最新映画一覧

光をくれた人

2017.05.26

は行,

(ほぼ完全ネタバレ)と、ひねくれレビュー「ブルーバレンタイン」「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ」のデレク・シアンフランス監督、えらくドラマチックな映画を撮ったもんです。と、ややびっくりして公式サイトを見てみましたら原作があるようです。M・L・ステッドマン「海を照らす光」、オーストラリアの作家です。オーストラリアの話だったのですね?第一次大戦後の、心に傷を負...

草原の河

2017.05.24

さ行,

最後まで見切ればストンと心に落ちます。チベットが舞台の映画では、「ラサへの歩き方 祈りの2400km」が印象深く、今でもその感動がよみがえってきますが、監督は中国人のチャン・ヤン監督、「胡同のひまわり」の監督でした。この「草原の河」は、チベット人のソンタルジャ監督、日本でチベットの監督の映画が公開されるのは初めてとのことです。ただ、いまどき何人の監督などという...

パーソナル・ショッパー

2017.05.21

は行,

全編クリステン・スチュワートの魅力爆発!(となったかどうか…)「クリステン・スチュワート × オリヴィエ・アサイヤス」のチラシを見たときは、ああなるほどと、「アクトレス ~女たちの舞台」が頭に浮かびました。そのリンクの記事で「クリステン、この個人秘書役がむちゃくちゃいい」と絶賛し、オリヴィエ・アサイヤス監督も「唐突に(映画の中から)クリステンを消してしまったこと...

マンチェスター・バイ・ザ・シー

2017.05.17

ま行,

ムーンライトよりは作品賞に値するのではと思いますが、それでも物足りない…「マンチェスター・バイ・ザ・シー」って、「海辺のマンチェスター」といった意味合いのラブストーリーか失恋ものかと思っていましたら、なんと(アメリカの)町の名でした。ボストンから北東に車で1時間15分(映画で言っていた)の海沿いの町、もともとは漁村だったようですが、今は避暑地のようでもあります...

タンジェリン

2017.05.14

た行,

iPhoneで撮ろうと何で撮ろうと映画は映画全編 iPhone5sで撮られているそうです。MtF トランスジェンダーのセックス・ワーカー二人とアルメニア移民のタクシードライバーの三人のクリスマスイブの一日を追いかけています。タクシードライバーのラズミックが、通りで拾ったシスジェンダーの娼婦に、お前のようなやつがくるところじゃないというようなことを言っていました...

サラエヴォの銃声

2017.05.12

さ行,

前半はややかったるいが、後半に至れば傑作!昨年2016年のベルリンで銀熊審査員グランプリを受賞しています。今では「サラエヴォ」と聞きますと、「ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争」を思い浮かべますが、この映画は第一次大戦のきっかけとなった「サラエヴォ事件」が主なテーマです。ただ、直接的テーマはそうであっても、現在に至る(バルカン半島周辺の)人々の争い、民族、国家などな...

ノ―・エスケープ 自由への国境

2017.05.09

な行,

こういう映画を面白く見せるには才能を要すホナス・キュアロン監督は、アルフォンソ・キュアロン監督の息子さんで「ゼロ・グラビティ」の脚本にも名を連ねています。二世がそこそこ活躍するというのはどの世界でもあることですが、やはり環境が人間の成長に大きな影響を及ぼすということでしょう。ただ、本人に才能が伴えば一流、伴わなければ親の七光りということになってしまいます。さ...

僕とカミンスキーの旅

2017.05.06

は行,

いろいろなものが散りばめられており一筋縄ではいかない「グッバイ・レーニン!」と聞けば、ああ、あの映画ねと、いくつかのシーンをすぐに思い出すくらい記憶に残るいい映画でしたが、言われてみれば、あれから12年、ヴォルフガング・ベッカー監督の映画は何も公開されていないようです。IMDbを見ても、この間、オムニバスなどのショート3本がクレジットされているだけです。次作の...

バンコクナイツ

2017.05.03

は行,

富田克也監督がオザワ役で出演しています「国道20号線」「サウダーヂ」と見てきて、富田克也監督ってどんな人?と思っていたのですが、この映画でわかりました(笑)。出ていました。それも主役で。俳優でいけるんじゃないの。監督:富田克也バンコク。日本人専門の「人魚」でNO.1のラックは出稼ぎに出て5年が経った。ラックの支える大家族は、メコン川のほとりノンカー...

GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊、イノセンス

2017.04.29

英数字, 英字

(DVD)何もこれを実写化する必要なんてないのに。実写版の「ゴースト・イン・ザ・シェル」を見たことが契機になり、念願のアニメ版押井守監督「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」と「イノセンス」を二本立てで見ました!「攻殻機動隊」の方は面白かったのですが、「イノセンス」の方はちょっと無理でした。ウィキを見ましたら、「イノセンス」は、ほぼ押井監督のオリ...

