父娘、ゲイ、宗教、そして人は人を救えるのか… うんざりするほど(笑)予告編を見せられた「ザ・ホエール」です。その印象からベタな父娘ものだろうとパスかなあと思っていたのですが、私にとっては「ブラック・スワン」以来のダーレン・アロノフスキー監督ですので思い返してポチッとしました。ザ・ホエール / 監督:ダーレン・アロノフスキー原...
映画の作り方、教えます 「映画作りに情熱を燃やす若者たちを描く70年代青春グラフィティ」という映画です。このコピーと映画のメインビジュアルを見れば内容はおおよそ想像がつきます。でも驚くのは、これを撮ったのが60歳の小中和哉監督であり、にもかかわらず、と言うのもなんですが、どちらかと言いますとノスタルジーよりも青春のみずみずしさが感じられる映画です。...
青春友情物語のテッパンもの、ただ小学6年の子どもたちだけど… こんなに邦画を見るようになったのはここ最近のことですので「百円の恋」もタイトルに記憶があるくらいで足立紳監督の名前も初めて目にしました。ただ、どんな映画を撮っている方かとキャリアを見ていましたら、結構いい印象で記憶に残っている「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」の脚本にクレジットされていました。...
もったいない。90分の長大な予告編のよう… 唐田えりかさんだからということでポチッと(劇場予約を…)した映画です。「未完成映画予告編大賞」受賞作だったようです。予告編を作って応募し、受賞しますと本編の制作費が出るというコンテストです。それは予告編じゃなくてあらすじの映像版じゃないの、というのは突っ込みどころじゃなかったですね(笑)。このコンテストか...
観念的な父子関係のまま人生は続くと言われても… 2021年のアカデミー賞でアンソニー・ホプキンスさんが主演男優賞を受賞した「ファーザー」のフロリアン・ゼレール監督の最新作です。ゼレール監督自身も脚色賞を受賞しています。その前作が「The Father」で、この映画が「The Son」です。日本の公式サイトに家族三部作とありますので、次は The M...
ネタバレレビュー・あらすじ・感想・評価 フランソワ・オゾン監督の最新作? と思いましたら、違いますね。これは2021年のカンヌのコンペティションに出品された映画で、オゾン監督はその後、2022年のベルリンのコンペティションに「Peter von Kant」を出品し、今年2023年1月にも「Mon crime(The Crime Is Mine)」がフランス...
ネタバレレビュー・あらすじ・感想・評価 出演が北村匠海、中川大志、松岡茉優、古川琴音とくれば、やはり見てみようと食指が動きます。監督は清水康彦さん、ウィキペディアのプロフィールには「映像ディレクター。映像監督。映像作家」と並んでいます。でも全部おんなじじゃないですかね(笑)。スクロール / 監督:清水康彦目立つ清水康彦監督の...
ネタバレレビュー・あらすじ・感想・評価 「フタリノセカイ」の飯塚花笑監督、その映画を見たのはちょうど1年前です。正確な製作年がわかりませんのでなんとも言えませんが、1年でこの「世界は僕らに気づかない」ですか! すごいですね。世界は僕らに気づかない / 監督:飯塚花笑ガウと堀家一希に驚くフィリピン人の母と、父親を知らない...
ネタバレレビュー・あらすじ・感想・評価 「何者」「娼年」の三浦大輔監督です。私が見ているその二作は原作ものですが、この「そして僕は途方に暮れる」は三浦監督のオリジナルです。主演は藤ヶ谷太輔さん、Kis-My-Ft2の方とのこと、他に前田敦子さん、中尾明慶さん、原田美恵子さん、豊川悦司さんといったところです。そして僕は途方に暮れる ...
三浦透子主演のポリコレ的ホームドラマ 三浦透子さんのうまさが光り、前田敦子さんの異星人的存在感(笑)が光るポリコレ的ホームドラマです。監督は劇団「玉田企画」を主宰する玉田真也さん、脚本はアサダアツシさん、どちらも初めて見ます。そばかす / 監督:玉田真也三浦透子、そして前田敦子という俳優三浦透子関連出演作ドライブ...
