事実をもとにしているというのならもう少し真剣に向き合ってください… このところネット上で河合優実さんの名前を目にすることが多くなっています。私の場合、ふっと目がいくのは、山中瑶子監督が今年のカンヌ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞した「ナミビアの砂漠」の主演俳優という記事です。山中瑤子監督のデビュー作「あみこ」のレビューには「こういう才能が継続的に映画...
「No.10」はアレックス・ファン・ヴァーメルダム監督自身の10作目という意味らしい… オランダのマルク・ファン・ヴァーメルダム監督の2021年の映画です。初めて目にする名前ですが、2013年に「ボーグマン」という映画でカンヌのコンペティションに選出されたことがあるようです。オランダの映画監督といいますと、「エル ELLE」や「ベネデッタ」のポール・バーホ...
わたくしどもは〇〇です。という〇〇の日常です。 監督の富名哲也さんという名は初めて目にしますが、紹介文に「ベネチア国際映画祭が新鋭監督を支援するプロジェクトBiennale College Cinema 2018-2019インターナショナル部門9作品のうち日本から唯一選出」されたとあり、それがどういうものかわからないにしても、俳優も知名度の高い人たちばかり...
本編とは異質なルース・ハンドラーとのダイアログがグレタ・ガーウィグ監督の本音か… グレタ・ガーウィグ監督ですので興味はあったんですが、なんとなく見そびれてしまいDVD視聴になりました。それにしても大胆な映画を撮ったものですね。フェミニズム的にはどっちからも批判されそうな映画です。バービー / 監督:グレタ・ガーウィググレタ...
心理劇を期待するも、コメディ? ホラー? スリラー? わかんない… 「ハード・コア」以来の山下敦弘監督です。最近は山下監督の名前をみてもそそられる映画がなく、この「告白 コンフェッション」もほぼそんな感じではありますが、ヤン・イクチュンさんが出ているということで見てみました。告白 コンフェッション / 監督:山下敦弘コメデ...
「レ・ミゼラブル」ほどのリアリティもダイナミズムも感じられず… ラジ・リ監督の長編2作目「バティモン5」です。前作「レ・ミゼラブル」のレビューには「これだけのリアリティを持ちながら、これだけのダイナミズムが感じられる映画を久しぶりに見ました」と書いています。バティモン5 望まれざる者 / 監督:ラジ・リ同じ監督の映画とは思...
感じさせるだけの情感もなく、考えさせるだけのわかりやすさもなく… 何度見せられたかわからない予告編以上のものはあるのか? と思うくらい印象深い予告編、そして音楽という映画です。アウシュビッツを描いた映画は数え切れないほどありますが、まだこうした切り口があったかと期待は高まります。関心領域 / 監督:ジョナサン・グレイザー感...
当然ですが、ジョージ・ブッシュは出てきません。でも、メルケルは出てきます… 2022年のベルリン国際映画祭で主演俳優賞と脚本賞の銀熊賞を受賞している映画です。監督は「グンダーマン 優しき裏切り者の歌」のアンドレアス・ドレーゼン監督です。ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ / 監督:アンドレアス・ドレーゼンタイ...
ゼロ・トレランス教育への視点のないあざといサスペンス映画… 今年2024年のアカデミー賞国際長編映画賞に「関心領域」や「PERFECT DAYS」とともにノミネートされた映画です。また、2023年のドイツ映画賞では最優秀長編映画賞や監督賞、脚本賞を受賞しています。映画としての評価は高いということです。たしかにサスペンスものとしてはとてもうまくできて...
原作の散漫さがうまくまとめられているが、問題点の解決には至らず… 吉田修一著『湖の女たち』の映画化です。吉田修一さん原作の映画はほとんど見ていますが、どの映画もあまり出来がよくありません(ゴメン…)。その多くは実績ある監督によるものなのに不思議ですね。この「湖の女たち」の監督は、2013年の「さよなら渓谷」以来の吉田修一作品映画化2作目となる大森立嗣監督で...
