Love Letter 的叙情性ねらいと韓国映画事情から 内容的にはまったく違いますが、雰囲気的には岩井俊二監督の「Love Letter」や「ラストレター」を想起させるつくりです。手紙を契機にして過去と向き合うことや全編通して叙情で押しまくるところからそう感じます。叙情性で押すには流れが悪いネタバレあらすじフィルム写真ユン...
俳優の重厚さのわりにグッチ一族が薄っぺらくみえる 「アリー スター誕生」のガガさん、よかったです。アダム・ドライバーさんの方は「マリッジ・ストーリー」「パターソン」が印象に残っています。その二人の共演なら見なくちゃいけないでしょう。それにアル・パチーノ、ジャレッド・レト、期待が持てます。俳優のレベルは高いのだが…ネタバレあらすじ「ゴッドフ...
面白くとも一歩間違えば冷笑系 話は面白いですし、宮沢りえさんも窪田正孝さんも他の俳優さんも皆うまいですし、各シーンよくこなれていてとてもよく出来ているのですが、だめなんですよね、こういう映画は…。本気度が問われる俳優の間合いがとてもいいネタバレあらすじ一歩間違えば冷笑系決戦は日曜日 / 監督:坂下雄一郎本気度が...
青春旅立ち映画としてはかなり保守的 音楽映画&青春旅立ち映画という感じです。パキスタンをルーツとするイギリス人のサルフラズ・マンズールの回顧録(自伝?)を原作としており、脚本にも本人が参加しています。ブルース・スプリングスティーンの曲によって人生を一歩踏み出したという映画ですのでブルース・スプリングスティーンの曲がふんだんに使われています。...
父親との確執と自己承認欲求かな… 宣伝コピーだとしても、阪本順治監督の言葉として「これを撮らなければ自分は先に進めない」とまで語る映画ですのでかなり強い個人的な思いがあるのでしょう。それゆえでしょう、他人にはとてもわかりにくい映画です。家族間のわだかまり映画か?ネタバレあらすじ主題は父親への自己承認欲求か?弟とア...
脚本,監督,主演のヴァレリー・ルメルシエのパフォーマンスがすごい 何を見ようかと映画.comの上映欄を見ていましたら、音楽映画なのに(音楽映画にハズレはないという意味)あまり良い評価もなく、期待せず見に行ったのですが、これ、面白いです。全編音楽がふんだんに使われていますが、音楽映画というよりも、脚本、監督、主演のヴァレリー・ルメルシエさんの何がした...
特別を求めない平凡さを描け 2021年最後の映画になりました。一年の最後に見るにはちょっと…という映画です。平凡を映画にすること平凡を平凡な映画にすることロスジェネ、はざま、ゆとり世代特別を求めない平凡さを描け2022年は圧倒的な映画を期待する明け方の若者たち / 監督:松本花奈平凡を映画にすること...
ネタはロスジェネ世代の男の恋愛妄想か? 見始めは(DVDです)、謎解き学園ものみたいな物語かなあと思った映画です。そんなジャンルはないとは思いますが…。階段島という島に閉じ込められた高校生たちの話です。ただ、島の人口は2,000人とか言っていましたので、マジな物語であれば大人たちも物語に参加してこなくてはいけないのですが、登場人物は高校生だけです。...
ある日、父親が女性になると宣言する 11歳と14歳の娘を持つ父親がトランスセクシュアルするデンマークの映画です。LGBTQをテーマにした映画も随分多くなってきましたが、この映画はその当事者である父親に焦点をあてているわけではなく、11歳の娘がそのことをどうとらえ、どう変わっていくかを描こうとしています。その視点自体もこれまであまりなかったのでは...
後味の悪さが現代につながる 焦げ付かないフライパンの代名詞のような「テフロン」ってデュポン社の登録商標なんですよね。以前、フライパンのコーティングが剥げたので再加工は出来ないかと調べていた時に知りました。フッ素を含んだ合成樹脂は耐熱性や耐薬品性に優れていることからフライパンのコーティングに使われているということらしく、そのフッ素樹脂をデュポンはテフロンと呼...