ラストシーンのアン・ランの迷いの長さが映画のテーマそのもの 突然の両親の死でそれまで離れて暮らしていた幼い弟を引き取って育てるか、医師を目指す自らの将来のために養子に出すかの選択を迫られる20代の女性アン・ランを描いた中国映画です。内容はおおよそ想像はつきますが、宣伝コピーに「中国で2週連続興収入No.1」とありますので、アン・ランが最後にどういう...
グルメエリート批判?奉仕する者とされる者? 予告編を見れば、内容はわからないまでもおおよその傾向は想像がつきますので、まあパスやねと思っていたのに魔が差したように劇場の予約サイトをポチッとしてしまいました(笑)。ザ・メニュー / 監督:マーク・マイロッドブラック・コメディ?なぜこんな映画を作ろうとしたのかに一番興味があ...
サバイバル×恋愛×リーガルドラマ、物語の背景が新鮮で面白い 「ザリガニの鳴くところ」って、どういうことなんだろう? と、まずタイトルに惹かれます。アメリカのディーリア・オーエンズさんの同名タイトルの小説『Where the Crawdads Sing』が原作とのことで、日本では2020年に翻訳されて2021年の本屋大賞「翻訳小説部門」の第1位に選ばれていま...
クリステン・スチュワートのダイアナが自由への物語を生み出す 「クリステン・スチュワートがダイアナ元皇太子妃を演じ(映画.com)」の書き出しを見ただけでもう映画館のチケット予約サイトでポチッとしてしまいました(笑)。ダイアナに興味があるわけではありません。「クリステン・スチュワートがダイアナ?!」ってことです。スペンサー ...
つくられすぎた物語を田中裕子さんが救う ある日ちょっと出掛けてくると言ったまま消えてしまった夫を待つ二人の妻の物語です。監督は久保田直さんというドキュメンタリーをたくさん手がけている監督さんです。ただ、この映画は2014年の「家路」に続く2本めの劇映画で、脚本家青木研次さんのオリジナルストーリーということです。千夜、一夜 / 監督...
サハラ砂漠のカフェから見る移動しないロードムービー サハラ砂漠のど真ん中でカフェを営むマリカおばさんの日々を撮ったドキュメンタリーです。監督はアルジェリア生まれの現在36歳くらいのハッセン・フェルハーニさんです。この「サハラのカフェのマリカ」で2019年のロカルノ映画祭の最優秀新人監督賞を受賞しています。サハラのカフェのマリカ /...
昭和ノスタルジーかつ友情物語の鉄板もの この映画、見るか見ないかすれすれのところにあった映画ですので時々映画館の予約状況を見ていたのですが、割と早くから埋まり始めますのでなんだろう? 草なぎくんが出てるからかな? などと気になり、思わずプチッとした映画です。サバカン SABAKAN / 監督:金沢知樹昭和ノスタルジー友情物...
黒人差別、ジェンダー意識が見え隠れするセンスのいい映画 ツイッターへの投稿から生まれた映画です。2015年に Aziah "Zola" King のアカウント名で投稿された148ツイートとローリングストーン誌の本人へのインタビュー記事がベースになっています。内容はストリップ・ポールダンサーが意に反して売春行為に巻き込まれる話ですが、コメディタッチで...
オイディプス変形のミステリー・エンターテインメント ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の2010年の映画「灼熱の魂」のデジタル・リマスター版です。ヴィルヌーヴ監督の映画は「プリズナーズ」「ブレードランナー2049」「DUNE/デューン 砂の惑星」と見ていますが、残念ながらこの「灼熱の魂」は見ておらず、これがいわゆる出世作となりハリウッド進出を果たしたことも知りません...
「血」で始まり「血」で終わることの意味 自由に生きるということは本当に難しい、特に女性にとっては社会的タブーが多すぎます。この映画のブリジットのように生きられればと誰もが思うことでしょう。でも、ブリジットの悩みは尽きない、という映画です。セイント・フランシス / 監督:アレックス・トンプソン脚本:ケリー・オサリヴァ...