ダルデンヌ兄弟監督がドキュメンタリ作家の原点に帰ったような劇映画 1999年の「ロゼッタ」以降すべて見てきているジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督です。このサイト内では新しい方から「その手に触れるまで」「午後8時の訪問者」「サンドラの週末」「少年と自転車」について書いています。という、ほぼすべてのドラマ作品を見てきた中でもこの「トリとロ...
伊澤彩織さんのアクションはすごい、高石あかりさんの俳優力に期待… 一作目の「ベイビーわるきゅーれ」が面白いとの評判を聞いていたのですが、あいにくタイミングが合わず見損なっています。ということで二作目が初見ということになり、概ね続編というのは失敗作が多いですのでちょっと心配(笑)。ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー / 監督:阪元裕吾...
もったいない。90分の長大な予告編のよう… 唐田えりかさんだからということでポチッと(劇場予約を…)した映画です。「未完成映画予告編大賞」受賞作だったようです。予告編を作って応募し、受賞しますと本編の制作費が出るというコンテストです。それは予告編じゃなくてあらすじの映像版じゃないの、というのは突っ込みどころじゃなかったですね(笑)。このコンテストか...
基本的テーマの重要性とは不釣り合いな雑なつくりの映画… 介護士の殺人という内容が内容なだけに、それにその介護士を演じるのが松山ケンイチさんですので見るのが怖くなります。2012年の日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作の葉真中顕著『ロスト・ケア』が原作です。ロストケア / 監督:前田哲挑発する犯人、興奮する検察官これは映画...
ペネロペ・クルスの映画監督役がはまっていてびっくり! ペネロペが天才映画監督? マジですか?! 最も似合わない役じゃないですか…。と思って見てみましたら、とんでもない! ペネロペ・クルスさんの俳優力を見損なっていました(ペコリ)。コンペティション / 監督:ガストン・ドゥプラット & マリアノ・コーンおふざけ...
観念的な父子関係のまま人生は続くと言われても… 2021年のアカデミー賞でアンソニー・ホプキンスさんが主演男優賞を受賞した「ファーザー」のフロリアン・ゼレール監督の最新作です。ゼレール監督自身も脚色賞を受賞しています。その前作が「The Father」で、この映画が「The Son」です。日本の公式サイトに家族三部作とありますので、次は The M...
チャニング・テイタムとKylie Sheaのデュエットは見応えあるが… 久しぶりのスティーヴン・ソダーバーグ監督です。「コンテイジョン」以来ですので12年ぶりに見ました。ですので、この「マジック・マイク」がシリーズものであり、また、この映画が三作目であることも今回知ったわけです。過去二作ともに興行成績もかなりよく人気シリーズみたいです。...
事件そのものの問題点に迫ることなく弁護側の主張に基づく映画 Winny? と、すぐにはあのファイル共有ソフトには結びつかず、逆に何だろうと目を引き、さらに監督松本優作の名に記憶があり、サイト内を検索してみましたら「ぜんぶ、ボクのせい」の監督でした。実は、この「ぜんぶ、ボクのせい」という映画、リンク先のレビューに「日本映画界の失われた30年」とまでかなり辛辣...
史実のつまみ食いとベタなラブストーリー エッフェル塔が人の名前からとられたもの程度のことは知っていましたが、こんな悲しいラブストーリーがあったなんて…って、作り話に決まってますやん(笑)。まあ「ニューヨークの巴里夫」以来のロマン・デュリスを見に行ったと思えばいいでしょう。と思いましたら「彼は秘密の女ともだち」も「パパは奮闘中!」も見ていました。...
『世界人権宣言』を読むきっかけにはなるかも… クラウディオ・ロッシ・マッシミ監督、初めて目にする監督ですのでプロフィールをちらっと見ましたら1950年生まれとあり、現在72、3歳ということになります。なのに、過去に日本で公開された映画がないようです。ということから興味がわき、イタリア映画でタイトルが「丘の上の本屋さん」であれば、きっとイタリア映画得...
