綾瀬はるかさんのうまさが光る映画ですかね原作は、 吉田秋生さんって方の漫画なんですね。そんなことも知らずに、そういえばカンヌのコンペティションに出品されたなあと思い借りてみました。パルムドールが「ディーパンの闘い」の年で、「ティエリー・トグルドーの憂鬱」「五日物語 3つの王国と3人の女」「キャロル」「黒衣の刺客」「山河ノスタルジア」「モン・ロワ 愛を巡るそれぞ...
イザベル・ユペール自身がポスト・フェミニズムと語る、俳優が監督を越えた映画。自由な女性の映画です。おそらくそれは、ミシェルを演じたのがイザベル・ユペールであったがためにそうなったのであり、あるいは、ポール・バーホーベン(ポール・ヴァーホーベン)監督にとっては(うれしい?)誤算であったのかも知れません。「犯人よりも危険なのは、彼女だった」というコピー、そうし...
人生相談の母親の台詞が本音なら傑作、でもおおむね駄作マルコ・ベロッキオ監督、77歳、一体どうしてしまったの!?というくらいの駄作です。ここリード部分に結論を書くことはあまりないのですが、この映画、語ることがほとんどありません。と、公式サイトを見てみましたら、原作があるんですね。それも大ベストセラーとあります。それが本当なら、マルコ・ベロッキオ監督が原作を理解し...
演出意図が裏目か?俳優の存在感が足りず監督:越川道夫、主演:満島ひかりで見に行ったのですが、『死の棘』の島尾敏雄さんと妻島尾ミホさんの話だったんですね。知りませんでした。映画タイトルと同名の原作があるとのことですが、『死の棘』共々読んでおらず、小栗康平監督「死の棘」しか知りません。越川道夫監督は、長くプロデューサーをされており、前作の「アレノ」が初監督作品とい...
寓話的趣きのあるシンプルで過剰さのないいい映画でした監督のイシアル・ボジャインさん、この映画で初めて知りましたが、スペインではかなり名の通った方のようです。脚本のポール・ラバーティさんは、ケン・ローチ監督の映画で名前を見る程度には知っている方ですが、あらためて IMDbを見てみましたら、1996年の「カルラの歌」以降「私は、ダニエル・ブレイク」まで、ほぼ全てとい...
窪塚洋介×降谷建志は面白く、端役でも柳英里紗は高評価窪塚洋介さんは魅力的な俳優ですね。やや影のある危なさでしょうか。ただ、結構見ている割には、印象に残っている映画は未だに「ピンポン」あたりか、TVドラマでいえば「池袋ウエストゲートパーク」、最近見た「沈黙‐サイレンス‐」のキチジローは、うまく使ってもらっていないからなんですが全く良いところがなかったです。地の...
全裸パーティーの意味するもの、そしてラストカット「ジャック・ニコルソンが自ら名乗りを上げ、ハリウッド・リメイクが決定!!」というドイツ映画なんですが、この映画をハリウッドでやってどうしようというのでしょう?もう少しスッキリしたコメディタッチの親子ものにはなるんでしょうが、むしろそんなネタならハリウッドにはゴロゴロしているような気がします。むしろそうしたありふれ...
仲代達矢さんありきの映画なんですが、リアであるべきであったかどうか…日本国内よりも世界で評価の高い、その多くはヨーロッパなんですが、映画祭で受賞したり特集が組まれたりする映画監督がいます。小林政広監督もそのひとりです。ウィキペディア本作で長編16作目、詳しく調べたわけではありませんが、多分すべて自主制作的な作り方で撮っており、大手の映画会社からは独立しているので...
おとなの事情(原題は"赤の他人")と言いながら、映画の中で起きることは子どもの行いシチュエーション・コメディのジャンルかと思いますが、ただ見ようによってはかなりシリアスで、身に覚えのある人は笑ってはいられないかも知れません(笑)。いや、逆かな?たとえば夫婦で、あるいはカップルでこの映画を見に行ったとすれば、こりゃやばいと思い当たる人は大笑い...
悪の凡庸さ、あるいはミルグラム効果は日々起きている邦題にヒトラーやナチスとつけて(多分)注目度を高めようとするのは日本の映画界の常套手段だと思いますが、最近ではアイヒマンもよく見かけるようになりました。この映画の邦題「アイヒマンの後継者」は、ひねりすぎていて分かりにくいのですが、多分、誰もが「アイヒマン」になり得るという意味なんでしょう。1961年、イェール大...
