人生に意味はない、なんのために生きるかではなく義務だ… 故郷に埋葬してほしいとの亡き妻の願いを叶えようと、おじいさんと孫娘が棺を担いでトルコからシリアまで旅をする(帰ろうとする…)というトルコ映画です。引用の画像やタイトルの葬送などといった言葉からは重く暗い映画かと思ってしまいますが、そうではありません。どちらかと言えばファンタジーです。それになか...
酪農家が納屋でキャバレーを始めたという嘘のような本当の話、らしい… 酪農家が資金繰りに行き詰まり、一念発起で納屋をキャバレーにして大成功! という嘘のような本当の話を映画にしました! というフランス映画です。ショータイム! / 監督:ジャン=ピエール・アメリス農場の差し押さえの原因は牛のゲップ?エンドロールに、モデ...
大人が考える6歳の子どもの性自認ではないのか… 6歳の子どもの性自認と家族の混乱を描いたスペイン映画です。ミツバチと私 / 監督:エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン大人の考える性自認ではないのか?その子どもアイトール(一般的に男の子につけられる名前らしい…)は身体的性は男の子ですが、その名前で呼ばれることを嫌い、...
カイブツさがわからない… 「ツチヤタカユキ」なるものが実在の人物なのか、誰かが演じているキャラなのか、あるいは創作された実在しないものなのか、そうしたことをなにも知らない上にお笑いにも興味がない私が見に行ってしまいました(笑)。笑いのカイブツ / 監督:滝本憲吾結局、なんだかわからなかった(笑)…結局、ツチヤタカユ...
結局、客の男を描いているだけじゃないのか… 現実の小説家が新作のために2年間娼婦として働き、その実体験を書き綴ったという小説『La Maison』の映画化です。映画がどうこう以前に、その小説家の行為自体が問題にされたり、描かれる性行為のシーンに注目がいったりしますので、映画としては評価が難しい映画です。オートフィクション『...
とらえどころがないけれども、ちょっとケリー・ライカート監督がわかったような気がする… つい先日見た「ファースト・カウ」のケリー・ライカート監督の最新作です。その映画ではライカート監督の高い評価を実感できませんでしたので再挑戦です。「A24の知られざる映画たち」という企画の一本として上映されています。ショーイング・アップ / 監督:...
あいも変わらず「絆」で語ってしまう日本の映画業界か… 1972年に起きた「ウルグアイ空軍機571便遭難事故」の映画化です。空軍機ですが、ラグビーチームがチャーターしていますので、乗っていたのはその選手や家族の一般人40名と乗務員5名です。うち16人が72日間のサバイバルから生還したそうです。雪山の絆 / 監督:J・A・バヨナ...
ヴィム・ヴェンダース監督と役所広司さんでなければ撮れなかったでしょう… 劇場公開日の12月22日の朝刊に見開きで広告が出ていてびっくりしました。PERFECT DAYS / 監督:ヴィム・ヴェンダースマーケティング戦略…新聞の広告はこれです。すごいなあ。配給会社も命運をかけてますね、なんて思っていま...
熱さのない友情、これはアメリカ的価値観の根源的なもの描いているのかもしれない… ケリー・ライカート監督、多分初めて見ます。ウィキペディアには「アメリカのインディペンデント映画作家として最も高い評価を受ける一人とも評される」とあります。んー、確かに、見ているものが違う感じがする映画でした。言い方を変えれば、何を伝えようと思っているのかよくわからない映...
ヨーロッパで売るべき映画だと思いますが… ジョージア(旧グルジア)のキストと呼ばれるチェチェン系ジョージア人の暮らしを追ったドキュメンタリーです。監督は竹岡寛俊さんという方で、ネットにはこの映画以外には情報がないですね。アダミアニ 祈りの谷 / 監督:竹岡寛俊ジョージアとパンキシ渓谷ジョージアは2015年までは日本...