良くも悪くも「頑張る石原さとみ」を見る映画… 石原さとみさんが吉田恵輔監督に監督の映画に出たい(という意味だと思う…)と直談判して生まれたというこの「ミッシング」、吉田監督のオリジナル脚本ですので石原さとみさん当て書きの映画なんだろうと思います。ミッシング / 監督:𠮷田恵輔(吉田恵輔)「頑張る石原さとみ」という俳優…...
エンディングにこだわりすぎてどつぼ、それがなければ深い映画になったのに… なにかいやーな感じがして「胸騒ぎ」はするけれどもあまり相手のことを気遣って我慢しているとこうなるよってことみたいです(笑)。胸騒ぎ / 監督:クリスチャン・タフドルップ悪にストーリーがないとつまらない…ホラーのジャンルかとは思いますが、怖い思...
悲運な男の逃避行妄想ものだったりして… 日本語には「ガンをつける」という言葉があり、それによって喧嘩になったり、ときに死人が出たりすることもあるわけですが、この映画のヴィンセントの眼は結構やさしいですし、決してガンを飛ばしたりはしていません。でも、なぜか襲われちゃうんですね(笑)。またヴィンセントは襲われる / 監督:ステファン・...
松居大悟監督、「衝動」の見上愛さん、そして前田敦子さん、3つ揃いましたので… 「君が君で君だ」の松居大悟監督、「衝動」を見て記憶している見上愛さん、そして今や名前をみたら見ようと思う(笑)前田敦子さん、興味深い名前が3つ揃いましたので見てみましたら…不死身ラヴァーズ / 監督:松居大悟マンガでした(笑)…とにかく、...
やり過ぎたらバランスが壊れてしまった… 濱口竜介監督の「悪は存在しない」、昨年2023年のヴェネチア国際映画祭で審査員グランプリの銀獅子賞を受賞している映画です。悪は存在しない / 監督:濱口竜介やり過ぎたらバランスが壊れる…「やり過ぎたらバランスが壊れる」映画の中で巧(大美賀均)がグランピング開発業者につ...
基本スタンスは中国共産党のプロパガンダだが、日本軍の描き方の変化に驚く… トニー・レオンさん、えらく久しぶりに見ました。「ラスト、コーション」まで遡りますので、17年ぶりです。あ、いや「グランド・マスター」を見ていました。映画がひどかったのですっかり忘れていました(ゴメン…)。無名 / 監督:チェン・アル中国共産党のプロパ...
どう考えても理不尽なことなのに、それをスクリーンで見ているだけの居心地の悪さ… 「ソハの地下水道」「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」のアグニエシュカ・ホランド監督です。前作の「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」では、ホロドモールというスターリン時代のソ連邦によるウクライナの人為的な飢餓を知りました。そして、この「人間の境界(Green Border)」で...
ヒーリング映画、サウンドスケープ、再び会うことのない出会い… 「ゴースト・トロピック」と同時公開されているバス・ドゥヴォス監督の2023年の「here」です。昨年のベルリン国際映画祭エンカウンターズ部門で最優秀作品賞と国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI賞)を受賞しています。エンカウンター部門というのは2020年から始まった部門で、ウィキペディアには「イ...
ダルデンヌ兄弟の国のもうひとつの移民の顔… ベルギーのバス・ドゥヴォス監督の2019年の映画です。もう一作、2023年の「Here」と同時公開されています。2014年の長編デビュー作「Violet」以来、長編4作がいずれもがベルリンやカンヌの映画祭で上映されるという注目の監督です。ゴースト・トロピック / 監督:バス・ドゥヴォス...
連れ去りはともかく、0歳からのユダヤ教も6歳からのキリスト教もどちらも強制的… マルコ・ベロッキオ監督、現在84歳です。60年のキャリアがある監督ですが、日本でよく知られるようになったのは2000年以降じゃないでしょうか。私が見ているのも2003年の「夜よ、こんにちは」や2009年の「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」からです。...