この映画に、切ないだの、哀しいだの、秘密だの、愛だの恋だのは、ほぼ「ぼくのエリ」を意識した宣伝コピー。 映画っていうのは、本当に「宣伝」が重要ですね(笑)。どの言葉に引っかかったのか、何に惹きつけられたかはもう忘れてしまっていますが、上映作品の一覧を見ていて、ふっと目が止まり、調べてみますと、すでに近場の劇場での上映は終わっており、遙か地の果て(スミマセン...
アメリカ西部の風景ののんびり感と起きる事件の凶悪殺伐さのギャップが面白い ケヴィン・ベーコンさん、ミスティック・リバー以来かもしれません。最近は監督業にも手を伸ばしているようで、この映画では、主役だけではなく、エグゼクティブ・プロデューサーとしてもクレジットされています。俳優としての役回りは、公式サイトにはコロラド州とありますが、どこまでも真っ直ぐな道路が走って...
あまりに唐突なラストで映画の内容が飛んでしまっています。無名か、それに近い俳優で撮るべきだと思います。 さほどいい映画だと感じたわけでもないのに、なぜか気になって、それ以後、時に、その映画を思い出し、他の映画を語る例えに出してしまう映画、ミシェル・フランコ監督の前作「父の秘密」がそれです。その「父の秘密」(2012年)が、カンヌの「ある視点」でグランプリ、そして、...
考え過ぎであればいいのですが、何だか上から目線で差別意識を感じます。そんな映画じゃない? いくら何でも「神様メール」はないよな、などと憤慨(笑)しながらググってみましたら、邦題を考えた配給でしょうか、宣伝プロデューサーのインタビューがヒットしました。まあ、人のセンスをどうこう言っても始まりませんが、ずれているのは間違いないですね(笑)。それに、そもそも媚びタイト...
真ん中辺りで一気にテイストを変えようとした洒落た真似(笑)に大いに期待するが、その後ややもの足らず タイトルもよく分からないですし、特に興味があったわけでもないのですが、何となく見に行きました。知っている俳優さんは濱田岳さんくらいで、その印象もゆるい系、癒し系といったところですので、ああ、こういうコミカルなほんわか系の映画なのねと、中学生の告りドラマを見るような...
「暴力」が「乱暴」を超えられず、血の生臭さも折れた歯の痛みも感じられず。 真利子哲也監督を知ったのは、「NINIFUNI」ですが、今自分のレビューを読み返してみますとまず何をおいても重要なのは、何を撮ろうとしているのかという明確な意志でしょう。テーマとかそういうことではなく、もっと直接的な、この人間の熱が撮りたいとか、この風景の凶暴さが撮りたいとか、そういった意味...
言葉のないところに叙情的風情が生まれる。2025年、現実の世界は「世界」になる。 ジャ・ジャンクー監督が帰ってきた! そんな感じのする映画です。前作「罪の手ざわり」のレビューを読み返してみますと、ジャ・ジャンクー監督の何かが変わっていく過渡期ではないかなどと書いていますが、結局「青の稲妻」や「世界」に戻ったのでしょう。ただ、当然十年余という時間は、人も、そして国...
タイのさわやか青春映画を見て、リフレッシュしてみてはいかが? タイのさわやか映画です。タイ映画と聞いて、思いつくものは何でしょうね? マッハ!? ブンミおじさん?私は、「風の前奏曲」「レター 僕を忘れないで」、他に、アクションものを何か見た記憶はありますがタイトルは思い出せません。「ブンミおじさんの森」も見ましたが、これは過去見た中で最も眠かった映画です。ですの...
こういう映画が楽しめないと映画ファンとはいえないのかも…。とは言っても何が面白いのやら…。 書き始めてはみたものの、何か書けるほど、いや、書いていいほど、ちゃんと見ていません。と言いますのは、花粉症と言っていいのか、鼻炎と言うべきなのか、毎年梅雨入りあたりまで、くしゃみや鼻づまりに悩まされ、その日、あまりの酷さに薬を飲んで映画館へ出掛けました。あいにく前日にネット...
この邦題が意図的な釣りだとしたら、参りました! 意図なしのマジだとしたら、出直してらっしゃい! 孤独のススメ!? 孤独なんて、まるでテーマと関係ないじゃん!まさか、人間皆孤独という、しょうもない意味で使っているわけでもないでしょうし、フレッドがテオを受け入れるのは孤独で寂しいからではないでしょう。ん? この邦題、釣りか?確かに、「孤独」好きの日本人(笑)には受...
