映画 第二次大戦時の日米が描かれていますが、偏見もなく、バランスの取れた優しい映画です。 日本人から見れば、広島、原爆、ジャップが気になってしまう映画ですが、基本は少年ペッパーの交流と成長物語でしょう。それに、原爆投下の善悪については、ごく一般的なアメリカ人の認識そのものなのだと思います。監督は、メキシコ人のアレハンドロ・モンテベルデさんという方で、1977年生...
再見。一枚一枚考え抜いて撮られたカットを丹念に積み上げた映画だからこそ持ち得る情感があります。 アスファルト [DVD] 出版社/メーカー: ポニーキャニオン 発売日: 2017/05/17 メディア: DVD この商品を含むブログ (2件) を見るあまりの素晴らしさに、知らぬ間に再び劇場に足が向いていました(笑)。「アスファ...
人生あれやこれやいろいろあってもまだまだ捨てたものじゃないと気持ちが和らぎます いやあー、今年のベストでしょう!!おしゃれですし、シュールですし、切ないですし、ナンセンスですし、笑えますし、ほっこりしますし、映画として冴えていますし、完璧でしょう!ですが、観客は私を含め3人でした(涙)。団地の故障中のエレベーター。修理代を負担しない代わりにエレベーター...
面白い題材なのに、実話ベースであることと、その内容の奇妙さ異様さにおんぶしすぎている これは宣伝が大成功の映画ですね。プロデューサー アルモドバルに、この予告編(いきなり音が出ます)、そりゃ誰もがぶっ飛んだ映画に違いないとむちゃくちゃ期待しますわね(笑)。まあ、これが実話って言うんですから、確かに、ぶっ飛んでいるといえばぶっ飛んでいるのですが、話の内容はぶっ飛...
全編、オルガ・キュリレンコの魅力とエンニオ・モリコーネの叙情的旋律を楽しむ映画 ジュゼッペ・トルナトーレ監督、結構見ていますね。「ニュー・シネマ・パラダイス」は DVDを含めれば何度も見ていますし、意外と好きなのは「マレーナ」で、シチリア島ののんびり感(知らないけれど)とモニカ・ベルッチの悩殺ボデーのアンバランス感といいますか、逆に不思議なおさまり感といいますか...
オダギリジョーと蒼井優、この湿っぽすぎる男女は佐藤泰志ではなく、高田亮のもの(多分) こんな男女の話でしたっけ?佐藤泰志さんの作品は、発表されているもの全てを読んでいますが、かなり記憶が薄らいでいるようで、こんな話だったかなあ…というのが映画の印象です。職業訓練校の男たちの人間関係と整理がつかない妻との関係が中心で、特別男女関係が際立っていなかったように記憶して...
大人の恋愛映画というより、むしろ壊れることを恐れない若さあふれる男と女たちの恋愛映画 このしょうもない話(笑)をこれだけの映画にするってのは本物の巨匠です。マジでです。尾ひれがくどいことを除けば、まったくもってうまいですし、まったくもって面白いですし、現実と夢と妄想を見事に違和感なく融合させて、男と女 Un homme et une femme のありえそうであ...
後半、一転して、え?何起きるの?と、ハラハラドキドキ感が面白い。 何だよ、このハラハラドキドキ感は!? って言うくらい、退屈な前半(スマソ)から一転、後半のサスペンスタッチが面白い映画でした。前半は、邦題の「映画よ、さようなら」の通り、資金難で閉鎖せざるを得なくなったシネマテークの館長と支配人でしょうか、ホルヘの日々が描かれており、ああこういう映画なのねと思ってい...
78歳とは思えない映画、いや巨匠と言われる78歳だから撮れたのでしょう。 イエジー・スコリモフスキ監督、1938年生まれの78歳です。とても78歳の映画とは思えません。人間、年をとれば枯れるというわけではありませんので、年齢なんて関係ないといえばその通りなんですが、いきなりスマホ(っぽい)映像から始まったり、7,8組でしたか、無関係の人間たちの同時刻11分間の映...
皮肉まじりの人間愛に満ちた大人の映画です。女の秘密の先には男の意外な結末が待っています(笑)。 「ハンナ・アーレントの監督&主演の最新作」これがこの映画のキャッチになっているようです。それだけ「ハンナ・アーレント」が良かったということなのでしょう。確かに、その後、本やネットで「ハンナ・アーレント」の名を目にすることが多くなった印象です。正確に言いますと、今まで読み...
