「Business Plot」というスキャンダルが元ネタらしいのだが…新型コロナウイルスの影響が今出てきたのか、メジャー系じゃない実写映画の興行成績が振るわない(と感じるけどどうなんでしょう…)せいなのか、そそられる映画が入ってこなくなっているように感じます。以前ならおそらく見ていなかったこの「アムステルダム」です(ペコリ)。...
DVD・親が親として振る舞うべき規範を失った社会、子どもは無防備に放り出されるもう一年前になりますが、「君は永遠にそいつらより若い」を見て、その構成力に驚いた吉野竜平監督のデビュー作「あかぼし」を見てみました。10年前の作品です。あかぼし / 監督:吉野竜平構成力は確かだが、導入は…DVD鑑賞、それもパソコンのディス...
静謐というべきか、静止画像のような映画は蝶になれるのか前作「コロンバス」に続くコゴナダ監督の長編第二作です。コゴナダ監督は韓国系アメリカ人で、その名は野田高梧という脚本家に因んだものとのことです。野田高梧(のだこうご)さんは、小津安二郎監督の「晩春」以降の脚本のすべてで小津監督と共作となっている方です。「KOGO NODA」からということでしょう。...
言葉を排除しながら言葉に頼る矛盾原作は吉本ばなな『N・P』、監督はベルギーを拠点に活動する映像作家リサ・スピリアールト、内容はサイレント映画。どんな映画なんだろうと、期待は膨らんだのですが…。N・P / 監督:リサ・スピリアールト何をやりたかったのだろう…リサ・スピリアールト監督が、吉本ばななさんの原作を原語...
余命何ヶ月ものだがアプローチは終末期医療という新鮮さいわゆる「余命何ヶ月」ものなんですが、ちょっとアプローチが違った映画でした。監督はエマニュエル・ベルコさん、俳優としては「モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由」など見ていますが、監督作品は初めてです。見る者の集中力を途切れさせないいい映画でした。愛する人に伝える言葉 / 監督:エ...
コロンビア映画、父親の思い出とファミリーストーリーコロンビアのエクトル・アバド・ゴメスさんという「医師、大学教授、ジャーナリスト、人権活動家。コロンビア国立公衆衛生学校の創設者(ウィキペディア)」を描いた映画です。というよりも、そのファミリーの映画といったほうが正確かもしれません。妻と5人の娘たち、そして父親と同じ名前を持った一人息子エクトル・アバド・フ...
万雷の拍手をどうみるか、感動?疑問?気持ち悪い?2020年のカンヌ映画祭のオフィシャルセレクションとして上映された映画です。この年は新型コロナウイルス蔓延のために映画祭が中止となり、全56作品がオフィシャルセレクションとして「カンヌレーベル」のくくりで各地の映画祭で上映されています。この映画はコメディ部門の一作としてアングレーム映画祭で上映されています。...
絶滅収容所を生き延びた実在のポーランド人ボクサーの3年間アウシュヴィッツへ最初に大量輸送された囚人のひとりでありながら戦後まで生き延びたポーランド人ボクサー、タデウシュ・ピエトシコフスキさんの物語です。1991年に74歳で亡くなっています。アウシュヴィッツのチャンピオン / 監督:マチェイ・バルチェフスキタデウシュ・“テ...
ホン・サンス監督だと思ってみないとその良さは感じられないかも…ホン・サンス監督は本当に多作の監督です。この「イントロダクション」が2020年の製作で、同時公開されている「あなたの顔の前に」が2021年製作となっています。ただどちらも66分と85分と短いですし、「あなたの顔の前で」は見ていませんのでおそらくですが、どちらもダイアログでつないだシンプルなつく...
社会風刺も時にブーメランになる昨年2021年のベルリン映画祭の金熊受賞作です。この時、銀熊の審査員グランプリを受賞しているのが濱口竜介監督の「偶然と想像」です。1年前のことなのにコロナ(COVID-19)がどんな状況だったのかすっかり忘れてしまっています。日本は比較的落ち着いていましたが、ヨーロッパは大変な時期だったようでこの年のベルリンはオンラ...