北白川派に時代劇は無理ではないか… 「北白川派」とは「京都造形芸術大学と映画学科が一丸となり、その全機能を駆使しながら、プロと学生が協働で一年をかけ一本の映画を完成させ、劇場公開を目指すプロジェクト(北白川派)」で、私は「嵐電」「のさりの島」と見てきて結構気に入っているんですが、さすがにこれはちょっと…です。主だったスタッフや俳優は、「監督は若...
短編集では面白くはあっても映画にならず、もったいない… 濱口竜介監督はこういうことがやりたいんだなあということがよくわかります。そして、無茶苦茶よく考えられていますし、うまいです。余計なことをひとつ言わせていただきますと、「ドライブ・マイ・カー」も村上春樹氏の短編を短編として何本か集めて映画にすればよかったのにと思います。さらにもうひとつ余計な...
1960年代のロンドンへの郷愁と悪夢の事実 映画を見る際には必ず監督をチェックします。エドガー・ライト監督ってなにか見たことあるかな? と過去の作品一覧を見ましたら、「ワールズ・エンド酔っぱらいが世界を救う!」があり、ああ、あれか、スルーだなと思ったのですが、なにか引っかかるものがあったのでしょう、見てみましたら結構おもしろかったです。いや、おも...
自由に生きることと依存の束縛にまどろむこと ジュリアン・ムーアさんがリメイクを熱望した(らしい)セバスティアン・レリオ監督の「グロリアの青春(Gloria)」のジュリアン・ムーア版「グロリア永遠の青春(Gloria Bell)」です。オリジナルはもう7、8年前の映画ですのであまり細かいところは記憶していませんが、俳優が変わっているだけで物語や展開は...
トレブリンカ強制収容所の記憶の歌 The Song of Names 映画らしい映画と言いますか、ヨーロッパらしい映画です。監督のフランソワ・ジラールさんはカナダの方ですが、原作の「The Song of Names」がイギリスの小説ですし、原作者のノーマン・レブレヒト(Norman Lebrecht)さんはイギリスの作家であり、音楽ジャーナリストでもあります。...
閉じた円環、つくりもの過ぎて多くは伝わってこない 2019年の東京国際映画祭で最優秀女優賞と観客賞を受賞しています。最優秀女優賞って誰が? と思いましたら、マリオン役のナディア・テレスキウィッツさんでした。主だった女性の俳優は3人ですが、特別目立っていたわけではありませんのでいろいろなにかあるのでしょう。サスペンスのジャンルかと思いますが、英題の「Only T...
あるある型映画、傷つく恋愛映画は好まれない 公開時(まだ今年のはじめだったんですね)、菅田将暉さんの映画ということでどんな映画だろうと映画.comを見たときに、かなり評価が高い上にちらっと見たレビューから「リアル」という言葉が飛び込んできたがために記憶に残っており、DVDで見てみました。花束みたいな恋をした / 監督:土井裕泰説明モノローグにびっくり...
サルバトール・ムンディがルーブル・アブダビに展示される日は来るか? 1763年以降行方不明(ウィキペディア)となっていたレオナルド・ダ・ヴィンチの最後の傑作「サルバトール・ムンディ」という絵画が、真偽不明のまま、1175ドル(約13万円)から4億5000万ドル(約510億円)に化けてしまったという話です。その過程に関わった人物たちのインタビューで構成されたドキュメ...
カーワ、覚醒す。乾いた戦争映画のリアル 戦争映画のジャンルに入るんだろうとは思いますが、ちょっと違った感じの映画です。こうした戦争映画で面白いというのもなんですが、とにかくちょっと変わっていて面白い映画です。モスル~ある SWAT 部隊の戦い~ / 監督:マシュー・マイケル・カーナハン映画の背景アメリカ映画だがすべてアラビア語ネタバレあらすじ前半...
ラブホテル舞台の昭和的ホームドラマみたいな映画 2020年11月、ちょうど一年くらい前に公開された映画です。原作は2013年上半期直木賞受賞作、桜木紫乃さんの短編小説集『ホテルローヤル』です。ホテルローヤル / 監督:武正晴原作の評価は高いようだ映画はベタベタネタバレあらすじ廃墟の「ホテルローヤル」雅代、「ホテルローヤル」のオーナーになるミ...