スウィート17モンスター

2017.04.26

さ行,

ヘイリー・スタインフェルドの映画ですね「PARKS パークス」に続いての青春映画です。といっても、タイプも傾向も全く違う青春で、こちらはもうほんとにアメリカの青春!(知らないけど)という映画です。公式サイトの受賞歴(AWARDS)をみますとアメリカじゃ大ウケだったんだろうと想像しますが、日本の同年代たちはこういう映画をどう見るんでしょう?夕方からの上映だった...

PARKS パークス

2017.04.24

英数字, 英字

青春音楽ドラマといいながら、音楽も…青春も…もの足りず監督瀬田なつき、出演橋本愛、染谷将太で見に行ったのですが、率直な気持ちとしては、……って感じです。この映画、「井の頭恩賜公園100年実行委員会100年事業企画」となっていますが、どっかの紐付きなんでしょうか?確かに、ほぼすべて井の頭公園あたりがロケ地だと思いますし、エキストラも相当出していましたので、いわゆ...

午後8時の訪問者

2017.04.20

か行, , 褒めてる映画

ダルデンヌ兄弟、相変わらず隙がなく完璧!ダルデンヌ兄弟監督の映画は、どの作品も全く隙がありません。多くの場合、映画を見ていますと、え、そこで切るの?とか、もうちょっと見せてよとか、(カットが)長いなあとか、何かしら気になることはあるのですが、この監督の作品ではそうした気持ちを感じた記憶がありません。「ロゼッタ」以降、オムニバス以外は全て見ていますし、いつも公開...

汚れたミルク

2017.04.17

や行,

これは単なる「ネスレ・ボイコット」的告発映画でも、勇気あるひとりの男の物語でもない。この映画、公式サイト(下に引用)の解説などを読みますと、グローバル企業の不正を暴く告発映画のように思われるかもしれませんが、そう簡単な問題ではありません。確かに、「巨大企業の悪」対「それに立ち向かう正義の一個人」という図式は、宣伝上は受けるかもしれませんが、ダニス・タノヴィッチ監...

ゴースト・イン・ザ・シェル

2017.04.15

か行,

ブレード・ランナー(だけではないのだろうけど)のパクリとしか思えないのだが…常々、押井守監督の「攻殻機動隊」は一度見てみたいと思っているのですが、レンタル屋へ行っても、たまたま思い出して借りようとした時にはレンタル中といった具合で、未だ手にすることもなく、どんな物語なのかも知りません。それなのに、いきなり実写版「ゴースト・イン・ザ・シェル」から入ってしまいました...

タレンタイム〜優しい歌

2017.04.12

た行,

青春の味は甘く切なく悲しくて、お茶目な大人たちは隠し味。ヤスミン・アフマド監督、映画祭では頻繁に上映される監督ですが、日本で劇場公開されるのはこの映画が初めてではないでしょうか。監督本人は2009年の7月に亡くなっており、この映画はその年の3月にマレーシアで公開され、結果として遺作となってしまった作品です。2003年の長編デビュー以来、6年間で6本の作品を残し...

T2 トレインスポッティング

2017.04.10

英数字, 英字

青春映画の続編なんてある意味タブーでしょう。90年代ポップ・カルチャーの代名詞で社会現象まで引き起こした映画『トレインスポッティング』。その続編が20年の時を経て帰ってくる! 主演のユアン・マクレガーをはじめ、監督のダニー・ボイル、脚本のジョン・ホッジとオリジナルのスタッフ&キャストが再集結!公式サイトからの引用です。続編も続編、出演者4人がそのまんま20年後...

ムーンライト

2017.04.05

ま行,

すべての意味で踏み込みが足りなく中途半端言うまでもなく、 今年2017年のアカデミー賞作品賞受賞作です。公式サイトによりますと、戯曲「In Moonlight Black Boys Look Blue(月の光の下で、美しいブルーに輝く)」が原案となっているらしく、タイトルはそこから取られているんですね。また、製作はブラッド・ピットのプランBエンターテインメント...

未来よ こんにちは

2017.04.03

ま行,

ナタリーは監督自身の反映であり、その未来への迷いかもしれない昨年2016年のベルリン金熊監督賞受賞作です。ミア・ハンセン=ラブ監督の映画は、このブログには「EDEN」しか書いていませんが、デビュー作以外はすべて見ています。エリック・ロメールの後継者などという枕詞がつくくらい評価は高い監督です。シナリオも、「EDEN」が兄であるスヴェン・ハンセン=ラヴさんの D...

モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由

2017.03.28

ま行,

大人のリアルな愛憎劇、決してベティ・ブルーではない(笑)『ベティ・ブルー 愛と激情の日々』から30年…は、宣伝文句とはいえ余計ですね(笑)。映画の製作者にそんな意識はまるでないでしょうから、日本の宣伝関係者によほど「ベティ・ブルー」を好きな人がいるのでしょう。まあ、私も好きですし、これまで見た中からお勧めを1本をと言われたら、あるいは「ベティ・ブルー」をあげる...