記事一覧

THE GUILTY ギルティ

2019.03.01

英数字, 英字

会話は電話のみ、電話の向こうに見えたのは…自分?登場人物(実質的に)ひとり、ワンシチュエーション、会話は電話のみ、といいますと「オン・ザ・ハイウェイ」という映画がありました。あの映画では常に後ろへ流れる夜景という心象的な風景が多用されていましたが、この映画は緊急通報センター(正式名称は?)というほぼ密室状態ですので、ほとんどすべてが主人公アスガー(ヤコブ・セーダー...

金子文子と朴烈

2019.02.26

か行,

チェ・ヒソの文子は現実の文子を思わせる半年くらい前に金子文子の獄中手記『何が私をこうさせたか』を読んだばかりですので、個人的にはとてもタイミングのいい映画でした。月曜日の昼間に観に行ったのですが、意外にも(ペコリ)そこそこ入っており、ちょっと驚きでした。金子文子と朴烈 / 監督:イ・ジュンイク『何が私をこうさせたか』は、映画の中でも文子が獄中で執筆す...

アリータ:バトル・エンジェル

2019.02.24

あ行,

求められているのは、CGI よりもND(ニュー・ドラマツルギー)今気づいたのですが、これ、ジェームズ・キャメロンさんは監督ではなくプロデューサーなんですね。やたらキャメロン、キャメロンとうたってありますので監督だと思っていました。アリータ:バトル・エンジェル / 監督:ロバート・ロドリゲスまあ、ハリウッドですので監督でも製作でもどちらでもいいのですが、...

半世界

2019.02.22

は行,

チャンチャンとオチをつけたら「半世界」にはならないと思うけど…「半世界」ってタイトル、惹きつけられます。小石清さんという写真家の連作につけられたタイトルから取っているとのことです。小石さんには『初夏神経』という写真集があるようですが、簡単に買ってみようという金額ではありませんでしたので図書館で借りることにしました。半世界 / 監督:阪本順治映画の内...

レット・ザ・サンシャイン・イン

2019.02.20

ら行,

中年の恋愛を不倫系悲恋ではなく描けるのはフランスだけ「カイエ・ドゥ・シネマが選ぶフランス映画の現在(名古屋シネマテーク)」という企画上映の一本で、ジュリエット・ビノシュさんが主演の映画です。レット・ザ・サンシャイン・イン / 監督:クレール・ドゥニ「レット・ザ・サンシャイン・イン」と言えば「ヘアー」の「Aquarious〜Let The Sunshin...

愛と銃弾

2019.02.18

あ行, , おすすめ映画

イタリアン・ハードボイルド・フィルム・ノワール・ミュージカル映画これは、配給の宣伝担当を褒めたいですね(笑)。「愛と銃弾」なんてタイトル、むちゃくちゃそそります。まあ、原題も近い意味なんでしょうが、下に引用した画像といい、「死んでも、愛して。」とか、このなんともいえないクサさの同居した切ないかっこよさ、どう考えてもフィルム・ノワール系のクライムものを思わせます。...

女王陛下のお気に入り

2019.02.16

さ行,

女性三人の愛憎劇とみるのが妥当かな…これ、基本的な話は史実なんですね。ウィキペディアを読みますと1705年から1710年くらいの話で、日本では元禄、徳川五代将軍綱吉の時代です。アン女王がサラと幼馴染であることや、17回も妊娠し、流産、死産、早世でひとりも成人しなかったことも事実のようですし、アビゲイルもサラの従妹として実在の人物です。女王陛下のお気に入り...

洗骨

2019.02.14

さ行,

ラスト、洗骨&〇〇シーンの静かな盛り上げ方がうまいですチベットの鳥葬という埋葬方法を知ったときは、驚きはしてもその文字からおおよそ想像はできたのですが、この洗骨というのは、骨を洗うことはわかっても具体的にいつどうやって洗うのかは想像できません。洗骨 / 監督:照屋年之映画を見るとわかります。ちょっと驚きます。でも次第に厳粛な気持ちになってきます。映画...

ナチス第三の男

2019.02.12

な行,

ハイドリヒ暗殺計画が題材の二部構成ダイジェスト版映画2014年の本屋大賞「翻訳小説部門」第1位『HHhH プラハ、1942年』(ローラン・ビネ:著、高橋啓:訳)が原作の歴史もの映画で、原作タイトルの「HHhH」とは、「Himmlers Hirn heiβt Heydrich(ヒムラーの頭脳、すなわちハイドリヒ)」を表す。(図書新聞)とのことです。ナ...

ファースト・マン

2019.02.08

は行,

ほぼ史実でしょうからネタバレなどなにもなく、映像と音楽を楽しみましょう1969年7月21日02:56(UTC)(ウィキペディア)、人類で初めて月に降り立ったファースト・マンであるニール・アームストロングさんを描いた映画です。ちょうど50年前ですね。ファースト・マン / 監督:デイミアン・チャゼルこれは、IMAXとドルビーアトモスで見るといい映画かも知...