映画は一見凡庸に見えるが、アンチへの配慮や不確かなものを避けたい思いかも… メイミー・ティルという実在の人物を描いた映画です。1955年に14歳の息子エメットが白人男性に暴行(リンチ…)され殺害されたことを契機に公民権運動の活動家となり、また教育者としても様々な活動をされたようです。2003年に81歳で亡くなられています。ティル ...
美食家なる言葉が存在する19世紀のフランス、トラン・アン・ユン監督はなにを描こうとしたのか… トラン・アン・ユン監督、えらく久しぶりです。監督としては2016年の「エタニティ 永遠の花たちへ」以来の7年ぶりです。監督以外では、その間に「第三夫人と髪飾り」の美術監修と「走れロム」の製作にクレジットされています。いずれにしても寡作の監督です。という久し...
ギャスパー・ノエ監督の映画への真面目さを強く感じる感傷なき死の描写… ギャスパー・ノエ監督は、「アレックス」「CLIMAX クライマックス」「ルクス・エテルナ 永遠の光」と見てきた私の中では真面目な監督という位置づけになっています。この映画もこれ以上ない真面目さで人の「死」、最期というものを描いています。おすすめ映画に入れていますが、決して楽しい映...
レナード・バーンスタインの夫婦愛とバイセクシュアル… ブラッドリー・クーパー監督主演によるレナード・バーンスタインの伝記映画です。と言っても映画全体としては音楽面での伝記ではなく、妻フェリシアとの愛憎の伝記ドラマです。音楽面では1ヶ所、1973年にバーンスタインがイギリスのイーリー大聖堂でロンドン交響楽団を指揮して演奏したマーラーの「復活」の一部が...
予告編でうんざりするほど見せられたイチコ、イチコが耳についたのが運のツキ… 上映前(他の映画の…)に流される予告編を幾度も見せられているうちに、イチコ、イチコが耳についてしまい、思わずポチッとしてしまった映画(笑)、というわけでもなく、杉咲花さんと若葉竜也さんの力の入った演技を見てみようということもあります。市子 / 監督:戸田彬...
「明りを灯す人」「馬を放つ」に続く、アクタン・アリム・クバト監督三部作の最終章 キルギスのアクタン・アリム・クバト監督の2022年の最新作です。昨年の東京国際映画祭での上映がワールドプレミアだったようです。ビターズ・エンドが製作に入っているということもあるのでしょう。父は憶えている / 監督:アクタン・アリム・クバト監督変...
中川龍太郎監督、EXILE HIRO企画をウォン・カーウァイ風映像で遊ぶ… 劇場公開日の数日前に中川龍太郎監督の映画ということだけでポチッとしておいたこの映画、見る少し前にどんな映画だろうと公式サイト見てびっくり! 企画プロデュースに EXILE HIRO氏の名前が出ていました。中川龍太郎監督の映画を何本か見てきた者としては、え? どういうこと? ...
よくできた再現ドラマで終わらないために… ドナルド・トランプが大統領に選ばれた選挙(2016年…)にロシアが介入したのではないかという報道は記憶していますが、この映画のような事実があったことは知りませんでした。日本の大手メディア、特に新聞は報道していたのでしょうか。リアリティ / 監督:ティナ・サッターChatGPT にき...
青春とは「普通」を拒否するがゆえにいつの時代もイタイもの… 2001年の映画のリバイバル上映です。といっても、それもよく知らずにポチッとして見てきました(笑)。タイトルにもまったく記憶にありませんし、スカーレット・ヨハンソンを知ったのが2003年の「ロスト・イン・トランスレーション」や「真珠の耳飾りの少女」ですので多分見ていないのでしょう。[toc...
アントワーヌ・レリスさんの著書『ぼくは君たちを憎まないことにした(Vous n’aurez pas ma haine)』の映画化 2015年11月13日に起きたパリ同時多発テロ事件の標的のひとつ、バタクラン劇場で妻を亡くしたアントワーヌ・レリスさんの著書『ぼくは君たちを憎まないことにした(Vous n'aurez pas ma haine, You Wil...