ロケ地は桑名の六華苑か?タイトルや宣伝イメージ(下の画像)を見ても好奇心をそそられることもなくスルーしていたのですが、ふと監督名に目がいき、あららパク・チャヌク監督なら見ておかなくちゃということで見てきました。この監督、結構見ているように思うのですが、「オールド・ボーイ」しか思い出せなく、ウィキを見てみましたら、ああそうだそうだ、「親切なクムジャ...
難民の死体のシーンは監督の葛藤の結果のようですジャンフランコ・ロッシ監督、ドキュメンタリーでありながら(というのも変ですが…)、2013年の「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」がヴェネチアで金獅子、この「海は燃えている」が昨年2016年のベルリンで金熊、快挙そのものでしょう。監督がドキュメンタリーというものをどう考えているか、記者会見でこんなことを語っています。...
さすがにこの邦題はまずいでしょう、ミスリードし混乱させます。これは邦題への風当たり強いよなあと、まずは見終えてのの感想(笑)。宣伝担当者は何を考えたんでしょうね? 散文系のタイトルが流行っているから? ラブストーリーのほうが客が入る(かどうかは知らない)から? 感傷的な言葉で高齢者を釣ろうとした?原文は、If it's rainy, You won't see...
クリスティアン・ムンジウ監督、カンヌ監督賞も納得2007年、「4ヶ月、3週と2日」がカンヌでパルムドール、2012年、「汚れなき祈り」がカンヌで脚本賞と女優賞、そしてこの「エリザのために」が昨年2016年の監督賞を受賞というカンヌ三連勝*1のクリスティアン・ムンジウ監督です。特に「4ヶ月、3週と2日」はかなりインパクトを感じた映画で、冒頭二人の女性(大学生だった...
ニコール・キッドマンのニコール・キッドマンための映画ヴェルナー・ヘルツォーク監督、もちろん名前は知っていますし、2,3映画のタイトルも浮かびますが、残念ながら見ていません。これを機会に「アギーレ/神の怒り」「フィッツカラルド」くらいはみてみようと思いますが、どんな映画を撮る人なんでしょう?で、この映画が描いているガートルード・ベルさん、あまり詳しくはありませんが...
アウシュビッツ裁判につづくフリッツ・バウアーの前日譚われわれ日本人って「日本の戦争」よりもナチスやヒトラーのことの方をよく知っているのではないかというくらいナチス関連の映画がよく公開されます。私も結構見ますが、何とも奇妙な状態です。ヒトラー本人を扱った映画、ホロコーストにかかわる悲劇的な映画などなどいろいろありますが、この映画は、終戦後のドイツでナチス残党を追...
美しくも不可解な映像の連続、フランス発SF(?)ホラーこれからこの映画を見ようと思われる方は、どんな内容かを知ってから見るべきだと思います。さもないと、???で終わってしまいます。 映画自体は謎ばかりなんですが、謎解き映画ではありませんので、物語を知って見たからといって失うものはありません。むしろ、どういうこと? などと考えなくてもよい分、細部に目がゆき、見落と...
夜景や暗い室内の撮り方が美しいですね監督の半野喜弘さんは、「ホウ・シャオシェン、ジャ・ジャンクー…映画界の名匠たちを魅了してきた音楽家」と紹介されています。よく知りませんでしたが、確かに最近の映画では「山河ノスタルジア」にもクレジットされており、第52回金馬奨音楽賞ノミネートとあります。音楽としてはほとんど記憶していませんが、逆に言えば、それは劇伴という意味では...
何をやろうとしたのかよく分からない、始めてはみたものの手に余ったって感じ。ファンタジーものはあまり見ないのですが、「ゴモラ」のマッテオ・ガローネ監督の映画ということで…、と言いながら、実は「ゴモラ」の印象もあまりないのに、一体何が気になったのしょう?原作となっているのは、17世紀にイタリアのジャンバティスタ・バジーレという人が書いた「ペンタメローネ」という民話...
老いてもなお青春、友人の妻を思い、年若き女性に好かれたい願望詩人で、翻訳や映画評論もされている福間健二さんの最新作、本人の詩集「秋の理由」が原作とのことです。福間健二さんの名前を知ったのは、佐藤泰志さんつながりだったように記憶しています。映画も初めてですし、詩も読んだことがありません。こちらが原作とされている詩ですね。映画「秋の理由」公式サイト/原作これが...