ともしび

2019.02.06

た行,

なしのただシャーロット・ランプリングを見続ける映画一昨年、2017年のヴェネツィア映画祭でシャーロット・ランプリングさんが主演女優賞を受賞しています。ともしび / 監督:アンドレア・パラオロシャーロット・ランプリングさんの肖像画を90分間見続けるような映画です。映画は物語を語ることを拒否しており、ただひたすらアンナ(シャーロット・ランプリング)を...

バーニング劇場版

2019.02.04

は行,

これは村上春樹ワールドへのアンチテーゼかも?「バーニング劇場版」なんていうタイトルですからテレビドラマの劇場版かと思いスルーしそうでした。イ・チャンドン監督の文字がふっと目に入り見逃さずにすみました。バーニング劇場版 / 監督:イ・チャンドン劇場版の意味はすでに NHKで放映されたからという程度しか知らなかったのですが、エンドロールに何か所かNHKの...

天才作家の妻 40年目の真実

2019.01.30

た行,

グレン・クローズさん、オスカー決定でしょう!主演のグレン・クローズさんがアカデミー主演女優賞にノミネートされているとのこと、間違いなく受賞でしょう。ガガさんも良かったのですが、あれはガガさん本人が良かったということですが、こちらは俳優として素晴らしいです!天才作家の妻 40年の真実 / 監督:ビョルン・ルンゲ俳優の演技が見どころですので、この映画は見...

ジュリアン

2019.01.27

さ行,

これは、DV加害者、DV被害者の心理を描こうとした映画ではない2017年ヴェネチア映画祭の銀獅子最優秀監督賞を受賞しています。グザヴィエ・ルグラン監督は現在39歳のフランス人、この映画が初の長編とのことです。ジュリアン / 監督:グザビエ・ルグランなかなかテーマや監督の立ち位置がわかりにく映画です。もちろんDVを原因とする離婚調停中の男女、そしてそ...

チワワちゃん

2019.01.24

た行,

28歳が撮っても、やっぱり40代のノスタルジーさすがにこのタイトルですので何も知らずに見に行くことはありませんが(笑)、映画.com あたりの「ヘルタースケルター、リバーズ・エッジ…漫画家…SNSが普及した現代の東京を舞台…」をちらりと見ただけでしたので、何だか妙に古臭い話だなあとの違和感で、見ている間ずっと気になっていたのですが、どういうことかわかりました。...

シシリアン・ゴースト・ストーリー

2019.01.22

さ行,

実話ベースと知らずに見るとちとつらい、知って見ても…何も知らずに、愛する人の前に幽霊が現れる、いわゆるゴースト・ラブストーリーものだろうと見に行きましたら、確かにラブストーリー要素はあったのですが、オープニング、いきなり不吉な印象のシーンで、なんだこれ!? のぞわぞわ感、なんとも落ち着かない気持ちのまましばらく過ごすことになってしまいました。これは、ざっとでも情...

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー

2019.01.20

ら行,

今年2019年がサリンジャー生誕100年、よく出来た伝記映画です今年2019年がJ.D.サリンジャーの生誕100年になります。映画は、サリンジャー20歳くらいから、『ライ麦畑でつかまえて』が完成し出版された1951年、32歳ごろまでを描いた伝記映画です。その後、クレアという女性と二度目の結婚をし、一男一女をもうけ、50歳くらいで離婚するところまでがおまけ程度につ...

夜明け

2019.01.18

や行,

鮮烈デビューの新人監督に厳しいことを書いてしまった(ペコリ)「是枝裕和・西川美和監督が立ち上げた制作者集団「分福」が満を持して送り出す新人監督、広瀬奈々子」さんのデビュー作です。なんてこと書かなくても、多くの人がこの映画に興味を持たれたのはおそらくこのコピーからでしょう。夜明け / 監督:広瀬奈々子「分福」とはなにかの説明が公式サイトにありました。制...

喜望峰の風に乗せて

2019.01.16

か行,

これはもったいない映画だ…、如何ようにも描けるのに。こんな映画だったのかい!? 邦題から感じる印象とは真逆の映画でした。喜望峰の風に乗せて / 監督:ジェームズ・マーシュ配給の狙いをどうこう言っても始まりませんのでどうでもいいのですが(笑)、成功物語かと思って見ていましたら、なんと挫折物語でした。それも究極の挫折でした。実話がベースとのことで、時...

未来を乗り換えた男

2019.01.12

おすすめ映画, ま行,

シュール、シュールと唱えて見ないと理解できないよこの映画を自分の価値観の中に引き込んで見ようとすると、おそらく前半でお手上げになるでしょう。危ないところでした。心も頭も解き放ってじっとスクリーンを見つめていれば、やがて静かなる感動と、そして見終えて後の、疑問の嵐に見舞われることでしょう(笑)。未来を乗り換えた男 / 監督:クリスティアン・ペッツォルト...