トリビュートアクターのカルロス(エルヴィス)さん、充実した人生だったと思いますよ アルマンド・ポー監督というのは、「BIUTIFUL ビューティフル」「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」で、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督とともに共同脚本にクレジットされている方です。ただ、どちらも3人、または4人の共同監督のひとりです。もともと CM ...
140分ワンカットが売りのひとつだとは思いますが、100分に編集すればもっと良くなったかも… ネタバレになりますが、ストーリーを書きますと、やや訳ありでスペインからベルリンに来て3ヶ月のヴィクトリアは、さみしさを紛らわそうと出掛けたクラブで、4人組の青年たちと出会います。多少の戸惑いを感じながらも、人恋しさゆえか、誘われるままに、4人とともに夜明け前のベルリンをふ...
俳優の自然さ、ていねいな作り、滞るところのない編集、(原案、脚本、監督、編集)是枝裕和ワールドなんでしょう 親子ものも家族ものもあまり好みではない(好き嫌い多すぎ)のですが、是枝監督、一度も劇場で見たこともないのもどうかと思い出掛けました。昨夜、ネット予約した時にはガラガラだったのですが、行ってみれば、100席あまりの劇場が満員です。ああ、木曜日、女性サービスデ...
あまりに唐突なラストで映画の内容が飛んでしまっています。無名か、それに近い俳優で撮るべきだと思います。 さほどいい映画だと感じたわけでもないのに、なぜか気になって、それ以後、時に、その映画を思い出し、他の映画を語る例えに出してしまう映画、ミシェル・フランコ監督の前作「父の秘密」がそれです。その「父の秘密」(2012年)が、カンヌの「ある視点」でグランプリ、そして、...
分離壁の非人道性はともかく、映画としては、全体としてやや中途半端な感じ、政治的にも 日本で暮らす者には最も実感しにくい世界なのかもしれません。パレスチナ。今では、中東に関する日本の報道は、シリア内戦やイスラム国主体に移っていますので、自ら知ろうとしてそれなりの努力をしないかぎり、今何が起きているのかほとんどわからないのが実情です。ただこの映画は、そうした政治的...
やや「ブレードランナー」亜流、でも楽しめないわけではありません。GoogleはいずれROC社になるのかも。 「ブレードランナー」から30数年、なかなか超える作品が生まれないですね。この「オートマタ」も相当影響を受けているようですが、こだわりは、アンドロイド=レプリカント=オートマタを、人型ではあってもかなり機械的なデザインにしているところでしょうか。タイトルをオー...
ジェシー・アイゼンバーグとクリステン・スチュワートがうまくハマっていて面白かったです。 コメディはあまり好きではないのですが、なぜか、ただひたすらおバカな映画は時にハマったりします。タイトルからしてそれ系の「エージェント・ウルトラ(American Ultra)」、見てみましたら、以外にも結構まじめに撮っているふうで、おバカ程度はさほどでもなかったのですが、それ...
いかにもフランス映画らしい、くすっと笑えて楽しく見られる映画です。 この映画を悪く言うことは、もちろんそんなつもりもありませんが(笑)、とても困難です。心に残る映画ではありませんが、気持よく見られますし、クスッと笑える、とてもいい映画です。「フランスで100万人を動員したロングランヒット作!」だそうです。確かに、実際のフランスは旅行者としてしか知りませんが、映画...
3つの回想はともかく、ラストシーンは監督に自伝的な後悔の意識でもあるのかな…と思わせるわがままな映画でした 2016年最初の映画は、2、3日前に見たアルノー・デプレシャン監督の「あの頃エッフェル塔の下で」です。アルノー・デプレシャン監督の映画は、「クリスマス・ストーリー」「ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して」を見た記憶では、こういう映画だ!というはっきりした印象...
いわゆる男と女も、官能も、愛も、欲望も感じないけれど、山田真歩の生きてる感じが伝わってくる 原作「テレーズ・ラカン」としてみれば物足りなさも感じますが、その設定をかりて、あるひとりの(現代)女性のとらえどころのない「生(存在)」そのものを描こうとしたと考えれば、結構いい感じだったと思います。考えてみれば、いまどき「テレーズ・ラカン」を真正面から攻めたところで二時...