基本は家族もの、低予算を逆手にとったキワモノか… 今年2023年のアカデミー賞に作品賞、監督賞、主演女優賞はじめ10部門11(助演女優賞2人)ノミネートされている映画です。見ようか見まいかと迷って結局見なかった「スイス・アーミー・マン」のダニエル・クワン&ダニエル・シャイナートのダニエルズ監督です。エブリシング・エブリウェ...
ポール・ヴァーホーヴェン監督にレズビアンは描けたか… ポール・ヴァーホーヴェン(ポール・ヴァーホーベン/ポール・バーホーベン)監督による、前作「エル ELLE」に続くポスト・フェミニズム(ELLEについてイザベル・ユペール談)映画です。前作からかなり年数が経っていますが、当初の予定では2019年のカンヌ国際映画祭でプレミア上映だったものが、結局、監...
脚本と監督にレッドカード… 主演の朝比奈彩さんも、監督の雑賀俊朗さんも、名前を見るのも聞くのも初めてという映画です。ボクシング映画という点にひかれて見た、ということでもないのですが、あえて言えばそういうことです。レッドシューズ / 監督:雑賀俊朗いつの時代の映画?思わず製作年を見てしまいました。間違いなく2022年です...
カンヌが映画を忘れた… 昨年2022年のカンヌ国際映画祭のパルムドール受賞作です(ホントに?)。リューベン・オストルンド監督は、前作の「ザ・スクエア 思いやりの聖域」で同じくカンヌのパルムドール、前々作の「フレンチアルプスで起きたこと」で2014年のカンヌ「ある視点」部門の審査員賞を受賞しています。思わず昨年の審査委員が誰かを調べてしまいました。審...
ネタバレレビュー・あらすじ・感想・評価 「1917 命をかけた伝令」のサム・メンデス監督です。その「1917 命をかけた伝令」、リンク先の自分のレビューを読み返してみましたらぼろくそに書いています(ペコリ)。主演は「女王陛下のお気に入り」「ファーザー」のオリヴィア・コールマンさん、劇場で何度も見たこの映画の予告編に「キャリア最高の演技」とあったのが...
ネタバレレビュー・あらすじ・感想・評価 アメリカの高校で起きた銃乱射事件から6年、被害者と加害者の両親が対面で話をするという映画です。監督のフラン・クランツさんは俳優として二十数年のキャリアがある方で、この映画が脚本も含め監督デビュー作ということです。対峙 / 監督:フラン・クランツデビュー作にこの題材…デビュー作にこ...
ネタバレレビュー・あらすじ・感想・評価 「君の名前で僕を呼んで」のルカ・グァダニーノ監督です。出演はその映画にも出ていたティモシー・シャラメさんと「WAVES ウェイブス」のテイラー・ラッセルさんです。ルカ・グァダニーノ監督が昨年2022年のベネチア国際映画祭で銀獅子の最優秀監督賞、そしてテイラー・ラッセルさんが新人俳優賞であるマルチェロ・マストロ...
ネタバレレビュー・あらすじ・感想・評価 パク・チャヌク監督、ずいぶん久しぶりです。「お嬢さん」以来ですから6年ぶりということになります。この「別れる決心」は、昨年2022年のカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞しています。別れる決心 / 監督:パク・チャヌクロマンチックサスペンスくすくす笑いながら見てしまいました。ロ...
ネタバレレビュー・あらすじ・感想・評価 「セッション」しか見ていないデイミアン・チャゼル監督だと思っていましたが、このサイト内を検索しましたら「ファースト・マン」という人類で初めて月に降り立ったニール・アームストロングさんを描いた映画を見ていました。何も記憶しておらずびっくりです(笑)。バビロン / デイミアン・チャゼル「ラ...
ネタバレレビュー・あらすじ・感想・評価 エッセイストの高山真さんという方の自伝的小説『エゴイスト』の映画化です。監督は「ハナレイ・ベイ」の松永大司監督です。エゴイスト / 監督:松永大司高山真さん高山真さんという方に思い入れがあるか、その著作に興味がないと映画としてはちょっとつらいです。ですので、以下レビューらしいこと...