキュメンタリー部門でグランプリを受賞しているドキュメンタリーです。アフガニスタンからイランに逃れた女性(女の子)ソニータを追っています。映画は15,6歳から18歳くらいまでを撮っていますが、ソニータ自身は11歳くらいからイランに渡ったと語っていました。監督のロクサ...
ラスト10分のピエールの描き方が見事 この映画、ラストの数シーンが無茶苦茶いいです。その良さというのは、主人公のピエール(ニールス・シュネデール)、下の引用の人物なんですが、彼の心の揺れが映画的に実にリアルなんです。実際にありそうとか現実的という意味ではなく、彼は次どうするんだろう、こうはしないでくれと考えながら見ていると、ああそうするんだ、そうか、そうだよなと...
(ネタバレしても問題ない)のでよく知って見るべし。シンプルなのに情感豊か。 カテル・キレヴェレ監督、予告編映像ではこの映画が日本初公開と言っていますが、今回配給がついたという意味でしょう。前作の「スザンヌ」がフランス映画祭で上映され、その後単館系で企画上映されています。「スザンヌ/カテル・キレヴェレ監督」フランス映画ウィークこの「あさがくるまえに」は、随分前に予...
映画はシンプルなのに物語は深い こういう映画を撮ることが出来る長谷井宏紀監督ってどんな人? と公式サイトを見てみましたら、2009年、フィリピンのストリートチルドレンとの出会いから生まれた短編映画『GODOG』では、エミール・クストリッツァ監督が主催するセルビアKustendorf International Film and Music Festival にてグ...
アンジェイ・ワイダ監督の遺作、心に残る映画です 見終わって帰る足取りが重くなりました。これ、映画としてはもちろん褒め言葉、内容的には、何というのでしょう、むちゃくちゃ重いシーンがあるとか、ドーンと心に響く(響きますが…)とかではなく、そうですね、過去の出来事だとか、他の国のことだとかと距離を取って見られない空気を今の日本に感じるからということかもしれません...
ダルデンヌ兄弟、相変わらず隙がなく完璧! ダルデンヌ兄弟監督の映画は、どの作品も全く隙がありません。多くの場合、映画を見ていますと、え、そこで切るの?とか、もうちょっと見せてよとか、(カットが)長いなあとか、何かしら気になることはあるのですが、この監督の作品ではそうした気持ちを感じた記憶がありません。「ロゼッタ」以降、オムニバス以外は全て見ていますし、いつも公開...
恋に悩む男女におすすめ、大人になるために。 「恋人たちの失われた革命」以降ですのでごく最近のものしか見ていませんが、フィリップ・ガレル監督、一貫して男女の関係を撮っている印象です。モノクロへの思いも強いのでしょうか、この「パリ、恋人たちの影」もそうですが、「恋人たちの失われた革命」「ジェラシー」「愛の残像」がそうでした。それに、極めてシンプルに、余計なものは一切...
これに金熊を与えなかった審査員が信じられない! 「天安門、恋人たち」「スプリング・フィーバー」のロウ・イエ監督、2014年の作品です。なぜこんなに公開が遅くなるのか不思議ですね。一般的にの話ですが、映画祭で評価の高い映画は逆に一般公開が難しいのかもしれません。この映画も2014年のベルリンで銀熊を受賞しています。ただ、芸術貢献賞(Outstanding Artis...
グザヴィエ・ドラン、会話劇で新境地 グザヴィエ・ドラン監督、27歳にしてすでに6作目、どの作品も自国だけではなく世界に配給され高評価、どんだけ才能豊かなんだ!という若き天才映画監督です。この映画は俳優もすごいです。ギャスパー・ウリエル、マリオン・コティヤール、レア・セドゥー、バンサン・カッセル、そしてナタリー・バイ、そうそうたるメンバーということなんですが、さらに...
実在したフランスの道化コンビ「フティット&ショコラ」の友情、そして人種差別 「ショコラ」と聞きますと、私はジュリエット・ビノシュとジョニー・デップの映画を思い出してしまいます。映画のタイトル付けもなかなか難しいものです。とは言っても「君がいて、僕がいる」はいただけません(笑)。こちらの「ショコラ」は、公式サイトによれば、20世紀初頭フランスで活躍したラファエル・パ...
エレン・ペイジのアップになるたびに涙が流れて…。もちろんジュリアン・ムーアもいいのですが。 あ~、最初から最後まで涙が止まりませんでした。1リットルくらい出たかもしれません(笑)。ただ、単純に感動というわけではなく、とにかく細かいところでうまいんですよ。監督も、俳優も、もちろんジュリアン・ムーアもそうなんですが、ステイシーをやっているエレン・ペイジ、無茶苦茶いいで...
映画この寓話的真実で争いがなくなることはないにしても、この寓話的真実を理解できなければとっくに世界は終わっている。 さすがに現代では帝国主義戦争は起きにくくなっていますが、民族紛争はいたるところで起きています。シリア内戦、南スーダン、毎日のように何人死亡などと記事になっています。この映画は、そうした民族紛争(戦争)の、ある意味核心をとらえた素晴らしい映画で...
人生あれやこれやいろいろあってもまだまだ捨てたものじゃないと気持ちが和らぎます いやあー、今年のベストでしょう!!おしゃれですし、シュールですし、切ないですし、ナンセンスですし、笑えますし、ほっこりしますし、映画として冴えていますし、完璧でしょう!ですが、観客は私を含め3人でした(涙)。団地の故障中のエレベーター。修理代を負担しない代わりにエレベーター...
ただひたすら無心で五体投地、地にひれ伏し他者のために祈る人々が美しいです。 五体投地五体、すなわち全身を地に投げ伏して礼拝する、仏教における最も丁寧な礼拝方法だそうです。日本仏教では馴染みがない礼拝方法ですが、僧侶が膝をつき、額を床につけて両手を頭の上まで上げる姿を目にすることがありますが、あれも五体投地の変形のようです。で、この映画、その五体投地の礼拝をしな...
皮肉まじりの人間愛に満ちた大人の映画です。女の秘密の先には男の意外な結末が待っています(笑)。 「ハンナ・アーレントの監督&主演の最新作」これがこの映画のキャッチになっているようです。それだけ「ハンナ・アーレント」が良かったということなのでしょう。確かに、その後、本やネットで「ハンナ・アーレント」の名を目にすることが多くなった印象です。正確に言いますと、今まで読み...
の構成力のすごさが光ります。エイミー・ワインハウスさんの CD を買いたくなること間違いなし。 このところ続けざまにドキュメンタリーを見ています。もちろん、結果としてですが、「FAKE」「ラスト・タンゴ」「シリア・モナムール」、そしてこの「AMY」と、2週間で4本目です。この映画はいいですね。ドキュメンタリーと言えども、ドラマと同じように作りものであることに変わ...