俳優2人の演技はともかく、30代の夫婦に起きたことを70代の老夫婦が演っているような違和感を感じます 昨年のベルリンで女優賞と男優賞を受賞しています。俳優の名前を記憶するのが苦手な方ですので、シャーロット・ランプリングさんと名前を聞いても映画が浮かんできません。ググってみましたら、ああ「リスボンに誘われて」でライムントが訪ねて行くアマデウの妹役の俳優さん! それに...
分離壁の非人道性はともかく、映画としては、全体としてやや中途半端な感じ、政治的にも 日本で暮らす者には最も実感しにくい世界なのかもしれません。パレスチナ。今では、中東に関する日本の報道は、シリア内戦やイスラム国主体に移っていますので、自ら知ろうとしてそれなりの努力をしないかぎり、今何が起きているのかほとんどわからないのが実情です。ただこの映画は、そうした政治的...
映画としての見どころは、樹海のシーンではなく、アーサーとジョーンの言い争いの場面かもしれない ガス・ヴァン・サント監督、さほど見ている方ではありませんが、「死」を見つめた映画が多いように感じます。この映画も、そのものずばりで、アメリカ人のアーサー(マシュー・マコノヒー)が、わざわざ死に場所を求めて日本の青木ヶ原までやってくるという話です。アーサーは「the pe...
確かに、この自由さは息苦しく、自らを閉じ込め、傷つけることでしか存在を確認できないということか… あるいは、若いころに1本や2本は見ているのかもしれませんが、監督、あるいは脚本 足立正生の名前で思い浮かぶものはありません。やはり、浮かぶのは「日本赤軍」としての足立正生さんでしょうか。「幽閉者 テロリスト」、見ていませんので、早速 DVD を借りてみようと思います...
見るべきものはなにもなし。 映画は、一年に100本ほど見ます。300本、400本なんて人もいるようですので、一般的には多い方としても、映画好きからすると、まだまだというところでしょう。100本見て、唸るほどいい映画は数本、逆に、とにかく早く終わって欲しい、劇場から早く出たいと思う映画は、まあ1,2本というところでしょうか。何をもったいぶった言い方をしているのかと...
まるで中身のないダイジェスト版のような映画。作り手に見たいもの、知りたいものがない映画はつらい。 今年のアカデミー賞、作品賞と脚本賞受賞作品です。そのせいだと思いますが、2,3日前の昼間に出掛けた時は、映画館の外にまで列ができていました。さすがに怯み、鑑賞をあきらめてすごすごと帰ったのでした。で、昨日あらためて夜に見に行きました。昼間とは全く客層が変わり、ほと...
毎食ワインとパンとサラダのような、考えてみれば結構シュールな、美しき構図の映画でした。 最近は、リバイバル上映やデジタルリマスター版の上映が結構多くなっていますね。あまり客の入らない映画の買い付けが難しくなっているのか、観客の二分化が進んでいるのか、何が起きているんでしょう?この「放浪の画家ピロスマニ」も、ギオルギ・シェンゲラヤ監督1969年の作品です。映画.c...
ワンシーンごとには監督の才能を感じますが、長編としては単調で起伏が足らず、トミー谷は丸? 名古屋には二番館(今はこういう言い方はしないかも?)が二館あります。キノシタホールと三越映画劇場です。そのひとつキノシタホールへ初めて行きました。きれいなホールです。映画は「リザとキツネと恋する死者たち」、映画案内サイトを見ていて、ふっと目が止まり、何やら面白そうだと感じ、...
魔法少女ユキコは、男たちの欲望を一身に受け止め、ソウルジェムは濁りきり、やがてメンヘラ魔女と化す これだけ作り手の才能が感じられる映画はめずらしいです。もちろん、その中心はカルロス・ベルムト監督でしょう。物語は、父が娘を思うヒューマンストーリーであり、何が起きるかわからないミステリーであり、また、そのテイストは、サスペンスであり、ブラックなコメディであり、ダークな...
脚本の基本線はいいと思いますが、映画的には「考え落ち」で、ややつらいです 竹馬靖具監督の名前は知らなかったのですが、「真利子哲也と共に映画『NINIFUNI』の脚本を執筆(ウィキペディア)」と真利子哲也監督の名前があったことと田中泯さんが出演していることで見に行きました。んー、観念的ですね。こういう映画は嫌いじゃないですが、ちょっと中心がない感じで残念です。...