フランスの反ユダヤ主義冤罪事件ドレフュス事件を描くロマン・ポランスキー監督、現在88歳、この「オフィサー・アンド・スパイ」は2019年製作ですから、撮っている時は84、5歳ということになります。2019年のヴェネツィア映画祭で銀獅子の審査員グランプリを受賞しています。1894年にフランスで起きた「ドレフュス事件」という冤罪事件を描いており、わざわ...
妊娠や母性は選択肢であるべきアフガニスタン人(の表記は正確ではないが)によってアフガニスタン国内で2019年に製作された映画です。製作年が重要なのは、アフガニスタンは2021年8月15日にブッシュが始めた20年の戦争を経て再びタリバン政権に戻っているからです。監督のサハラ・カリミさんはタリバンが政権を掌握した直後にカブールを脱出しウクライナに逃れ...
わけがわからなくても見ておくべき映画(だと思うけど…)この監督、天才だわ、と思った映画です。「LETO レト」を見ていますので、この映画の紹介文にそのタイトルを見て何の事前情報も入れずに見に行きましたら、ひっくり返りました(笑)。約2時間半の映画ですが、1時間ほどは、いやもっとかなあ、とにかくまったくついていけず、何をやっているのかさっぱりでした...
レオス・カラックス監督とスパークスによるロックオペラ忘れた頃にやってくるレオス・カラックス監督です。「ポンヌフの恋人」までの三作は好きな映画ですので茶化しているわけではなく、そのアレックス三部作で監督としては燃え尽きたのかなと思っていましたら、8年後に「ポーラX」、次が13年後の「ホーリー・モーターズ」、そしてこの「アネット」が9年後の2021年です。...
レオは認知症の後期、ひとりで置いておける状態ではないと思うが…サリー・ポッター監督が、若年性認知症を患った弟さんを介護した(公式サイト)ことから着想したという映画です。認知症の父親レオを演じているのはハビエル・バルデムさん、そしてその娘モリーをエル・ファニングさんが演じています。選ばなかったみち / 監督:サリー・ポッター...
ナチを欺いた嘘のような本当の話、なのだが…第二次世界大戦中、イギリス諜報部がイタリア侵攻作戦を撹乱するために死体に偽の機密文書を持たせて地中海に流し、それをナチスドイツに回収させ信じさせようとしたという、嘘とも本当ともつかないような本当にあった話の映画です。オペレーション・ミンスミート ーナチを欺いた死体- / 監督:ジョン・マ...
人はひとりでは生きられない、思い出にも生きられない人間とロボットやアンドロイドとの恋愛を描いた映画ってたくさんありそうですが、なかなか思い浮かびません。ググってみましたら「her/世界でひとつの彼女」「エクス・マキナ」、どちらも見ていませんので浮かばないはずです。考えてみれば「ブレードランナー」も、あまり直接的なシーンはありませんが「ブレードランナー20...
これは映画でさえないかも知れない…ミレニアル世代アーティスト「アマリア・ウルマン」さんの映画です。アマリア・ウルマン映画ではないかも知れないこれを映画としてみれば…で、結局なんなのかエル プラネタ / 監督:アマリア・ウルマンアマリア・ウルマンアマリア・ウルマンさん、上の画像の女性ですが、初めて名前を...
父親との確執と自己承認欲求かな…宣伝コピーだとしても、阪本順治監督の言葉として「これを撮らなければ自分は先に進めない」とまで語る映画ですのでかなり強い個人的な思いがあるのでしょう。それゆえでしょう、他人にはとてもわかりにくい映画です。家族間のわだかまり映画か?ネタバレあらすじ主題は父親への自己承認欲求か?弟とア...
脚本,監督,主演のヴァレリー・ルメルシエのパフォーマンスがすごい何を見ようかと映画.comの上映欄を見ていましたら、音楽映画なのに(音楽映画にハズレはないという意味)あまり良い評価もなく、期待せず見に行ったのですが、これ、面白いです。全編音楽がふんだんに使われていますが、音楽映画というよりも、脚本、監督、主演のヴァレリー・ルメルシエさんの何がした...